ひょうし 港区障害者差別解消事例集、共に生きる社会をめざして 事業者向け 障害者差別解消法 この法律は、障害のある人への差別を無くすことで、障害のある人もない人も、共に生きる社会を作ることをめざしています。 正式名称は、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」です。 いちページ 障害者差別解消法の対象となる人や分野 対象となる障害者 障害があり、障害や社会における様々な障壁によって継続的に日常生活や社会生活に相当な制限を受けている人を対象にしています。障害者手帳がない人や障害児も含みます。 対応が求められる人 行政機関など 国の省庁や独立行政法人など、都道府県や区市町村といった地方公共団体、地方独立行政法人のことをいいます。 民間事業者 会社やお店など、同じサービスなどを繰り返し行う人たちをさします。個人事業者や非営利のボランティア活動をするグループなども入ります。 対象となる分野 障害者の日常生活や社会生活全般に係る幅広い分野が対象です。また、障害者雇用に係る分野については、障害者の雇用の促進等に関する法律、(以下「障害者雇用促進法」という。)が適用されます。 事業者に期待されていること 障害者差別解消法の目的と内容を理解し、それぞれの立場で自発的に取り組むことが期待されています。そうした理解と協力のもとで、障害を理由とする差別の解消を推進します。 障害者差別解消法は、「障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、心身の機能の障害のみならず、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるもの」とする「社会モデル」の考えかたに基づいています。なお、社会における様々な障壁とは、社会における事物、制度、慣行、観念そのた一切のものをいいます。 にページ この法律で求められること 障害シャ差別解消法では、行政機関などや民間事業シャに対し、「不当な差別的取扱いの禁止」と、「合理的配慮の提供」を求めています。 不当な差別的取扱いの禁止 障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由として、サービスの提供を拒否したり、サービスの提供の場所や時間帯を制限したり、障害のない人にはつけない条件をつけたりすることを禁止しています。 合理的配慮の提供 障害のある人から、「社会における様々な障壁を取り除くために何らかの対応が必要」という意思が伝えられたときに、双方の建設的対話により負担が重すぎない範囲で必要かつ合理的な対応を行うことを求めています。 令和3年に障害シャ差別解消法が改正され、民間事業シャによる障害のある人への合理的配慮の提供が義務化(令和6年4月1日から施行)。 さんページ 東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例 東京都では、「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」が平成30年10月からしこうされています。 「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」の概要 マルイチ、障害を理由とする差別の禁止 都及び事業者の「不当な差別的取扱い」を禁止するとともに、「合理的配慮の提供」を義務化 マルニ、障害を理由とする差別に関する相談体制 広域支援相談員は障害を理由とする差別の解消に関する知識及び経験を有する者とし、次の職務を行う。 障害者、家族、関係者及び事業者からの相談対応 区市町村支援(助言、調査、情報提供、関係者間の調整等) マルサン、障害を理由とする差別に関する紛争の防止又は解決のための体制 障害者差別に係る事案で、相談支援を行っても解決しないとき、新たに設置した調整委員会で、あっせん、勧告、公表を行えるようになります。 マルヨン、情報保障の推進、言語としての手話の普及等共生社会実現のための基本的施策 マルゴ、調整委員会委員の秘密保持義務違反に対する罰則 東京都障害者権利擁護センター(広域支援相談員)の問合せ先 電話 03-5320-4223 電話対応時間、平日午前9時から午後5時まで FAX 03-5388-1413 メールアドレス syougaisyakennriyougo@sectiou.metro.tokyo.jp よんページ 障害のある人の雇用について事業者が配慮すべきこと 事業主の、障害のある人に対する差別の禁止及び合理的配慮の提供義務を規定した、改正後の「障害者雇用促進法」が、平成28年4月からしこうされています。 