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鉄道が開業した約半月後の明治5(1872)年10月31日、都市ガス事業が横浜で始まりました。横浜港から横浜駅へと続く通りを照らすため、馬車道通り等に10数基のガス灯をともしたのが最初です。これを記念して、10月31日は「ガスの記念日」となりました。その2年後の明治7(1874)年12月、東京でも都市ガス事業が始まりました。金杉橋から新橋駅前を経て銀座通り沿いに京橋まで、85基のガス灯がともりました。鉄道とガス灯は、文明開化の象徴として東京と横浜の都市の顔となります。
当時のガス灯は、炎がむき出しの裸火でした。点火は、点火棒を使ってガス栓を開け、棒の先端につけた硫黄の火種を使って直接灯をともす手作業でした。そのため毎夕方点灯し、翌朝に消灯する役目の「点消方(てんしょうかた)」という専門職がいました。「江戸時代までは、夜は闇夜が当たり前でした。ガス灯が登場し、夜でも街が明るくなり、商店で夜に商いができるようになる等、街は一変し、当時の人はとても驚きました」と暮らしと都市ガスの歴史を紹介する博物館、ガスミュージアム館長の浅倉 与志雄(よしお)さん。
85基で始まった東京のガス灯は3年後には356基に増え、東京の街を明るく照らしました。その後、より明るく安定して輝くマントルガス灯が明治30(1897)年頃に登場すると、ガス灯は住宅の室内灯としても普及し、同時にこの頃から、ガスは炊事等の熱源としても使われるようになりました。
「ガスは150年前も今も変わらず、暮らしを支えるライフラインです」と浅倉さん。「今では、復刻されたガス灯が全国で3,000基余りともっています。港区内でも、大門や虎ノ門、芝浦等にありますので、温かみのあるガスの炎の揺らぎを見つめて、都市の記憶に思いをはせるのはいかがですか」とお話しくださいました。
東京名所之内 新橋停車場之夜景
(東京ガスネットワークガスミュージアム所蔵)
芝浦公園