○港区風致地区条例

平成二十五年十二月十三日

条例第六十四号

(目的)

第一条 この条例は、都市計画において定められた風致地区(面積が十ヘクタール以上であり、かつ、他の特別区の区域にわたるものを除く。以下同じ。)について都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第五十八条第一項の規定に基づき、都市の風致を維持するため必要な事項を定めることを目的とする。

(風致地区の種別)

第二条 風致地区の種別は、第一種風致地区及び第二種風致地区とし、その区域は、区長が指定する。

(許可を要する行為)

第三条 風致地区内において、次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ区長の許可を受けなければならない。

 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更(以下「宅地の造成等」という。)

 木竹の伐採

 土石の類の採取

 水面の埋立て又は干拓

 建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の新築、改築、増築又は移転(以下「建築」という。)

 建築物等の色彩の変更

 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第二条第一項に規定する廃棄物をいう。以下同じ。)又は再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成三年法律第四十八号)第二条第四項に規定する再生資源をいう。以下同じ。)の堆積

2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる行為に該当する行為で次に掲げるものについては、同項の許可を受けることを要しない。

 都市計画事業の施行として行う行為

 国、東京都(以下「都」という。)、特別区若しくは市町村又は当該都市計画施設を管理することとなる者が当該都市施設又は市街地開発事業に関する都市計画に適合して行う行為

 非常災害のため必要な応急措置として行う行為

 面積が十平方メートル以下の宅地の造成等で高さが一・五メートルを超えるのりを生ずる切土又は盛土を伴わないもの

 次に掲げる木竹の伐採

 間伐、枝打ち、整枝等木竹の保育のため通常行われる木竹の伐採

 枯損した木竹又は危険な木竹の伐採

 自家の生活の用に充てるために必要な木竹の伐採

 仮植した木竹の伐採

 本項各号及び次条各号に掲げる行為のため必要な測量、実地調査又は施設の保守の支障となる木竹の伐採

 土石の類の採取でその採取による地形の変更が第四号の宅地の造成等と同程度のもの

 面積が十平方メートル以下の水面の埋立て又は干拓

 建築物の新築、改築又は増築で、新築、改築又は増築に係る建築物又はその部分の床面積の合計が十平方メートル以下であるもの(新築、改築又は増築後の建築物の高さが八メートルを超えることとなるものを除く。)

 建築物の移転で移転に係る建築物の床面積が十平方メートル以下であるもの

 次に掲げる工作物(建築物以外の工作物をいう。以下同じ。)の建築

 風致地区内において行う工事に必要な仮設の工作物

 水道管、下水道管、井戸その他これらに類する工作物で地下に設けるもの

 消防又は水防の用に供する望楼及び警鐘台

 その他の工作物で建築に係る部分の高さが一・五メートル以下であるもの

十一 建築物等のうち、屋根、壁面、煙突、門、塀、橋、鉄塔その他これらに類するもの以外のものの色彩の変更

十二 屋外における土石、廃棄物又は再生資源の堆積で、面積が十平方メートル以下であり、かつ、高さが一・五メートル以下であるもの

3 国、都又は港区の機関が行う行為については、第一項の許可を受けることを要しない。この場合において、当該国、都又は港区の機関がその行為をしようとするときは、あらかじめ区長に協議しなければならない。

(適用除外)

第四条 次に掲げる行為については、前条の規定は、適用しない。この場合において、これらの行為をしようとする者は、あらかじめ区長にその旨を通知しなければならない。

 国土保全施設、水資源開発施設、道路交通、船舶交通若しくは航空機の航行の安全のため必要な施設、気象、海象、地象、洪水等の観測若しくは通報の用に供する施設、自然公園の保護若しくは利用のための施設若しくは都市公園若しくはその施設の設置若しくは管理に係る行為、土地改良事業若しくは地方公共団体若しくは農業等を営む者が組織する団体が行う農業構造、林業構造若しくは漁業構造の改善に関する事業の施行に係る行為、重要文化財等の保存に係る行為又は鉱物の掘採に係る行為

 道路、鉄道若しくは軌道、国若しくは地方公共団体が行う通信業務、認定電気通信事業(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第百二十条第一項に規定する認定電気通信事業をいう。)若しくは基幹放送(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第二号に規定する基幹放送をいう。)の用に供する線路若しくは空中線系(その支持物を含む。)、水道若しくは下水道又は電気工作物若しくはガス工作物の設置又は管理に係る行為(自動車専用道路以外の道路、駅、操車場、車庫及び発電の用に供する電気工作物の新設に係るものを除く。)

(許可の基準)

