令和4(2022)年度包括外部監査結果報告書 (概要版) 港区包括外部監査人 竹内 朗 1 外部監査のテーマ等 監査テーマ 多様性の尊重に関する事業の財務事務の執行について 選定理由 港区は、港区基本計画(令和3年度~令和8年度)において、めざすまちの姿の一つとして、「区民一人ひとりが大切にされ、多様性を認め合い、港区への愛着と誇りを持って活発なコミュニティが醸成されているまち」を掲げている。 そして、重点課題4として、「多様な人がともに支え合いながら暮らす『地域共生社会』の実現」を掲げ、「あらゆる人が、ともに支え合いながら、自分らしく生きがいを持って心豊かに暮らせる地域共生社会を実現」としている。 また、重点課題6として、「地域の力を結集して課題を解決する『参画と協働』の推進」を掲げ、「区民、民間及び全国各地域の力を結集し、都心にふさわしい『参画と協働』の取組を推進」としている。 社会に目を転じれば、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)では、「包摂性:誰一人取り残さない」「参画型:全てのステークホルダーが役割を」といった特徴が打ち出されている。港区も、港区基本計画において政策や施策とSDGsとの関連を明らかにし、SDGsの目標を踏まえて区政を推進していくことを表明している。 そして、民間企業においても、組織のダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂性)を推進することが、イノベーション(新たな価値を創造する変革)の促進につながると理解されている。 こうした理解を出発点として、港区が推進する「多様性の尊重に関する事業」を包括外部監査の対象とすることは、監査テーマとして今日的かつ先進的であり、港区の在住者・在勤者・在学者・来街者及び港区職員(以下「港区の在住者等」という。)の関心も高く、有意義であると考えた。 とはいえ、「多様性」という概念は、漠然としており多義的である。 そこで、本監査においては、「多様性」の概念を、「多様な背景や個性を持った港区の在住者等がコミュニティに包摂され、共生・参画・協働する中で、 新たな価値が創造されること」「その新たな価値を、コミュニティを構成するあらゆる人々が享受すること」と定義することにした。 つまり、多様性が尊重されることはあくまで手段と位置づけられ、その目的はコミュニティを構成するあらゆる人々が新たな価値を享受することにある。 そして、港区が推進している各個別計画(港区男女平等参画行動計画、港区国際化推進プラン、港区地域保健福祉計画・港区高齢者保健福祉計画・港区障害者計画、港区子ども・子育て支援事業計画)の中にも、多様性の尊重に関する事業を数多く見出すことができる。 港区が事業として進めている「人権尊重・啓発」「男女平等参画」「国際化推進」「障害者福祉」「子ども・子育て支援」「高齢者支援」は、マイノリティとして排除されかねない人たちをコミュニティに包摂する、マイノリティに対する人権侵害や差別を撤廃する、という効果があり、それ自体が意義のある施策であるが、今回は福祉施策的な側面よりも、多様性の尊重を特に意識すべき政策分野である点に焦点をあてることとした。 そこで、「多様性の尊重に関する事業」の具体的な中身としては、 人権尊重・啓発に関する事業 男女平等参画に関する事業 国際化推進に関する事業 障害者福祉に関する事業 子ども・子育て支援に関する事業 高齢者支援に関する事業 を監査の対象とすることとした。 さらに、多様性の尊重に関わる事業を推進している自治体としての港区自身の、組織としてのダイバーシティ&インクルージョンはどれほど進んでいるのかという点も、区民・区内事業者・区職員の関心が高いと思われたので、自治体としての港区における多様性の尊重に関する事業及び取組も監査の対象とすることとした。 監査の視点 ・多様性の尊重に関する事業の財務事務の執行が、関連する法令及び条例・規則等に従い、適正に行われているか。 ・多様性の尊重に関する事業の財務事務の執行が、経済性、効率性及び有効性の観点から、合理的かつ適切に行われているか。 2 外部監査の結果及び意見の要旨 外部監査の総括は、次のとおりである。 No.1 報告書23頁 意見 多様性の尊重を軸に据え、コミュニティを構成するあらゆる人々が新たな価値を享受するという本来の目的に向かって施策を展開し、着実に推進されたい。 理由 港区は、港区基本計画(令和3年度~令和8年度)において、めざすまちの姿の一つとして、「区民一人ひとりが大切にされ、多様性を認め合い、港区への愛着と誇りを持って活発なコミュニティが醸成されているまち」を掲げている。 そして、重点課題4として、「多様な人がともに支え合いながら暮らす『地域共生社会』の実現」を掲げ、「あらゆる人が、ともに支え合いながら、自分らしく生きがいを持って心豊かに暮らせる地域共生社会を実現」としている。 また、重点課題6として、「地域の力を結集して課題を解決する『参画と協働』の推進」を掲げ、「区民、民間及び全国各地域の力を結集し、都心にふさわしい『参画と協働』の取組を推進」としている。 このように、港区の高次の政策においては、「多様性の尊重」を軸に据え、「包摂と共生」「参画と協働」という方向性を打ち出している。 そして、港区が推進している各個別計画(港区男女平等参画行動計画、港区国際化推進プラン、港区地域保健福祉計画・港区高齢者保健福祉計画・港区障害者計画、港区子ども・子育て支援事業計画)の中にも、多様性の尊重に関する事業を数多く見出すことができる。 港区が事業として進めている「人権尊重・啓発」「男女平等参画」「国際化推進」「障害者福祉」「子ども・子育て支援」「高齢者支援」は、マイノリティとして排除されかねない人たちをコミュニティに包摂する、マイノリティに対する人権侵害や差別を撤廃する、という効果があり、それ自体が意義のある施策であるが、今回は福祉施策的な側面よりも、多様性の尊重に焦点をあて、監査を実施した。 