○港区移動等円滑化のために必要な特別区道の構造に関する基準を定める規則
平成二十五年三月二十二日
規則第八号
目次
第一章 総則(第一条―第二条の二)
第二章 歩道等及び自転車歩行者専用道路等の構造(第三条―第十条)
第三章 立体横断施設の構造(第十一条―第十六条)
第四章 乗合自動車停留所の構造(第十七条・第十八条)
第五章 路面電車停留場等の構造(第十九条―第二十一条)
第六章 自動車駐車場の構造(第二十二条―第三十二条)
第七章 旅客特定車両停留施設の構造(第三十三条―第四十三条)
第八章 移動等円滑化のために必要なその他の施設等(第四十四条―第四十七条)
付則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この規則は、港区特別区道の構造の技術的基準等に関する条例(平成二十五年港区条例第七号)第四条の規定に基づき、移動等円滑化のために必要な区道(同条例第一条に規定する特別区道であって、かつ、特定道路に該当するものをいう。以下同じ。)の構造に関する基準を定めるものとする。
(定義)
第二条 この規則で使用する用語の意義は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号)、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)、道路構造令(昭和四十五年政令第三百二十号)及び移動等円滑化のために必要な道路の構造及び旅客特定車両停留施設を使用した役務の提供の方法に関する基準を定める省令(平成十八年国土交通省令第百十六号)で使用する用語の例による。
(災害等の場合の適用除外)
第二条の二 災害等のため一時使用する旅客特定車両停留施設の構造及び設備については、この条例の規定によらないことができる。
第二章 歩道等及び自転車歩行者専用道路等の構造
(歩道)
第三条 区道(自転車歩行車道を設ける区道、自転車歩行者専用道路及び歩行者専用道路を除く。)には、歩道を設けるものとする。
(有効幅員)
第四条 歩道の有効幅員は、港区特別区道の構造の技術的基準を定める規則(平成二十五年港区規則第六号。以下この条において「区道構造基準規則」という。)第十一条第三項に規定する幅員の値以上とするものとする。
2 自転車歩行者道の有効幅員は、区道構造基準規則第十条第二項に規定する幅員の値以上とするものとする。
3 自転車歩行者専用道路の有効幅員は、区道構造基準規則第四十条第一項に規定する幅員の値以上とするものとする。
4 歩行者専用道路の有効幅員は、区道構造基準規則第四十一条第一項に規定する幅員の値以上とするものとする。
5 歩道若しくは自転車歩行者道(以下「歩道等」という。)又は自転車歩行者専用道路若しくは歩行者専用道路(以下「自転車歩行者専用道路等」という。)の有効幅員は、当該歩道等の高齢者、障害者等の交通の状況を考慮して定めるものとする。
(舗装)
第五条 歩道等又は自転車歩行者専用道路等の舗装は、雨水を道路の路面下に円滑に浸透させることができる構造とするものとする。ただし、道路の構造、気象状況その他の特別の状況によりやむを得ない場合は、この限りでない。
2 歩道等又は自転車歩行者専用道路等の舗装は、平たんで、滑りにくく、かつ、水はけの良い仕上げとするものとする。
(勾配)
第六条 歩道等又は自転車歩行者専用道路等の縦断勾配は、五パーセント以下とするものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八パーセント以下とすることができる。
2 歩道等(車両乗入れ部を除く。)又は自転車歩行者専用道路等の横断勾配は、一パーセント以下とするものとする。ただし、前条第一項ただし書に規定する場合又は地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、二パーセント以下とすることができる。
(歩道等と車道等の分離)
第七条 歩道等には、車道若しくは車道に接続する路肩がある場合の当該路肩(以下「車道等」という。)又は自転車道に接続して縁石線を設けるものとする。
2 歩道等(車両乗入れ部及び横断歩道に接続する部分を除く。)に設ける縁石の車道等に対する高さは十五センチメートルを標準とし、当該歩道等の構造及び交通の状況並びに沿道の土地利用の状況等を考慮して定めるものとする。
3 歩行者の安全かつ円滑な通行を確保するため必要がある場合は、歩道等と車道等の間に植樹帯を設け、又は歩道等の車道等側に並木若しくは柵を設けるものとする。
(高さ)
第八条 歩道等(縁石の部分を除く。)の車道等に対する高さは、五センチメートルを標準とするものとする。ただし、横断歩道に接続する歩道等の部分にあっては、この限りでない。
2 前項の高さは、乗合自動車停留所及び車両乗入れ部の設置の状況等を考慮して定めるものとする。
