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更新日:2017年12月29日

写真今昔物語 第17話

芝浦アイススケート場(芝浦4丁目)

戦前の港区にアイススケート場があったことをご存じでしょうか。現在の芝浦4丁目16番、旧海岸通りに面して芝浦スケート場がありました。開業は昭和8(1933)年。25メートル×60メートルのリンクに1,500人収容という規模は、当時「東洋一」といわれるものでした。

「昭和8年は札の辻橋が架けられた年でもあります。この橋ができるまでは、三田へ行く時に線路の下の半地下道を利用していて、大潮の時間には靴と靴下を脱ぎ、すねまで海水に漬かって通ったものでした。当時のこの地域はまだ漁師街で、いけすでノリを養殖しており、夕方になると市が立ち、新鮮なシャコ、カニを売っていましたよ」と芝浦三・四丁目町会の坂野喜雄・常任相談役は懐かしみます。「父が北海道の出身なので、その縁で北海道出身の人たちがうちの工場で働いていました。私はスケートはしませんでしたが、彼らは芝浦スケート場でよく滑っていました。やはり上手でしたね」

日本女子フィギュア界の草分けで昭和11(1936)年ガルミッシュパルテンキルヘン冬季五輪においてシングル10位と健闘した稲田悦子選手も、全日本フィギアスケート選手権参加のため芝浦スケート場を利用した一人です。「芝浦は昭和20年5月25日の空襲で焼けて、スケート場も全焼ではありませんが被害を受けたようです。うちも工場もろとも、文字通りかまどの灰まで焼けて…。思い出すと、平和はいい、こんないいことはない、と感じますね」と、坂野さんはしみじみ語ってくださいました。


1933年 昭和8年 土木学会土木図書館所蔵

2015年 平成27年

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