これらの各個別計画や事業は、特に意識すべき政策分野として、多様性の尊重を軸に据えて推進していく必要があると思われるものの、現状では、多様性の尊重に向けた複数の手段が並列的に並べられている段階にあり、多様性の尊重を軸に据えて諸施策を連動させ、分野横断的に展開されているものとはなっていないように見受けられる。 また、「包摂と共生」という施策の方向性は、概ね共通して見受けられ、従来の福祉施策的な側面も「包摂と共生」という施策の中に取り込んで理解することができると思われる。もっとも、「参画と協働」という施策の方向性については、男女平等については強く意識されているものの、それ以外については男女平等ほどは 意識されていないように見受けられる。 そこで、多様性の尊重が「多様な背景や個性を持った港区の在住者等がコミュニティに包摂され、共生・参画・協働する中で、新たな価値が創造されること」「その新たな価値を、コミュニティを構成するあらゆる人々が享受すること」を目的とすること、そのための手段として「包摂と共生」「参画と協働」という施策の方向性が打ち出されていることを特に意識しながら、各個別計画や事業を連動させ、分野横断的に展開されていくことが望ましい。 ついては、次のような施策を展開し、着実に推進されたい。 ・港区基本計画の中に、「多様性の尊重」を軸に据えた取組を掲げ、その目指す目的を明確に示し、目的の進捗状況を管理する指標を定めること ・「人権尊重」「男女平等参画」「国際化推進」「障害者福祉」「子ども・子育て支援」「高齢者支援」という従来の諸施策を、個別計画において「多様性の尊重」を軸に据えた、新たな価値の創造、そして区民等がそれを享受することまでを目的とし、新たな施策の具体策として位置づけ、その目指す目的との連動性を明確に示すこと ・従来の諸施策を推進する各部門が、多様性の尊重を軸に据えて、組織横断的に連携するために必要な組織体制を整備すること さらに、自治体としての港区における多様性の尊重に関する事業及び取組についても、区職員の多様性が尊重されることはあくまで手段であり、その目的は新たな価値を創造すること、その価値をコミュニティを構成するあらゆる人々が享受すること、という理解の下に施策を進めることを検討されたい。 【外部監査の結果及び意見(各論)】 下記は、あくまで要旨にすぎないため、具体的な内容や根拠については、包括外部監査結果報告書(本編)を参照のこと。 Ⅰ 人権尊重・啓発に関する事業 Ⅰ-1 人権尊重・啓発 No.2 報告書41頁 指摘 憲法週間記念講演と映画のつどい事業について、受託者に著作権が生じ、区が譲渡を受ける必要のある契約については、著作権の規定がある契約ひな形を使用するか、仕様書において必要事項を定めるべきである。 内容 本事業に係る動画制作業務委託契約では、一般の委託契約書のひな形が使われており、また仕様書においても、「成果物(本業務を通じて、受注者が作成した全てを含む。)にかかる著作権は発注者に帰属する。」という記載があるだけであった。そのため、著作権譲渡に関してトラブルを避けるために規定する必要がある、著作権法第27条及び第28条の特掲や、受注者による著作人格権の不行使についての定めが抜けてしまっていた。 動画制作は、著作権が特に問題となり得るものであることから、今後は、適切なひな形を使用するか、仕様書に必要事項を定めるよう留意されたい。 No.3 報告書43頁 指摘 人権週間記念講演と映画のつどい事業について、著作権が生じる契約であるため、著作権に関する契約条項を使用するか、仕様書に必要事項を記載すべきである。 内容 人権週間記念講演と映画のつどいについても、一般のひな形が使用されていた。 今後は、適切なひな形を使用するか、仕様書に必要事項を定めるよう留意されたい。 No.4 報告書43頁 指摘 人権講座について、著作権が生じる契約であるため、著作権に関する契約条項を使用するか、仕様書に必要事項を記載すべきである。 内容 人権講座の動画編集等業務委託契約については、一般のひな形が使用されており、仕様書に著作権に関する規定が定められていなかった。 今後は、適切なひな形を使用するか、仕様書に必要事項を定めるよう留意されたい。 No.5 報告書43頁 意見 人権講座のうち、オンライン形式で行われた講座について、参加者が増えるよう周知方法の工夫を検討すべきである。 内容 令和3年度にオンライン形式で行われた講座は、参加者が2名であった。講師料は無償であったが、準備のために労力がかかっていることや、研修の目的を考えると、それらに見合った十分な効果があったとは言い難い。 今後、オンラインで開催するときは、参加者が増えるよう、周知方法を工夫されたい。 No.6 報告書43頁 意見 同和対策等研究集会参加について、来年度以降については、効果検証をした上で、参加する研修や派遣する職員を精査することを検討すべきである。 内容 スキルアップのために費用をかけて参加させているのであれば、どの程度スキルアップしたのか、アンケートを実施するなどの効果測定を行うべきである。 その上で、次年度以降については、どの講座にどの部署の職員を派遣すれば最大限の効果が上がるのかを詳細に検討した上で、参加対象研修の絞り込みなどを行うことを検討されたい。 No.7 報告書44頁 意見 新聞・雑誌の購読について、来年度以降については、効果検証をしたうえで、より効果的な活用を検討すべきである。 内容 来年度以降については、購読している者全員に対し、感想や業務への具体的な活用状況についてのアンケートを実施するなどの効果検証をしたうえで、より効果的な活用ができるよう検討されたい。 今後は、適切なひな形を使用するか、仕様書に必要事項を定めるよう留意されたい。 