(横断歩道に接続する歩道等の部分)
第九条 横断歩道に接続する歩道等の縁石の部分の構造は、車道等の部分より高くするものとし、その段差は二センチメートルを標準とするものとする。ただし、道路の利用者の意見等を踏まえて定めた縁石の部分の構造については、これによることができるものとする。
2 前項の段差に接続する歩道等の部分は、車椅子を使用している者(以下「車椅子使用者」という。)が円滑に転回できる構造とするものとする。
第三章 立体横断施設の構造
(立体横断施設)
第十一条 区道には、高齢者、障害者等の移動等円滑化のために必要であると認められる箇所に、高齢者、障害者等の円滑な移動に適した構造を有する立体横断施設(以下「移動等円滑化された立体横断施設」という。)を設けるものとする。
2 移動等円滑化された立体横断施設には、エレベーターを設けるものとする。ただし、昇降の高さが低い場合その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、エレベーターに代えて、傾斜路を設けることができる。
3 前項に規定するもののほか、移動等円滑化された立体横断施設には、高齢者、障害者等の交通の状況により必要がある場合は、エスカレーターを設けるものとする。
(エレベーター)
第十二条 前条第二項の規定により移動等円滑化された立体横断施設に設けるエレベーターは、次に定める構造とするものとする。
一 籠の内法幅及び内法奥行きは、一・五メートル以上とすること。
二 前号の規定にかかわらず、籠の出入口が複数あるエレベーターであって、車椅子使用者が円滑に乗降できる構造のもの(開閉する籠の出入口を音声により知らせる装置が設けられているものに限る。)にあっては、内法幅は一・四メートル以上とし、内法奥行きは一・三五メートル以上とすること。
四 籠内に、車椅子使用者が乗降する際に籠及び昇降路の出入口を確認するための鏡を設けること。ただし、第二号の規定による基準に適合するエレベーターにあっては、この限りでない。
五 籠及び昇降路の出入口の戸にガラスその他これに類するものがはめ込まれていること又は籠外及び籠内に画像を表示する設備が設置されていることにより、籠外にいる者と籠内にいる者とが互いに視覚的に確認できる構造とすること。
六 籠内に手すりを設けること。
七 籠及び昇降路の出入口の戸の開扉時間を延長する機能を設けること。
八 籠内に、籠が停止する予定の階及び籠の現在位置を表示する設備を設けること。
九 籠内に、籠が到着する階並びに籠及び昇降路の出入口の戸の閉鎖を音声により知らせる設備を設けること。
十 籠内及び乗降口には、車椅子使用者が円滑に操作できる位置に操作盤を設けること。
十一 籠内に設ける操作盤及び乗降口に設ける操作盤のうち視覚障害者が利用する操作盤は、点字表示を行うこと等により視覚障害者が容易に操作できる構造とすること。
十二 乗降口に接続する歩道等又は通路の部分の有効幅及び有効奥行きは、一・五メートル以上とすること。
十三 停止する階が三以上であるエレベーターの乗降口には、到着する籠の昇降方向を音声により知らせる設備を設けること。ただし、籠内に籠及び昇降路の出入口の戸が開いた時に籠の昇降方向を音声により知らせる設備が設けられている場合は、この限りでない。
(傾斜路)
第十三条 移動等円滑化された立体横断施設に設ける傾斜路(当該傾斜路の踊場を含む。以下この条及び第三十六条において同じ。)は、次に定める構造とするものとする。
一 有効幅員は、二メートル以上とすること。ただし、設置場所の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、一メートル以上とすることができる。
二 縦断勾配は、五パーセント以下とすること。ただし、設置場所の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八パーセント以下とすることができる。
三 横断勾配は、設けないこと。
四 二段式の手すりを両側に設けること。
五 手すり端部の付近には、傾斜路の通ずる場所を示す点字表示を行うこと。
六 路面は、平たんで、滑りにくく、かつ、水はけの良い仕上げとすること。
七 傾斜路の勾配部分は、その接続する歩道等又は通路の部分との色の輝度比が大きいこと等により当該勾配部分を容易に識別できるものとすること。
八 傾斜路の両側には、立ち上がり部及び柵その他これに類する工作物を設けること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
九 傾斜路の下面と歩道等の路面との間が二・五メートル以下の歩道等の部分への進入を防ぐため必要がある場合は、柵その他これに類する工作物を設けること。
十 高さが〇・七五メートルを超える傾斜路にあっては、高さ〇・七五メートル以内ごとに踏み幅一・五メートル以上の踊場を設けること。
