○港区借上住宅事業実施要綱

平成20年11月26日

20港環計第1450号

(目的)

第1条 この要綱は、区内の賃貸住宅を借り上げ、中堅所得層のファミリー世帯に貸し付けることにより、区民の定住化促進を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 建物所有者 区長に賃貸住宅を貸し付けた者をいう。

(2) 借上住宅 区長が建物所有者から借り上げた民間賃貸住宅をいう。

(対象借上住宅)

第3条 この要綱の対象となる借上住宅は、この要綱の施行日の前日において財団法人港区住宅公社(以下「住宅公社」という。)が、財団法人港区住宅公社優良賃貸住宅借上事業実施要項(平成17年3月30日16港住公第754号)の規定に基づき、建物を所有する者と賃貸借契約(以下「原契約」という。)を締結している賃貸住宅で、第5条に規定する賃貸借契約を締結した賃貸住宅とする。

(借上期間等)

第4条 借上住宅の借上期間は、平成21年4月1日から次条の借上契約期間終了の日までとし、原則として契約の更新は行わないものとする。

(借上契約の締結)

第5条 区長は、建物所有者との間で賃貸借契約(以下「借上契約」という。)を締結し、当該借上住宅を賃借する。

(借上料の決定等)

第6条 借上住宅の借上げに係る月額の賃料(以下「借上料」という。)の額は、近隣の民間賃貸住宅の家賃水準等を考慮して、区長が建物所有者と協議の上決定するものとする。

2 前項の借上料は、1住戸ごとに定めるものとする。

3 住宅専用面積1平方メートル当たりの借上料の限度額は、区長が別に定める。

4 借上料は、原契約に定める借上期間の初日(その日が月の初日でない場合は、その日の属する月の翌月の初日)から2年を経過するごとに改定できるものとし、借上料を改定する日の7月前までに第1項の規定に準じて改定協議を行うものとする。

5 前項の規定にかかわらず、区長は、近隣の民間賃貸住宅の家賃水準が著しく高騰又は下落した場合は、その都度改定協議を行うことができる。

(借上契約の解除)

第7条 区長は、借上契約の規定に基づき、住宅の全部又は一部の借上を解除することができる。

(借上住宅の維持管理等)

第8条 区長と建物所有者は、借上契約の定めるところにより、借上住宅の維持管理等について、その負担区分に応じて点検等の管理責務を負うものとする。

(入居申込者の資格)

第9条 借上住宅の入居申込者は、次に掲げる要件を満たす者でなければならない。

(1) 本人又は本人、配偶者(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者及び婚姻の予約者を含む。)若しくはみなとマリアージュ制度の相手方の親が区内に居住していること。

(2) 現に同居し、又は同居しようとする親族(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者及び婚姻の予約者を含む。)若しくはみなとマリアージュ制度の相手方があること。

(3) 世帯の年間所得の合計額が、別に定める基準の範囲内であること。

(4) 現に居住用の自家を所有しておらず、住宅に困窮していること。

(5) 本人が成年者であること(20歳未満の既婚者を含む。)

(6) 世帯が独立した日常生活を営むことができること。

(7) 原則として、次に掲げる要件を備える連帯保証人(連帯保証人の限度額は入居時の使用料の24か月分とする。)が得られること。

 日本国内に住所又は事業所若しくは勤務先を有すること。

 独立して生計を営んでいること。

 確実な保証能力を有すること。

(8) 住民税を滞納していないこと。

(9) 本人及び同居する者全員が、当該借上住宅において円満な共同生活を営むことができること。

(10) 本人又は同居する者が、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員でないこと。

(11) 前各号に定めるもののほか、区長が特に必要と認める要件を満たしていること。

2 区長は、必要があると認めるときは、前項第1号の規定にかかわらず、入居申込者が区内の事務所又は事業所に勤務する場合は、その者の申込みを認めることができる。

3 前2項に定めるもののほか、区長は、入居申込者の資格について、必要と認める要件を定めることができる。

(入居者の募集)

第10条 借上住宅の入居者募集は、公募により行うものとする。

2 前項の公募は、借上住宅の名称、位置、募集戸数、家賃、入居資格(前条に規定する資格をいう。以下同じ。)、その他必要な事項を明示して行うものとする。

(入居の申込み)

第11条 借上住宅の入居の申込みは、公募の都度一世帯一戸限りとする。

2 借上住宅の入居の申込みをしようとする者は、借上住宅入居申込書(以下「申込書」という。)を区長に提出しなければならない。

(資格審査対象者及び補欠者の決定)

第12条 区長は、借上住宅の入居申込者の数が募集戸数を超える場合は、前条第2項の申込書の記載内容を確認し、不備がないと認めた入居申込者のうちから、公開の抽選により借上住宅の入居資格の審査対象者(以下「資格審査対象者」という。)を決定する。この場合において、区長が別に定める要件に該当する者については、当選倍率の優遇をすることができる。

