○港区介護保険サービス事業者等指導及び監査実施要綱

平成19年1月15日

18港保険第10094号

(趣旨)

第1条 この要綱は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第23条、第42条第4項、第42条の3第3項、第45条第8項、第47条第4項、第49条第3項、第54条第4項、第54条の3第3項、第57条第8項、第59条第4項、第76条、第78条の7、第83条、第90条、第100条、第114条の2、第115条の7、第115条の17及び第115条の27の規定に基づき、介護保険に係るサービス提供事業者及び介護保険施設等(以下「介護保険サービス事業者等」という。)に対し区が行う指導及び監査について、基本的事項を定めるものとする。

(指導及び監査の目的)

第2条 指導及び監査は、介護保険サービス事業者等に対して行う介護給付及び予防給付(以下「介護給付等」という。)に係る居宅サービス等(以下「介護給付等対象サービス」という。)の内容並びに介護給付等に係る費用(以下「介護報酬」という。)の請求等に関し、法令、通達等に対する適合状況等について、個別に明らかにし、必要な助言及び指導又は是正の措置を講ずることにより、介護給付等対象サービスの質の確保、利用者保護及び保険給付の適正化を図ることを目的とする。

(指導及び監査の対象)

第3条 指導及び監査の対象は、次に掲げる介護保険サービス事業者等とする。

(1) 指定居宅サービス事業者

(2) 指定地域密着型サービス事業者

(3) 指定地域密着型介護予防サービス事業者

(4) 指定居宅介護支援事業者

(5) 介護保険施設

(6) 指定介護予防サービス事業者

(7) 居宅介護及び介護予防のための住宅改修を行う者等

(8) 指定介護予防支援事業者

(9) 第1号から前号まで(第7号を除く。)の特例によりサービスを行う者

(指導)

第4条 指導は、介護給付等対象サービスの取扱い及び介護報酬の請求等に関する事項について周知徹底させるとともに、法令、通達等に照らし改善の必要があると認められる事項については、適切な助言及び指導を行うことを方針として実施する。

2 指導の形態は、次のとおりとする。

(1) 集団指導 指導の対象となる介護保険サービス事業者等を、必要な指導の内容に応じ、年1回以上、一定の場所に集めた講習、オンライン等の方法により行う。

(2) 運営指導 原則、次のいずれかにより指導の対象となる介護保険サービス事業者等の事業所において実地に行う。

 一般指導 区が単独で行うもの

 合同指導 区が厚生労働省、都道府県又は他の区市町村と合同で行うもの

3 指導対象の選定基準は、次のとおりとする。

(1) 指導対象の選定基準は、別表のとおりとし、選定に当たっては、利用者、保険者、東京都からの情報のみならず、国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)の介護給付費適正化システムによる情報を活用するものとする。

(2) 介護保険サービス事業者等に対し、都道府県及び他の区市町村が一般指導等を行った結果、特に問題が認められなかった介護保険サービス事業者等については、当該年度における運営指導は省略することができるものとする。

4 指導の実施方法等は、次のとおりとする。

(1) 集団指導

 指導通知 指導対象となる介護保険サービス事業者等を決定したときは、原則、2か月前までに集団指導の実施日、実施場所、出席者、指導内容等を当該介護保険サービス事業者等に通知する。

 指導方法 指導は、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬の請求内容、制度の改正内容及び過去の指導事例等について、講習、オンライン等の方式で行う。

(2) 運営指導

 指導通知 指導対象となる介護保険サービス事業者等を決定したときは、原則、1か月前までに運営指導の根拠規定及び目的、実施日時、実施場所、指導担当者、出席者、準備すべき書類、当日の進め方、流れ等を文書により、当該介護保険サービス事業者等に通知する。ただし、緊急に指導を実施する必要があると判断した場合には、指導の開始時に通知を行うことができるものとする。

 指導方法 運営指導は、法令及び通知等に基づき、関係書類等を閲覧し、関係者からの面談方式で行う。この場合において、施設、設備及び介護給付等対象サービスの利用者又は入所者若しくは入居者(以下「利用者等」という。)のサービス利用状況以外の事項について、実地の方法以外の方法により確認することができるものについては、情報セキュリティの確保を前提としてオンライン等の方法を活用して運営指導を行うことができる。

