○港区文化財保護条例
昭和五十三年十月二日
条例第二十四号
目次
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 区指定有形文化財(第四条―第十九条)
第三章 区指定無形文化財(第二十条―第二十五条)
第四章 区指定有形民俗文化財・区指定無形民俗文化財(第二十六条―第三十二条)
第五章 区指定史跡旧跡名勝天然記念物(第三十三条―第三十六条)
第六章 区文化財総合目録(第三十六条の二―第三十六条の四)
第七章 港区文化財保護審議会(第三十七条―第四十四条)
第八章 雑則(第四十五条―第四十七条)
第九章 罰則(第四十八条―第五十一条)
付則
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号。以下「法」という。)第百八十二条第二項の規定に基づき、法の規定による指定を受けた文化財及び東京都文化財保護条例(昭和五十一年東京都条例第二十五号。以下「都条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で港区(以下「区」という。)の区域内に存するもののうち、区にとつて重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もつて区民の文化的向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的とする。
(定義)
第二条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
一 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)
二 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
三 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習及び民俗芸能に用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「有形民俗文化財」という。)
四 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習及び民俗芸能で生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「無形民俗文化財」という。)
五 貝づか、古墳、城跡、旧宅その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの(以下「史跡」という。)
六 遺跡のうち原形は残つていないが、歴史を理解するため欠くことのできないもの(以下「旧跡」という。)
七 庭園、橋りよう、海浜その他名勝地で芸術上又は観賞上価値の高いもの(以下「名勝」という。)
八 動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で学術上価値の高いもの(以下「天然記念物」という。)
(区等の責務)
第三条 区は、文化財が我が国の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、かつ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、その保存と活用が適切に行われるよう努めなければならない。
2 区民は、区がこの条例の目的を達成するために行う措置に誠実に協力しなければならない。
3 文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な国民的財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。
4 港区教育委員会(以下「委員会」という。)は、この条例の執行に当たつては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第二章 区指定有形文化財
(指定)
第四条 委員会は、区の区域内に存する有形文化財(法第二十七条第一項の規定により重要文化財に指定されたもの又は都条例第四条第一項の規定により東京都指定有形文化財に指定されたものを除く。以下同じ。)のうち、区にとつて重要なものを港区指定有形文化財(以下「区指定有形文化財」という。)に指定することができる。
2 前項の規定による指定をするには、委員会は、あらかじめ指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者の判明しない場合は、この限りでない。
3 第一項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知して行う。
5 第一項の規定による指定をしたときは、委員会は、当該区指定有形文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第五条 区指定有形文化財が区指定有形文化財としての価値を失つた場合その他特別の事由があるときは、委員会は、その指定を解除することができる。
3 区指定有形文化財について、法第二十七条第一項の規定による重要文化財の指定があつたとき又は都条例第四条第一項の規定による東京都指定有形文化財の指定があつたときは、当該区指定有形文化財の指定は、解除されたものとする。
4 前項の場合には、委員会は、その旨を告示するとともに、当該区指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。
2 区指定有形文化財の所有者は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり当該区指定有形文化財の管理の責に任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者は、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。
4 管理責任者には、第一項の規定を準用する。
(所有者の変更等)
第七条 区指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
2 区指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損等)
