○港区住宅型総合設計許可要綱

平成17年3月31日

16港街建第198号

港区市街地住宅総合設計許可要綱(昭和60年5月25日60港都建第73号)の全部を改正する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この要綱は、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第59条の2の規定に基づく住宅供給促進型総合設計若しくは共同住宅建替誘導型総合設計の許可又は、長期優良住宅の普及の促進に関する法律(平成20年法律第87号。以下「長期優良住宅法」という。)第18条第1項の規定に基づく長期優良住宅型総合設計の許可(以下これらを「許可」という。)に関し必要な事項を定めることにより、許可に関する事務の適正な運用を図り、もって土地の有効利用及び市街地環境の整備改善並びに良好な市街地住宅の供給の促進に資することを目的とする。

(基本目標)

第2条 許可に関する事務の運用に当たっては、東京都及び港区のまちづくりの計画等に沿ったものとし、次に掲げる事項を基本目標とする。

(1) 市街地環境の整備改善

(2) 良質な建築・住宅ストックの形成

(3) 公共施設機能の補完

(4) 市街地の防災機能の強化

(5) 福祉のまちづくりの促進

(6) 住宅の量的拡大から質の向上への転換

(7) 少子高齢社会にふさわしい住まいの整備

(8) 敷地の集約による質の高い市街地形成

(9) 良好な都市景観の創造

(10) 緑化の推進

(11) 低炭素型都市づくりの推進

(運用方針)

第3条 この要綱は、許可の取扱方針を定めたものであるとともに、技術基準として、許可の申請に当たっての必要条件としての性格を持つものとする。

2 許可の条件を十分に満たすものであるか否かは、具体的な計画に即し、前2条の規定に照らして総合的見地から行うものとする。

(用語の定義)

第4条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 令 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)をいう。

(2) 住宅型総合設計 住宅供給促進型総合設計、共同住宅建替誘導型総合設計及び長期優良住宅型総合設計をいう。

(3) 計画建築物 住宅型総合設計の計画に係る建築物をいう。

(4) 一般建築物 計画建築物の敷地内において法第3章第4節の一般規定によって許容される建築物をいう。

(5) 住宅供給促進型総合設計 住宅の量的拡大から質の向上への転換を目的として、住宅(一住戸の専用面積が55平方メートル以上のものをいう。以下この号において同じ。)の床面積の合計(容積率の不算入措置の対象となる部分を除く。)が敷地面積に割増容積率を乗じて得た数値以上となり、かつ、住宅の戸数が10戸以上の主たる用途が共同住宅である建築計画に適用する総合設計をいう。

(6) 共同住宅建替誘導型総合設計 良質な住宅ストックの形成に資することを目的として、原則として、建築後30年を経過した主たる用途が共同住宅である建築物を建て替える建築計画(従前の住宅用途以外の用途に供していた部分の床面積の合計が、建て替え後も増加しない場合に限る。)に適用する総合設計をいう。

(7) 認定長期優良住宅建築等計画 長期優良住宅法に基づき認定を受けた長期優良住宅建築等計画(変更後の計画について認定を受けたものを含む。)をいう。

(8) 長期優良住宅 認定長期優良住宅建築等計画に基づく建築に係る住宅をいう。

(9) 長期優良住宅型総合設計 認定長期優良住宅の建築を促進することを目的とし、以下の要件に適合する建築計画に適用する総合設計をいう。

 認定長期優良住宅建築等計画に基づき建築され、維持保全が行われるものであること。

 認定長期優良住宅建築等計画に係る住宅の用途に供する部分以外の部分の床面積の合計が、基準容積率の算定の基礎となる延べ面積を超えないこと。

 計画建築物の主たる用途が共同住宅であること。

(10) 基準建蔽率 法第53条に規定する建築物の建築面積の敷地面積にする割合を率(%)で表したものをいう。

(11) 空地 建築物及びこれに準じる工作物に覆われていない敷地の部分をいう。

(12) 空地率 次式による数値をいう。

(空地面積÷敷地面積)×100(%)

(13) 基準容積率 法第52条に規定する建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合を率(%)で表したものをいう。

