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更新日:2024年2月21日

「進めよう!おもてなし公衆トイレ」整備方針について

内容

ホームページで公表された「進めよう!おもてなし公衆トイレ」整備方針を拝見しました。
意欲的な取り組みであると思いますが、内容は残念ながら問題が多いと思いました。主なものを列記します。
・バリアフリーの視点が不足している。例えば、非接触型ボタンは視覚障害者には使いにくい。国交省バリアフリー建築設計標準では「非接触ボタンを使用する場合もタッチボタンを併用すること」としている。
・LGBTの存在が議論にすらのっていない。海外からの観光客にもアピールすることをうたっているが、欧米ではLGBTの人の権利が認められ配慮が当然になっている国もある。日本ではLGBT理解増進法が2023年に公布・施行された。議論を経て、トイレを男性・女性の2つ向けにする選択をすることはあり得るが、そもそも「性は2つしかなくLGBTは存在しない」かのような整備方針は問題がある。
・「OTECO」のサインを港区だけで使ってわかるのか。トイレは緊急に探すこともあり、「誰にでも理解される」サインであることは必須。しかし円の中に「OTE/CO」の文字があるサインが「公衆トイレ」と認識されるとは思えない。便器の絵もあるが小さくて認識できないのではないか。国際的に認識されるサインとしてピクトグラムが定められており、海外からの観光客のことも考えるならば、「OTECO」サインよりもピクトグラムが目立つようにするべきと思う。
・本当に「OTECO」を公衆トイレとして広めたいならば、港区だけでなく近隣の区や、東京都全体、国全体で使われるように広めていくべき。しかしこの言葉にはそれに足る理屈が感じられない。探して駆け込む必要がある場所だからこそ、狭いエリアで使われていた隠語ではなく誰にでもわかる言葉・サインで存在を示すほうがよい。
・そもそも私は長いこと港区に居住しているが、「おてこ」という隠語を知らない、どこで使われていたのか。
・29ページの表に「ウォッシュレット」とあるが、これはTOTOの商標名であり、行政が使う言葉ではない。「温水洗浄便座」とすべき。
・個室トイレにサニタリーボックスを置くとなっているが、これは男女どちらの個室にも設けるのか。男性でも尿漏れパッドを使っていて捨てる場所がないとの声があり、両方への整備が望ましいと思う。
・40ページの「照明のイメージ」では高齢者やロービジョンの人は便器の位置、空間の大きさなど判断できないのではないか。「だれでも快適に」をうたうならば国交省バリアフリー建築設計標準の内容はクリアすべき。
他にも、様々な障害・困りごとを抱える人への配慮が十分ではないと思うところがあります。視覚障害者(完全に見えない人、ロービジョンの人などでも状況が違う)、聴覚障害者などへの配慮は文中からほどんど読み取ることができませんでした。最低でも国交省バリアフリー建築設計標準のトイレの項目は精査の上、対応していただきたいと思います。

区の対応・考え方

区は、公衆トイレを誰もが安心して気持ちよく利用できる空間へ整備するため、令和5年4月に「進めよう!おもてなし公衆トイレ」整備方針(以下「整備方針」という。)を策定しました。今後の公衆トイレの整備に際しては、男女それぞれの専用個室としてあらゆる設備、機能を備え、安心して気持ちよく利用できる清潔できれいなトイレを目指しております。
1点目のバリアフリーの視点についてです。
トイレの整備に当たっては、整備方針のほか、建築設計標準や東京都福祉のまちづくり条例に基づく施設整備マニュアル等も確認し、バリアフリーの観点からも誰もが使用しやすいトイレを目指しています。そのため、ボタン式の併用についても、基準等を確認しながら整備を進めてまいります。
2点目のLGBTの議論についてです。
これまでの公衆トイレ利用者は男性に偏っており、利用実態調査の結果からも現状の公衆トイレが女性の利用ニーズに応えられていない状況です。敷地面積に限りがあることも踏まえ、区は、女性用と男性用に分け、公衆トイレを利用される皆さまが安心して気持ちよく利用できる空間となるよう男女それぞれの専用個室を整備することとしました。また、「性は2つしかなくLGBTは存在しない」という考えのもとで、整備方針を作ったものではありません。多様性について共用のトイレを設けることも必要と考えますが、物理的な問題(敷地面積)などからも整備できないところもあります。そして、共用トイレにすることで、女性専用のトイレを無くすことは、犯罪予防の観点からも問題があります。そのため、男女それぞれのバリアフリートイレの整備を必要最小限として、敷地面積や要望等に応じて共用トイレを設けることを検討します。全ての方が性自認の多様性への理解が進んでいくことで、公衆トイレのあり方も変わっていくものと思います。
3点目に「OTECO」のサインについてです。
区民へのヒアリングにおいて、昔、港区の小中学生の女子の間ではトイレの隠語として「おてこ」という言葉が用いられていたとのことです。諸説ありますが、手助けをするという意味の「手子」にちなみ、トイレに行くときは自身の手助けをするという意味で「おてこに行く」という表現が使われていました。このことから、整備方針において、さまざまな利用シーンの中で区民の生活をお手伝いしたいという思いから、「OTECO(おてこ)」という愛称を掲げています。「OTECO」のサインは、遠くにいても公衆トイレの場所が認識できる目印サインとして掲げますが、JIS規格のピクトグラムも併用することで、利用者の皆さまにわかりやすい案内を行います。今後、「OTECO(おてこ)」サインが公衆トイレのサインであることが、利用者の皆さまに浸透するよう、周知に努めてまいります。
4点目に、「ウォシュレット」の記載についてです。
ご指摘いただいたとおり、商標名となりますので、「温水洗浄便座」に表現を変更しました。
5点目に、サニタリーボックスの設置についてです。
サニタリーボックスについては、女性用個室及び男性用個室の全ての個室に設置します。
最後に、照明についてです。
建築設計標準において照明は、便所、便房の利用に支障のない明るさを確保すること、また、発達障害等による感覚過敏への配慮として可能な限り低刺激である設備機器の採用を行うことが望ましいとされています。整備方針p40は例示であり、基本的には清潔感や安心感を漂わせるような明るい照明を整備します。
引き続き、「進めよう!おもてなし公衆トイレ」整備方針に基づき、公衆トイレを利用される皆さまが安心して気持ちよく利用できる空間となるよう取り組みを進めてまいりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

担当課

街づくり支援部土木課土木計画係

ご意見をいただいた時期

令和5年10月

関連分野

環境・まちづくり-都市計画・まちづくり-その他

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