第八条 区指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第九条 区指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、あらかじめその旨を委員会に届け出なければならない。ただし、委員会規則で定める場合には届出を要せず、又は所在の場所を変更した後届け出ることをもつて足りる。
(管理又は修理の補助)
第十条 区指定有形文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、区は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者に対し予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の補助金を交付する場合には、委員会は、その補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮監督することができる。
一 管理又は修理に関し法令に違反したとき。
二 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。
三 前条第二項の補助の条件に従わなかつたとき。
(管理又は修理に関する勧告)
第十二条 区指定有形文化財の管理が適当でないため当該区指定有形文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認められるときは、委員会は、所有者又は管理者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 区指定有形文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、委員会は、所有者に対しその修理について必要な勧告をすることができる。
3 前二項の規定による勧告に基づいて行う措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を区の負担とすることができる。
2 前項に規定する「補助金又は負担金の額」とは、補助金又は負担金の額を、補助又は費用負担に係る修理等を施した区指定有形文化財につき委員会が定める耐用年数で除して得た金額に、更に当該耐用年数から修理等を行つた時以後当該区指定有形文化財の譲渡の時までの年数を控除した残余の年数(一年に満たない部分があるときは、これを切り捨てる。)を乗じて得た金額に相当する金額とする。
3 補助又は費用負担に係る修理等が行われた後、当該区指定有形文化財を区に譲り渡した場合その他特別の事情がある場合には、区は、第一項の規定により納付すべき金額の全部又は一部の納付を免除することができる。
(現状変更等の制限)
第十四条 区指定有形文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、委員会規則で定める。
2 区指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、委員会は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導及び助言をすることができる。
(公開)
第十六条 委員会は、区指定有形文化財の所有者に対し、六月以内の期間を限つて、委員会の行う公開の用に供するため当該区指定有形文化財を出品することを勧告することができる。
2 委員会は、区指定有形文化財の所有者に対し、三月以内の期間を限つて、当該区指定有形文化財の公開を勧告することができる。
4 区は、第一項の規定により出品した所有者に対し、謝礼金を支給することができる。
5 委員会は、第一項の規定により区指定有形文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該区指定有形文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。
6 委員会は、第二項の規定による公開及び当該公開に係る区指定有形文化財の管理に関し必要な指示をするとともに、必要があると認めるときは、当該管理について指揮監督することができる。
(調査)
第十八条 委員会は、必要があると認めるときは、区指定有形文化財の所有者又は管理責任者に対し、当該区指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(所有者変更に伴う権利義務の承継)
第十九条 区指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該区指定有形文化財に関しこの条例に基づいて行う委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。
2 前項の場合には、旧所有者は、当該区指定有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
第三章 区指定無形文化財
(指定)
第二十条 委員会は、区の区域内に存する無形文化財(法第七十一条第一項の規定により重要無形文化財に指定されたもの又は都条例第二十条第一項の規定により東京都指定無形文化財に指定されたものを除く。)のうち区にとつて重要なものを港区指定無形文化財(以下「区指定無形文化財」という。)に指定することができる。
2 委員会は、前項の規定による指定をするに当たつては、当該区指定無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となつている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
3 第一項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該区指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあつては、その代表者)に通知して行う。
4 委員会は、第一項の規定による指定をした後においても、当該区指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。
(解除)
第二十一条 区指定無形文化財が区指定無形文化財としての価値を失つた場合その他特別の事由があるときは、委員会は、その指定を解除することができる。
