○港区まちづくり条例
平成十九年六月二十七日
条例第二十八号
港区定住まちづくり条例(平成三年港区条例第一号)の全部を改正する。
(目的)
第一条 この条例は、まちづくりに関する基本的事項を定めることにより、人に優しく、良質な都市空間及び居住環境の維持及び創造に資することを目的とする。
一 区民 区内に住所を有する者及び居住する者をいう。
二 区民等 区民、区内の土地又は建築物に関する権利を有する者及び区内に勤務し、又は在学する者をいう。
三 開発事業 都市計画法(昭和四十三年法律第百号。以下「法」という。)第四条第十二項に規定する開発行為及び建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第十三号に規定する建築をいう。
四 開発事業者 区内で開発事業を行う者をいう。
五 企業等 開発事業者その他の区内で事業活動を行う者をいう。
六 土地所有者等 法第二十一条の二第一項に規定する土地所有者等をいう。
七 まちづくりマスタープラン 法第十八条の二第一項の規定に基づく区の都市計画に関する基本的な方針であり、かつ、区のまちづくりに関する基本的な計画である港区まちづくりマスタープランをいう。
(区の責務)
第三条 区は、区民等に対し、まちづくりへの参画の機会の拡充を図るとともに、まちづくりに関する情報の提供及び知識の普及に努めるものとする。
2 区は、区民等及び企業等との協働により、まちづくりに関する施策を推進するものとする。
3 区は、まちづくりのため、国、他の地方公共団体及び関係機関と連携し、協力するものとする。
(区民等の責務)
第四条 区民等は、自らがまちづくりの担い手であることを自覚し、地域におけるまちづくりに積極的な役割を果たすよう努めなければならない。
2 区民等は、区及び企業等との協働により、まちづくりの活動を行うよう努めなければならない。
(企業等の責務)
第五条 企業等は、区及び区民等との協働により、まちづくりの活動を行うよう努めなければならない。
2 企業等は、まちづくりのため、積極的に社会貢献に努めるとともに、区のまちづくりに関する施策の推進に協力しなければならない。
3 開発事業者は、開発事業を行う場合は、あらかじめ、近隣関係住民に対し十分な説明を行い、その理解を得るよう努めなければならない。
(まちづくりマスタープラン)
第六条 区長は、この条例の目的に適合するよう、まちづくりマスタープランを策定しなければならない。
2 区長は、まちづくりマスタープランの策定に当たっては、公聴会の開催等区民等の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
3 区長は、社会経済情勢の変化等により、必要と認めるときは、まちづくりマスタープランを変更するものとする。この場合においては、前項の規定を準用する。
(住宅及び居住環境の水準)
第七条 区長は、まちづくりマスタープランを踏まえて、住宅及び居住環境に関する水準を定めるものとする。
2 開発事業者は、開発事業を行う場合は、前項の水準を満たすよう努めなければならない。
(まちづくり組織の登録等)
第八条 区内でまちづくりの活動を行うことを目的とする団体は、区長の登録を受けることができる。
2 前項の登録を受けようとする団体の代表者は、次に掲げる事項を記載した申請書及び区規則で定める書類を区長に提出しなければならない。
一 団体の名称
二 代表者の住所及び氏名
三 まちづくりの活動を行う区域
四 その他区規則で定める事項
一 団体が行うまちづくりの活動が、まちづくりマスタープランの実現に資するものであること。
二 団体の構成員の数及び構成員に占める当該区域内の区民の割合が、区規則で定める要件を満たしていること。
三 その他区規則で定める事項
5 区長は、組織登録簿を一般の閲覧に供するものとする。
6 区長は、まちづくり組織が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すものとする。
一 偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。
二 第三項各号に規定する要件に適合しなくなったと認めるとき。
(まちづくり組織への支援等)
第九条 区長は、まちづくり組織に対し、その活動に資する技術的支援、資金的支援その他の支援を行うことができる。
2 区長は、特にまちづくりを推進する必要があると認める区域において、まちづくり組織が結成されていないときは、まちづくり組織が結成されるよう努めるものとする。
(地区まちづくりビジョンの登録等)
第十条 まちづくり組織は、その活動を行う区域に関するまちづくりの理念(以下「地区まちづくりビジョン」という。)を定め、区長の登録を受けなければならない。
2 前項の登録を受けようとするまちづくり組織の代表者は、区規則で定めるところにより、区長に申請しなければならない。
一 当該区域内の区民の過半数の合意が得られていること。ただし、区長が特に認める場合は、この限りでない。
二 既に登録を受けている他の地区まちづくりビジョンが対象とする区域と重複していないこと。
三 その他区規則で定める事項
5 区長は、ビジョン登録簿を一般の閲覧に供するものとする。
一 偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。
