○港区未熟児養育事業実施要綱

昭和50年4月1日

50港保保第79号

(未熟児養育についての方針)

第1条 未熟児は、正常な新生児に比べて生理的に未熟であり、疾病にもかかりやすく、その死亡率は極めて高率であるばかりでなく、心身の障害を残すこともあることから、生後速やかに適切な処置を講ずることが必要である。このため、医療を必要とする未熟児に対しては養育に必要な医療の給付を行うとともに、必要に応じて区の保健所職員等により未熟児の保護者に対する訪問指導を行うこととする。

(未熟児養育対策)

第2条 未熟児養育対策については、次のとおりとする。

(1) 低体重児届出の徹底

未熟児の養育対策の万全を期すため、母子保健法(昭和40年法律第141号。以下「法」という。)第18条の規定による低体重児の早期届出の徹底を図る必要がある。このため、保健所長は、妊娠の届出、母と子の保健バッグの交付、母親(両親)学級等の機会をとらえて速やかに届出が行われるよう指導するほか、日本医師会、日本助産師会、日本看護協会等の積極的な指導協力を得るため、これらの団体との連絡協調を密にし、未熟児の早期把握に万全を期すること。なお、低体重児の届出は、出生通知票(低体重児届出票)(第1号様式(母子保健法施行細則(昭和62年港区規則第36号。以下「細則」という。)第5号様式))により乳児の現在地を管轄する保健所長に届出なければならない。ただし、これによりがたいときは、電話等の簡便な方法によることができるものとする。

(2) 未熟児の訪問指導

 訪問指導の実施

保健所長は、法第19条による訪問指導の実施にあたつては、医療機関等を通じて未熟児の症状等の把握に努めるものとし、指導内容は、当該医療機関の医師等の意見を聞くほか、「母性、乳幼児に対する健康診査及び保健指導の実施について」(平成8年11月20日児発第934号厚生省児童家庭局長通知)の別添「母性、乳幼児の健康診査及び保健指導に関する実施要領」のⅡの第二の三及び第三の三を参考とし、特に、合併症や後遺症、成長発育状況等に応じて適切な指導を行うこととする。

 対象の把握

保健所長は、訪問指導を徹底するため、常に低体重児の届出状況等を把握するとともに、医療機関等との連絡を密にし、対象の把握に努め、退院年月日及び退院後の住所等について、特に医療機関等からの報告を求めるなど積極的な協力を求めることとする。

 事後指導の徹底

保健所長は、訪問指導票を整備し、指導を行つたときは、訪問指導票及び母子健康手帳に必要な事項を記入して事後指導の徹底を図ることとする。

(3) 未熟児養育医療

 養育医療給付について

(ア) 対象

港区の区域内に居住地(居住地がないか又は明らかでない場合は、現在地とする。以下同じ。)を有する法第6条第6項に規定する未熟児で、医師が入院養育を必要と認めたものとする。なお、法第6条第6項にいう諸機能を得るに至つていないものとは、例えば次のいずれかの症状等を有している場合をいう。

A 出生時体重2,000グラム以下のもの。

B 生活力が特に薄弱であつて次に掲げるいずれかの症状を示すもの。

a 一般状況

(a) 運動不安、痙攣けいれんがあるもの。

(b) 運動が異常に少ないもの。

b 体温が摂氏34度以下のもの。

c 呼吸器、循環器系

(a) 強度のチアノーゼが持続するもの、チアノーゼ発作を繰り返すもの。

(b) 呼吸数が毎分50を超えて増加の傾向にあるか又は毎分30以下のもの。

(c) 出血傾向の強いもの。

d 消化器系

(a) 生後24時間以上排便のないもの。

(b) 生後48時間以上嘔吐が持続しているもの。

(c) 血性吐物、血性便のあるもの。

e 黄疸

生後数時間以内に現われるか、異常に強い黄疸のあるもの。

(イ) 申請の手続から給付まで

A 給付の申請

養育医療の給付の申請は、母子保健法施行規則(昭和40年厚生省令第55号。以下「規則」という。)第9条第1項の規定によること。なお、申請にあたつては次の事項に留意すること。

a 申請書は、第6号様式(細則第6号様式)によること。

b 申請書には、医師の記載した養育医療意見書(第7号様式)並びに世帯調書(第8号様式)及びその関係証明書を必ず添付すること。

c 世帯調書及びその関係証明書の様式の取扱いについては、別途保健所長が定めるところによること。

d 申請書は、保健所長を経由すること。

e 保健所長は、申請書を受理したときは、速やかに申請書及び意見書の内容を審査のうえ、区長に進達すること。なお、この場合において保健所長は、給付の必要性の有無についての意見を付すことができる。

B 給付の決定

a 区長は、保健所長から申請書の進達があつたときは、速やかに養育医療を給付するか否かを決定することとする。

b 養育医療の給付を行うことを決定したときは、養育医療券(第9号様式(規則様式第1号)。以下「医療券」という。)を保健所長を経て申請者に交付し、かつ、医療券に記載した指定養育医療機関に交付通知書(第10号様式)によりその旨を通知することとする。また、養育医療の給付を行わないことを決定したときは、養育医療給付却下決定通知書(第11号様式(細則第7号様式))により、速やかに保健所長を経て申請者に通知し、かつ、意見書記載の指定養育医療機関に却下通知書(第12号様式)により通知することとする。

c 医療券の交付に際しては、申請者に対し、その取扱いについて十分指導する。

d 医療は、医療券の指定養育医療機関に提出して給付を受けることになつているが、やむを得ない理由により、医療券を提出できない場合には、取りあえず医療を行い、その理由がなくなつた後、速やかに医療券を提出させることとする。