(エスカレーター)
第十四条 移動等円滑化された立体横断施設に設けるエスカレーターは、次に定める構造とするものとする。
一 上り専用のものと下り専用のものをそれぞれ設置すること。
二 踏み段の表面及びくし板は、滑りにくい仕上げとすること。
三 昇降口において、三枚以上の踏み段が同一平面上にある構造とすること。
四 踏み段の端部とその周囲の部分との色の輝度比が大きいこと等により踏み段相互の境界を容易に識別できるものとすること。
五 くし板の端部と踏み段の色の輝度比が大きいこと等によりくし板と踏み段との境界を容易に識別できるものとすること。
六 エスカレーターの上端及び下端に近接する歩道等及び通路の路面において、エスカレーターへの進入の可否を示すこと。
七 踏み段の有効幅は、一メートル以上とすること。ただし、歩行者の交通量が少ない場合は、〇・六メートル以上とすることができる。
(通路)
第十五条 移動等円滑化された立体横断施設に設ける通路は、次に定める構造とするものとする。
一 有効幅員は、二メートル以上とし、当該通路の高齢者、障害者等の通行の状況を考慮して定めること。
二 縦断勾配及び横断勾配は、設けないこと。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合又は路面の排水のために必要な場合は、この限りでない。
三 二段式の手すりを両側に設けること。
四 手すりの端部の付近には、通路の通ずる場所を示す点字表示を行うこと。
五 路面は、平たんで、滑りにくく、かつ、水はけの良い仕上げとすること。
六 通路の両側には、立ち上がり部及び柵その他これに類する工作物を設けること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
(階段)
第十六条 移動等円滑化された立体横断施設に設ける階段(当該階段の踊場を含む。以下同じ。)は、次に定める構造とするものとする。
一 有効幅員は、一・五メートル以上とすること。
二 二段式の手すりを両側に設けること。
三 手すりの端部の付近には、階段の通ずる場所を示す点字表示を行うこと。
四 回り段としないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
五 踏面は、平たんで、滑りにくく、かつ、水はけの良い仕上げとすること。
六 踏面の端部とその周囲の部分との色の輝度比が大きいこと等により段を容易に識別できるものとすること。
七 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものを設けない構造とすること。
八 階段の両側には、立ち上がり部及び柵その他これに類する工作物を設けること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
九 階段の下面と歩道等の路面との間が二・五メートル以下の歩道等の部分への進入を防ぐため必要がある場合は、柵その他これに類する工作物を設けること。
十 階段の高さが三メートルを超える場合は、その途中に踊場を設けること。
十一 踊場の踏み幅は、直階段の場合にあっては一・二メートル以上とし、その他の場合にあっては当該階段の幅員の値以上とすること。
第四章 乗合自動車停留所の構造
(高さ)
第十七条 乗合自動車停留所を設ける歩道等の部分の車道等に対する高さは、十五センチメートルを標準とするものとする。
(ベンチ及び上屋)
第十八条 乗合自動車停留所には、ベンチ及び当該ベンチの上屋を設けるものとする。ただし、それらの機能を代替する施設が既に存する場合又は地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
第五章 路面電車停留場等の構造
(乗降場)
第十九条 路面電車停留場の乗降場は、次に定める構造とするものとする。
一 有効幅員は、乗降場の両側を使用するものにあっては二メートル以上とし、片側を使用するものにあっては一・五メートル以上とすること。
二 乗降場と路面電車の車両の旅客用乗降口の床面とは、可能な限り平らとすること。
三 乗降場の縁端と路面電車の車両の旅客用乗降口の床面の縁端との間隔は、路面電車の車両の走行に支障を及ぼすおそれのない範囲において、可能な限り小さくすること。
四 横断勾配は、一パーセントを標準とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
五 路面は、平たんで、滑りにくい仕上げとすること。
六 乗降場は、縁石線により区画するものとし、その車道側に柵を設けること。
七 乗降場には、ベンチ及びその上屋を設けること。ただし、設置場所の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
(傾斜路の勾配)