(14) 割増容積率 この要綱によって基準容積率に割増しされる容積率(%)をいう。

(15) アトリウム 計画建築物に設ける大規模な吹き抜け空間で、天空光を確保できるものをいう。

(16) ピロティ等 ピロティ、アーケード等の建築物又は建築物の部分をいう。

(17) 人工地盤等 人工地盤、サンクンガーデンその他これらに類するものをいう。

(18) 公開空地 計画建築物の敷地内の空地及び開放空間(アトリウム、ピロティ等及び人工地盤等をいう。)のうち、日常一般に公開される部分(当該部分に設ける環境の向上に寄与する植栽、花壇、池泉等及び空地の利便の向上に寄与する公衆便所等の小規模の施設に係る土地並びに屋内に設けられるもの等で、特定行政庁が深夜等に閉鎖することを認めるものを含み、車路並びに自動車及び自転車の駐車の用に供する部分(港区住宅型総合設計許可要綱実施細目(平成17年4月8日17港街建第11号)に基づき承認を受けた自転車シェアリングは除く。)を除く。)で、第11条に定める公開空地の基準に適合するものをいう。

(19) 歩道状空地 公開空地のうち、前面道路に沿って設ける歩行者用の屋外の空地及び当該空地に沿って設ける修景施設(当該空地に接する部分から幅4メートル未満の部分に限る。)をいう。

(20) 貫通通路 公開空地のうち、敷地内の屋外空間及び計画建築物内を動線上自然に通り抜け、かつ、道路、公園その他これらに類する公共施設相互間を有効に連絡する歩行者用通路(当該通路に沿って設ける修景施設のうち、その接する部分から幅員4メートル未満の部分を含む。)をいい、その区分は次のとおりとする。

 屋外貫通通路 貫通通路のうち、計画建築物の屋外に設けるものをいう。

 屋内貫通通路 屋外貫通通路以外の貫通通路(アトリウム及びピロティ等の部分を含む。)をいう。

(21) 水辺沿い空地 公開空地のうち、水辺のにぎわいを創出するため、にぎわい施設と連動した屋外の空地をいう。

(22) 駅前広場 公開空地のうち、地下鉄駅の連絡通路等と接続する人だまり空間をいう。

(23) 広場状空地 公開空地のうち、道路、公園又は歩道状空地に沿って設ける一団の屋外の空地及び当該空地に沿って設ける修景施設をいう。

(24) 公開空地の有効面積 公開空地の面積(有効面積の算定の対象となる部分に限る。)に、当該公開空地の種別に応じて第12条に定める公開空地の有効係数を乗じた数値をいう。

(25) 有効公開空地率 次式による数値をいう。

(公開空地の有効面積の合計÷敷地面積)×100(%)

(26) 基準公開空地率 有効公開空地率から第2章の計画要件に定める有効公開空地率の最低限度を減じた数値をいう。

(適用区域)

第5条 許可の適用区域は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第7条第2項に規定する市街化区域内とする。

(許可の対象となる建築計画)

第6条 許可の対象となる建築計画は、延べ面積10,000平方メートル以下とし、第2条に定める基本目標の実現に貢献し、次に掲げる要件のいずれにも該当するものとする。

(1) 一定規模以上の敷地面積を有すること。

(2) 一定比率以上の実効あるオープンスペースを確保していること。

(3) 周辺の市街地環境等に対して配慮した建築形態であること。

(4) 周辺市街地の状況の変化等を踏まえ、計画建築物の用途、形態、配置等について、地区の将来像を見据えた配慮がなされていること。

(5) 計画の規模及び周辺市街地の状況に応じ、都市施設若しくは公共施設等の機能補完又はこれらの負荷軽減のための具体的な措置を講じていること。

(6) 計画の規模に応じ、周辺市街地の防災及び避難のために有効な施設を設けていること。

(7) 福祉のまちづくりの推進に配慮したものであること。

(8) 計画の内容に応じ、適切に用途及び施設が計画されていること。

(9) 住宅の整備に当たっては、多様な世帯が居住する活力ある地域社会の形成及び高齢者等の居住の安定の確保に資する住宅の供給に配慮すること。

(10) 敷地内の空地及び建築物の屋上等について、緑化が図られていること。

(11) 計画の用途、規模等に応じ、建築物の熱負荷の低減及び設備システムの省エネルギーに対する取組を環境への負荷の低減に高い効果を有するものとするなど、省エネルギー対策等によるカーボンマイナス(CO2の排出削減)について配慮したものであること。

