○港区移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定める規則
平成二十五年三月二十二日
規則第十一号
(趣旨)
第一条 この規則は、港区立公園条例(昭和三十八年港区条例第二十三号)第二条の七の規定に基づき、移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定めるものとする。
(定義)
第二条 この規則で使用する用語の意義は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号)及び高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令(平成十八年政令第三百七十九号。以下「令」という。)で使用する用語の例による。
(園路及び広場)
第三条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する令第三条第一号に規定する園路及び広場を設ける場合は、当該園路及び広場のうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 幅は、百二十センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、九十センチメートル以上とすることができる。
ロ 車止めを設ける場合は、当該車止めの相互間の間隔のうち一以上は、九十センチメートル以上とすること。
ハ 出入口からの水平距離が百五十センチメートル以上の水平面を確保すること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
ホ 出入口が直接車道と接する場合は、二センチメートルを標準として、段を設けること。
ヘ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合(ホに掲げる場合を除く。)は、傾斜路(当該傾斜路の踊場を含む。以下同じ。)を併設すること。
二 通路は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 幅は、百八十センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、通路の末端の付近の広さを車椅子の転回に支障のないものとし、かつ、五十メートル以内ごとに車椅子が転回することができる広さの場所を設けた上で、幅を百二十センチメートル以上とすることができる。
ロ ハに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
ニ 縦断勾配は、四パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八パーセント以下とすることができる。
ホ 横断勾配は、一パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、二パーセント以下とすることができる。
ヘ 路面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
三 階段(当該階段の踊場を含む。以下同じ。)は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 手すりが両側に設けられていること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
ロ 手すりの端部の付近には、階段の通ずる場所を示す点字表示をすること。
ハ 回り段がないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
ニ 踏面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
ホ 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものが設けられていない構造のものであること。
ヘ 階段の両側には、立ち上がり部が設けられていること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
四 階段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。ただし、地形の状況その他の特別の理由により傾斜路を設けることが困難な場合は、エレベーター、エスカレーターその他の昇降機であって高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものをもってこれに代えることができる。
五 傾斜路(階段若しくは段に代わり、又はこれに併設するものに限る。)は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 幅は、百二十センチメートル以上とすること。ただし、階段又は段に併設する場合は、九十センチメートル以上とすることができる。
ロ 縦断勾配は、五パーセント以下とすること。ただし、傾斜路の高さが七十五センチメートル以下の場合は、八パーセント以下とすることができる。
ハ 横断勾配は、設けないこと。
ニ 路面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
ホ 高さ七十五センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ七十五センチメートル以内ごとに踏幅百五十センチメートル以上の踊場が設けられていること。
ヘ 手すりが両側に設けられていること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
ト 傾斜路の両側には、立ち上がり部が設けられていること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
六 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所には、柵、令第十一条第二号に規定する点状ブロック等及び令第二十一条第二項第一号に規定する線状ブロック等を適切に組み合わせて床面に敷設したもの(以下「視覚障害者誘導用ブロック」という。)その他の高齢者、障害者等の転落を防止するための設備が設けられていること。
(屋根付広場)
第四条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する屋根付広場を設ける場合は、当該屋根付広場のうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 幅は、百二十センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八十センチメートル以上とすることができる。
ロ ハに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
ニ 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
(休憩所及び管理事務所)
第五条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する休憩所を設ける場合は、当該休憩所のうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 幅は、百二十センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八十センチメートル以上とすることができる。
ロ ハに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
ニ 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
(1) 幅は、八十センチメートル以上とすること。
(2) 高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造のものであること。
二 カウンターを設ける場合は、当該カウンターのうち一以上は、車椅子使用者の円滑な利用に適した構造のものであること。ただし、常時勤務する者が容易にカウンターの前に出て対応できる構造である場合は、この限りでない。