2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特別の事由があるときは、委員会は、その認定を解除することができる。
4 区指定無形文化財について、法第七十一条第一項の規定による重要無形文化財の指定があつたとき又は都条例第二十条第一項の規定による東京都指定無形文化財の指定があつたときは、当該区指定無形文化財の指定は、解除されたものとする。
5 前項の場合には、委員会は、その旨を告示するとともに、当該区指定無形文化財の保持者として認定されていた者又は保持団体として認定されていた団体の代表者に通知しなければならない。
(保持者の氏名変更等)
第二十二条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他委員会規則の定める事由があるときは、保持者又はその相続人は、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあつては、代表者であつた者)について、同様とする。
(保存)
第二十三条 委員会は、区指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、区指定無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、区は、保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(公開)
第二十四条 委員会は、区指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し区指定無形文化財の公開を、区指定無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。
3 区は、第一項の規定による区指定無形文化財の記録の公開に要する費用の一部を予算の範囲内で負担することができる。
(保存に関する助言等)
第二十五条 委員会は、区指定無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
第四章 区指定有形民俗文化財・区指定無形民俗文化財
(指定)
第二十六条 委員会は、区の区域内に存する有形の民俗文化財(法第七十八条第一項の規定により重要有形民俗文化財に指定されたもの又は都条例第二十六条第一項の規定により東京都指定有形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち、区にとつて重要なものを港区指定有形民俗文化財(以下「区指定有形民俗文化財」という。)に、区の区域内に存する無形の民俗文化財(法第七十八条第一項の規定により重要無形民俗文化財に指定されたもの又は都条例第二十六条第一項の規定により東京都指定無形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち、区にとつて重要なものを港区指定無形民俗文化財(以下「区指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。
3 第一項の規定による区指定無形民俗文化財の指定は、その旨を告示して行う。
(解除)
第二十七条 区指定有形民俗文化財又は区指定無形民俗文化財が区指定有形民俗文化財又は区指定無形民俗文化財としての価値を失つた場合その他特別の事由があるときは、委員会は、その指定を解除することができる。
3 第一項の規定による区指定無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を告示して行う。
4 区指定有形民俗文化財又は区指定無形民俗文化財について、法第七十八条第一項の規定による重要有形民俗文化財若しくは重要無形民俗文化財の指定があつたとき又は都条例第二十六条第一項の規定による東京都指定有形民俗文化財若しくは東京都指定無形民俗文化財の指定があつたときは、当該区指定有形民俗文化財又は当該区指定無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。
6 第四項の場合の区指定無形民俗文化財の指定の解除については、委員会は、その旨を告示しなければならない。
(区指定有形民俗文化財の保護)
第二十八条 区指定有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめその旨を委員会に届け出なければならない。
2 区指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、委員会は、前項の届出に係る現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。
(区指定無形民俗文化財の保存)
第三十条 委員会は、区指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、区指定無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、区は、その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(区指定無形民俗文化財の記録の公開)
第三十一条 委員会は、区指定無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。
(区指定無形民俗文化財の保存に関する助言又は勧告)
第三十二条 委員会は、区指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
第五章 区指定史跡旧跡名勝天然記念物
(指定)
第三十三条 委員会は、区の区域内に存する史跡、旧跡、名勝及び天然記念物(法第百九条第一項の規定により、史跡、名勝若しくは天然記念物に指定されたもの又は都条例第三十三条第一項の規定により、東京都指定史跡、東京都指定旧跡、東京都指定名勝若しくは東京都指定天然記念物(以下これらを「東京都指定史跡旧跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定されたものを除く。)のうち、区にとつて重要なものを、史跡にあつては港区指定史跡(以下「区指定史跡」という。)に、旧跡にあつては港区指定旧跡(以下「区指定旧跡」という。)に、名勝にあつては港区指定名勝(以下「区指定名勝」という。)に又は天然記念物にあつては港区指定天然記念物(以下「区指定天然記念物」という。)(以下これらを「区指定史跡旧跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
