○港区自立支援医療(育成医療)及び療育給付事業実施要綱

平成12年3月29日

11港み保第983号

(目的)

第1条 この要綱は、港区障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行細則(平成18年港区規則第95号。以下「細則」という。)の規定による自立支援医療費(育成医療)の支給を行う事業、及び特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例(平成11年東京都条例第106号。以下「条例」という。)第2条の表35の項イからホまでの規定に基づき港区が実施する児童福祉法(昭和22年法律第164号。以下「児福法」という。)第20条の規定による療育の給付を行う事業の事務手続きを定め、もって医療費支給等の円滑な実施を図ることを目的とする。

(自立支援医療(育成医療)の対象)

第2条 自立支援医療(育成医療)(以下「育成医療」という。)の対象となる者は、親権者又は未成年後見人(以下「保護者」という。)が区内に住所を有する18歳未満の児童であって、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第4条の規定による別表に掲げる程度の身体上の障害を有し、又は現存する疾患が、当該障害若しくは疾患に係る医療を行わないときは、将来において同表に掲げる障害と同程度の障害を残すと認められるものであって、かつ、育成医療を行うことにより確実な治療の効果が期待できるものとする。

2 育成医療の対象となる障害の種類は、次のとおりとする。

(1) 視覚障害

(2) 聴覚又は平衡機能障害

(3) 音声機能、言語機能又はそしゃく機能障害

(4) 肢体不自由

(5) 心臓機能、腎臓機能、呼吸器機能、ぼうこう若しくは直腸機能、小腸機能又は肝臓機能障害

(6) 先天性の内臓機能障害(前号に掲げるものを除く。)

(7) ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害

3 前項第5号及び第6号に掲げる障害については、手術により、将来、生活能力を維持できる状態にあるものを対象とし、内科的治療のみのものは対象としない。

ただし、腎臓機能障害に対する人工透析療法、腎移植術後の抗免疫療法、小腸機能障害に対する中心静脈療法、心臓機能障害に対する心移植術後の抗免疫療法及び肝臓機能障害に対する肝臓移植術後の抗免疫療法については、それらに伴う医療を育成医療の対象とする。

(療育給付の対象)

第3条 療育給付の対象となる者は、保護者が区内に住所を有する18歳未満の児童であって、骨関節結核その他の結核にかかっている者のうち、その治療のため医師が入院を必要と認めたものとする。ただし、療育給付の適用を受けようとする者は、原則として、あらかじめ結核予防法(昭和26年法律第96号)に基づく医療給付の承認を得なければならない。

(医療費支給等の内容等)

第4条 育成医療に係る医療費支給の内容は次のとおりとし、その方法は現物給付(治療用装具、入院に伴う看護及び移送に係る費用を除く。)によるものとする。

(1) 診察

(2) 薬剤又は治療材料(治療用補装具を含む。)の支給

(3) 医学的処置、手術その他の治療及び施術

(4) 居宅における療養上の管理及びその治療に伴う世話その他の看護

(5) 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護

(6) 移送

なお、上記のうち、のうちの看護、及びのうちの治療用補装具等を除き現物給付であり、療養費払いは行わない。

2 指定療育機関における療育給付の内容は次のとおりとし、その方法は現物給付(治療用補装具、入院に伴う看護及び移送に係る費用を除く。)によるものとする。

(1) 診察

(2) 薬剤又は治療材料の支給

(3) 医学的処置、手術その他の治療及び施術

(4) 病院への入院及びその療養に伴う世話、その他看護

(5) 移送

(6) 日用品(療養生活に必要な物品)

(7) 学習用品(小学生及び中学生に対して、学習に必要な物品)

(8) 医療保険各法及び結核予防法を適用して生じた自己負担額(高額療養費制度が適用される場合は、その限度額まで)

(9) 入院時食事療養費

(医療費支給等の期間)

第5条 医療費支給に係る医療費支給の期間は、入院及び通院の期間を合わせて最大通算1年間とする。

2 前項に定めるほか、育成医療の手術後の通院治療については、原則として、退院後90日間までを給付対象とする。ただし、理学療法、補装具治療等を行う場合は、この限りでない。