Ⅱ 男女平等参画に関する事業 Ⅱ-1 男女平等参画推進 No.8 報告書49頁 意見 男女平等参画に関する苦情申出制度について、過去5年間利用がないため、過去の解決事例や制度の対象となる事案の例を挙げるなど、より効果的な制度周知を行うことを検討すべきである。 内容 現状では、チラシ等で周知を行っているとのことであるが、どのような事案が対象になるのか区民が把握できていない可能性もあるので、解決事例や、対象となる事案の例を挙げるなどして、より効果的な周知を行われたい。 No.9 報告書50頁 意見 苦情相談員の報酬について、「1回」の具体的な内容を事前に定めるなど、適切に報酬が支払われるような工夫を検討すべきである。 内容 苦情相談員については、「1回」につき報酬が支払われることになっているが、苦情相談員が行うのは、上記のとおり「調査」等であり、「1回」という概念にそぐわない場合も考えられる。 今後、事案が生じた場合には、例えば通常の審議会等の長さを考慮して、2時間程度の調査を行った場合には「1回」とするなど、どのような業務を行った場合に「1回」と捉えるかを明確にした上で、適切に報酬が支払われるよう工夫されたい。 No.10 報告書50頁 意見 男女平等参画センター運営協議会について、委員の出席が確保できるような工夫を検討すべきである。 内容 運営協議会の委員の中に、令和3年度に開催された全12回のうち、一度も出席していない委員が1名、4回しか出席していない委員が1名見受けられた。今後は、年度当初に開催日程を決定するなど、委員の出席が確保できるような工夫をされたい。 Ⅱ-2 ワーク・ライフ・バランス推進事業 No.11 報告書56頁 意見 ワーク・ライフ・バランス推進企業認定事業について、港区の中小企業における多様性の尊重に繋がるよう、応募動機の調査や、ホームページへの掲載状況の調査を行ったうえで、認定項目の見直し等を検討すべきである。 内容 今後は、港区の中小企業における多様性の尊重に繋がるような、多様な人材確保という観点をより重視した認定となるよう、応募動機の調査や、ホームページへの掲載状況の調査を行ったうえで、認定項目の見直し等を検討されたい。 No.12 報告書57頁 意見 仕事と家庭の両立支援事業について、中小企業が両立支援体制を整備するインセンティブとなるような取組の必要性について、調査・研究することを検討すべきである。 内容 現状の制度では、いずれの奨励金も、制度が整備されていることを前提に、利用実績があった場合に支給されるものとなっている。現状の奨励金制度にも合理性があるとは認められるが、今後は、より中小企業において両立が進むよう、制度整備奨励金のような、体制整備のインセンティブとなるような取組の必要性について、調査・研究されたい。 Ⅱ-3 男女平等参画センター管理運営 No.13 報告書66頁 意見 業務基準書について、平成28年の改定前のひな形が使われていたため、今後は最新のひな形を使うよう留意すべきである。 内容 業務基準書のひな形は平成28年2月に改正され、それまでのひな形において必要とされていた「行動マニュアル」の作成は不要となっていたが、所管課である人権・男女平等参画担当において、改正前の古いひな形を使用して協定を締結していたことが原因であった。業務基準書は指定管理者の義務を定める重要な取り決め内容であり、事件・事故の際の対応などの総則的事項については区で統一する必要があると考えられるため、最新のひな形を使うよう留意されたい。 No.14 報告書67頁 意見 今後の指定管理者制度の運用については、指定管理料に債務負担行為を設定する等、地方自治法の趣旨も踏まえた見直しを検討すべきである。 内容 今後の指定管理者制度の運用については、港区立男女平等参画センターの運営等、指定期間内において指定管理料を毎年支出することが見込まれる場合には、債務負担行為を設定する等、地方自治法の趣旨も踏まえた見直しを検討されたい。 No.15 報告書68頁 意見 男女平等推進団体・学習団体について、リーブラの設置目的に沿った団体が増加するよう、SNSを通じたリーブラの存在及び事業内容の周知や区内大学・企業への広報などを検討すべきである。 内容 今後は、リーブラの設置目的に沿った男女平等推進団体・学習団体、特に若年層で構成されるこれらの団体が増加するよう、SNSによる広報のさらなる有効活用や、区内大学・企業への直接の広報などを検討されたい。 No.16 報告書69頁 意見 フェスタinリーブラについて、SNSの利用など、認知度を向上させる取組を行うことを検討すべきである。 内容 指定管理者においても工夫しているところではあるが、今後SNSをさらに積極的に活用するなど、フェスタinリーブラの認知度を向上させる取組を行われたい。 No.17 報告書69頁 意見 フェスタinリーブラについて、活動成果発表における男女平等参画推進事業の強化や、若い世代の参加を促す工夫を検討すべきである。 内容 今後は、リーブラの設置目的により合致するよう、活動成果発表における男女平等参画推進事業の強化や、若い世代の参加を促す工夫を検討されたい。 No.18 報告書70頁 意見 リーブラ主催講座について、有職の若年女性が参加しやすくなるよう、講座の内容、開催時間、開催方法及び周知方法についての工夫を検討すべきである。 内容 今後は、有職女性に対してアンケートを行った上で、講座内容や開催日時を見直したり、区内企業のダイバーシティ・インクルージョンを担当する部署にリーブラ主催講座の広報を直接行ったりするなど、有職の若年女性が参加しやすくなるような工夫を検討されたい。 Ⅱ-4 中小企業ワーク・ライフ・バランス支援 No.19 報告書76頁 指摘 ワーク・ライフ・バランス支援業務委託契約書について、著作権の規定がある契約ひな形を使用するか、仕様書において著作権法第27条及び第28条の規定も含んだ必要事項を定めるべきである。 