2 区長は、前項の抽選を行う場合において、入居申込者の抽選番号を決定したときは、当該入居申込者に通知するものとする。

3 区長は、借上住宅の入居申込者の数が募集戸数を超えない場合は、前条第2項の申込書の記載内容を確認し、不備がないと認めた入居申込者を資格審査対象者として決定する。

4 区長は、第1項の規定により抽選を行うときは、併せて順位を定めて補欠者を決定する。

5 区長は、資格審査対象者が第15条第2項の規定による審査の結果、入居資格を有しないと認めたとき、又は資格審査対象者若しくは同項に規定する入居予定者から入居の辞退の申出があったときは、前項の補欠者をその順位に従い資格審査対象者として決定する。

6 区長は、第1項から前項までの規定により資格審査対象者又は補欠者を決定したときは、その者に通知するものとする。

7 区長は、入居申込者が資格審査対象者又は補欠者に当たらない場合には、その者に落選者として通知するものとする。

(公募の例外)

第13条 第10条から前条までの規定にかかわらず、区長は、次の各号のいずれかに該当する者から申請を受けたときは、審査の上、その者を資格審査対象者として決定することができる。

(1) 現に借上住宅に入居している者で、世帯構成の異動等により他の借上住宅に入居することが適当であると認められるもの

(2) 現に借上住宅に入居している者で、相互に借上住宅を交換することが適当であると認められるもの

(3) 区が行う都市計画事業、街づくり事業等の推進のため、特に必要と認められる者

(申込順登録者の決定)

第14条 区長は、借上住宅に空き住戸が生じた場合に第12条に規定する公開の抽選によるほか、申込順により入居申込みを受け付け、第11条第2項の申込書の記載内容を確認し、不備がないと認めた入居申込者を申込順に登録し、資格審査対象者とすることができる。

2 前項の登録者は、当該住居の入居者が決定した場合において、全員、その資格を失うものとする。

3 区長は、資格審査対象者が第15条第2項の規定による審査の結果、入居資格を有しないと認めたとき、又は資格審査対象者若しくは同項に規定する入居予定者から入居の辞退の申出があったときは、第1項の登録者をその順位に従い資格審査対象者として決定する。

4 区長は、第1項から前項までの規定により資格審査対象者を決定したときは、その者に通知するものとする。

5 区長は、入居申込者が資格審査対象者に当たらない場合には、その者に失格者として通知するものとする。

(入居の手続等)

第15条 第12条から前条までの規定により資格審査対象者として決定された者は、遅滞なく次に掲げる書類を区長に提出しなければならない。

(1) 住民票の写し

(2) 収入を証明する書類

(3) 住民税の納税証明書

(4) 第9条第7号に規定する連帯保証人の連署する誓約書

(5) その他区長又は建物所有者が必要と認める書類

2 区長は、前項の規定により提出された書類を審査した結果、入居資格を有すると認めた者(以下「入居予定者」という。)と借上住宅の貸付けに係る賃貸借契約(以下「貸付契約」という。)を締結するものとする。

3 入居予定者は、区長が指定する日(以下「入居開始可能日」という。)から20日以内に借上住宅に入居しなければならない。ただし、特に区長の承認を受けたときは、この限りでない。

4 借上住宅に入居した入居予定者(以下「入居者」という。)は、入居後速やかに、入居届及び入居者名簿に、本人及び同居親族全員の住民票の写しを添えて、区長に提出しなければならない。

(貸付期間)

第16条 借上住宅の貸付期間は、第4条に規定する当該住宅の借上期間を限度とする。

(家賃)

第17条 借上住宅の家賃は、当分の間、住戸ごとに定められた借上料の額から当該借上料の額に0.2を乗じて得た額を減じた額とする。

2 前項の規定にかかわらず、空き住戸に入居する場合の家賃は、当該借上住宅の他の入居者の家賃との均衡を考慮して決定する。

3 家賃は、借上住宅の入居開始可能日から徴収する。

4 入居者は、毎月末日までにその月分の家賃を支払わなければならない。

5 入居開始可能日が月の初日でない場合又は月の中途において借上住宅の返還若しくは明渡しがあった場合における当該月分の家賃は、日割計算により算出した額とする。この場合において、1月を30日として計算するものとする。

6 第1項又は前項の規定により算出した家賃に100円未満の端数が生じたときは、その端数を切り捨てるものとする。

(家賃の減免及び徴収猶予)

第18条 区長は、入居者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、家賃を減免し、又は家賃の徴収を猶予することができる。

(1) 入居者が災害により著しい被害を受けたとき。

(2) 入居者の責めに帰すべき事由によらないで引き続き10日以上借上住宅を使用することができないとき。

2 家賃を減免する割合及び期間は、区長が入居者の実情をしん酌して定めるものとする。

3 家賃を減免する期間は、1年を超えない範囲内とし、家賃の徴収を猶予する期間は、6月を超えない範囲内とし、それぞれ区長が定めるものとする。

(敷金)

第19条 区長は、入居予定者から入居時の家賃の3月分に相当する額を敷金として徴収するものとする。

2 入居予定者は、前項の敷金を貸付契約の締結前までに納付しなければならない。

3 この要綱の施行日の前日から引き続き借上住宅に入居している者の敷金は、住宅公社が徴収している敷金を区長が承継することをもって徴収に代えるものとする。

(共用部における入居者の費用負担)