第二十条 路面電車停留場の乗降場と車道等との高低差がある場合は、傾斜路を設けるものとし、当該傾斜路の勾配は、次に定めるところによるものとする。
一 縦断勾配は、五パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八パーセント以下とすることができる。
二 横断勾配は、設けないこと。
(歩行者の横断の用に供する軌道の部分)
第二十一条 歩行者の横断の用に供する軌道の部分においては、軌条面と道路面との高低差は、可能な限り小さくするものとする。
第六章 自動車駐車場の構造
(障害者用駐車施設)
第二十二条 自動車駐車場には、障害者が円滑に利用できる駐車の用に供する部分(以下「障害者用駐車施設」という。)を設けるものとする。
2 障害者用駐車施設の数は、自動車駐車場の全駐車台数が二百以下の場合にあっては当該駐車台数に五十分の一を乗じて得た数以上とし、全駐車台数が二百を超える場合にあっては当該駐車台数に百分の一を乗じて得た数に二を加えた数以上とするものとする。
3 障害者用駐車施設は、次に定める構造とするものとする。
一 当該障害者用駐車施設へ通ずる歩行者の出入口からの距離が可能な限り短くなる位置に設けること。
二 有効幅は、三・五メートル以上とすること。
三 障害者用である旨を見やすい方法により表示すること。
(障害者用停車施設)
第二十三条 自動車駐車場の自動車の出入口又は障害者用駐車施設を設ける階には、障害者が円滑に利用できる停車の用に供する部分(以下「障害者用停車施設」という。)を設けるものとする。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
2 障害者用停車施設は、次に定める構造とするものとする。
一 当該障害者用停車施設へ通ずる歩行者の出入口からの距離が可能な限り短くなる位置に設けること。
二 車両への乗降の用に供する部分の有効幅及び有効奥行きは一・五メートル以上とし、かつ、当該部分は障害者が安全かつ円滑に乗降できる構造とすること。
三 障害者用である旨を見やすい方法により表示すること。
(出入口)
第二十四条 自動車駐車場の歩行者の出入口は、次に定める構造とするものとする。ただし、当該出入口に近接した位置に設けられる歩行者の出入口については、この限りでない。
一 有効幅は、〇・九メートル以上とすること。ただし、当該自動車駐車場の場外へ通ずる歩行者の出入口のうち一以上の出入口の有効幅は、一・二メートル以上とすること。
二 戸を設ける場合は、当該戸は、有効幅を一・二メートル以上とする当該自動車駐車場の場外へ通ずる歩行者の出入口のうち、一以上の出入口にあっては自動的に開閉する構造とし、その他の出入口にあっては車椅子使用者が円滑に開閉して通過できる構造とすること。
三 車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。
(通路)
第二十五条 障害者用駐車施設へ通ずる歩行者の出入口から当該障害者用駐車施設に至る通路のうち、一以上の通路は、次に定める構造とするものとする。
一 有効幅員は、二メートル以上とすること。
二 車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。
三 路面は、平たんで、かつ、滑りにくい仕上げとすること。
(エレベーター)
第二十六条 自動車駐車場の場外へ通ずる歩行者の出入口がない階(障害者用駐車施設が設けられている階に限る。)を有する自動車駐車場には、当該階に停止するエレベーターを設けるものとする。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、エレベーターに代えて、傾斜路を設けることができる。
(階段)
第二十八条 第十六条の規定は、自動車駐車場の場外へ通ずる歩行者の出入口がない階に通じる階段の構造について準用する。
(屋根)
第二十九条 屋外に設けられる自動車駐車場の障害者用駐車施設、障害者用停車施設及び第二十五条に規定する通路には、屋根を設けるものとする。
(便所)
第三十条 障害者用駐車施設を設ける階に便所を設ける場合は、当該便所は、次に定める構造とするものとする。
一 便所の出入口付近に、男子用及び女子用の区別(当該区別がある場合に限る。)並びに便所の構造を視覚障害者に示すための点字による案内板その他の設備を設けること。
二 床の表面は、滑りにくい仕上げとすること。
三 男子用小便器を設ける場合は、一以上の床置式小便器、壁掛式小便器(受け口の高さが〇・三五メートル以下のものに限る。)その他これらに類する小便器を設けること。
四 前号の規定により設けられる小便器には、手すりを設けること。
2 障害者用駐車施設を設ける階に便所を設ける場合は、そのうち一以上の便所は、次の各号に掲げる基準のいずれかに適合するものとする。
