○港区優良賃貸住宅建設資金等支援事業実施要綱

平成21年3月31日

20港環計第2263号

(目的)

第1条 この要綱は、区内の優良賃貸住宅の建設に当たり、金融機関からの融資を受けた者の建設資金等について、一定期間利子補給を行うことにより、区民の定住促進に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 旧優良賃貸住宅制度

財団法人港区住宅公社優良賃貸住宅建設資金融資あっせん等支援要綱(平成10年3月18日付9港住公第359号)による制度をいう。

(2) 新優良賃貸住宅制度

財団法人港区住宅公社優良賃貸住宅建設資金等支援事業制度要項(平成16年3月30日15港住公第717号)による制度をいう。

(3) 取扱金融機関

第1号に掲げる制度において、ローン契約を取り扱う金融機関をいう。

(4) 土地所有者等

区内の土地に所有権又は建物の所有を目的とする地上権、賃借権若しくは使用貸借による権利を有する者をいう。

(5) 優良賃貸住宅

土地所有者等が旧優良賃貸住宅制度又は新優良賃貸住宅制度に定めるところにより支援を受けて建設した賃貸住宅をいう。

(6) 優良賃貸住宅建設者

優良賃貸住宅を建設した土地所有者等をいう。

(対象者)

第3条 この要綱の対象となる者は、この要綱の施行の日の前日において財団法人港区住宅公社(以下「住宅公社」という。)の旧優良賃貸住宅制度の規定に基づく借受人及び新優良賃貸住宅制度の規定に基づく利子補給対象者とする。

(融資及び利子補給の内容)

第4条 旧優良賃貸住宅制度における融資及び利子補給は、一世帯一融資とし、融資金に係る利率は、次に定めるところによる。

(1) 名目利率 取扱金融機関と年度ごとに契約で定める融資あっせん利率とする。ただし、最低名目利率を年3%とする。

(2) 借受人負担利率 年3%とする。ただし、平成11年4月1日以降に実行された融資は、当初10年間を年2%とする。

(3) 利子補給率 名目利率から借受人負担利率を減じた率とする。

2 前項第2号の規定にかかわらず、名目利率が年8.6%(取扱金融機関が信用金庫の場合にあっては、年8.7%)を超える場合の借受人負担利率は、前項第2号に規定する借受人負担利率に年8.6%(取扱金融機関が信用金庫の場合にあっては、年8.7%)を超える分の利率を加えた利率とする。

(返済方法)

第5条 旧優良賃貸住宅制度における融資金の返済方法は、第4条第1項第2号又は同条第2項に規定する借受人負担利率による元利均等月賦返済とする。

2 借受人は、いつでも返済残金の全部又は一部を繰上返済することができる。

(利子補給)

第6条 旧優良賃貸住宅制度では融資実行に応じて、第4条第1項第3号に規定する利率による利子補給を行うものとする。

(1) 利子補給期間は、30年とする。ただし、第5条第2項により繰上返済した場合は、この限りでない。

(2) 利子補給は、取扱金融機関に対し、四半期ごとに行うものとする。

(所有権の登記)

第7条 旧優良賃貸住宅制度において借受人は、優良賃貸住宅について、自己の名義で所有権の保存登記をしなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、借受人が個人の場合にあって、借受人の配偶者若しくは子又はその他の親族で当該優良賃貸住宅の建設に要する資金を提供している者との共有の登記をすることができる。この場合において、借受人の当該優良賃貸住宅の所有権の持分割合は、2分の1以上でなければならない。

(所有権の制限の禁止)

第8条 旧優良賃貸住宅制度における前条の規定により登記をする所有権は、所有権移転請求権等により制限されないものでなければならない。

(信用保証及び住宅融資保険)

第9条 旧優良賃貸住宅制度において借受人は、融資金について取扱金融機関の指定する信用保証機関の保証を受けるものとする。この場合において、第13条の規定は適用しないものとする。