(12) 建築物の高さ等について、別に定める港区住宅型総合設計許可に係る建築物の高さ等誘導指針(令和2年8月25日2港街建第975号)及び港区景観計画の景観形成基準に適合したものであること。

(緩和の基準が適用される法の規定)

第7条 第2章に定める計画要件に適合し、かつ、第4章に定めるそれぞれの緩和基準に適合する建築計画にあっては、第15条に定める容積率制限について、法第52条第1項から第9項までの規定について、緩和の対象とする。

(計画建築物の敷地が二以上の区域、地域及び地区の内外にわたる場合の取扱い)

第8条 計画建築物の敷地が二以上の区域、地域及び地区の内外にわたる場合は、この要綱に別に定めのある場合又は法第52条から第56条の2まで及び第58条に規定する場合を除き、その建築物又はその敷地の全部について、敷地の過半の属する区域、地域又は地区の建築物に関するこの要綱の規定を適用する。

第2章 計画要件

(法令要件)

第9条 この要綱を適用する基本的な計画要件は、次に掲げるとおりとする。

(1) 計画建築物の敷地内における空地率の最低限度は、当該敷地の基準建蔽率に応じて、次の表に掲げる数値とする。

(単位 %)

基準建蔽率(Fo)

空地率

55<Fo≦100

120-Fo

(2) 住宅供給促進型総合設計及び共同住宅建替誘導型総合設計を適用する場合において、計画建築物の敷地面積の最低限度は、第一種低層住居専用地域にあっては1,000平方メートル、第一種低層住居専用地域以外の地域にあっては500平方メートルとする。

(3) 長期優良住宅型総合設計を適用する場合において、計画建築物の敷地面積の最低限度は、第一種低層住居専用地域にあっては1,000平方メートル、近隣商業地域及び商業地域にあっては300平方メートル、それ以外の地域にあっては500平方メートルとする。

(付加要件)

第10条 前条に規定する法令要件に付加する要件は、次に掲げるとおりとする。

(1) 計画建築物の敷地は、用途地域の区分に応じて、次の表に掲げる数値以上の幅員を有する道路に接するものであること。ただし、近隣商業地域又は商業地域内にある計画建築物の敷地が、幅員6メートル以上の道路に当該敷地境界線の長さの合計の4分の1以上接する場合で、かつ、幅員4メートル以上の歩道状空地(当該道路境界線から2メートルまでの部分は、建築物及び建築物の部分で覆われていないものとする。この場合、当該部分は公開空地の有効面積の算定から除くものとする。)を当該道路に接して有効に設けたときは、この限りでない。

(単位 m)

用途地域

道路幅員

第一種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域又は準工業地域

6

近隣商業地域又は商業地域

8

(2) 共同住宅建替誘導型総合設計の適用を受ける計画建築物の敷地にあっては、前号の規定にかかわらず、幅員が6メートル以上の道路に接するものであること。

(3) 計画建築物のそれぞれの敷地の接道長については、前2号に掲げる数値以上の幅員を有する道路に当該敷地境界線の長さの合計の6分の1以上接するものであること。ただし、第1号ただし書に掲げる場合及び敷地内に屋外貫通通路を確保することにより又は地区計画の内容に適合することにより計画的に街区整備を図っていく上で支障がないと認められる場合は、この限りでない。

(4) 計画建築物の敷地内における有効公開空地率の最低限度は、当該敷地の基準容積率に応じて、次の表に掲げる数値とする。

(単位 %)

基準容積率(Vo)

有効公開空地率の最低限度(Po)

Vo<500

35-(Vo÷20)

500≦Vo

10

(5) 計画建築物の敷地には、原則として歩道状空地及び広場状空地を設けることとする。ただし、長期優良住宅型総合設計を適用する場合で、敷地面積が500平方メートル未満であるときについては、歩道状空地のみとすることができる。なお、歩道状空地にあっては、原則として前面道路に接するすべての敷地の部分に設けるものであること。