第20条 借上住宅の共用部に係る費用のうち次に掲げるものは、入居者の負担とする。

(1) 借上住宅を日常使用することで必要となる修繕及び清掃に要する費用

(2) 電気、ガス、上下水道等の使用料

(3) 共同施設の使用及び維持管理に要する費用

2 区長は、前項の費用のうち、入居者に負担させることが適当でないと認めるものについて、その一部又は全部を入居者に負担させないことができる。

(転貸等の禁止)

第21条 入居者は、当該借上住宅を他の者に貸し、又はその入居の権利を他の者に譲渡してはならない。

(入居の権利の承継)

第22条 区長は、借上住宅の管理上支障がなく、かつ、やむを得ないと認めたときは、借上住宅の入居の権利の承継を承認することができる。

(承諾事項)

第23条 入居者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、区長の承諾を得なければならない。

(1) 入居者名簿に記入した者以外の親族又はみなとマリアージュ制度の相手方を同居させようとするとき。

(2) 借上住宅の模様替えその他借上住宅に工作を加える行為をしようとするとき。

(入居者の通知義務)

第24条 入居者は、入居者の氏名の変更又は入居者名簿に記入した者の異動があったときは、区長に通知しなければならない。

2 入居者は、借上住宅を継続して1月以上留守にするときは、区長に書面で通知しなければならない。

3 入居者は、借上住宅の鍵を紛失したときは、遅滞なく区長及び建物所有者に通知しなければならない。

4 入居者は、2年に一回、住民票の写しを添えて、入居者全員の現況の報告をしなければならない。

5 入居者は、前項による規定のほか、区長が必要と認めるときは、入居者の世帯構成、勤務先及び年収等について、現況の報告を行わなければならない。

(入居者の保管義務)

第25条 入居者は、借上住宅及び共同施設について適切な注意を払い、これを正常な状態において維持しなければならない。

2 入居者は、借上住宅を住宅以外の用途に使用してはならない。

3 入居者は、建物所有者が定める住宅使用規則等を遵守し、禁止事項に違反する行為をしてはならない。

(損害賠償)

第26条 入居者は、入居者の責めに帰すべき理由により借上住宅及び共同施設を滅失し、又は毀損したときは、区長及び建物所有者に連絡するとともに、これを原形に復し、又はこれに要する費用を賠償しなければならない。

(借上住宅の返還)

第27条 入居者は、借上住宅を返還しようとするときは、返還しようとする日の30日前までに借上住宅返還届により区長に届け出て、当該住宅の検査を受けなければならない。

2 入居者は、借上住宅を返還する前に当該住宅を原状に回復しなければならない。ただし、区長が当該住宅の修繕を行うときは、区長に原状回復を依頼することができる。

3 前項による原状回復に要する費用は、入居者の負担とする。

(貸付契約の解除)

第28条 区長は、入居予定者又は入居者等が次の各号のいずれかに該当する場合には、貸付契約を解除することができる。

(1) 虚偽の申込み又は不正な手段により入居の権利を取得したとき。

(2) 家賃を3月以上滞納したとき。

(3) この要綱の規定に違反し、又はこれに基づく区長の指示に従わないとき。

(4) 前3号に掲げるもののほか、区長が借上住宅の管理上必要があると認めるとき。

(借上住宅の明渡し)

第29条 前条の規定により貸付契約を解除された者は、区長が指定する期日までに借上住宅を入居者の費用負担により原状に回復して明け渡さなければならない。この場合において、入居者又は同居する者は、損害賠償その他の請求をすることができない。

(敷金等の還付等)

第30条 敷金は、借上住宅を返還したときに還付する。ただし、未納の家賃、第27条第2項ただし書による原状回復に要する費用等(以下「未納家賃等」という。)があるときは、敷金のうちからこれを控除するものとする。

2 入居者は、敷金の額が未納家賃等の額に満たない場合は、直ちにその不足分を支払わなければならない。

3 敷金には、利子を付さない。

(委任)

第31条 この要綱の施行について必要な事項は、街づくり支援部長が別に定める。

1 この要綱は、平成20年12月1日から施行する。

2 平成21年4月1日前に、財団法人港区住宅公社優良賃貸住宅貸付事業実施要項(平成17年3月30日16港住公第753号)の規定に基づき借上住宅に入居し、平成21年4月1日に引き続き入居している者は、この要綱の規定に基づき入居した者とみなす。

この要綱は、平成22年4月1日から施行する。

この要綱は、平成24年4月1日から施行する。

この要綱は、平成24年7月9日から施行する。

この要綱は、令和2年4月1日から施行する。

港区借上住宅事業実施要綱

平成20年11月26日 港環計第1450号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
要綱集/第5類 街づくり/第2章
沿革情報
平成20年11月26日 港環計第1450号
平成22年4月1日 種別なし
平成24年4月1日 種別なし
平成24年7月9日 種別なし
令和2年4月1日 種別なし