雇用の分野での障害者差別の禁止 募集・採用、賃金、配置、昇進などのあらゆる局面で、障害者であることを理由とする差別が禁止されます。 雇用の分野での合理的配慮の提供義務 事業主は障害者とよく話し合った上で、負担が重すぎない範囲で合理的配慮を提供する必要があります。 相談体制の整備の義務付け、苦情処理・紛争解決援助の努力義務 自主的解決を図ることができない場合は、東京労働局長による助言、指導又は勧告などが行われます。 差別の具体例 身体障害、知的障害、精神障害、車椅子の使用、人工呼吸器の使用などを理由として採用を拒否する。 障害のあることを理由として、賃金を引き下げる、低い賃金を設定する、昇給をさせない、研修・現場実習を受けさせない、食堂や休憩室の利用を認めない。 合理的配慮の具体例 試験などで拡大読書器を利用できるようにする。 試験の回答時間を延長することや回答方法を工夫すること。 文字だけでなくこうとうでの説明を行う、分かりやすい文書・絵図を用いて説明する、筆談ができるようにするなど。 手話通訳者や要約筆記者を配置・派遣する、雇用ぬしとの間で調整する相談員を置く。 通勤時のラッシュを避けるために勤務時間を変更する。 詳しくは、厚生労働省のホームページを参照してください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/shougaisha_h25/index.html 障害のある人の雇用に関するご相談は、東京労働局職業安定部職業対策課へ 電話:03-3512-1664 ごページ 障害の特性 障害のある人と接するさいには、それぞれの障害に応じた対応が求められます。以下に代表的な障害特性をまとめています。 障害の特性に配慮して適切な対応を心がけることが大切です。 視覚障害 全く見えない場合と見えづらい場合がある。 見えづらさには、「細部がよく分からない」、「光がまぶしい」、「暗いところでは見えにくい」、「見える範囲が狭い」、「特定の色が分かりにくい」など様々な特徴がある。 先天性の場合もあるが、最近は糖尿病性網膜症などでじゅしょうする人も多く、高齢者ではりょくないしょうや、オウハン変性症が多い。 聴覚・言語障害 聞こえない場合と聞こえにくい場合がある。 言語習得前、幼少期にしっちょうした場合には、読み書きがうまくできなかったり、発音が不明瞭なことがある。 言語障害には、言語機能障害(言葉の理解や表現が困難)と、音声機能障害(発音、発声がうまくできない)がある。 聞こえ方は様々で、補聴器や人工内耳を使っている人もいる。 肢体不自由 病気やケガなどで、上肢・下肢・体幹の機能の一部又は全部に障害がある。 立つ、座る、歩くなどの日常生活動作が不自由で、内容や程度には個人差がある。 内部障害 心臓機能、呼吸器機能、腎臓機能、膀胱・直腸機能、小腸機能、かん機能、エイチアイブイによる免疫機能のいずれかの障害により日常生活に支障がある。 疲れやすく、長時間のりついや負荷を伴う歩行、作業が困難な場合がある。 ろくページ 知的障害 知的機能の障害が原因で適応能力が十分に育っていないことにより、人との意思の交換、日常生活や社会生活において、何らかの支援の必要がある。 精神障害 統合失調症、気分障害(うつ病等)などの精神疾患では幻覚や妄想、不安やイライラ感、ゆううつ感、不眠などの症状がある。 精神疾患ということで誤解や偏見、差別の対象となりやすく、社会参加が妨げられがちである。 発達障害 広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群等)は、相互的な対人関係やコミュニケーションの障害、興味や行動のこだわりなどの特徴がある。 注意欠陥多動性障害、エーディーエイチディーは、発達年齢に見合わない多動性、衝動性、不注意等の症状が、集団生活の場だけでなく家庭でも見られる。 学習障害、エルディーは、全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の事柄のみがとりわけ難しい状態をいう。 