三 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
(野外劇場及び野外音楽堂)
第六条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する野外劇場は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、第四条第一項第一号の基準に適合するものであること。
イ 幅は、百二十センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、道路の末端の付近の広さを車椅子の転回に支障のないものとした上で、幅を八十センチメートル以上とすることができる。
ロ ハに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
ニ 縦断勾配は、五パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八パーセント以下とすることができる。
ホ 横断勾配は、一パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、二パーセント以下とすることができる。
ヘ 路面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
ト 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所には、柵、視覚障害者誘導用ブロックその他の高齢者、障害者等の転落を防止するための設備が設けられていること。
三 野外劇場の収容定員が二百以下の場合は当該野外劇場の収容定員に五十分の一を乗じて得た数以上、収容定員が二百を超える場合は当該野外劇場の収容定員に百分の一を乗じて得た数に二を加えた数以上の車椅子使用者が円滑に利用することができる観覧スペース(以下「車椅子使用者用観覧スペース」という。)を設けること。
2 車椅子使用者用観覧スペースは、次に掲げる基準に適合するものであること。
一 幅は、九十センチメートル以上であり、奥行きは、百二十センチメートル以上であること。
二 車椅子使用者が利用する際に支障となる段がないこと。
三 車椅子使用者が転落するおそれのある場所には、柵その他の車椅子使用者の転落を防止するための設備が設けられていること。
3 前二項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する野外音楽堂について準用する。
(駐車場)
第七条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する駐車場を設ける場合は、当該駐車場のうち一以上に、当該駐車場の全駐車台数が二百以下の場合は、当該駐車台数に五十分の一を乗じて得た数以上、全駐車台数が二百を超える場合は当該駐車台数に百分の一を乗じて得た数に二を加えた数以上の車椅子使用者が円滑に利用することができる駐車施設(以下「車椅子使用者用駐車施設」という。)を設けなければならない。ただし、専ら大型自動二輪車及び普通自動二輪車(いずれも側車付きのものを除く。)の駐車のための駐車場については、この限りでない。
2 車椅子使用者用駐車施設は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 幅は、三百五十センチメートル以上とすること。
二 車椅子使用者用駐車施設又は当該車椅子使用者用駐車施設の付近に、車椅子使用者用駐車施設の表示をすること。
(便所)
第八条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされていること。
二 男子用小便器を設ける場合は、一以上の床置式小便器、壁掛式小便器(受け口の高さが三十五センチメートル以下のものに限る。)その他これらに類する小便器が設けられていること。
三 前号の規定により設けられる小便器には、手すり及び光感知式自動洗浄装置が設けられていること。
2 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所を設ける場合は、当該便所のうち一以上は、前項に掲げる基準のほか、次に掲げる基準のいずれかに適合するものでなければならない。
一 便所(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれの便所)内に高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていること。
二 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便所であること。
第九条 前条第二項第一号の便房が設けられた便所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 幅は、八十五センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八十センチメートル以上とすることができる。
ロ ハに掲げる場合を除き、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
ニ 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていることを表示する標識が設けられていること。
ホ 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
(1) 幅は、八十五センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、八十センチメートル以上とすることができる。
(2) 高齢者、障害者等が容易に開閉して通過できる構造のものであること。
二 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
2 前条第二項第一号の便房は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口には、車椅子使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
二 出入口には、当該便房が高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものであることを表示する標識が設けられていること。
三 腰掛便座及び手すりが設けられていること。
四 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具が設けられていること。
(水飲場及び手洗場)
第十一条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する水飲場を設ける場合は、当該水飲場のうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 飲み口は、上向きとすること。
二 飲み口までの高さは、七十センチメートル以上八十センチメートル以下とし、下部に高さ六十五センチメートル以上、奥行き四十五センチメートル以上のスペースを確保すること。
三 車椅子が接近し、方向転換できるように、使用方向に百五十センチメートル以上かつ幅百五十センチメートル以上の水平部分を設けること。
2 前項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する手洗場について準用する。
(掲示板及び標識)
第十二条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する掲示板は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものであること。
二 当該掲示板に表示された内容が容易に識別できるものであること。
2 前項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する標識について準用する。
(一時使用目的の特定公園施設)
第十四条 災害等のため一時使用する特定公園施設の設置については、この規則の規定によらないことができる。
付則
この規則は、平成二十五年四月一日から施行する。