3 療育給付の期間は、入院で1年間を限度とする。ただし、治療継続が必要と認められる場合は、その期間を更新することができる。

(育成医療の所得区分)

第6条 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行令(平成18年政令第10号。以下「令」という。)第35条第1項の規定により、自己負担について受診者の属する「世帯」の収入、受給者の収入等に応じて区分(以下「所得区分」という。)を設け、所得区分ごとに月当たりの上限額(以下「負担上限月額」という。)を設けることとする。

2 次の各号に掲げる所得区分に対応する負担上限月額は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 生活保護 負担上限月額 0円

(2) 低所得1 負担上限月額 2,500円

(3) 低所得2 負担上限月額 5,000円

(4) 中間所得層1 負担上限月額 5,000円

(5) 中間所得層2 負担上限月額 10,000円

(6) 一定所得以上:育成医療の支給対象外

3 前項の規定にかかわらず、受診者が同項第6号に掲げる一定所得以上の「世帯」に属し、高額治療継続者(いわゆる「重度かつ継続」であって、令第35条第1項第1号に規定する高額治療継続者をいう。以下同じ。)に該当する場合は、当該世帯に係る負担上限月額20,000円とする。

4 第2項第1号に規定する生活保護の対象は、受診者の属する世帯が生活保護法(昭和25年法律第144号)による生活保護受給世帯(以下「生活保護世帯」という。)又は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律(平成6年法律第30号)による支援給付受給世帯(以下「支援給付世帯」という。)とする。

(育成医療の「世帯」の所得区分の認定)

第7条 育成医療費の支給に際して用いる、所得区分の判定単位となる「世帯」については、医療保険の加入単位、すなわち受診者と同じ医療保険に加入する者をもって、生計を一にする「世帯」として取扱うものとする。

2 家族の実際の居住形態又は税制面での取扱いにかかわらず、医療保険の加入関係が異なる場合は、別の「世帯」として取り扱うものとする。

3 「世帯」の所得区分は、受診者の属する「世帯」のうち、各医療保険単位で保険料の算定対象となっている者(健康保険等の被用者保険の場合は被保険者本人、国民健康保険の場合は世帯全員)に係る特別区民税の課税状況等を示す公的機関発行の適宜の資料に基づき認定するものとする。この場合において、各医療保険制度における自己負担の減額証等に基づいて特別区民税が非課税であることを認定しても差し支えないものとするほか、所得区分低所得1又は低所得2を判断する場合には、保護者の障害年金、特別児童扶養手当等の受給状況を示す公的機関発行の適宜の資料に基づき認定するものとする。

(支給認定等の申請)

第8条 支給認定等の申請は、保護者が行うものとし、原則として治療開始予定日より前に、次に掲げる書類を保護者の居住地を管轄する保健所長等(以下「保健所長」という。)を経由して港区長(以下「区長」という。)に提出するものとする。以下、区長宛ての提出書類等は、全て保健所長を経由して行うものとする。

(1) 育成医療

 自立支援医療(育成医療)意見書(細則第14号様式の2。以下「意見書」という。)

 ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害意見書(細則第14号様式の3。ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害を有する場合に限る。)

 自立支援医療(育成医療)世帯調書(細則第14号様式の4)

 受診者及び受診者と同一の「世帯」に属する者の名前が記載されている被保険者証、被扶養者証、組合員証等、医療保険の加入関係を示すもの(以下「被保険者証等」という。)

 受診者の属する「世帯」の所得の状況等が確認できる住民税の課税(非課税)証明書(区長が職権で所得の状況等を確認することに同意する旨、保護者が書面により申し出た場合は、提出不要とする。)又は生活保護受給世帯若しくは支援給付世帯の証明書。ただし、前年の受診者の属する「世帯」の所得が前々年のそれより減少しているため、住民税課税状況に基づき支給認定をすると明らかに不利となる場合に限り、保護者の書面による申出に基づき、次の各号のいずれかの所得税に関する資料(最新のもの)により支給認定を行うものとする。

(ア) 源泉徴収票又はその写し

(イ) 確定申告書の控又はその写し

 特定疾病療養受領証の写し(腎臓機能障害に対する人工透析療法の場合に限る。)