高次脳機能障害 交通事故や脳血管障害などの病気により、脳にダメージを受けることで、認知や行動に生じる障害で、記憶障害(新しい出来事を覚えることが苦手で何度も同じことを繰り返したり質問したりする)・注意障害(集中力がつづかない)・遂行機能障害(計画を立てたり、効率よく順序だてられない)・社会的行動障害(興奮しやすい、こだわりが強い)・病識欠如(前述のような症状に気付かずトラブルになる)などの症状が見られる場合がある。 失語症や片麻痺、運動障害、目や耳の損傷により感覚障害を伴う場合がある。 身体的には障害が残らないことも多く、外見では、分かりにくいなど、人によって必要な配慮も大きく異なる。 難病 しんけいきん疾病、骨関節疾病、かんかくき疾病など多種多様な疾病があり、重篤で全面的な介助が必要な人から、ほとんど問題なく日常生活を送っている人まで様々である。 障害が固定せず、進行・変動することがあったり、外見では分かりにくいなど人によって必要な配慮も大きく異なる。 ななページ 環境整備 不特定多数の障害者を主な対象として行われる措置で、合理的配慮の提供とは異なり、努力義務です。 合理的配慮を必要とする障害者の利用が多数見込まれる場合や障害者との関係性が長期にわたる場合には、その都度の合理的配慮の提供ではなく、「環境整備」を行うことで、障害のある人もない人も快適に過ごせるとともに中長期的なコストの削減にもつながります。 ハード面の対応 視覚障害等 けいじぶつ、案内図等の配色をカラーバリアフリーに配慮する。入口から受付への誘導用ブロックを設置する。階段や廊下の手すりに点字シールを付ける。案内板を立体的な触知案内図にする。(文字を拡大にする。)音声・音響による案内を設置する。音声による情報保障(DAISY・音声コード)に配慮する。音声読み上げ対応のホームページにより情報提供を行う。介助者等の同行に配慮する。 聴覚障害等 電光表示板を設置する。手話通訳対応可能な相談日を設定する。不特定多数の人が集まるホール等において、聴覚障害者が補聴器を通じて正確な音声聞き取りができるようヒアリングループ、磁気ループを設置する。筆談ボードを活用する。残響や反響の無い環境を整備する。手話通訳者の同行に配慮する。 知的障害・発達障害・精神障害等 コミュニケーションボード等を活用する。案内看板の漢字にふりがなを付ける。 肢体不自由等 イベント、窓口対応時に車椅子対応席等を設定する。施設の建設時や改修時にスロープやだれでもトイレの設置などバリアフリー化を行う。施設のドアを引き戸や自動ドアにする。手すりの設置、トイレでの杖の置き場を設置する。片手で記入できるよう、すべりにくいマットや文鎮を置く。 ソフト面の対応 職員に対する研修等。障害当事者等を講師とした研修。障害者差別解消事例集を活用した研修。 はちページ 事業者の望ましい取組事例 障害の特性によって症状や反応は多数であり、事例を参考にしながら個別の事案ごとに総合的、客観的に判断し、柔軟に対応することが大切です。 事業所(オフィス)で雇用する際の配慮 雇用時の配慮 障害者を雇用する際は、事前に本人と就労支援機関、事業所の人事担当者がミーティングを行い障害特性と配慮項目を文書化して共有する。 個人の特性により、就労環境や新しい人間関係に慣れるまでは短時間労働からスタートし、慣れてきたら徐々に就労時間を延長していくなどの配慮をする。(超短時間労働を含む。) 作業ペースを掴むまで1時間に1回の休憩をルールとして設定するなど、過度に集中しすぎて精神的弊害が生じないように配慮する。 事業所内の通路の幅を広くして、車椅子の利用者が移動しやすいように工夫する。 障害特性のコミュニケーションのとりづらさや、緊張感の高さを理由に採用を拒否しない。 契約書や重要事項説明書には、漢字が読めない人のためにふりがなを付ける。 知的障害や精神障害等の障害特性に応じて、難しい用語は使わず、視覚的に理解しやすくするため、時計のイラストで就労時間を示したり、写真やイラストなどを活用する。 雇用後の配慮 人事労務担当者と定期的な面談(週1回程度など)を行い、勤務中の困りごと等を聞き取り、随時課題を解決しながら、「安心して就労ができる環境」を作る。 知的障害、発達障害、精神障害等の障害特性に応じて、同時に指示を受けることによる混乱を防ぐため、指示系統を一本化する。 聴覚過敏や人との距離に対する過敏性を持った人に対しては、昼休みに一人もしくは静かな環境で過ごせるような場所を提供する。 