○港区建築物の解体工事等の事前周知等に関する要綱

平成20年4月1日

20港環建第22号

(目的)

第1条 この要綱は、建築物の解体工事等に係る計画の事前周知と石綿飛散防止に関し必要な事項を定めることにより、地域における健全な生活環境の維持と良好な近隣関係の保持に資することを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 解体工事等 次のいずれかに該当するものをいう。

 建築物のうち、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第1条第3号に定める構造耐力上主要な部分の全部又は一部を取り壊す工事(以下「解体工事」という。)

 大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)第2条第11項に定める特定粉じん排出等作業を伴う建築物を解体し、改造し、又は補修する工事(以下「石綿除去等工事」という。)

(2) 石綿等 次のいずれかに該当する建築材料をいう。

 吹付け石綿並びに石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材(以下「吹付け石綿等」という。)

 石綿を含有する仕上塗材(以下「石綿含有仕上塗材」という。)

 石綿を含有する成形板その他の建築材料(吹付け石綿等及び石綿含有仕上塗材を除く。以下「石綿含有成形板等」という。)

(3) 発注者等 解体工事等に関する請負契約の発注者、元請業者及び下請業者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。

(4) 工事施工者 解体工事等の元請業者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。

(5) 隣接関係住民 解体工事等に係る建築物の外壁面からその高さと等しい水平距離の範囲内に居住する者をいう。

(6) 近隣関係住民 隣接関係住民のほか、解体工事等に係る建築物の敷地境界線からその高さの2倍の水平距離の範囲内に居住する者をいう。

(7) 紛争 解体工事等に伴って生ずる騒音、振動、粉じん等の周辺の生活環境に及ぼす影響に関する近隣関係住民と発注者等との間の紛争をいう。

(適用範囲)

第3条 この要綱は、港区内で行われるすべての建築物の解体工事等に適用する。

(区長の責務)

第4条 区長は、解体工事等が適正に行われるようにするとともに、解体工事等による紛争を未然に防止するため、発注者等に対し必要な措置を講ずるよう指導を行うものとする。

2 区長は、解体工事等による紛争に関して連絡があった場合、速やかに状況を調査し、発注者等に対し必要な指導を行うものとする。

(発注者等の責務)

第5条 発注者等は、建築物の解体工事等の計画及び工事に当たっては、関係法令等を遵守し、周辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮するとともに、第10条第1項の規定による説明を誠意をもって行い、良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない。

2 発注者等は、紛争が生じたときは、近隣関係住民の立場を尊重し、自主的に解決するよう努めなければならない。

(有害物質等の調査)

第6条 発注者等は、解体工事等を行う建築物について、石綿等、ポリ塩化ビフェニル、フロン類等の人体又は環境に有害とされる物質(以下「有害物質等」という。)の有無を調査しなければならない。

(石綿等の調査結果及び石綿等除去計画の報告等)

第7条 発注者等は、前条に定める石綿等の調査をした結果について、次条第4項の規定に基づく報告をする前までに、別記第1号様式により区長に報告しなければならない。

2 発注者等は、当該建築物に石綿等が使用されていた場合は、解体工事等を開始するまでにその除去計画について、別記第1号様式の2により区長に報告しなければならない。ただし、大気汚染防止法第18条の17第1項若しくは第2項に規定する届出の対象となる工事又は区長が報告を不要と認める場合は、この限りでない。

3 前2項の規定によるほか、区長は、必要があると認めるときは、発注者等に対して、前条第1項の規定による有害物質等の調査の結果について報告を求めることができる。

(標識の設置)

第8条 発注者等は、解体工事等を行おうとする場合には、隣接関係住民に解体工事等に係る計画の周知を図るために、工事開始の30日前までに、木造建築物の解体工事等または石綿除去等工事のみの場合は、工事開始の15日前までに、別記第2号様式による標識(以下「標識」という。)を設置しなければならない。

