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地震に備えるその3.事業所での安全対策
事業所での地震被害を最小限に食い止めるためには、従業員一人ひとりが日頃から防災意識を高め、備えることが重要です。定期的に職場の点検、確認を行い、いつ起こるかわからない地震から「人命」「施設」「財産」「情報」を守る対策を立てておきましょう。
事業者が行う対策
事業者は、管理する施設および設備の安全性の確保に努めるとともに、従業員や来所者および事業者の周辺地域における住民の安全の確保に努めてください。
帰宅困難者対策
大震災が発生して交通機関が停止した場合、多くの帰宅困難者が発生します。
災害発生直後に帰宅困難者が一斉に帰宅を開始すると、道路の混雑や駅周辺での混乱が発生し、救命救急活動や交通機関の復旧に支障が生じるおそれがあります。
従業員、来所者の一斉帰宅の抑制
企業、学校など組織のあるところは、組織の責任において、従業員、学生、顧客の安全を確保するよう努めてください。
事業者は従業員のために、3日分程度の物資の備蓄をしておきましょう。
帰宅困難者一時滞在施設などの提供
事業者等は、帰宅困難者の一時滞在施設や物資の提供、人的支援、その他事業者として可能な支援に努めてください。
帰宅困難者自身による共助の活動
買物や観光等でたまたま区内を訪れていて災害に遭い、帰宅困難者となった方は他の被災者への支援など、地域の救援活動を行うよう努めてください。
施設及び設備の安全性の確保
揺れによる什器の転倒や商品の飛び出しによって、けがをする場合があります。転倒防止対策や事業所内の施設、設備の安全管理を徹底してください。
従業員、来所者などの安全性の確保
事業者は、建物内での防災訓練などを定期的に実施し、従業員や来所者、事業所周辺の住民などの安全確保に努めてください。
地域の防災活動への参加、協力
災害時、住民の対応には限界があります。事業者として、日ごろから地域防災への取り組みに積極的に参加するよう心がけてください。
防火、延焼防止対策
火災による延焼等を防ぐため、事業所内の防火対策に努めてください。
建物の耐震性の確認
耐震診断等により、建物の耐震性を確認し、安全性を確保しましょう。
職場における個人の準備
- 震災後の混乱がおさまり、安全な徒歩帰宅ができるようになったら徒歩帰宅に備え、履きなれた靴を用意しておきましょう。
- 実際に歩いて帰宅ルートを確認しておきましょう。
- 栄養価の高い食べ物(チョコレートや飴など)を用意しておきましょう。
オフィス家具の転倒、落下防止対策を立てよう
直下型地震だった阪神、淡路大震災では、建物の倒壊や家具の転倒が発生し、多くの方がその下敷きになり、亡くなりました。地震発生時、オフィス家具は恐ろしい凶器となります。従業員の命を守るために、普段から耐震対策を講じておきましょう。
オフィス家具の転倒、落下防止対策のポイント
あなたの会社のオフィスをチェックしてみましょう
- 壁面収納は壁、床に固定している
- 2段重ね家具は上下連結している
- ]パーテーションは転倒しにくい「コの字型」「H型」のレイアウトにしている
- OA機器は落下防止をしてある
- ガラスには飛散フィルムを貼っている
- 床につまずきやすい障害物や凸凹はない
- 避難路に物を置いていない
- 避難路に倒れやすい物はない
- 避難出口は見えやすい
- 非常用進入口に障害物はない
- 収納物がはみ出したり、重心が高くなっていない
- 危険な収納物(薬品、可燃物など)がない
- デスクの下に物を置いていない
- ガラス窓の前に倒れやすいものを置いていない
※チェックがつかなかった項目は、あなたのオフィスの改善すべき項目です。地震に備えて、オフィス環境を改善しましょう。