2 前項の規定により難い場合には、取扱金融機関は、住宅融資保険に加入することができる。

3 第1項の信用保証機関の保証及び前項の住宅融資保険に係る手数料及び保証料は、借受人の負担とする。

(抵当権の設定)

第10条 旧優良賃貸住宅制度において借受人は、優良賃貸住宅及び土地に、取扱金融機関又は取扱金融機関の指定する信用保証機関のため、第1順位の抵当権を設定しなければならない。ただし、当該土地が借地である場合においては、当該借地に係る地上権又は東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、及び山梨県の地域内の不動産(借受人以外の者が所有する不動産を含む。)で当該融資金の担保となり得るものに第1順位の抵当権を設定するものとする。

(担保の提供等)

第11条 旧優良賃貸住宅制度において借受人は、第7条第2項の規定により所有権の共有の登記をする場合は、取扱金融機関のために、借受人以外の共有者全員の所有権の持分を担保として提供させるとともに、融資金の償還について連帯して保証させなければならない。

(火災保険の付保)

第12条 旧優良賃貸住宅制度において借受人は、優良賃貸住宅について、融資金の返済完了までの期間中、融資金相当額以上の火災保険に加入するものとする。

(その他の担保)

第13条 旧優良賃貸住宅制度において、取扱金融機関又は取扱金融機関の指定する信用保証機関は、融資金にかかわる債権を保全するために特に必要があると認めるときは、この要綱に規定するもののほか、必要と認める担保を徴することができる。

(損失補償)

第14条 旧優良賃貸住宅制度において区長は、借受人が融資金の返済を引き続き3回以上行わない場合、又は借受人の死亡、破産若しくは銀行取引停止処分により融資金の返済が困難となった場合において、取扱金融機関と協議の結果、必要があると認めるときは、当該取引金融機関の被った損失の額が確定した後に、予算の範囲内において、当該取引金融機関に対し、損失の補償を行うものとする。

2 取扱金融機関は、借受人が前項の規定に該当し、償還金の返済が困難であると認める場合は、区長に対し、その事実を通知しなければならない。

3 区長は、前項の通知を受けた日から60日以内に借受人に関する調査を行い、その結果に基づき、その取扱について取扱金融機関と協議するものとする。

4 取扱金融機関は、協議の結果、区長が当該取扱金融機関が被った損失の補償(以下「損失補償」という。)をする必要があると認めるときは、借受人に対し、残存債務の一時返還の請求を行わなければならない。

5 取扱金融機関は、住宅融資保険に係る手続のために必要があるときは、区長との協議を行う前に、債権の一時返還の請求を行うことができることとし、その請求を行ったときは、その旨を区長に報告しなければならない。

6 区長は、前項の報告を受けた日から住宅融資保険の保険金により補てんされる額が確定する日までに借受人に関する調査を行い、その結果に基づき、その取扱について取扱金融機関と協議するものとする。

7 区長は、取扱金融機関が借受人に対し、残存債務の一時返還の請求を行い、補償すべき額が確定した後(住宅融資保険に係る手続を行う場合にあっては、補てんされる額が確定した後)に、損失補償を行うものとする。

8 前項の規定する損失補償の額は、返済を延滞した償還金(元金部分に対する延滞利子を含む。)、一時返還の請求に係る融資金(延滞利子を含む。)、合計額から住宅融資保険の保険金により補てんされる額を控除した額とする。

9 損失補償を受けた取扱金融機関は、損失補償を受けた後も善良なる管理者の注意をもってその債権の保全及び回収に努め、これを回収したときは、その回収した額から回収のために要した費用を控除した額を区に支払わなければならない。

10 取扱金融機関は、債権の保全及び回収が困難又は不適当であると認めるときは、区長と協議の上、当該損失補償金を債権に充当することができる。この場合において、当該債権は区が取得する。

(融資あっせんの取り消し等)