二 第三項各号に規定する要件に適合しなくなったと認めるとき。
(地区まちづくりルールの認定等)
第十一条 地区まちづくりビジョンの登録を受けたまちづくり組織は、その活動を行う区域に関するまちづくりの取決め(以下「地区まちづくりルール」という。)を定め、区長の認定を受けることができる。
2 前項の認定を受けようとするまちづくり組織の代表者は、区規則で定めるところにより、区長に申請しなければならない。
一 当該区域内の土地所有者等の過半数の合意が得られていること。
二 既に認定を受けている他の地区まちづくりルールが対象とする区域と重複していないこと。
三 その他区規則で定める事項
5 区長は、地区まちづくりルールを認定したときは、速やかにこれを公表するものとする。
一 偽りその他不正の手段により認定を受けたとき。
二 第三項各号に規定する要件に適合しなくなったと認めるとき。
(認定審査会)
第十二条 地区まちづくりルールの認定に関する審査を行うため、区長の付属機関として、港区地区まちづくりルール認定審査会(以下「認定審査会」という。)を置く。
2 認定審査会は、区長の諮問に応じ、地区まちづくりルールの認定に係る必要な調査審議を行い、区長に意見を述べるものとする。
3 認定審査会は、区長が委嘱する委員六人以内をもって組織する。
4 委員の任期は、二年とし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
(地区計画等に関する申出)
第十三条 地区まちづくりルールの認定を受けたまちづくり組織(以下「地区まちづくりルール認定組織」という。)及び法第十六条第三項に規定する者は、区規則で定めるところにより、地区計画等(法第十二条の四第一項各号に掲げる計画をいう。以下同じ。)に関する都市計画の決定若しくは変更又は地区計画等の案の内容となるべき事項(以下「地区計画等の原案」という。)を区長に申し出ることができる。
2 前項の申出をしようとするものは、事前に区長と協議しなければならない。
3 区長は、第一項の申出を受けた場合は、あらかじめ、港区都市計画審議会の意見を聴いた上で、都市計画の決定又は変更をする必要があるかどうかを判断し、必要があると認めるときは、地区計画等の案を作成するものとする。
4 区長は、前項の場合において都市計画の決定又は変更をする必要がないと認めるときは、遅滞なく、その旨及びその理由を当該申出をしたものに通知するものとする。
(地区計画等の案の作成手続)
第十四条 区長は、法第十六条第二項の規定に基づき、地区計画等の案を作成しようとする場合は、あらかじめ、次に掲げる事項を公告し、地区計画等の原案を当該公告の日の翌日から起算して二週間公衆の縦覧に供しなければならない。
一 地区計画等の原案の内容のうち、種類、名称、位置及び区域
二 地区計画等の原案の縦覧場所
2 区長は、前項に定めるもののほか、必要があると認めるときは、説明会の開催その他の周知措置を講ずるものとする。
3 法第十六条第二項に規定する者は、第一項の規定により縦覧に供された地区計画等の原案について意見を提出しようとする場合は、当該公告の日の翌日から起算して三週間を経過する日までに、意見を文書により区長に提出しなければならない。
(都市計画の決定等の提案)
第十五条 法第二十一条の二第二項に規定する条例で定める団体は、地区まちづくりルール認定組織とする。
2 土地所有者等、法第二十一条の二第二項に定める法人若しくは団体又は地区まちづくりルール認定組織は、同条第一項及び第二項の規定に基づき、区が定める都市計画の決定又は変更をすることを提案することができる。
3 前項の提案をしようとするものは、事前に区長と協議しなければならない。
4 第二項の提案は、区規則で定める書類を区長に提出して行わなければならない。
5 区長は、第二項の提案があったときは、法第二十一条の二第三項各号に規定する事項及びまちづくりマスタープランに適合するかどうかを審査しなければならない。
(区民及び新規居住者への支援)
第十六条 区長は、住み続けようとする区民及び新たに区内に居住しようとする者に対し、技術的支援、資金的支援その他の支援を行うことができる。
(開発事業者への要請)
第十七条 区長は、開発事業者に対し、まちづくりのために必要な協議を求めることができる。
2 区長は、開発事業者に対し、開発事業を行う区域内に居住している区民が、区内に引き続き居住できるための措置その他のまちづくりのために必要な措置を講ずるよう求めることができる。
(開発事業者等に対する措置)
第十八条 区長は、認定した地区まちづくりルールの実効性の確保又はまちづくりのために必要があると認めるときは、企業等及び区民等(以下「開発事業者等」という。)に対し、必要な指導及び助言を行うことができる。
2 区長は、前項の指導を受けてこれに従わない開発事業者等に対しては、期限を定めて必要な勧告をすることができる。
3 区長は、前項の規定による勧告を受けた開発事業者等が、正当な理由なくその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
(委任)
第十九条 この条例の施行について必要な事項は、区規則で定める。
付則
(施行期日)
1 この条例は、平成十九年十月一日から施行する。
(港区地区計画等の案の作成手続に関する条例の廃止)
3 港区地区計画等の案の作成手続に関する条例(昭和五十九年港区条例第三十号)は、廃止する。