(解除)
第三十四条 区指定史跡旧跡名勝天然記念物が区指定史跡旧跡名勝天然記念物としての価値を失つた場合その他特別の事由があるときは、委員会は、その指定を解除することができる。
2 区指定史跡旧跡名勝天然記念物について、法第百九条第一項の規定による史跡、名勝若しくは天然記念物の指定があつたとき又は都条例第三十三条第一項の規定による東京都指定史跡旧跡名勝天然記念物の指定があつたときは、当該区指定史跡旧跡名勝天然記念物の指定は、解除されたものとする。
第六章 区文化財総合目録
(区文化財総合目録の作成等)
第三十六条の二 委員会は、港区文化財総合目録(以下「区文化財総合目録」という。)を作成し、これを一般の閲覧に供するものとする。
2 委員会は、区文化財総合目録に、次に掲げる文化財を登録する。
一 この条例の規定による指定を受けた文化財
二 前号の文化財以外の文化財(法又は都条例の規定による指定を受けた文化財を除く。)で、区の区域内に存するもののうち、区の歴史及び文化を知る上で委員会が必要と認めたもの
3 前項第二号に規定する文化財を区文化財総合目録に登録するに当たつては、委員会は、有形文化財、有形民俗文化財、史跡、旧跡、名勝及び天然記念物(以下「有形文化財等」という。)にあつては当該有形文化財等の所有者及び権原に基づく占有者、無形文化財にあつては当該無形文化財の保持者又は保持団体の同意を得るものとする。ただし、有形文化財等の所有者又は権原に基づく占有者の判明しない場合は、この限りでない。
(登録の申出)
第三十六条の三 区の区域内に存する文化財(法、都条例又はこの条例の規定による指定を受けたものを除く。)の所有者等は、当該文化財を区文化財総合目録に登録するよう委員会に申し出ることができる。
(削除)
第三十六条の四 区文化財総合目録に登録された文化財がその価値を失つた場合その他特別の事由があるときは、委員会は、当該文化財を区文化財総合目録から削除することができる。
2 区文化財総合目録に登録された文化財が法又は都条例の規定による指定を受けたときは、委員会は、当該文化財を区文化財総合目録から削除する。
第七章 港区文化財保護審議会
(設置)
第三十七条 委員会に、港区文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所掌事務)
第三十八条 審議会は、委員会の諮問に応じて、文化財の保存及び活用に関する重要事項を調査審議し、並びにこれらの事項について委員会に答申する。
2 審議会は、第三十六条の二第二項第二号に規定する文化財の区文化財総合目録への登録及び区文化財総合目録からの削除に関し、必要に応じて委員会に助言することができる。
(審議会への諮問)
第三十九条 委員会は、次に掲げる事項については、あらかじめ審議会に諮問しなければならない。
一 区指定有形文化財の指定及びその指定の解除
二 区指定無形文化財の指定及びその指定の解除
三 区指定無形文化財の保持者又は保持団体の認定及びその認定の解除
四 区指定有形民俗文化財又は区指定無形民俗文化財の指定及びその指定の解除
五 区指定史跡旧跡名勝天然記念物の指定及びその指定の解除
六 前各号に掲げるもののほか、委員会が必要と認める事項
(組織)
第四十条 審議会は、委員十二人以内で組織する。
2 特別の事項を調査審議するため必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。
3 委員及び臨時委員は、文化財に関し広くかつ高い識見を有する者のうちから委員会が委嘱する。
(委員の任期)
第四十一条 委員の任期は、二年とし、再任を妨げない。ただし、欠員が生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 臨時委員は、当該特別の事項の調査審議が終つたとき退任するものとする。
(会長及び副会長)
第四十二条 審議会に会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は、委員が互選する。
3 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
(会議)
第四十三条 審議会は、会長が招集する。
2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。
3 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(部会)
第四十四条 審議会に専門的事項を調査研究するため部会を置くことができる。
第八章 雑則
(標識等の設置)
第四十五条 委員会は、区指定有形文化財、区指定有形民俗文化財又は区指定史跡旧跡名勝天然記念物のうち、区民の観覧のため必要があると認めるものについては、当該区指定の文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得て、標識又は説明板を設置し、これを当該区指定の文化財の所有者、権原に基づく占有者又は管理責任者に管理させることができる。
(助成金の交付)
第四十六条 第三十六条の二第二項第二号の規定により登録した文化財の保存等に要する経費の一部に充てさせるため、区は、当該文化財の所有者等に対し、予算の範囲内で助成金を交付することができる。
(委任)
第四十七条 この条例の施行に関し必要な事項は、委員会規則で定める。
第九章 罰則
(刑罰)
第四十八条 区指定有形文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者は、五万円以下の罰金又は科料に処する。
第四十九条 区指定史跡旧跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしてこれを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、五万円以下の罰金又は科料に処する。
付則
付則(平成三年三月二八日条例第一八号)
この条例は、平成三年四月一日から施行する。
付則(平成一七年三月一八日条例第一八号)
この条例は、平成十七年四月一日から施行する。