○港区公金管理運用方針
平成14年6月13日
14港収第64号
1 目的
この方針は、安全かつ効率的な公金管理運用を行うため、公金管理運用の基本原則、公金管理運用の方法等について定めることを目的とする。
2 適用範囲
この方針は、歳計現金、歳入歳出外現金及び特定の目的のために財産を維持し、定額の資金を運用する基金に属する現金(以下「歳計現金等」という。)並びに特定の目的のために財産を維持し、公金を積み立てる基金(以下「積立基金」という。)に属する現金について適用する。
3 公金管理運用の基本原則
公金管理運用に当たっては、安全性を第一義に流動性及び効率性を確保する。
(1) 安全性の確保
元本の安全性を確保するため、安全な金融商品により管理運用するとともに、預金については、金融機関の経営の健全性に十分留意する。
(2) 流動性の確保
日々の支払に支障を来さないよう、必要な資金を確保するとともに、不測の需要に備え資金の流動性に留意する。
(3) 効率性の確保
安全性及び流動性を確保した上で、運用収益の効率化に努める。
4 公金管理運用計画の策定
会計管理者は、毎年度、本方針に基づき、公金管理運用計画を策定する。
なお、策定に当たっては、港区公金管理アドバイザーの助言を受けるものとし、港区公金管理運用委員会(第7項第2号に規定する港区公金管理運用委員会をいう。以下「委員会」という。)に諮り決定する。また、公金管理運用計画に基づく具体的な資金管理・公金運用は、会計管理者が決定する。なお、公金管理運用計画には、歳計現金管理運用計画及び基金管理運用計画を含むものとする。
5 区長への報告
会計管理者は、毎年度、資金運用状況を区長に報告する。
6 金融商品の選択
(1) 運用の原則
公金の運用に当たっては、当該の金融商品を満期又は期限まで持ちきることを原則とする。ただし、次に掲げる場合には、運用中の解約又は有価証券の売却を行うことができる。
ア 資金の安全性を確保するために必要な場合
イ 流動性を確保するために必要な場合
ウ 安全性を確保しつつ、効率性を向上させるため金融商品の入替えを行う場合
(2) 歳計現金等
ア 運用対象の金融商品
歳計現金等の保管は、次に掲げる預金又は有価証券により行う。
① 当座預金
② 普通預金
③ 通知預金
④ 別段預金
⑤ 定期預金
⑥ 譲渡性預金
⑦ 国庫短期証券
イ 保管期間の上限
歳計現金等の保管は、1年以内とする。
ウ 預金先金融機関
アに定める金融商品のうち、①から⑥までの預金先については、日々の支払資金の流動性を確保するため、原則として本区の行政運営に貢献している金融機関とする。
エ 有価証券保管先機関
アに定める金融商品のうち、有価証券の保管先機関については、固有財産との分別管理及び資金の決済業務等が確実に行われており、かつ、自己資本規制比率が140%以上の機関とする。
(3) 積立基金
ア 運用方法及び運用対象の金融商品
積立基金に属する現金は、一括運用できることとし、普通預金、定期預金、譲渡性預金、国庫短期証券のほか、次に掲げる有価証券により行う。
① 国債
② 政府保証債
③ 地方債
④ 地方債に準ずる債券(法により地方公共団体の健全な財政運営を支援するため設立された機関が発行する債券をいう。)
⑤ 財投機関債
⑥ 財投機関債に準ずる債券(発行時に一般担保及び財投機関の併存的債務引受条項が付いている債券をいう。)
イ 運用期間の上限
預金は原則1年までの期間とし、積立基金の運用は、各積立基金の設置目的及び積立て並びに取崩しの計画等を勘案して、5年を上限に運用することができることとする。ただし、公金管理の効率性を確保するため、5年を超える運用も可能とし、その場合は、委員会に諮り事前に承認を得るものとする。
ウ 預金先金融機関及び有価証券保管先機関
アに定める預金及び有価証券の預金先金融機関及び有価証券保管先機関の基準は、歳計現金等に準ずる。ただし、条例で預託先金融機関の条件が定められている積立基金及びこれに関連する積立基金の預金については、この限りでない。
7 金融機関の選別
(1) 預金の原則
預金は、経営の安定した健全な金融機関に行う。
(2) 経営状況の評価・分析
預金先の経営状況については、金融機関の決算期及び中間決算期に金融機関経営状況調査を実施するとともにディスクロージャー誌等資料を提出させ、健全性、収益性、効率性等の定量分析及び区政への貢献度等定性分析を行い、総合的な評価・分析を行う。