(6) 計画建築物の外壁又はこれに代わる柱その他の建築物の部分(地階、ドライエリアの周壁及び隣地境界線に沿って設ける塀並びに当該塀に接続する管理上必要な門又は塀を除く。)又は自動車若しくは自転車の駐車の用に供する施設その他の工作物(擁壁を除く。)の外面から敷地境界線及び歩道状空地で通行可能な部分までの水平距離は、当該部分の計画建築物の高さ(敷地境界線又は歩道状空地の地表面からの高さをいう。)の平方根の2分の1以上であること。ただし、隣地境界線までの水平距離が2メートル以上(高さが12メートル以下の部分については、1メートル以上)確保されているもの及び落下物に対して次のからまでに掲げるいずれかの危険防止の措置を有効に講じているもの(法令等により、非常時に開放が求められるものは除く。)については、この限りでない。

 外壁の開口部を開閉しない仕様とすること。

 外壁の開口部の前面のバルコニーに安全上の補助的対策が講じられた手すりを設けていること。

 自然換気等の目的で設けられる開口部等で、ガラリ等の覆いを講じていること。

第3章 計画基準

(公開空地の基準)

第11条 歩道状空地の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 幅員が3メートル以上で、かつ、通行可能な部分の幅(以下「有効幅員」という。)が2メートル以上であり、原則として前面道路に接するすべての部分に設けるものであること。ただし、有効幅員にあっては、当該部分に沿って有効幅員が3メートル以上の歩道がある場合は、この限りでない。

(2) 共同住宅建替誘導型総合設計の適用を受ける建築物の敷地にあっては、前号の規定にかかわらず、幅員及び有効幅員は2メートル以上であること。ただし、有効幅員にあっては、当該部分に沿って有効幅員が2メートル以上の歩道がある場合は、この限りでない。

(3) 前面道路との高低差がなく、原則として段差が設けられておらず、車椅子ですれ違いが可能であるなど福祉のまちづくりに寄与する構造であること。

2 貫通通路の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 屋外貫通通路は、有効幅員が4メートル以上であること。

(2) 屋内貫通通路は、有効幅員が8メートル以上で、かつ、天井の各部分の高さが12メートル以上であること。

3 水辺沿い空地の基準は、次に掲げるとおりとする。ただし、第5項に規定する広場状空地の基準を満たす場合は、水辺沿い空地を広場状空地に代えることができる。

(1) 最も狭い部分の幅は、4メートル以上であること。

(2) 水辺沿い空地に面してにぎわいの創出に寄与すること。

4 駅前広場の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 敷地等が鉄道駅に隣接していること。

(2) 最も狭い部分の幅は、4メートル以上の一団の形態をなす広場(アトリウム、ピロティ等(天井の各部分の高さが12メートル以上であること。)及び人工地盤等を含む。)で道路又は歩道状空地と有効に通じていること。

(3) 原則として段差が設けられておらず、車椅子ですれ違いが可能であるなど福祉のまちづくりに寄与する構造であること。

5 広場状空地の基準は、次に掲げるとおりとする。ただし、二以上の広場状空地が一体の空間をなし、かつ、相互間を有効に連絡するものにあっては、これらを一の広場状空地とみなすことができる。

(1) 最も狭い部分の幅は、4メートル以上であること。

(2) 面積(歩道状空地又は屋外貫通通路が当該一の広場状空地と同じ高さで接するか若しくは貫通するものについては、当該部分を含んだ面積をいい、これらのうち、その幅員が4メートル以上であるものについては、そのすべての部分を含んだ面積をいう。)は、用途地域の区分に応じて、次の表に掲げる数値以上であること。ただし、敷地面積の規模が令第136条第3項の表(ろ)欄に掲げる規模未満の場合にあっては、次の表にかかわらず敷地面積の10分の1以上、かつ、100平方メートル以上(長期優良住宅型総合設計を適用する場合で、敷地面積の規模が500平方メートル未満の場合にあっては、次の表にかかわらず、50平方メートル以上)とすることができる。

(単位 m2)

用途地域

空地面積

第一種低層住居専用地域

300

第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域又は準工業地域

200

近隣商業地域又は商業地域

100

(3) 全周長の8分の1以上が、道路、公園(一体的に利用されるものに限る。)、歩道状空地又は屋外貫通通路に高低差なく接するものであること。

(公開空地の有効係数)