一 便所(男子用及び女子用の区別がある場合は、それぞれの便所)内に高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていること。
二 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便所であること。
第三十一条 前条第二項第一号の便房を設ける便所は、次に定める構造とするものとする。
二 出入口の有効幅は、〇・八五メートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、〇・八メートル以上とすることができる。
三 出入口には、車椅子使用者が通過する際に支障となる段を設けないこと。ただし、傾斜路を設ける場合は、この限りでない。
四 出入口には、高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていることを表示する案内標識を設けること。
五 出入口に戸を設ける場合は、当該戸は、次に定める構造とすること。
イ 有効幅は、〇・八五メートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、〇・八メートル以上とすることができる。
ロ 高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造とすること。
六 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さを確保すること。
2 前条第二項第一号の便房は、次に定める構造とするものとする。
一 出入口には、車椅子使用者が通過する際に支障となる段を設けないこと。
二 出入口には、当該便房が高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有するものであることを表示する案内標識を設けること。
三 腰掛便座及び手すりを設けること。
四 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具を設けること。
第七章 旅客特定車両停留施設の構造
(通路)
第三十三条 公共用通路(旅客特定車両停留施設に旅客特定車両(道路法施行規則(昭和二十七年建設省令第二十五号)第一条第一号から第三号までに掲げる自動車をいう。以下同じ。)が停留することができる時間内において常時一般交通の用に供されている一般交通用施設であって、旅客特定車両停留施設の外部にあるものをいう。以下同じ。)から旅客特定車両の乗降口に至る通路のうち、乗降場ごとに一以上の通路は、次に定める構造とするものとする。
一 有効幅員は、一・四メートル以上とすること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、通路の末端の付近の広さを車椅子の転回に支障のないものとし、かつ、五十メートル以内ごとに車椅子が転回することができる広さの場所を設けるときに限り、有効幅員を一・二メートル以上とすることができる。
二 戸を設ける場合は、当該戸は、次に定める構造とすること。
イ 有効幅は、九十センチメートル以上とすること。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、八十五センチメートル以上とすることができる。
ロ 自動的に開閉する構造又は高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造とすること。
三 車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。ただし、傾斜路を設ける場合は、この限りでない。
2 前項の一以上の通路(以下「移動等円滑化された通路」という。)において床面に高低差がある場合は、エレベーター又は傾斜路を設けるものとする。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、エスカレーター(構造上の理由によりエスカレーターを設置することが困難である場合にあっては、エスカレーター以外の昇降機であって車椅子使用者の円滑な利用に適した構造のもの)をもってこれに代えることができる。
4 旅客特定車両停留施設の通路は、次に定める構造とするものとする。
一 床の表面は、平たんで、滑りにくい仕上げとすること。
二 段差を設ける場合は、当該段差は、次に定める構造とすること。
イ 踏面の端部の全体とその周囲の部分との色の輝度比が大きいこと等により段差を容易に識別できるものとすること。
ロ 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものを設けない構造とすること。
(出入口)