内容 ひな形については一般の委託契約に関するものが用いられているため、著作権の譲渡に関する同法第27条及び第28条の特掲などが抜けてしまっている。 今後は、著作権あり版ひな形を使用するか、仕様書において著作権法第27条及び第28条の規定も含んだ必要事項を定めるべきである。 No.20 報告書76頁 意見 セミナー及びその後の相談会について、オンライン開催にするなど参加人数を増やす工夫を検討すべきである。 内容 本事業については、指定管理者の事業として移管されているとのことであるが、今後はオンライン開催も含め、参加人数を増やす工夫をされたい。 No.21 報告書77頁 意見 出前によるワーク・ライフ・バランスの相談及び推進支援について、より効果的な事業となるよう、実施内容の見直しを検討すべきである。 内容 本事業については、指定管理者の事業として移管されており、指定管理者にはワーク・ライフ・バランス支援業務の受託者であったNPOみなとも含まれているとのことであるが、今後は、例えば経営相談も行うなど、相談事項の幅を広げ、指定管理者の持つ専門知識を十分に生かした効果的な事業とするべく、実施内容の見直しを検討されたい。 Ⅲ 国際化推進に関する事業 Ⅲ-1 ICT意識調査 No.22 報告書82頁 意見 港区公式SNSによる多言語での情報発信について継続的に改善を検討すべきである。 内容 今後も、外国人に対する区政情報の発信に当たって、外国人の動向を踏まえて、港区公式SNSによる多言語での情報発信の強化(その際、調査結果の中で外国人の利用が多いと判明しているSNSサービスへの新規展開や拡大を視野に入れた検討も含む)の継続的な改善の検討を行われたい。 他方、これら調査結果を踏まえて、費用対効果を勘案し、従来の手法の縮小を行うことも重要であり、適切であるが、港区として多様な広報媒体(紙媒体、ケーブルテレビ)を選択肢として持っていることのメリットにも配意されたい。 Ⅲ-2 多言語対応推進 No.23 報告書85頁 意見 通訳タブレットや音声翻訳機の端末の追加配備を含む適正・十分な配備に留意されたい。 内容 すでに利用実績の把握、集計が実施されており、これに基づく再配備も一定程度行われているが、引き続き、未配備の部署、事業所におけるニーズも把握するなどして、端末の追加配備を含む適正・十分な配備に留意されたい。 Ⅲ-3 外国人への情報提供事業 No.24 報告書87頁 意見 ミナト・インフォメーション・ボードのフォロワー数増加の方策を講じることについて検討すべきである。 内容 ミナト・インフォメーション・ボードは、外国人(外国語を使う住民)をターゲットとして情報発信するツールとしての意義があるため、フォロワー数の増加のための方策を講じられたい。 Ⅲ-4 一般財団法人港区国際交流協会助成 No.25 報告書92頁 指摘 港区国際交流協会に対する補助金の決定に当たって、同協会の事業運営や財政の実態を適切に把握し、適正な助成額を具体的に判断すべきである。併せて、同協会に対し、適切な監督・助言を行うべきである。 内容 中期経営計画(第3期)策定の時点において経営基本計画どおりの進捗が実現していないことが判明していたならば、国際交流協会としては、現状を踏まえた中期経営計画を策定し、補助金申請(予定)額についても経営基本計画策定時の想定から変更することが検討されるべきであったと考えられる。 このことと対応して、港区の担当部署としては、国際交流協会からの補助金交付申請等の機会を捉えて、同協会に対し、中期経営計画の内容に関して助言したり、補助金交付を通じた一定の監督をしたりすべきであったと考えられる。 今後、現在の経営基本計画及び中期経営計画(第3期)の対象期間の満了を迎えることから、この機に、国際交流協会の事業運営や財政の実態を適切に把握し、今後は、年度毎の適正な助成額を具体的に判断していくべきである。 No.26 報告書93頁 意見 国際交流協会の組織運営・体制についても審査の対象として捉え、不十分な点については是正を促す等の対応をすべきである。 内容 補助金交付を行う港区の立場からも、国際交流協会において中期経営計画の実現が困難となっている状況にあっては特に、同協会の理事等役員の構成や理事会等の会議体の運営状況を確認・評価し、理事等の知見が同協会の事業運営に活かされ得る体制となっているか否かという点も含めて、補助金の交付決定の判断材料とし、不十分な点があれば是正を促す等の対応をすべきである。 付言すると、令和3年度までの状況からは、「経営の自立化」が港区からの委託事業を前提としない、自主事業での黒字化を目標とするものであれば、いささか無理があると考えられる。国際交流協会が現在担っている各事業の意義・重要性、それら事業の一部は採算性を前提としない福祉施策的位置付けの事業であることに鑑みて、同協会を港区の政策実現のための必要なパートナーとして位置づけて、当面、港区が発注する委託事業を織り込んだ「経営の自立化」を目標とするような方向性も検討されるべきである。 No.27 報告書94頁 意見 国際交流協会に対する補助金について、運営費補助から事業費補助への変更、成果指標(アウトカム指標)を設定して効果測定・検証を実施するなど、あり方を検討されたい。 内容 補助金等の交付にあたっては、事業費を補助金の交付対象として、政策的に当該事業の実施について必要性が認められる場合に交付されることが望まれる。また、事業費補助に変更して成果指標(アウトカム指標)を設定することで、毎年PDCAによる効果測定・検証が可能となる。そのため、国際交流協会に対する補助金は、交付要綱を見直しのうえ事業費に対する補助へ切り替えることも含め、あり方を検討されたい。 No.28 報告書94頁 意見 国際交流協会の収支管理方法では、人件費等のコストが事業別に把握できていないため、これらのコストについて各事業に適切に按分することで正確な事業別の収支状況を把握できるようにすることを検討すべきである。 