 利用者等の記録等の確認 利用者等へのサービスの質を確認するためにその記録等を確認する場合は、特に必要と判断する場合を除き、記録等の確認の対象者は、原則として3人以内とする。ただし、居宅介護支援事業所については、原則として介護支援専門員1人当たり1人又は2人の利用者についてその記録等を確認する。

 指導結果の通知等 指導の結果、人員、施設及び設備又は運営について改善を要すると認められる事項がある場合、介護報酬請求について不正には当たらない軽微な誤りが認められ過誤による調整を要すると認められる場合には、後日、文書等により指導結果を通知する。

 改善報告書の提出 当該介護保険サービス事業者等に対して、文書により改善を指摘した場合は、指導結果通知後30日以内に、改善報告書の提出を求める。

 指導体制 指導は、2人以上の指導班を編成して実施する。

5 運営指導等の実施に当たっては、介護保険サービス事業者等にあらかじめ指導に必要となる書類の提出を求めることができる。

6 運営指導の実施中において、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当すると判断したときは、運営指導を中止し、直ちに監査を行うものとする。

(1) 区長が定める介護給付等対象サービスの事業の人員、施設、設備及び運営に関する基準に従っていない状況が著しいと認められる場合又はその疑いがあると認められる場合

(2) 介護報酬請求について、不正を行っていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合

(3) 不正の手段によって指定等を受けていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合

(4) 高齢者虐待等により利用者等の生命又は身体の安全に危害を及ぼしていると認められる場合又はその疑いがあると認められる場合

(監査)

第5条 監査は、介護給付等対象サービスの内容について、指定取消し等の各規定に該当する内容であると認められる場合若しくはその疑いがあると認められる場合(以下「指定基準違反等」という。)、介護報酬の請求等について不正若しくは著しい不当が疑われる場合又は利用者等について高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号。次項において「高齢者虐待防止法」という。)に基づき区市町村が虐待の認定を行った場合若しくは高齢者虐待等により利用者等の生命若しくは身体の安全に危害を及ぼしている疑いがあると認められる場合(以下「人格尊重義務違反」という。)において、事実関係を的確に把握し、公正かつ適切な措置を行うことを方針とする。

2 監査は、次に掲げる情報を踏まえて、指定基準違反等又は人格尊重義務違反の確認について必要があると認められる場合に行う。

(1) 通報、苦情、相談等に基づく情報

(2) 高齢者虐待防止法に基づき虐待を認定した場合又は高齢者虐待等により利用者等の生命若しくは身体の安全に危害を及ぼしている疑いがあると認められる情報

(3) 連合会、地域包括支援センター等へ寄せられる苦情

(4) 連合会及び保険者からの通報情報

(5) 介護給付費適正化システムの分析から特異傾向を示す介護保険サービス事業者等に関する情報

(6) 法第115条の35第4項の規定に該当する報告の拒否等に関する情報

(7) 法第23条により指導を行った場合に区が確認した介護保険サービス事業者等に係る指定基準違反等及び人格尊重義務違反に関する情報

3 監査の実施方法等は、次のとおりとする。

(1) 実施通知 監査対象となる介護保険サービス事業者等を決定したときは、監査開始時に、監査の根拠規定、実施日時、実施場所、監査担当者、出席者、準備すべき書類、留意事項及び虚偽の報告、答弁、検査忌避等に関する罰則規定を文書により、当該介護保険サービス事業者等に通知する。

(2) 実施方法 介護保険サービス事業者等に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、出頭を求め、又は関係者に対して質問し、若しくは当該介護保険サービス事業者等の当該指定に係る事業所等に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件の検査をする。

(3) 情報提供等 監査の実施に当たっては、事前に関係する保険者並びに指定権限等を持つ全ての都道府県及び区市町村に情報提供を行い、必要に応じ同時に監査を実施するなどの連携を図る。この場合において、都道府県が指定権限等を持つ介護保険サービス事業者等の介護給付等対象サービスに関して複数の区市町村に関係がある場合には、都道府県が総合的な調整を行う。

(4) 監査結果の通知等 介護保険サービス事業者等に対し、文書により監査結果を通知する。この場合において、次項第1号に掲げる行政上の措置に該当する場合はそれらの通知に代えることができるものとし、当該行政上の措置に該当せず、改善を要すると認められた場合はその旨を通知し期限を定めて報告を求める。