(2) 療育給付

 療育給付申請書(児童福祉法施行細則(昭和41年東京都規則第169号。以下「児福法細則」)という。)第12号様式)

 療育給付意見書(児福法細則第12号様式の2)

 世帯調書(第1号様式)

 所得税額証明書等

(育成医療の支給認定)

第9条 区長は、細則第12条に定める手続による申請を受理した場合は、育成医療の要否等に関し、医療の見通し及び除去軽減される障害の程度について、具体的に認定を行う。

2 区長は、前項の認定により育成医療を必要とすると認めた場合は、「世帯」の所得状況を確認し、高額治療継続者への該当・非該当、第6条各項に定める負担上限月額の認定を行った上で、受給者証を申請者に交付する。

3 前項の認定により負担上限月額が設定された者については、自立支援医療(育成医療)自己負担上限額管理票(第4号様式)を交付する。

4 同一受診者に対し、育成医療を受ける医療機関の指定は原則として1ヵ所とする。ただし、医療に重複がなく、やむを得ない事情がある場合は、複数指定できるものとする。

(支給等の決定)

第10条 区長は、第8条の申請があった場合において、育成医療の支給又は療育の給付を決定したときは自立支援医療(育成医療)受給者証(細則第17号様式)又は療育医療券(第2号様式)を、支給又は給付を行わないと決定したときは自立支援医療(育成医療)支給認定却下決定通知書(細則第16号様式)又は療育給付却下決定通知書(児福法細則第13号様式)を保護者に交付する。この場合において、区長は、決定の内容について、第3号様式により保健所長に通知するものとする。

(費用の徴収)

第11条 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号。以下「法」という。)第58条第5項又は児福法第56条第2項の規定により、本人又はその扶養義務者(以下「扶養義務者等」という。)から徴収する費用及び児福法第56条第4項の規定により指定育成医療機関に支払うべき旨を命ずる費用の徴収については、次のとおりとする。

(1) 育成医療

 区長は、育成医療の給付に要する費用のうち、扶養義務者等に対して、第9条第2項により認定した負担上限月額の範囲内で、その百分の十に相当する額を指定育成医療機関に支払うべき旨を命ずる。

 指定育成医療機関は、扶養義務者等が支払うべき費用の額を算出するに当たっては、別に定める「育成医療の給付等に要する費用の徴収又は支払命令実施要領」によるものとする。

(2) 療育給付

 区長は、療育の給付に要する費用のうち児福法細則第33条第1項に定める額を扶養義務者等から徴収する。

 扶養義務者等から徴収する費用の額を算出するに当たっては、前号イの規定を準用する。

 区長は、扶養義務者等に対して、納入通知書により徴収する費用の額を通知する。扶養義務者等は、納入期限までに港区が指定する金融機関にこれを納入しなければならない。

(受給者証等の再交付等)

第12条 区長は、保護者から受給者証等の再交付等の申請があった場合は、その内容を審査し、次に定めるところにより処理した上で、必要事項を自立支援医療受給者証再交付申請書(細則第2号様式)により保健所長に通知するものとする。

(1) 育成医療

 支援法第56条第1項の規定による支給認定の変更の申請は、自立支援医療(育成医療)支給認定変更申請書(細則第14号様式)により行うものとする。

 令第32条第1項の規定による申請内容の変更の届出は、自立支援医療(育成医療)受給者証等記載事項変更届(細則第21号様式)により行うものとする。

 令第33条第1項の規定による医療受給者証の再交付の申請は、自立支援医療(育成医療)受給者証再交付申請書(細則第22号様式)により行うものとする。

 区長は、法第57条第1項の規定による育成医療の支給認定の取消しを行ったときは、自立支援医療(育成医療)支給認定取消決定通知書(細則第23号様式)により、支給認定障害者等に通知しなければならない。

(2) 療育給付

 医療券を紛失又は毀損したときは、保護者は医療券再交付申請書(第6号様式)により区長に申請し医療券の再交付を求めることができる。

 住所又は健康保険証等の変更があったときは、保護者は変更届(第7号様式)に医療券を添付して区長に申請し、医療券の再交付を求めなければならない。他の特別区又は東京都内の市町村に居住し、医療券を交付されている児童の保護者が港区に住所を変更した場合においても、また、同様とする。