第15条 区長は、借受人が次の各号のいずれかに該当すると認めたときは、旧優良賃貸住宅制度における融資あっせんを取り消し、若しくは利子補給を打ち切り、又は既に交付した利子補給金の全部若しくは一部を借受人に返還させることができる。

(1) 利子補給の対象となった優良賃貸住宅を譲渡し、又は目的外の用途に供したとき。

(2) 偽りの申込み、その他不正な手段により融資のあっせんを受けたとき。

(3) 正当な理由がなく、融資金の返済又は延滞利子の支払いを怠ったとき。

(4) 3か月間返済を滞納したとき。

(5) 優良賃貸住宅が滅失し、又は著しくき損したとき。

(6) 融資あっせんの目的に反する行為をしたとき。

(7) その他この要綱に定める事項に違反したとき。

2 前項の場合において、取扱金融機関は、借受人との融資に関する契約を解除しなければならない。

3 前項の規定により、融資に関する契約が解除された場合は、借受人は、融資金を一時に返済しなければならない。

(報告及び調査)

第16条 旧優良賃貸住宅制度において取扱金融機関は、毎月10日までに次の各号に掲げる事項を区長に報告しなければならない。

(1) 前月中の融資件数

(2) 前月中に繰上返済した借受人の氏名、繰上返済年月日、繰上返済金額、返済後の融資残額及び最終返済日

(3) 前月末日現在において3か月以上返済を遅滞している借受人の氏名及び遅滞の内容

(4) その他、取扱金融機関が届出を受けた借受人の氏名、住所変更等融資条件の変更、融資資格、解約等返済に関する事項

(取扱金融機関との契約)

第17条 旧優良賃貸住宅制度において区長は、取扱金融機関と第4条第1項第2号に規定する名目利率の設定、損失補償の取扱い等に関しての契約等を行うものとする。

(利子補給率)

第18条 新優良賃貸住宅制度における利子補給率は、利子補給対象者が金融機関と契約締結したアパートローンについて、1年間に支払った利子の50%とする。

(利子補給金の額)

第19条 新優良賃貸住宅制度における利子補給金の額は、毎年1月1日から12月末日までの1年間に支払った利子の合計に前条で規定する利子補給率を乗じて得た額(千円未満の端数は切り捨てる。)とする。ただし、300万円を上限とする。

(利子補給期間)

第20条 新優良賃貸住宅制度における利子補給期間は、利子補給対象者として決定した月から起算して240か月を限度とする。

(利子補給金の請求手続及び利子補給方法)

第21条 新優良賃貸住宅制度において利子補給対象者は、第19条の規定により算出した利子補給金を翌年1月末日までに、区長に請求しなければならない。

2 区長は、前項による請求を受けたときは、速やかに内容を審査した上で利子補給金の額を決定し、請求者に通知するものとする。

3 利子補給金の支給は、毎年3月に行うものとする。

(利子補給の打切り等)

第22条 区長は、新優良賃貸住宅制度において利子補給対象者が次の各号に掲げる事項に該当するときは、利子補給の打ち切りをすることができる。

(1) 利子補給の対象となった優良賃貸住宅を譲渡し、又は目的外の用途に供したとき。

(2) 金融機関とのアパートローン契約が解除されたとき。

(3) 利子補給の対象となるアパートローンが代位弁済等により全額弁済されたとき。

(4) 虚偽の申請又は証明その他不正の手段により利子補給対象者となったことが明らかになったとき。

(5) 優良賃貸住宅が滅失し、又は著しくき損したとき。

(6) その他この要綱に定める事項に違反したとき。

(7) 前各号に定めるもののほか、利子補給金を交付することが不適当と区長が認める事由が生じたとき。

2 区長は、前項の規定により利子補給の打ち切りをしたときは、既に交付した利子補給金の全部又は一部の返還を求めることができる。

(報告及び調査)

第23条 区長は、新優良賃貸住宅制度における利子補給の適正な運営を図るため、利子補給対象者及びアパートローン契約締結金融機関に対し、指定した事項についての報告を求めるとともに調査を行うことができる。