内容 国際交流協会において、事業費と別に計上されている人件費について各事業に適切に按分することで正確な事業別の収支状況を把握されることが、収支状況が芳しくない現状にあって特に重要であるため、港区として、この点の改善について国際交流協会に働きかけをすべきである。 Ⅲ-5 国際交流スペースの運営 No.29 報告書98頁 意見 国際交流団体以外の団体に集会室利用を広げることの是非を検討されたい。 内容 現在の運営では、国際交流団体のみを団体登録しているが、その結果、令和3年度の登録団体は8団体にとどまり、また、定例的・頻繁に集会室を利用しているのはそのうち2団体程度にとどまる実態にある。新型コロナウイルスの影響もあるとはいえ、現状、利用が低調であることは否めない。 こうしたことから、国際交流団体以外の団体の団体登録を可とし、集会室利用を広げることの是非を検討されたい。 Ⅲ-6 地域で育む日本語学習支援プロジェクト No.30 報告書100頁 意見 事業を必要とする外国人への利用促進に関する方策を検討すべきである。 内容 基礎日本語教室の講座の開設であれば、曜日・時間帯・場所・回数・費用の設定等において、低賃金で労働している外国人の層に、より利用しやすい設定を検討したり、それら層に届きやすい周知方法を検討したりといった考慮や工夫を検討すべきである。 Ⅲ-7 やさしい日本語推進 No.31 報告書103頁 意見 外国人参加者の地域参加に関する効果を検証すべきである。 内容 事業の報告書における参加者の感想からは好評を得ていることが窺えるが、その上で、本事業が外国人参加者のその後の地域参加につながるといった成果に結びついているのか、事業の効果を検証すべきである。 Ⅲ-8 国際文化交流事業 No.32 報告書106頁 意見 事業の効果を評価・検証し、事業継続の是非や事業の実施形態について検討すべきである。 内容 担当部署において、参加者数の実績含め、本事業の効果を評価・検証し、事業の継続の是非や事業の実施形態について検討されたい。 Ⅲ-9 外国人のための防災対策 No.33 報告書108頁 意見 他の施策・事業への参加を含め、港区国際防災ボランティアのさらなる活用を検討すべきである。 内容 登録ボランティアは、防災に関心があり、かつ、外国人支援ができる語学力を備えた人材であるところ、登録・育成したボランティアに災害時にのみ活躍を期待するのではなく、平常時において、国際化に関する他の事業にも活動を広げてもらうための仕掛け(国際交流協会に委託している事業の案内・勧誘など)や、他の事業の参加者を国際防災ボランティアに勧誘するといった、事業間での連携の工夫をすべきである。 Ⅲ-10 災害時における情報発信・伝達手段の強化 No.34 報告書111頁 意見 「港区防災アプリ」について、外国人の登録数拡大を図られたい。 内容  現状、「港区防災アプリ」は、プッシュ通知などの特長、利点があり、外国人にとっても有用なサービスであるところ、外国人向けの情報発信の機会を捉えた広報に努め、外国人の登録数拡大を図られたい。 Ⅲ-11 赤坂地区赤坂・青山 Meet upプロジェクト No.35 報告書113頁 意見 イベントの成果を活かす方策を講じられたい。 内容 イベントの成果をさらに活かすべく、イベント終了をもって交流やつながりが終了、完結しないように、参加者間でのつながりや、参加者(日本人・外国人とも)の地域活動・地域とのつながりが生まれる(継続する)ような工夫、行事後のフォローといった取組がなされることに期待したい。 Ⅲ-12 港区国際化推進プランの推進体制について No.36 報告書114頁 意見 各地区(総合支所)における外国人の実態把握の必要性(程度)や手法等について検討すべきである。 内容  外国人の地域参加に向けた施策等を効果的に推進するためには、各地区(総合支所)において外国人の実情がより的確に認識・把握されることが前提となる。このため、今後、関係部署ないし国際力強化推進委員会等の会議体において、あるべき外国人の実態把握の程度や手法等について検討すべきである。 Ⅳ 障害者福祉に関する事業 Ⅳ-1 障害者差別解消推進 No.37 報告書119頁 意見 障害者差別解消に関する意識状況の調査等の実施を検討すべきである。 内容 効果的な啓発のためには、同じような事業を繰り返すだけでなく、普及状況等に応じて、事業の内容の変更や、特に注力する啓発対象の属性を絞るなどをしてゆく必要がある。 障害者差別解消法の施行から5年以上が経過しており、全体的な啓発は一定程度なされていると考えられることから、今後は、職員・区民の意識やこれまで区が配布してきた資料の活用状況など必要な調査を行って啓発事業の成果を確認するとともに、調査結果を踏まえて、障害者差別解消に向けた今後のより効果的な啓発の方向性や、障害者差別解消に積極的な企業や団体への支援なども含めた新たな事業の実施等について検討する必要がある。 No.38 報告書119頁 意見 職員の研修内容の改善及び職員全体に対する一歩進んだ研修を検討すべきである。 内容 障害者差別解消について、障害や障害者差別についての理解をさらに深め、その解消のための実践をしやすくするためには、座学やバリアフリー体験だけでなく、他の自治体においても実績がある、障害者平等研修(DET(Disability Equality Training)。障害当事者がファシリテーターとして研修を進め、受講者はグループワークで考え議論する。)のような、一歩進めた深く考える研修の導入が有効と考えられる。 また、区が継続的に「あらゆる分野及び施策において横断的に連携し、全庁を挙げて障害を理由とする差別の解消に向けた取組を推進するため」にも、区役所の組織全体において、障害や障害者差別についての本質的な理解を深めるとともに、社会環境の変化等に応じた知識や現状認識のブラッシュアップを図ることが必要と考えられる。