 扶養義務者の所得税額等に変更が生じたときは、保護者は徴収金額変更申請書(第8号様式)に変更後の所得税額証明書等、世帯調書及び医療券を添付して区長に申請し、新たに医療券の交付を求めることができる。この場合において、変更された徴収金額は、保健所長が徴収金額変更申請書を受け付けた月の翌月から適用する。

(療育給付の継続)

第13条 指定療育機関が引き続き療育の給付を継続する必要があると認めた場合は、保護者は、医療券の有効期間満了前に療育給付の継続協議書(児福法細則第12号様式の2)に療育給付意見書、世帯調書及び所得税額証明書等を添付して区長に申請し、新たに医療券の交付を求めることができる。この場合において、区長は、継続給付を承認したときは、医療券を新たに保護者に交付し、必要事項を第5号様式により保健所長に通知するものとする。

(治療用補装具の支給)

第14条 育成医療の支給を受けている児童のうち、治療用補装具の着装を承認されている者が、指定育成医療機関において受給者証の有効期間内に補装具の着装を行った場合、受給者はその費用の1割(負担上限月額の範囲内)を負担し、費用総額からこの自己負担額及び医療保険各法が負担した額を減じた額を、次に掲げる書類を添付して区長に請求することができる。この場合において、受給者は、補装具の費用の請求及び受領を補装具作成業者に委任することができる。委任を受けた業者は、次に掲げる書類(第5号に掲げる書類を除く。)に委任状(第9号様式)を添付して区長に請求するものとする。

(1) 請求書(第10号様式)(業者代理請求の場合は第11号様式)

(2) 支払金口座振替依頼書(港区会計事務規則第45号様式)

(3) 着装証明書(第12号様式)

(4) 補装具購入の領収書又はその写し(業者代理請求の場合は見積書)

(5) 医療保険における給付決定通知書

(6) 育成医療においては、自己負担上限額管理票の写し

(日用品等の支給)

第15条 区長は、療育の給付を受ける児童に対し、保護者の請求により日用品及び学習用品を現物支給する。この場合において、日用品及び学習用品の支給については、別表の支給額の範囲内で行うものとする。

(看護及び移送の給付)

第16条 医療券の交付を受けている児童で、現物給付ができない看護及び移送の給付を必要とする場合は、保護者は、事前に区長に対し申請し承認を得るものとする。その申請に関する取り扱いは、別に定める。

(委任)

第17条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、みなと保健所長が別に定める。

1 この要綱は、平成12年4月1日から施行する。

2 この要綱の施行の際は、東京都知事から育成医療券又は療育医療券を交付された者で、現に効力を有しているものはその有効期間内に限り、この要綱による医療券を受けた者とみなす。また、この要綱の施行の日(以下「施行日」という。)前に東京都知事に対してなされた申請等で、施行日以後においてはこの要綱が適用されるものについては、この要綱に基づいてなされた申請等とみなす。

この要綱は、平成12年9月1日から施行する。

この要綱は、平成15年4月1日から施行する。

この要綱は、平成15年10月1日から施行し、平成15年4月1日から適用する。ただし、平成15年7月31日までに給付の決定が行われた日用品費に係る基準額については、なお従前の例によることができる。

この要綱は、平成18年4月1日から施行する。

この要綱は、平成22年4月1日から施行する。

1 この要綱は、平成25年4月1日から施行する。

2 改正後の港区自立支援医療(育成医療)及び療育給付事業実施要綱第6条第2項第4号から第6号まで及び第3項の規定は、平成27年3月31日限り、その効力を失う。

この要綱は、平成28年1月1日から施行する。

別表

日用品費及び学習用品費

費目 1人当たり月額

日用品費 18,510円

学習用品費(小学生) 2,190円

学習用品費(中学生) 2,810円

様式(省略)

港区自立支援医療(育成医療)及び療育給付事業実施要綱

平成12年3月29日 港み保第983号

(平成28年1月1日施行)