第五条 区長は、第三条第一項各号に掲げる行為で次に定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。

 宅地の造成等については、次に該当するものであること。

 植栽その他必要な措置を行うこと等により変更後の地貌が当該土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和とならないこと。

 変更を行う土地及びその周辺の土地の区域における木竹の生育に支障を及ぼすおそれが少ないこと。

 木竹が保全され、又は適切な植栽が行われる土地の面積の宅地の造成等に係る土地の面積に対する割合が、十パーセント以上であること。

 面積が一ヘクタールを超える宅地の造成等にあっては、高さが三メートルを超えるのりを生ずる切土若しくは盛土又は都市の風致の維持に特に必要な森林で区長があらかじめ指定したものの伐採を伴わないこと。

 木竹の伐採のうち森林の皆伐については、伐採後の成林が確実であると認められるものであり、かつ、伐採区域の面積が一ヘクタールを超えないこと。

 土石の類の採取については、採取の方法が採取を行う土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。

 水面の埋立て又は干拓については、埋立て又は干拓後の地貌が当該土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和とならないこと。

 建築物(仮設の建築物及び地下に設ける建築物を除く。)の建築については、次に該当するものであること。ただし、又はについては、当該建築物の敷地について風致の維持に有効な措置が行われることが確実と認められる場合であって、当該建築物の位置、規模、形態、意匠、建ぺい率及び容積率が、当該建築物の敷地の規模及び形態並びに当該建築物の敷地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないと認められる場合は、この限りでない。

 当該建築物の建ぺい率が、第一種風致地区にあっては十分の二以下、第二種風致地区にあっては十分の四以下であること。

 当該建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離が、道路に接する部分では第一種風致地区にあっては三メートル以上、第二種風致地区にあっては二メートル以上であり、その他の部分では一・五メートル以上であること。

 当該建築物の高さが、第一種風致地区にあっては十メートル以下、第二種風致地区にあっては十五メートル以下であること。

 当該建築物の位置、形態及び意匠が当該建築物の敷地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。

 工作物の建築については、当該工作物の位置、規模、形態及び意匠が当該建築の行われる敷地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。ただし、仮設の工作物及び地下に設ける工作物については、この限りでない。

 建築物等の色彩の変更については、変更後の色彩が当該変更に係る建築物等の敷地及びその周辺の土地の区域における風致と調和すること。

 屋外における土石、廃棄物又は再生資源の堆積については、堆積を行う土地及びその周辺の土地の区域における風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないこと。

2 第三条第一項の許可には、風致の維持に必要な条件を付することができる。この場合において、この条件は、当該許可を受けた者に不当な義務を課するものであってはならない。

(調査のための立入り等)

第六条 区長は、風致の維持に必要なため他人の占有する土地に立ち入って測量又は調査を行う必要があるときは、その必要な限度において、他人の占有する土地に、自ら立ち入り、又はその命じた者若しくは委任した者に立ち入らせることができる。

2 前項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があった場合は、これを提示しなければならない。

(監督処分)

第七条 区長は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、風致の維持に必要な限度において、この条例の規定によってした許可を取り消し、変更し、その効力を停止し、その条件を変更し、若しくは新たに条件を付し、又は工事その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて建築物等の改築、移転若しくは除却その他違反を是正するため必要な措置をとることを命ずることができる。

 この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した者

 この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した工事の注文主若しくは請負人(請負工事の下請人を含む。)又は請負契約によらないで自らその工事をした者

 第三条第一項の許可に付した条件に違反した者

 詐欺その他不正な手段により第三条第一項の許可を受けた者

(罰則)

第八条 前条の規定による区長の命令に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。

第九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 第三条第一項の規定に違反した者

 第五条第二項の規定により許可に付せられた条件に違反した者

第十条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員がその法人又は人の業務又は財産に関して前二条に規定する違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、平成二十六年四月一日(以下「施行日」という。)から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に東京都風致地区条例の一部を改正する条例(平成二十五年東京都条例第百十九号)による改正前の東京都風致地区条例(昭和四十五年東京都条例第三十六号。以下「旧都条例」という。)の規定により東京都知事が行った処分その他の行為又は現に旧都条例の規定により東京都知事になされている申請その他の行為で、施行日以後においては、区長が行うこととなる事務に係るものは、この条例の相当規定により区長が行った処分その他の行為又は区長になされた申請その他の行為とみなす。

3 前項の規定によりこの条例によりなされたものとみなされた東京都知事が行った処分その他の行為又は東京都知事になされた申請その他の行為に係る事務の基準については、旧都条例の規定の例による。

港区風致地区条例

平成25年12月13日 条例第64号

(平成26年4月1日施行)