第12条 歩道状空地の有効係数は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるところによる。

(1) 幅員が4メートル以下(高度利用地区又は地区計画等で歩行者の利便を目的として幅員4メートルを超える壁面後退の指定がある場合については、当該指定の範囲内)のもの 1.5

(2) その他の歩道状空地 1.0

2 貫通通路の有効係数は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるところによる。

(1) 屋外貫通通路 1.0

(2) 屋内貫通通路 0.4

3 水辺沿い空地の有効係数は、1.2とする。

4 駅前広場の有効係数は、1.0とする。

5 広場状空地の有効係数は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるところによる。

(1) 面積が500平方メートル以上で、幅員が6メートル以上の道路を有する歩道状空地に接するもの 1.2

(2) 面積が300平方メートル以上500平方メートル未満で、幅員が6メートル以上の道路を有する歩道状空地に接するもの 1.1

(3) その他の広場状空地 1.0

(住宅性能の基準)

第13条 住宅性能は、次に掲げる基準に適合するよう努めるものとし、等級は住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)に基づく日本住宅性能表示基準によるものとする。

(1) 構造の安定性は、耐震等級2以上又は免震構造建築物であって耐風等級2であること。

(2) 火災時の安全性は、耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部))2以上であって耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))4であること。

(3) 劣化の軽減は、劣化対策等級3であること。

(4) 維持管理への配慮は、維持管理対策等級(共用配管)2以上であること。

(5) 温熱環境性能は、断熱等性能等級4であること。

(6) 高齢者への配慮は、高齢者等配慮対策等級(共用部分)4以上であること。

(防災機能の基準)

第14条 原則として、次の表の基準を満たす防災備蓄倉庫を整備するものとする。

整備位置

いずれの階から最長歩行距離2層以内に1か所以上

1か所当たりの面積

1m2以上

2 法第34条第2項による非常用の昇降機を設けなければならない建築物については、次の基準を満たす自家発電設備を整備するものとする。

(1) 自家発電設備の出力数は、次の表により必要出力数を算出し、それらを合計した値以上の出力数を有する自家発電設備を整備すること。

住宅の用に供する部分の床面積の合計当たりの発電力数

0.006kW/m2

住宅以外の用に供する部分(自動車車庫、自転車駐車場を除く。)の床面積の合計当たりの発電力数

0.014kW/m2

(2) 次の式で算出される数量(以下「貯蔵量」という。)以上の燃料を貯蔵するための施設を整備すること。ただし、同等以上の性能を有する動力源を整備する場合又は当該貯蔵施設が法別表第2に適合しない場合は、この限りでない。

Q=b×E×48/w

Q:貯蔵量(l)

b:自家発電設備の燃料消費率(g/kWh)

E:自家発電設備の原動機出力(kW)

w:燃料密度(重油850g/l、軽油830g/l)

第4章 緩和基準

(容積率制限)

第15条 計画建築物の敷地内又は境域内に、次に掲げる公開空地及び施設を設ける場合については、その容積率の制限を緩和するものとする。ただし、第2号に規定する施設を設けることによる容積率の制限の緩和は、次項に規定する公開空地による割増しの適用を併せて受ける場合に限る。

(1) 当該計画敷地内及び公開空地の有効公開空地率が、第10条に定める付加要件の限度(以下「計画要件に定める有効公開空地率の最低限度」という。)を超える公開空地

(2) 地域の市街地環境の整備改善に資する施設で、港区の要請等に基づく規模等で協議により設けるもの

 子育て支援施設

 障害者支援を行う施設(障害福祉サービス事業を行う施設、障害者支援施設、地域活動支援センター又は福祉ホーム)

 高齢者支援施設(老人福祉施設、有料老人ホーム又は地域密着型サービス事業を行う施設)

 コミュニティ活動施設(町会・自治会等の集会場又は倉庫)

 地域防災施設(常時防災施設として使用されるもの)

 鉄道施設(一般交通の機能の向上に資するもの)

 歴史的建造物(法第3条第1項各号に該当する建築物、景観法(平成16年法律第110号)第19条第1項に規定する景観重要建造物、東京都景観条例(平成18年東京都条例第136号)第22条第1項に規定する都選定歴史的建築物)

 その他地域の状況に応じて区長が認める施設

2 前項第1号に規定する公開空地を設けることによる割増容積率の緩和の限度は、敷地内の基準公開空地率に応じて、次式による数値とする。

(P-Po)×(Vo÷400+Kx)×α

P:有効公開空地率(%)