ついては、管理職等も含めた職員全体について、前記のような一歩進んだ研修等も含めた研修の計画的な実施を検討すべきである。 Ⅳ-2 心のバリアフリー推進 No.39 報告書122頁 意見 障害者優先調達について、適正な価格の維持や他の事業者に対する発注機会の確保などにも配慮することを検討すべきである。 内容 都内において印刷業務を行っている障害者就労施設等は他にも存在するものである。障害者優先調達推進法に基づく調達であっても、価格の適正の確保や他の障害者就労施設等との受注機会の公平性等を考えた場合、特段の理由なく、継続して単独での随意契約をすることは好ましくないため、定期的に参考見積りをとるなどして、適正な価格の確保や他の事業者の受注機会の確保などに配慮することを検討すべきである。 Ⅳ-3 地域で共に生きる障害児・障害者アート展 No.40 報告書124頁 意見 障害者優先調達について、適正な価格の維持や他の事業者に対する発注機会の確保などにも配慮することを検討すべきである。 内容 都内において印刷業務を行っている障害者就労施設等は他にも存在するものである。障害者優先調達推進法に基づく調達であっても、価格の適正の確保や他の障害者就労施設等との受注機会の公平性等を考えた場合、特段の理由なく、継続して単独での随意契約をすることは好ましくないため、定期的に参考見積りをとるなどして、適正な価格の確保や他の事業者の受注機会の確保などに配慮することを検討すべきである。 Ⅳ-4 障害者スポーツの普及 No.41 報告書126頁 意見 障害者の参加が低調な理由について調査し、対応を検討すべきである。 内容 なぜ、障害者の参加者が少ないのかについて、障害者福祉や障害者教育の担当部署とも連携するなどして、障害者施設や特別支援学校の生徒等の参加が少ない理由を調査・推測した上で、対応の検討をすべきである。 Ⅳ-5 障害者情報バリアフリー推進事業 No.42 報告書128頁 指摘 受託者に著作権が生じ、区が譲渡を受ける必要のある契約については、著作権の規定がある契約ひな形を使用するか、仕様書において必要事項を定めるべきである。 内容 アプリ制作業務委託では、将来的にアプリケーションの改修等が必要になった場合に、受注者の著作権が問題となり得るものであることから、今後は、適切なひな形を使用するか、仕様書に必要事項を定めるようにされたい。 Ⅳ-6 バリアフリー化の計画的な推進 No.43 報告書131頁 意見 区有建物のバリアフリー化進捗率の表示について、分かりやすく、誤解を生じないような表示とするよう検討すべきである。 内容 構造上、改築等までバリアフリー化工事ができないものの割合について注釈を記入するなど、建築物のバリアフリー化進捗率について、実質的な進捗の実態が分かりやすく、誤解を生じないような表示とするよう検討する必要がある。 Ⅳ-7 福祉のまちづくり推進 No.44 報告書133頁 指摘 受託者に著作権が生じ、区が譲渡を受ける必要のある契約については、著作権の規定がある契約ひな形を使用するか、仕様書において必要事項を定めるべきである。 内容 著作権が関係する契約については、将来的に著作物の改変や二次使用が必要になった場合に、受注者の著作権が問題となり得るものであることから、今後は、適切なひな形を使用するか、仕様書に必要事項を定めるよう留意されたい。 No.45 報告書134頁 意見 望ましい情報提供(情報保障)ができるよう、経路情報等について充実を図るよう検討すべきである。 内容 市町村がバリアフリーマップを作成する意義としては、①各施設に横断するバリアフリー情報や②各施設を接続する経路も含めた情報を一元的に収集・整理し、提供することにあるのであるが、現在の港区バリアフリーマップでは、①の情報の提供にとどまっている。 港区においても、バリアフリーな経路の情報として、「バリアフリーおすすめコース」や「バリアフリーまち歩きMap in港区」が作成・提供されており、これ自体は目的が一致する利用者にとっては意味がある経路情報であるが、体系立った情報提供がされているものではない。 今後は、例えば、マップ上の主な区有施設等の表示を起点として、駅の改札やバリアフリー経路の出口と当該施設等との間のバリアフリー経路を表示できるようにするなど、利用者に分かりやすく、望ましい情報提供(情報保障)がされるように情報の充実を図ることを、港区バリアフリーマップ充実検討会等において障害当事者など利用者の意見も直接聴いて、検討すべきである。 Ⅳ-8 障害者就労支援 No.46 報告書138頁 意見 委託する業務により想定される成果や業務量の目安について、仕様書に定めることが望ましい。 内容 業務を委託する以上、業務内容については明確にすべきであることから、少なくとも、受注者とも協議して、目標とする成果や目安となる稼働時間等を具体的に想定して、仕様に定めることが望ましい。 No.47 報告書139頁 意見 実証実験の終了後は、実験の成果を活かして、他業務への拡大なども含めた検討をすべきであり、その判断には事前に一定の判断指標を設けるなどの配慮をすべきである。 内容 遠隔操作ロボットの活用は、多様な労働環境の整備に資するものである一方、他に例が少ないことから、在宅障害者等の活動の場を広げることができるよう、現在の実証実験終了後は、売店業務の本格実施のみに終わることなく、実証実験の経験を活かして、他部署とも連携して受付業務等への適用範囲の拡大なども含めて検討し、必要であれば実証実験を継続することが望ましい。その際には、事前に一定の判断指標を設けるなどして、なるべく客観的な判断となるように配慮すべきである。 Ⅳ-9 インターンシップ No.48 報告書141頁 意見 障害者インターンシップ事業について、人事課以外の職場でのインターン実施等も含め、制度の拡充について検討することが望ましい。 