○港区社会福祉法人指導監査実施要領

平成29年6月21日

29港保福第1043号

(趣旨)

第1条 この要領は、社会福祉法(昭和26年法律第45号)の規定に基づき実施する社会福祉法人(以下「法人」という。)の指導監査について、「社会福祉法人指導監査実施要綱の制定について」(平成29年4月27日付厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、社会・援護局長、老健局長連名通知)別添「社会福祉法人指導監査実施要綱」(以下「要綱」という。)に定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。

(用語)

第2条 この要領で使用する用語は、特段の定めがある場合を除くほか、要綱において使用する用語の例による。

2 この要領において、実地検査とは、一般監査又は特別監査において、法人の主たる事務所又は当該法人が経営する施設・事業所(以下「事務所等」という。)に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の検査を行うことをいう。

(実施方針)

第3条 指導監査を重点的かつ効果的に行うため、社会福祉行政の動向を踏まえ、指導監査の重点項目を掲げる社会福祉法人指導監査実施方針(以下「実施方針」という。)を、毎年度一般監査を開始する時までに、別に定める。

(実施計画)

第4条 一般監査の対象法人、実施時期及び班編成等を含む実施計画は、毎年度一般監査を開始する時までに、別に策定する。

2 法人や法人が経営する社会福祉事業等の運営に問題が発生した場合又は通報、現況報告書の確認の結果等により、そのおそれがあると認められる場合は、実施計画にかかわらず適宜指導監査を実施する。

(調査書等の提出)

第5条 法人には、第3条で定める実施方針を踏まえ指導監査に必要な監査項目を掲げた「社会福祉法人調査書」又は「社会福祉協議会調査書」(以下「調査書」という。)(法人の自己点検項目を含む。)を作成・送付し、毎年度区が指定する期限までに、調査書及び関係資料の提出を求める。

(指導監査に係る基準等)

第6条 指導監査の確認事項や着眼点、指摘基準等は、要綱別紙「指導監査ガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)によるものとする。

(一般監査の実施)

第7条 一般監査は、監査の対象となる法人の事務所等実地において、関係者からの事前提出書類や事務所等で保管している関係書類を基に説明を求め面談方式で行うことを基本とする。

2 一般監査における実地検査は、原則として1日で実施する。なお、実地検査の実施場所に当該法人が経営する施設等が所在する場合は、当該施設等の検査も同日に実施することができるものとする。

3 一般監査の実施に当たっては、実地検査の日の前までに到達するよう、あらかじめ次に掲げる事項を文書により当該法人に通知する。ただし、法人又は当該法人が経営する施設等において、重大な問題が発生した場合又は苦情・通報、現況報告書等の確認の結果からその疑いがあるなどの理由により、あらかじめ通知すると当該法人又は施設等の日常における運営状況を確認することができないと認められる場合は、一般監査の開始時に次に掲げる事項を文書により通知するものとする。

(1) 一般監査の根拠規定

(2) 一般監査の日時

(3) 検査員の氏名

(4) 準備すべき書類等

4 一般監査においては、原則として係長級以上の職にある者を班長とする職員2名以上の検査員により検査班を編成する。なお、検査員は相互に緊密な連携を保つものとし、係長級の職にあるものが相互の関係を調整する。

5 実地検査においては、その効果を高めるために、必要に応じて、当該法人が経営する施設等の指定、認可等の所管課や、法人関係者に対し、実地検査への立会いを求め、又は必要事項の調査・照会を行う。

6 実地検査において法人と指導の内容に関する認識を共有するために、検査員相互で調整を行った上で、実地検査における指導事項を記載した書面(以下「実地検査指導事項票」という。)を作成し、法人に写しを交付する。なお、法人に対し検査結果を通知するまでの間に、指導事項の追加又は変更が生じた場合は、実地検査指導事項票を差し替えることとする。

7 実地検査終了後、実地検査指導事項票を用いて、法人の役員等に対して、当日の検査結果を講評し、改善の必要な事項と改善方法を口頭で指示する。なお、講評は班長が行う。ただし、法令解釈等で疑義が生じた場合など状況によっては、実地での講評を行わず、関係者を招致して行うことができる。

(一般監査の結果及び改善状況の報告等)

第8条 検査員は、実地検査終了後、直ちにその結果について綿密に検討し、問題点のある場合はそのことを明確にした上で保健福祉支援部長へ復命する。

2 検査員は、前項の検討結果に基づき、監査結果を当該法人理事長宛文書で通知する。この場合、「ガイドライン」に定める文書指摘事項が認められるときは、問題点及び改善方法等を具体的に通知する。