第三十四条 移動等円滑化された通路及び公共用通路の出入口の構造は、有効幅を九十センチメートル以上とするものとする。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、八十五センチメートル以上とすることができる。
(エレベーター)
第三十五条 移動等円滑化された通路に設けるエレベーターは、次に定める構造とするものとする。
一 籠の内法幅は一・四メートル以上とし、内法奥行きは一・三五メートル以上とすること。ただし、籠の出入口が複数あるエレベーターであって、車椅子使用者が円滑に乗降できる構造のもの(開閉する籠の出入口を音声により知らせる設備が設けられているものに限る。)にあっては、この限りでない。
二 籠及び昇降路の出入口の有効幅は、八十センチメートル以上とすること。
三 籠内に、車椅子使用者が乗降する際に籠及び昇降路の出入口を確認するための鏡を設けること。ただし、第一号ただし書に規定する構造のエレベーターにあっては、この限りでない。
3 移動等円滑化された通路に設けるエレベーターの台数、籠の内法幅及び内法奥行きは、旅客特定車両停留施設の高齢者、障害者等の利用の状況を考慮して定めるものとする。
(傾斜路)
第三十六条 移動等円滑化された通路に設ける傾斜路は、次に定める構造とするものとする。ただし、構造上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
一 有効幅員は、一・二メートル以上とすること。ただし、階段に併設する場合は、九十センチメートル以上とすることができる。
二 縦断勾配は、屋内にあっては八パーセント以下、屋外にあっては五パーセント以下とすること。ただし、傾斜路の高さが十六センチメートル以下の場合は、十二パーセント以下とすることができる。
三 高さが七十五センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ七十五センチメートル以内ごとに踏み幅一・五メートル以上の踊場を設けること。
3 移動等円滑化された通路に設ける傾斜路の床の表面は、平たんで滑りにくい仕上げとするものとする。
一 上り専用のものと下り専用のものとをそれぞれ設置すること。ただし、旅客が同時に双方向に移動することがない場合は、この限りでない。
二 エスカレーターの上端及び下端に近接する通路の床面等において、当該エスカレーターへの進入の可否を示すこと。ただし、上り専用又は下り専用でないエスカレーターにおいては、この限りでない。
三 踏み段の有効幅は、八十センチメートル以上とすること。
四 踏み段の面を車椅子使用者が円滑に昇降するために必要な広さとすることができる構造であり、かつ、車止めを設けること。
(乗降場)
第三十九条 旅客特定車両停留施設の乗降場は、次に定める構造とするものとする。
一 床の表面は、平たんで、滑りにくい仕上げとすること。
二 旅客特定車両の通行方向に平行する方向の縦断勾配は、五パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八パーセント以下とすることができる。
三 横断勾配は、一パーセント以下とすること。ただし、誘導車路の構造、気象状況、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、二パーセント以下とすることができる。
四 乗降場の縁端のうち、誘導車路その他の旅客特定車両の通行、停留又は駐車の用に供する場所(以下この号において「旅客特定車両用場所」という。)に接する部分には、柵、視覚障害者誘導用ブロックその他の視覚障害者の旅客特定車両用場所への進入を防止するための設備を設けること。
五 乗降場に接して停留する旅客特定車両に車椅子使用者が円滑に乗降できる構造とすること。
(運行情報提供設備)
第四十条 旅客特定車両停留施設には、旅客特定車両の運行に関する情報を文字等により表示するための設備及び音声により提供するための設備を設けるものとする。ただし、電気設備がない場合その他技術上の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
(便所)
第四十一条 旅客特定車両停留施設に設ける便所の構造は、第三十条、第三十一条及び第三十二条の規定による基準に適合するものとする。この場合において、第三十一条第一項第一号中「第二十五条に規定する通路」とあるのは「移動等円滑化された通路」と、「同条各号」とあるのは「第二十五条各号」と読み替えるものとする。
(乗車券等販売所、待合所及び案内所)
第四十二条 旅客特定車両停留施設に乗車券等販売所を設ける場合は、そのうち一以上を、次に定める構造とするものとする。
一 移動等円滑化された通路と乗車券等販売所との間に設ける通路は、第三十三条第一項各号に掲げる基準に適合するものであること。
二 出入口を設ける場合は、そのうち一以上を、次に定める構造とすること。