2 標識は、当該敷地の道路に接する部分(建築敷地が2以上の道路に接するときは、そのそれぞれの道路に接する部分)に、地面から標識の下端までの高さがおおむね1メートルとなるよう設置しなければならない。

3 発注者等は、風雨等のため容易に破損又は倒壊しない方法で標識を設置するとともに、記載事項が解体工事等の期間中不鮮明とならないように標識を維持管理しなければならない。

4 発注者等は、第1項の規定により標識を設置したときは、別記第3号様式により7日以内に区長に報告しなければならない。

(工事着手前の説明等の実施)

第9条 発注者等は、解体工事等を行おうとする場合には、工事開始の15日前までに、木造建築物の解体工事等または石綿除去等工事のみの場合は、工事開始の7日前までに、隣接関係住民に対し、次条に定める事項について、説明会の開催又は戸別説明(以下「説明会等」という。)により説明しなければならない。ただし、港区中高層建築物等の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例(昭和54年港区条例第15号。以下「条例」という。)第7条の規定に基づく説明の際、当該工事に係る計画の内容を隣接関係住民に説明した場合は、この限りではない。

2 発注者等は、前項の規定による説明をしたときは、工事開始の3日前までにその事実及び内容について説明会等報告書(別記第4号様式)により区長に報告しなければならない。

3 発注者等は、第1項又は条例第7条の規定に基づく説明会等を行うほか、近隣関係住民その他の者から説明を求められた場合にあっては、誠実に対応しなければならない。

(説明事項)

第10条 前条の規定により説明する事項は、次に掲げる事項とする。

(1) 工期、作業時間、工程ごとの作業内容及び解体方法

(2) 安全対策及び騒音、振動、粉じん等の公害防止対策

(3) 作業範囲、建設資材の搬出経路及び工事車両の通行経路

(4) 石綿等の使用の有無

(5) その他解体工事により周辺の生活環境に及ぼす著しい影響及びその対策

2 前項のほか、石綿除去等工事を行おうとする場合に前条の規定により説明する事項は、次に掲げる事項とする。

(1) 石綿等の使用状況、工期、除去等作業計画、作業方法等

(2) 石綿粉じんの飛散防止措置の概要

(3) 前2号に掲げるもののほか、区長が必要と認めた事項

(周辺環境への工事上の配慮等)

第11条 発注者等は、解体工事等に着手する前に、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 第6条第1項の規定による調査の結果、有害物質等の使用が認められた場合は、適正に処理すること。特に、石綿除去等工事を行う場合には、第3項各号に掲げる事項に配慮すること。

(2) ねずみ等防除の衛生対策を講じること。

2 発注者等は、解体工事等を行う場合には、次に掲げる事項に配慮しなければならない。

(1) 解体工事用の建設機械を使用する場合は、できる限り該当する解体工事等に適合した低騒音・低振動型のものを使うよう努めなければならない。また、作業機器の整備不良により、異常な騒音、振動が発生しないよう適切に点検、整備を行うとともに、建設機械の稼働に当たっては慎重な作業を心がけ、不要な空吹かし、高負荷運転、連続運転等を行わないよう努めなければならない。

(2) 当該工事現場周辺への公衆災害の防止のため、仮囲い、養生シート等を設けるとともに、十分な危害防止の措置を講じなければならない。なお、これらを設けるに当たっては、コーナー部に隅切りの設置、透明な素材の使用等の視認性を高める措置を講じ、通行人及び通行車両の衝突防止に努めなければならない。