内容 区の業務には、情報管理の問題等もあるため、全ての部署でインターンシップ実習生の受け入れをすることは困難と思われる。しかし、インターンシップ実習生が体験できる業務の多様化や、職員が障害者とともに仕事をできる機会を増やすため、インターンシップによる配置を人事課以外の部署に広げるなど、制度の拡充を検討することが望ましい。 Ⅴ 子ども・子育て支援に関する事業 Ⅴ-1 子育てコーディネーター事業 No.49 報告書146頁 意見 実施施設(履行場所)を再検討すべきである。 内容 区民の利便性や地域的な公平性を考えると、南青山のみに2か所というのはやや歪な状況であり、他の場所での実施可能性についての検討をすべきである。 No.50 報告書146頁 意見 コーディネーターとの契約書や同意書等の確認を検討すべきである。 内容 業務受託者であるNPO法人あい・ぽーとステーションと子育てコーディネーターとの間の契約書の確認が取れておらず、個人情報保護の文言や機密保持条項があるかどうかなどの確認ができていないので、早急に提出を求め、確認をすべきである。 Ⅴ-2 子育てひろば事業 No.51 報告書149頁 意見 全施設の情報共有を図るべきであり、そのための情報共有体制の構築を検討すべきである。 内容 港区子ども家庭総合支援センターにおいては、カフェ事業を始めとした先駆的な試行にチャレンジしているところであり、今後、他の施設に対して先駆的な試行をフィードバックし、実現可能性などについても検討しているところであることから、早急に全施設の情報共有体制を構築すべきである。 Ⅴ-3 育児休業からの復帰後の入所支援の充実 No.52 報告書151頁 意見 次年度の入所予約枠の決定に際しての情報収集等の追跡調査を検討すべきである。 内容 入所予約の受け入れ予定数の設定には、通常の入所の空き定員が減ることを考慮する必要があるが、実際に申し込みをした保護者に対して、通常の入園申し込みで4月入所とすべきであったか、それとも、育児休業明け入所予約制度での申し込みをしてよかったと思っているかなどの調査を行い、区民への適切なサービス提供のために情報収集に努めるべきである。 No.53 報告書151頁 意見 保育コンシェルジュの予約につき可能な限り港区母子手帳アプリでの予約推奨を検討すべきである。 内容 多様性の観点からは電話対応が必要な区民へのサービスも大切であるが、可能な限りアプリ上での予約を推奨するように区民に説明をすべきである。 また、アプリを推奨するという観点から、区民から見た予約システムの使い勝手の意見調査をし、区民の声を反映させるよう努めるべきである。 Ⅴ-4 子ども家庭支援センターへの家庭相談機能の統合による支援の充実 No.54 報告書154頁 意見 個人情報や相談内容の情報管理を徹底するため、適切な情報管理の方法や運用の在り方を整理し、施設内で周知を図ることを検討すべきである。 内容 現時点では、港区子ども家庭総合支援センターが新設されて間もないため、勢い日々の対応に追われ、人が人に伝えながらOJTで取り組んでいるというのが現状である。今後は問題点を振り返りつつ、個人情報や相談内容の情報管理を徹底するため、子ども家庭総合支援センターにおける情報管理の方法や運用の在り方を整理し、施設内で周知、徹底を図ることを検討すべきである。 Ⅴ-5 要保護児童・要支援児童等対策 No.55 報告書157頁 意見 紙媒体の配布のみならずSNSの活用などによる啓発活動を検討すべきである。 内容 令和3年度の調査によると、パンフレットの認知度が50%から60%程度であり、認知度を上げるための啓発活動が必要であるところ、港区は各部でTwitterのアカウントを有しており、また、Facebookのアカウントもあることから、SNSを活用した更なる啓発活動に取り組むべきである。 特に、来年度にこども基本法が施行されることとなっていることから、今後リーフレットの改定などについても検討する必要があるが、SNSの活用についても検討すべきである。 Ⅴ-6 地区委員会活動支援 No.56 報告書161頁 意見 各地区間の活動に関する情報共有の充実策を検討すべきである。 内容 区として、白金地区や台場地区等で参加者が増えた理由や、各地区において事業実施の目的を再確認し、さらなる各地区の情報共有の取組を進められたい。 Ⅴ-7 子育て家庭の生活や社会参加の支援 No.57 報告書163頁 意見 産前産後家事・育児支援サービス及び母子専門支援員養成講座受講費助成事業の認知度向上策を検討すべきである。 内容 母子専門支援員養成講座受講費助成事業は令和3年度からスタートした新規事業であるが、令和3年度の助成を受けた人数は9名であり、産後ドゥーラを利用したいという人は潜在的には多いと思われるものの、未だドゥーラの数が足りておらず、産前産後家事・育児支援サービスの更なる認知度向上が助成事業の認知度向上にも資するため、それぞれの事業の認知度を向上するための施策を検討すべきである。 Ⅵ 高齢者支援に関する事業 Ⅵ-1 港区シルバー人材センター支援 No.58 報告書168頁 意見 貸付金の見直しを検討すべきである。 内容 区が特定の事業体に対してこのような穴埋めのための貸付を行うことが常態化していることは、公益社団法人港区シルバー人材センターの資金繰りの改善努力に対する阻害要因ともなり、当センターが資金的に区に依存する体質を招きかねないため、本貸付金がなくとも事業資金に影響がないような財政案、事業計画を検討すべきである。 Ⅵ-2 高齢者自立支援住宅改修等支援事業 No.59 報告書171頁 意見 コーディネーターの安定的な確保のための対応策を検討すべきである。 内容 委託先はNPO法人東京住宅バリアフリー推進センターのみに依存をしており、他の業者の選定が困難な状況にあるところ、同NPO法人との契約が終了した場合の対応策として、コーディネーター無しでの本件事業の運用ができるかどうかなども含めた具体的検討をすべきである。 