Po:計画要件に定める有効公開空地率の最低限度(%)

Vo:基準容積率(%)

Kx:総合設計種類別係数(次の表の総合設計の種類により定める係数をいう。)

総合設計の種類

Kx

住宅供給促進型総合設計

*中核的な拠点地区、中核的な拠点周辺地区、活力とにぎわいの拠点地区群

3

*上記以外

2.5

共同住宅建替誘導型総合設計

長期優良住宅型総合設計

*中核的な拠点地区、中核的な拠点周辺地区、活力とにぎわいの拠点地区群

6

*上記以外

5

*については、新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針(平成16年8月18日付東京都16都市政広第330号)で規定する区域とする。

α:1とする。ただし、長期優良住宅型総合設計を適用する場合は、次式による数値とする。

(認定長期優良住宅建築等計画に係る住宅の用途に供する部分の床面積の合計/計画建築物の延べ面積(前項第2号の施設に供する部分を除く))

3 第1項第2号の施設を設けることによる割増容積率は、前項による割増容積率以下で、次式による数値をその限度として、容積率の算定に算入しない建築物の部分を除き、当該施設の床面積の合計に相当する容積率の割増しを行う。

(Vo÷50)+80(%)

4 割増容積率の上限値は、基準容積率の0.5倍又は200パーセントのいずれか低い数値とする。ただし、割増し後の容積率は、1,000パーセントを超えることはできない。

5 建築基準法第52条第14項第1号に基づく容積率に係る許可に関する取扱基準(平成20年12月1日20港環建第486号)に該当する部分については、基準容積率の25%を上限として計画建築物の許容延べ面積の算定を行うことができる。

6 計画建築物の整備と一体的に計画配置される道路、公園、緑地及び広場その他これらに類する公共空地のうち、都市計画決定(地区計画等を含む。)がされたもの(計画建築物とおおむね同時期に決定されたものを含む。)で、事業者の無償譲渡又は無償貸与に係り、地方公共団体により管理されるものについては、当該公共空地面積に基準容積率を乗じて求められる面積を計画建築物の許容延べ面積に加えることができる。

7 高度利用地区、用途別容積型地区計画及び高層住居誘導地区内に計画する場合は、この章で定める割増容積率の限度を求める場合の基準容積率(Vo)を、第4条第9号に定める基準容積率の定義にかかわらず、これらの都市計画で定める容積率及び計画建築物の用途により求められる容積率の限度を適用しない場合の容積率の限度を基準容積率とみなして、公開空地及び第1項第2号の施設を設けることによる割増容積率の限度を算定するものとする。

8 第1項から第6項までの規定により容積率の割増しを受ける計画建築物で、割増容積率に基準容積率を加えた割増し後の容積率を適用する場合の前面道路との関係についての高さの制限である法別表第3(は)欄に掲げる数値(距離)が割増し前の基準容積率を適用する場合の数値と異なる場合は、割増し後の容積率による同欄に掲げる規定に適合しなければ、割増容積率を制限することができる。ただし、隣接地の用途地域、土地利用状況及び当該敷地からの方位等により、市街地環境の整備改善に支障がないと判断できる場合はこの限りでない。

(委任)

第16条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は区長が定める。

1 この要綱は、平成17年6月1日から施行する。

2 この要綱の施行前に、この要綱による改正前の港区市街地住宅総合設計許可要綱の規定によりなされた手続その他の行為は、この要綱の相当規定によりなされた手続その他の行為とみなす。

1 この要綱は、令和2年9月1日から施行する。

2 この要綱の施行の際、改正前の港区住宅型総合設計許可要綱の基準を満たす建築計画で、現に改正前の港区住宅型総合設計許可要綱の規定により計画中の建築物で当該計画中の建築物の建築主の申出(令和2年12月28日までになされた申出に限る。)に基づき令和3年2月1日までに区長が計画中の建築物と認めた建築物のうち、令和3年3月31日までに住宅型総合設計許可を申請したものについては、なお従前の例による。

この要綱は、令和4年4月1日から施行する。

港区住宅型総合設計許可要綱

平成17年3月31日 港街建第198号

(令和4年4月1日施行)