3 一般監査をより効果的なものとするため、1項の復命及び前項の結果通知は、実地検査終了後速やかに行う。

4 一般監査結果の文書指摘事項については、法人理事長に対し、改善状況報告書又は改善計画書の提出を求め、その改善内容を確認する。なお、改善状況報告書等の提出期日については、2項の結果通知発送日から30日以内とする。

5 改善内容の確認に当たっては、改善状況報告書の提出時に、改善の事実を客観的に証明する書類の添付を求めるほか、必要と認める場合には、法人における改善状況の確認のため、法人の事務所等実地において調査(以下「確認調査」という。)を行うものとする。

6 前項により改善内容を精査した結果、改善の措置が認められたとき又は改善中ではあるが措置が講じられる見込みがあるものと判断したときは、当該監査を終結する。なお、終結時において改善中の事項については、継続的に改善状況を確認し、指導を継続する。

7 第5項により改善内容を精査した結果、確認調査を行ってもなお、法令、定款等に違反している場合や、運営に著しく適正を欠く等、改善の措置が認められない、又は改善の意思が確認できないときは、法令の定めるところにより、改善勧告又は行政処分を行うための手続を進めることができる。

(特別監査の実施)

第9条 特別監査は、実地検査を行うほか、提出を命じた帳簿書類を持ち帰り確認する方法や当該法人の役員、職員等に対し出頭を求め質問するなど、効率的・効果的な方法を適宜用いて、実施するものとする。

2 特別監査は、次に掲げるいずれかに該当する場合に実施する。

(1) 度重なる一般監査によっても、改善の措置が認められないとき。

(2) 運営等に重大な問題や不祥事の発生が確認されたとき。

3 特別監査は、監査の目的・効果をその都度勘案し、問題の重要性や緊急性等の状況に応じ、苦情・通報等の情報や一般監査において確認した情報等から疑われる、運営上の不正又著しい不当行為の事実関係を的確に把握できるまで、継続的に実施する。

4 特別監査の実施の通知は、一般監査に準じて行う。

5 検査体制は、原則として課長級以上の職にある者を班長とする職員3名以上の検査員により検査班を編成する。

6 実地検査終了後、実地検査指導事項票を用いて、法人の役員等に対して、当日の検査結果を講評し、改善の必要な事項と改善方法を口頭で指示する。ただし、状況によっては、実地での講評を行わず、関係者を招致して行うことができる。

7 特別監査においては、その効果を高めるために、必要に応じて、当該法人の施設等の指定、認可等の所管課や、法人関係者に対し、実地検査への立会いを求め、又は必要事項の調査・照会を行う。

(特別監査後の措置)

第10条 検査員は、実地検査終了後、その概況を保健福祉支援部長に報告し、必要に応じ当該法人の施設等の指定、認可等の所管課と協議する。

2 特別監査の結果、改善を要すると認められた事項については、一般監査後の措置に準じ、後日文書によってその旨の通知を行い、その改善状況について、文書により報告を求める。

3 改善報告若しくは改善計画が期限内に提出されないとき、又は前項の改善内容を精査した結果、改善の意思がなく、若しくは改善を怠っていると認められるときは、法令の定めるところにより、改善勧告又は行政処分を行うための手続を進める。

(外部有識者への相談等)

第11条 指導監査を実施するに当たり、法律、会計等に関し重要な判断を要する場合は、各専門の有資格者に相談を依頼し、その回答をもって適正に執行する。

2 一般監査の結果等から重大又は悪質な違反行為が認められた法人に対し特別監査を実施するに当たっては、当該法人が経営する施設等の指定、認可等の所管課や東京都等に助言を得るなどして、迅速かつ効果的な指導監査を実施する。

(指導監査情報の公表)

第12条 指導監査に関する情報は、個人情報など法令等により非開示とされる場合を除き、公開に努める。

2 区長が今後の法人指導等に支障があると認めた場合を除き、一般監査及び特別監査の結果及び改善状況について、区ホームページへ掲載し、区民へ広く情報提供する。

(関係機関等との連携)

第13条 指導監査の実施に当たっては、当該法人が経営する施設等の指定、認可等の所管課に、必要な情報又は資料の提供、施設等の指導監査結果の提供、その他必要な協力を求める等、十分に連携を図るものとする。

(感染症のまん延下における指導監査)

第14条 感染症のまん延下における指導監査は、要綱2(1)ただし書き規定に基づき実施するものとする。本指導監査における具体的な取扱は、その時の感染状況などを踏まえ、別途定めるものとする。

この要領は、平成29年6月21日から施行し、平成29年4月1日から適用する。

この要領は、平成30年8月1日から施行し、平成30年4月1日から適用する。

この要領は、令和4年8月8日から施行し、令和4年4月1日から適用する。

港区社会福祉法人指導監査実施要領

平成29年6月21日 港保福第1043号

(令和4年8月8日施行)