また、コーディネーターの名簿は提出されているが、年齢が分からず、今後コーディネーターの高齢化が進んだ場合の人員確保などについても同NPO法人と協議をし、その対応策を具体的に検討すべきである。 Ⅵ-3 高齢者セーフティネットワーク No.60 報告書174頁 意見 救急通報システムの更なる普及啓発をすべきである。 内容 年間十数件は孤独死が発生しており(令和3年度の区で把握した在宅高齢者の死亡事例は18件)、それを防ぐためにも救急通報システムの更なる導入が効果的であり、その前提として、ふれあい相談員が対象者に導入のための説明等をしているとのことであるが、ふれあい相談員の対象者が約6,300世帯であるのに対して、現在、救急通報システムを設置している世帯は約1,100世帯ということであり、見守りが必要なひとり暮らし高齢者への導入を促進するための更なる宣伝活動を行い、また、宣伝媒体の種類の検討(ポスターなどの紙媒体も含む)など、宣伝活動の有効性を検討すべきである。 Ⅵ-4 生活支援体制整備事業 No.61 報告書177頁 意見 システム承継に関する取り決めの協議をすべきである。 内容 本事業のために運営しているWebサイトにつき、サイトの構築事業者は、地域生活支援に特化した開発をしている会社ということで、システム自体が港区用のパッケージになっている中で運用基準と運用マニュアルに基づき運用がされているが、当該サイトに関する所有権、著作権等の権利は全て当該事業者に帰属しており、仮に当該事業者との契約が終了するに際してのサイトの承継については契約書や契約内容となっている事業者作成の利用規約にはサイトの承継に関する定めがないため、事業者側の事情による契約終了に備えて、システム承継に関する取り決めの協議をすべきである。 Ⅶ 自治体としての港区における多様性の尊重に関する事業及び取組 Ⅶ-1 職員の意識・実態調査の実施・検証(人事課) No.62 報告書183頁 意見 職員のテレワーク推進の事業を「職員の意識・実態調査の実施・検証」として位置づけることが適切かどうか検討すべきである。 内容 計画上の事業に関する説明では、「港区職員ワーク・ライフ・バランス推進プラン」に基づき、男女が等しく仕事と生活の調和を実現できる職場環境を醸成するため、職員の啓発に取り組みます。」とされているが、紐づく事業は人事課の「テレワーク推進」となっている。「テレワーク推進」の事業の内容は、職員のテレワーク用のスマートフォンに係る経費である。その支出として、テレワークの端末利用料金が位置づけられている。 テレワーク推進の事業の執行自体に違法性、不当性があるとはいえないが、これを「職員の意識・実態調査の実施・検証」として位置づけることが適切かどうか検討すべきである。 Ⅶ-2 ハラスメントの予防と相談窓口での解決(人事課) No.63 報告書184頁 意見 苦情処理窓口担当の利用についてアンケートを取るなど、より一層の周知・利用促進を検討すべきである。 内容 ハラスメント防止週間の実施期間中にハラスメント相談窓口を設置し、意識啓発用のポスターの掲出やパンフレットを配布し、全職員を対象としたハラスメント防止研修(ビデオ研修)を実施しているが、さらに、窓口担当の利用についてアンケートをとるなど、より一層の周知・利用促進を検討すべきである。 No.64 報告書184頁 意見 外部有識者を苦情処理窓口担当とすることを検討すべきである。 内容 苦情処理窓口担当が内部の職員等であり、相談窓口利用の選択肢を増やして心理的ハードルを低くするためにも、外部有識者を窓口担当として追加することを検討すべきである。 Ⅶ-3 ハラスメントの予防と相談窓口での解決(教育人事企画課) No.65 報告書185頁 意見 相談窓口についてアンケートを取るなど、より一層の周知・利用促進を検討すべきである。 内容 人事課のハラスメント防止週間にあわせて、その実施期間中にハラスメント相談窓口の設置をメールで周知し、意識啓発用のポスターの掲出やパンフレットを配布し、全職員を対象としたハラスメント防止研修(ビデオ研修)を実施しているが、さらに、相談窓口についてアンケートをとるなど、より一層の周知・利用促進を検討すべきである。また、その際、潜在的需要の調査も合わせて行うべきである。 Ⅶ-4 男性職員の育児参加の推進(人事課) No.66 報告書186頁 意見 男性職員の子育て参加を促す各制度の活用を可能とする職場環境づくりについて、具体的な施策を検討すべきである。 内容 所属する男性職員による子育て参加を促す各制度の利用状況を管理職の人事評価の着眼点に取り入れるなど、「男性職員の子育て参加を促す各制度の活用を可能とする職場環境づくり」について、具体的な施策を検討すべきである。 Ⅶ-5 審議会等委員の女性参画の推進(人権・男女平等参画担当)・女性職員の活躍促進(人事課) No.67 報告書187頁 意見 審議会の女性委員の比率などの情報をよりわかりやすく発信することを検討すべきである。 内容 管理職の女性職員比率については区ホームページ「港区における女性の職業選択に資する情報の公表」で公表されているが、審議会委員等の女性比率、管理職の女性職員比率及び男性職員の育児休業取得率について、民間の取組を参考にして、よりわかりやすく情報を発信することを検討すべきである。 Ⅶ-6 性別にかかわりなく参加できる工夫(人権・男女平等参画担当) No.68 報告書188頁 意見 事業実績調査の結果の活用を検討すべきである。 内容 取組の進捗状況を確認することは重要であるが、せっかく実績調査をしているのであるから、調査結果を集計・分析して、各課の取組について区内で情報共有して次の施策に活かすなど、実績調査の結果の活用を検討すべきである。 以 上