経営状況調査及び評価・分析は、別に定める「港区金融機関経営状況調査票」及び別紙の「港区金融機関選別基準」等に基づき行う。
(3) 金融機関への対応
経営状況を評価・分析した結果、経営状況に懸念のある金融機関については、その状況に応じて次の対応策を講ずる。
ア 経営方針等のヒアリング
イ 預金の期間、預金額及び預金商品の制限
ウ 新規預金の停止
エ 中途解約
8 公金管理体制
(1) 港区公金管理アドバイザー
別に定める港区公金管理アドバイザーは、本区の安全かつ効率的な公金の管理運用に関し、適宜適切な助言等を行う。
(2) 港区公金管理運用委員会
委員会は、会計管理者が別に定める要綱に基づき設置し、安全かつ効率的な公金の管理運用を行うため、次に掲げる項目について調査・審議する。
ア 会計管理者が策定した歳計現金管理運用計画及び基金管理運用計画に基づき、港区公金管理運用計画の策定に関すること。
イ 6に定める金融商品の選択に関すること。
ウ 7に定める金融機関の選別及び経営状況に懸念のある金融機関の対応策に関すること。
(3) 会計職員の責務
会計職員は、公金の管理運用に当たっては、公金が区民の貴重な財産であることを自覚し、法令及びこの方針を遵守することはもとより、一般の資金運用者が払うべき正当な注意を怠ってはならない。
9 委任
この方針に定めるもののほか、必要な事項は、会計管理者が別に定める。
付則
この方針は、平成14年6月13日から施行する。
付則
この方針は、平成15年12月5日から施行する。
付則
この方針は、平成20年4月1日から施行する。
付則
この方針は、平成20年8月1日から施行する。
付則
1 この方針は、平成21年3月1日から施行する。
2 この方針の施行の際、現に発行されている、改正前の港区公金管理運用方針5(2)ア⑦及び(3)アに規定する政府短期証券(FB)及び割引短期国債(TB)の取り扱いについては、なお従前の例による。
付則
(施行日)
1 この方針は、平成23年4月1日から施行する。
2 この方針による改正後の港区公金管理運用方針の規定は、平成23年度以後の公金管理運用について適用し、平成22年度以前の公金管理運用については、なお従前の例による。
付則
この方針は、平成24年9月1日から施行する。
付則
1 この方針は、平成27年11月1日から施行する。
2 基金の債券運用指針(平成15年2月18日14港収第207号)は、廃止する。
付則
この方針は、平成28年9月1日から施行する。
付則
この方針は、平成30年4月1日から施行する。
付則
この方針は、平成31年4月1日から施行する。
付則
1 この方針は、令和2年4月1日から施行する。
2 この方針の施行の際、現に発行されている改正前の港区公金管理運用方針6(3)⑥に規定する財投機関債に準ずる債券の取扱いについては、なお従前の例による。
別紙
港区金融機関選別基準
港区公金管理運用方針の7に定める金融機関の選別は、下記の選別指標及び選別基準に基づく総合評価により行うものとする。
区分 | 選別指標 | 具体的な選別基準 | |
定量分析 | 健全性 | 自己資本比率 | 国際統一基準8%以上、国内基準4%以上を絶対基準とする。 |
収益性 | 業務純益(総資産業務純益率) 経常利益(総資産経常利益率) 当期利益(株主資本利益率) | 時系列により当該行の業績を評価するとともに、他行との比較を行い相対的なランク付けをする。 | |
流動性 | 預金量・預貸率の推移 | 預金量及び預貸率等の推移を分析する。 | |
不良債権 | 金融再生法開示債権比率 リスク管理債権比率 | 不良債権比率を分析する。 | |
格付 | (JCR、R&I、S&P Moody's、Fitch) | トリプルB相当以上の投資適格の金融機関を絶対基準とする。 | |
定性分析 | 区政への寄与、中小企業の育成、住民の利便性、地域コミュニティ活動の振興等の貢献度を分析・評価し選別基準に加味する。 また、必要に応じて、役員から経営方針等についてのヒヤリングを行い、選別指標に現れない点も評価する。 | ||
その他 | 株価 | (東京証券取引所) | 株価の動向及び1株当たりの純資産に留意する。 |
その他 | (区の指定) | 区が指定している収納代理金融機関であること。 |