4 監査後の措置は、次のとおりとする。

(1) 行政上の措置

 勧告 区が指定の権限を持つ介護保険サービス事業者等に指定基準違反等(介護報酬の請求に関することを除く。)の事実が確認された場合、当該介護保険サービス事業者等に対し、期限を定めて文書により基準の遵守等の措置をとるべきことを勧告することができるほか、当該期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。この場合において、勧告したときは、当該介護保険サービス事業者等に対し、当該期限内にとった措置について、文書により報告を求める。

 命令 区が指定の権限を持つ介護保険サービス事業者等が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合は、当該介護保険サービス事業者等に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができるほか、命じた場合においては、その旨を公示しなければならない。この場合において、措置をとるべきことを命じたときは、当該介護保険サービス事業者等に対し、当該期限内にとった措置について、文書により報告を求める。

 指定の取消し等 区が指定の権限を持つ介護保険サービス事業者等の指定基準違反等又は人格尊重義務違反の内容等が、法第78条の10各号、第84条第1項各号、第115条の19各号及び第115条の29各号のいずれかに該当する場合においては、当該介護保険サービス事業者等に係る指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力の停止をすることができる。

(2) 聴聞等 監査の結果、区が指定の権限を持つ介護保険サービス事業者等が命令又は指定の取消等の処分(以下「取消処分等」という。)に該当すると認められる場合は、監査後、取消処分等の予定者に対して、行政手続法(平成5年法律第88号)第13条第1項各号の規定に基づき聴聞又は弁明の機会の付与を行わなければならない。ただし、同条第2項各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

(3) 経済上の措置

 不正利得となる返還金の徴収の要請 取消処分等(命令を除く。)を行った場合に、当該介護保険サービス事業者等が法第22条第3項に規定する偽りその他不正の行為により介護報酬の支払いを受けている場合には、その支払った額につきその返還させるべき額を不正利得とし、当該支払いに関係する保険者に対し、当該不正利得の徴収を行うよう要請する。

 返還金の徴収方法 不正利得については、原則として、法第22条第3項の規定に踏まえ、当該返還させるべき額に100分の40を乗じて得た額を併せて徴収する。

(都道府県への通知)

第6条 指導又は監査を行った結果、指定基準違反等又は人格尊重義務違反があると認めるときは、文書により、その旨を都道府県に通知する。この場合において、都道府県と区が同時に同一の介護サービス事業者等に監査を行っている場合は、都道府県への通知を省略することができる。

(厚生労働省及び東京都並びに関係機関等との連携)

第7条 指導の効果を高めるために、東京都及び他の保険者並びに連合会との連携を図るものとする。

2 第5条第4項に規定する行政上の措置を行う場合は、事前に東京都に情報提供を行い、東京都から必要に応じて助言を受ける。

3 法第197条第2項の規定に基づき、監査及び行政上の措置の実施状況について厚生労働省老健局総務課介護保険指導室に報告する。

この要綱は、平成19年2月1日から施行する。

この要綱は、平成22年5月1日から施行する。

この要綱は、令和3年4月1日から施行する。

この要綱は、令和5年4月1日から施行する。

別表(第4条関係)

指導対象の選定基準

指導の形態

選定基準

集団指導

(1) 港区内に所在する介護保険サービス事業者等

(2) その他集団指導を行うことが適当と認められる介護保険サービス事業者等

運営指導

一般指導

(1) 指導実施日において、開設後おおむね1年を経過している介護保険サービス事業者等

(2) 原則として、指定の有効期間内に少なくとも1回以上運営指導を受けていない、区が指定の権限を持つ介護保険サービス事業者等

(3) その他特に一般指導が必要と認められる介護保険サービス事業者等

合同指導

一般指導の対象とした中から選定した介護保険サービス事業者等

港区介護保険サービス事業者等指導及び監査実施要綱

平成19年1月15日 港保険第10094号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
要綱集/第7類 区民生活/第8章 介護保険
沿革情報
平成19年1月15日 港保険第10094号
平成22年5月1日 種別なし
令和3年4月1日 種別なし
令和5年4月1日 種別なし