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歌川国員「東都名所 高輪廿六夜」 弘化4年-嘉永4年(1847-51)ころ(港郷土資料館蔵)
二十六夜待でにぎわう東海道、高輪大木戸あたりを描いている。明治以降に埋め立てが進み、芝浦地区、海岸地区、港南地区が造成され、現在は高層ビルが林立している。
江戸時代の高輪は、東海道を行き来する旅人や送迎の人々でにぎわい、街道沿いに茶屋が軒を連ねていました。東は海に面して海岸線が広がっているため見晴らしがよく、月見の名所としても人気があり、特に旧暦7月26日の「廿六夜待」は盛大だったといいます。
二十六夜の月は、明け方に昇ってくる細い逆三日月。正月と7月の二十六夜の月には、阿弥陀、観音、勢至の三尊が現れるといわれ、この夜の月の出を待って拝むことを「二十六夜待ち」といいました。なお、今年は9月14日が旧暦7月の「二十六夜」にあたります。
高輪大木戸は、宝永7年(1710年)に、道の左右に石垣を築いて設置されました。各町にある「町木戸」に対し、江戸全体を守る木戸であったことから、「大木戸」といいます。はじめは柵門があり、明六ツ(午前6時ころ)・暮六ツ(午後6時ころ)に開閉していましたが、後には廃止されました。
明治初年に西側の石垣が取り払われ、現在は東側(海側)の石垣のみが残されています。
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