雇用当初に設定した担当業務に支障が生じてきた場合に、担当業務量や担当業務の種類を調整しながら、障害者本人が感じる「負担感」の軽減に努める。 きゅうページ 来客対応の際の配慮 話し方の配慮 障害者が困っていると思われるときは、まず声をかけ、手伝いの必要性を確かめてから対応する。 視覚障害者には、「あちら」「こちら」などの指示語は使わず「テーブルの手前側」 「30センチ右」など本人から見た具体的な方向や距離を伝える。 車椅子の人と話すときは、腰をかがめるなど、相手の目の高さに合わせて話すようにする。 ハード面での配慮 身体障害者補助けん(盲導けん、介助けん、聴導けん)が飲食店や事業所に入りやすいよう整備し、周囲の理解に努める。 はくじょう使用者が利用しやすいように商業施設内の歩道に障害物が放置されないように工夫をする。 障害者用の駐車場には、障害者用の表示を大きく掲示し、一般の利用者が利用することの無いように注意を促す。 公共交通機関利用者への配慮 はくじょう使用者は、方向がわからずに危険な状況になることがあるため、困っている人や危険な状況を見かけたときには声をかけてホームまで誘導するなど必要な配慮をする。 聴覚障害者は人混みでは音声アナウンスが聞き取れないこともあるため、電光表示板や筆談を活用する。 車椅子の利用者が電車を利用するときは、乗降駅にて連携をとり手助けをする。 漢字の読めない人が理解しやすいよう、駅の案内や説明がきの漢字表記にふりがなを付けたり、イラストを併記するなどの工夫をする。 じっページ 相談窓口 雇用相談 ハローワーク品川 電話 03-5419-8609 (45シャープ) 年間数回障害者就職面接会を実施、障害者求人の受理、訪問等による就職後の職場安定相談、雇用保険失業給付の受給手続き・認定 障害者就業・生活支援センター、ウェルズ トーキョー 電話 03-5259-8372 就業及びこれに伴う日常生活に関する相談、職場安定支援、雇用管理についての企業への助言 三田総合労働相談コーナー、三田労働基準監督署内 電話 03-6858-0769 職場のトラブルに関するご相談や、解決のための情報提供をワンストップで行っています。労働者、事業主どちらからの相談でも受け付けています。 公益財団法人、東京しごと財団 電話 03-5211-2681 企業とのマッチング、職場定着に向けた支援、ジョブコーチが訪問し職場安定支援、障害者就業支援情報コーナー設置 東京障害者職業センター 電話 03-6673-3938 障害者の雇用管理に関する相談・支援、職場へのジョブコーチの派遣、リワーク支援 差別等に関する相談窓口 東京都の相談窓口を、東京都のホームページで案内しています。 障害を理由とする差別に関する相談窓口 https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shougai/sodan/syougaisyakenri.html 職員による障害を理由とする差別に関する各局等の相談窓口 https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shougai/sodan/sabekai_soudan.html ミナトクの障害者差別解消法に関する相談窓口 ミナトク保健福祉支援部障害者福祉課障害者福祉係 電話 03-3578-2383 FAX 03-3578-2678 裏びょうし まちなかでは、障害のある人に配慮した施設であることや、それぞれの障害についてわかりやすく表示した、いろいろなマークがあります。そのうちの代表的なものを紹介します。 障害シャのための国際シンボルマーク 盲人のための国際シンボルマーク 身体障害シャ標識 身体障害シャマーク 聴覚障害シャ標識 聴覚障害シャマーク 手話マーク 耳マーク オストメイトマーク ハート・プラスマーク ほじょけんマーク ヘルプマーク 障害シャ雇用支援マーク はくじょうSOSシグナル普及啓発シンボルマーク この冊子に関する問合せ先 ミナトク保健福祉支援部障害シャ福祉課 電話 03-3578-2386 ファックス 03-3578-2678 障害シャへの理解促進及び差別解消のため、共に生きる社会をめざし相互理解に努めます。 この冊子は、ミナトク障害シャ差別解消支援地域協議会のご意見をいただきながら作成しました。