C 医療券の取扱い

a 医療券の有効期間の記載にあたつては、その始期は、当該指定養育医療機関による当該医療開始の日にさかのぼる取扱いとし、その終期は、当該医療の終了の日であるので、診療の終了予定期間に若干の余裕を考慮して記入すること。なお、病院診療所及び薬局用の医療券を併せて交付する場合における有効期間は、同一の有効期間とすること。

b 医療の継続について

(a) 当該医療を医療券の有効期間を過ぎて継続する必要のある場合、医療機関は事前に継続協議書(第13号様式)に継続の意見書(第14号様式)を添付し、保健所長を経て区長に協議しなければならない。

(b) 区長は、協議内容を審査し、適当と認めるときはこれを承認することができる。継続承認の通知は、継続承認書(第15号様式)によるものとする。

(c) 当該未熟児の保護者へは、継続承認通知書(第16号様式)により、保健所を経由して通知する。

c 転院の場合について

やむを得ない理由により当該指定養育医療機関を転院する場合は、新たに、申請を行うものとすること。この場合の申請には、意見書及び転院を必要とする理由を記載した医師の追加意見書(第17号様式)を添付することとし、世帯調書等は省略して差支えないこと。

d 医療券の再交付について

医療券を紛失又はき損した場合は、医療券再交付申請書(第18号様式)により再交付すること。

D 医療の給付

a 医療の給付は、現物給付によることを原則とし、やむを得ない事情がある場合のみ現物給付にかえて、その費用を支給することとすること。

b 給付の範囲は、法第20条第3項に定められているところであるが、これらのうち移送の給付の取扱いについては、次によること。

(a) 移送は、医師が特に必要と認めた場合に承認するものとし、その額は必要とする最小限度の実費とすること。なお、移送に際し、付添いの必要があると認められる場合は、付添人の移送費についても支給して差支えないこと。

(b) 移送費等の支給申請は、その事実についての指定養育医療機関の医師の証明書及び当該費用の額に関する証拠書類を添えて、給付の申請者から保健所長を経て区長に申請させること。

(c) 区長は看護又は移送の申請を承認したときは、看護移送承認書(第20号様式)を保健所長を経て申請者に交付する。

E 医療保険各法との関連事項

規則第14条第2項の医療保険各法と本給付との関係は、その本人が医療保険各法の被扶養者等である場合は、医療保険各法による医療の給付が優先すること。したがつて、養育医療の給付は、いわゆる自己負担分を対象とするものであること。

(ウ) 診療報酬の請求、審査及び支払

診療報酬の請求、審査及び支払については、「養育医療費等公費負担医療の給付にかかる診療報酬等の審査及び支払に関する事務の国民健康保険団体連合会への委託について」(平成25年2月28日雇児発0228第2号)及び「母子保健法に規定する養育医療に要する費用の審査支払事務を社会保険診療報酬支払基金に委託する契約について」(平成25年2月28日雇児発0228第3号)に定めるところによること。

(エ) その他

A 給付の状況を明確にするため、医療券交付台帳(医療券写しのとじ込み)を備え付けておくこと。

B 保健所に医療費助成申請書受理兼整理簿を備え付け、申請、進達、決定の状況を明らかにしておくこと。

(その他)

第3条 妊婦健康診査及び保健指導の徹底については、次のとおりとする。

(1) 未熟児の出生を防止するためには、未熟児出生の原因となる妊婦の疾病等の予防と早期発見に努め、早期に治療を行うことが必要であるので保健所長は、妊婦に対する妊娠中の定期的な健康診査及び保健指導の徹底に努めること。

(2) 医療機関等の協力

未熟児養育事業の円滑な実施を図るため、本事業に直接関係する医療機関はもとより、医療保健関係者に対し、日本医師会、日本助産師会、日本看護協会等を通じて本事業の趣旨の周知徹底を図るとともに、積極的な協力を求めること。

(3) 広報活動

未熟児養育事業の実施については、未熟児医療にたずさわる医師及び助産婦等の医療保健関係者に対し、本事業の趣旨の周知徹底をはかるほか、積極的な協力を求めて、効率的な運営を図ること。また、住民、特に妊婦に対し、本事業の趣旨の徹底を図り、母親(両親)学級等の保健衛生教育の場を通じて常に未熟児養育上の正しい知識とその方法を普及すること。

この要綱は、昭和50年4月1日から施行する。

この要綱は、昭和51年7月31日から施行する。

この要綱は、昭和59年5月1日から施行する。

1 この要綱は、昭和63年3月18日から施行し、昭和62年4月1日から適用する。ただし、費用徴収額決定通知書については、施行の日から適用する。

2 この要綱の施行の際、改正前の港区未熟児養育事業実施要綱の様式による用紙で現に残存するものは、所要の修正を加え、なお使用することができる。

この要綱は、平成6年10月1日から施行する。

この要綱は、平成10年1月1日から施行する。

この要綱は、平成10年4月1日から施行する。

この要綱は、平成13年1月6日から施行する。

この要綱は、平成25年4月1日から施行する。

様式(省略)

港区未熟児養育事業実施要綱

昭和50年4月1日 港保保第79号

(平成25年4月1日施行)

体系情報
要綱集/第7類 区民生活/第3章
沿革情報
昭和50年4月1日 港保保第79号
平成13年1月6日 種別なし
平成25年4月1日 種別なし