(3) 作業現場から粉じん等が生ずる場合は、散水等適切な処置を行なわなければならない。

(4) 作業現場への資機材の搬出入、工事関係車両の作業音等により、近隣関係住民に迷惑をかけないよう配慮し作業を行うよう努めなければならない。

(5) 工事車両の出入の際には、通行人の安全確保を図るため、誘導員等を配置するよう努めなければならない。

(6) 近隣関係住民の生活が著しく阻害される騒音が発生すると想定される場合は、防音シート及び防音パネルの設置に努めなければならない。

(7) 近隣関係住民から騒音計及び振動計の設置を要望された場合は、それらの設置に努めなければならない。

(8) 騒音、振動、粉じん等が近隣関係住民の生活環境に著しい影響を与えると想定される場合は、その対策を立てるとともに、月間工程表又は週間工程表を作成し、工事予定を詳しく説明するよう努めなければならない。

3 石綿除去等工事の発注者等は、次の各号に掲げる事項に配慮しなければならない。

(1) 吹付け石綿等が使用されている場合には、大気汚染防止法その他関係法令を遵守し、適正に処理しなければならない。

(2) 解体工事等で石綿含有成形板等を除去する場合には、手作業で取り外す又は散水により十分湿潤化する等石綿粉じんが飛散しないよう努めなければならない。

(計画の変更等)

第12条 発注者等は、解体工事等の工期又は解体方法等に変更が生じた場合、当該変更内容について速やかに隣接関係住民に周知するとともに、第5号様式により速やかに区長に変更事項を報告しなければならない。

2 発注者等は、解体工事の着手後に第7条の規定により報告した以外の石綿等を発見したときは、当該石綿等を除去する前に隣接関係住民へ周知するとともに、別記第1号様式の2により区長に報告しなければならない。

(立入調査等)

第13条 区長は、第7条第1項に定める報告で、石綿等が使用されていなかったものについては、大気汚染防止法その他関係法令に基づき、必要に応じて、当該建築物において、試料を採取し、石綿を含有するか否かを判定するため、適切な検査機関で検査を行うものとする。

2 区長は、この要綱の実施に当たって、必要に応じて、発注者等から報告を求め、大気汚染防止法その他関係法令に基づき、職員を当該解体工事等の現場に立入り調査させるものとする。

(電子情報処理組織による報告)

第14条 第7条第1項同条第2項第8条第4項第9条第2項第12条第1項及び同条第2項に規定する報告は、電子情報処理組織(区長の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)と報告者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用して行うことができる。

2 前項の規定により電子情報処理組織を使用して行う報告は、報告者の使用に係る電子計算機から、別記第1号様式第1号様式の2第3号様式第4号様式又は第5号様式に記載する事項を入力して行うものとする。

(委任)

第15条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、街づくり支援部長が別に定める。

1 この要綱は、平成20年6月1日から施行する。

2 港区における建築物の解体工事に関する指針(平成16年1月14日付け15港街建第150号)は、廃止する。

3 この要綱の施行前に、廃止前の港区における建築物の解体工事に関する指針第6条第1項の規定による説明を行い、第7条の規定による標識を掲示したものについては、なお、従前の例による。

この要綱は、平成22年4月1日から施行する。

この要綱は、平成25年4月1日から施行する。

この要綱は、平成28年6月1日から施行する。

この要綱は、令和2年12月1日から施行する。

この要綱は、令和3年4月1日から施行する。

この要綱は、令和4年5月2日から施行する。

1 この要綱は、令和5年3月1日から施行する。

2 この要綱の施行の際、この要綱による改正前の港区建築物の解体工事等の事前周知等に関する要綱の様式による用紙で、現に残存するものは、当分の間、必要な修正を加え、なお使用することができる。

様式(省略)

港区建築物の解体工事等の事前周知等に関する要綱

平成20年4月1日 港環建第22号

(令和5年3月1日施行)

体系情報
要綱集/第5類 街づくり/第2章
沿革情報
平成20年4月1日 港環建第22号
平成22年4月1日 種別なし
平成25年4月1日 種別なし
平成28年6月1日 種別なし
令和2年12月1日 種別なし
令和3年4月1日 種別なし
令和4年5月2日 種別なし
令和5年3月1日 種別なし