イ 有効幅は、八十五センチメートル以上とすること。
ロ 戸を設ける場合は、当該戸を、次に定める構造とするものとすること。
(1) 有効幅は、八十五センチメートル以上とすること。
(2) 高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造とすること。
ハ 車椅子使用者が通過する際に支障となる段差を設けないこと。ただし、傾斜路を設ける場合は、この限りでない。
三 カウンターを設ける場合は、そのうち一以上を、車椅子使用者の円滑な利用に適した構造とすること。ただし、常時勤務する者が容易にカウンターの前に出て対応できる構造である場合は、この限りでない。
2 前項の規定は、待合所及び案内所を設ける場合について準用する。
3 乗車券等販売所又は案内所(勤務する者を置かないものを除く。)には、聴覚障害者が文字により意思疎通を図るための設備を設けるものとする。この場合において、当該設備を保有している旨を当該乗車券等販売所又は案内所に表示するものとする。
(券売機)
第四十三条 旅客特定車両停留施設の乗車券等販売所に券売機を設ける場合は、そのうち一以上を、高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造とするものとする。ただし、乗車券等の販売を行う者が常時対応する窓口が設置されている場合は、この限りでない。
第八章 移動等円滑化のために必要なその他の施設等
(案内標識)
第四十四条 交差点、駅前広場その他の移動の方向を示す必要がある箇所には、高齢者、障害者等が見やすい位置に、高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用すると認められる官公庁施設、福祉施設その他の施設及びエレベーターその他の移動等円滑化のために必要な施設の案内標識を設けるものとする。
2 前項の案内標識には、点字、音声その他の方法により視覚障害者を案内するための設備を設けるものとする。
4 前項の案内標識は、日本産業規格Z八二一〇に適合するものとする。
6 公共用通路に直接通じる出入口の付近その他の適当な場所に、旅客特定車両停留施設の構造及び主要な設備の配置を音、点字その他の方法により視覚障害者に示すための設備を設けるものとする。
(視覚障害者誘導用ブロック)
第四十五条 歩道等、自転車歩行者専用道路等、立体横断施設の通路、乗合自動車の停留所において乗合自動車の乗車口を案内するための箇所、路面電車停留場の乗降場、自動車駐車場の通路及び旅客特定車両停留施設の通路には、視覚障害者の移動等円滑化のために必要であると認められる箇所に、視覚障害者誘導用ブロックを敷設するものとする。
3 旅客特定車両停留施設の階段、傾斜路及びエスカレーターの上端及び下端に近接する通路には、視覚障害者誘導用ブロックを敷設するものとする。
4 視覚障害者誘導用ブロックの色は、黄色その他の周囲の路面との輝度比が大きいこと等により当該ブロック部分を容易に識別できる色とするものとする。
5 視覚障害者誘導用ブロックには、視覚障害者の移動等円滑化のために必要であると認められる箇所に、音声により視覚障害者を案内するための設備を設けるものとする。
(休憩施設)
第四十六条 歩道等又は自転車歩行者専用道路等には、ベンチ及び当該ベンチの上屋を適当な間隔で設けるものとする。ただし、これらの機能を代替するための施設が既に存する場合その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
2 旅客特定車両停留施設には、高齢者、障害者等の休憩の用に供する設備を一以上設けるものとする。ただし、旅客の円滑な流動に支障を及ぼすおそれのある場合は、この限りでない。
3 旅客特定車両停留施設に優先席(主として、高齢者、障害者等の優先的な利用のために設けられる座席をいう。以下この項において同じ。)を設ける場合は、その付近に、当該優先席における優先的に利用することができる者を表示する案内標識を設けるものとする。
(照明施設)
第四十七条 歩道等、自転車歩行者専用道路等及び立体横断施設には、照明施設を連続して設けるものとする。ただし、夜間における当該歩道等、自転車歩行者専用道路等及び立体横断施設の路面の照度が十分に確保される場合は、この限りでない。
2 乗合自動車の停留所、路面電車の停留場、自動車駐車場及び旅客特定車両停留施設には、高齢者、障害者等の移動等の円滑化のために必要であると認められる箇所に、照明施設を設けるものとする。ただし、夜間における当該乗合自動車の停留所、路面電車の停留場、自動車駐車場及び旅客特定車両停留施設の路面又は床面の照度が十分に確保される場合は、この限りでない。
付則
この規則は、平成二十五年四月一日から施行する。
付則(令和四年三月三一日規則第三五号)
この規則は、令和四年四月一日から施行する。