(利子補給の継承)

第24条 利子補給対象者が死亡した場合、区長は、アパートローンの債務を継承する者(以下「継承人」という。)が、次に定める申込資格を有する場合に限り、当該継承人に対し、引き続き残余期間の利子補給を継承することができる。

(1) 当該住宅において第2条第1項(4)で規定する土地所有者等であること。

(2) 当該住宅を共有する場合は、2分の1以上持分があること。

(3) 外国人の場合は、昭和26年政令第319号の永住許可を受けている者又は平成3年法律第71号による特別永住者として永住できる資格を有する者であること。

(4) 住民税を滞納していないこと。

(優良賃貸住宅の家賃の設定等)

第25条 優良賃貸住宅建設者は、優良賃貸住宅の家賃の設定を市場家賃より低廉な額に定めなければならない。

(優良賃貸住宅の敷金)

第26条 優良賃貸住宅建設者は、優良賃貸住宅の入居者から3月分の家賃に相当する金額の範囲内において、敷金を受領することができる。

2 優良賃貸住宅建設者は、前項の規定により受領した敷金について、その入居者が退去する場合には、その全額を返還しなければならない。ただし、未納の家賃等があるときは、敷金のうちからこれを控除する。

(優良賃貸住宅の家賃等以外の金品受領の禁止)

第27条 優良賃貸住宅建設者は、優良賃貸住宅の使用に関し、入居者から家賃及び敷金を除くほか、権利金、謝礼金、更新料等の金品を受領し、又は入居者に不当な負担を課してはならない。

(優良賃貸住宅の入居者の募集と選定)

第28条 優良賃貸住宅建設者は、優良賃貸住宅の入居者の選定に当っては、原則として、掲示等適切な方法により優良賃貸住宅であること、申込期間、入居者の選定方法その他必要なことを明示して、広く一般に募集しなければならない。

2 前項の規定による募集を実施した場合において、入居の申込者数が募集した住宅戸数を超えるときは、抽選その他の公正な方法により、入居者を選定しなければならない。

3 優良賃貸住宅は、一括して貸し付けることはできないものとする。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

(1) 区又は公益法人が借上げる場合

(2) 区長が特別な理由があると認める場合

(指導及び監督)

第29条 区長は、利子補給を行う期間中、優良賃貸住宅を経営管理している者に対し、毎年1回、家賃報告書等を提出させるとともに、次に掲げる事項について指導及び監督を行うものとする。ただし、当該住宅を区が借上げている期間については、家賃報告書等の提出を要しない。

(1) 賃貸借条件

(2) 家賃の変更

(3) 賃貸借契約

(4) 建物の維持管理のための修繕

(5) 償還金等の返済

(借上契約終了後の利子補給)

第30条 優良賃貸住宅を区が借上げている場合の借上契約終了後の利子補給については、優良賃貸住宅として決定した条件で引き続き行うものとし、利子補給期間中は、この要綱の規定を適用する。

(譲渡等の禁止)

第31条 優良賃貸住宅建設者は、優良賃貸住宅及びその土地の所有権、建物の所有を目的とする地上権、賃借権若しくは使用貸借による権利を他人に譲渡し、又は当該目的以外の用途に供してはならない。ただし、区の承認を得た場合又は融資金の返済が完了した場合は、この限りでない。

(委任)

第32条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、街づくり支援部長が別に定める。

1 この要綱は平成21年4月1日から施行する。

2 この要綱の施行前に、第2条に掲げる要綱等に基づいて住宅公社が行った手続その他の行為は、この要綱の規定によりなされた手続その他の行為とみなす。

この要綱は、平成22年4月1日から施行する。

港区優良賃貸住宅建設資金等支援事業実施要綱

平成21年3月31日 港環計第2263号

(平成22年4月1日施行)

体系情報
要綱集/第5類 街づくり/第2章
沿革情報
平成21年3月31日 港環計第2263号
平成22年4月1日 種別なし