○港区被災市街地復興整備条例

平成二十五年十月十八日

条例第四十二号

(目的)

第一条 この条例は、震災により被害を受けた市街地(以下「被災市街地」という。)の復興に際し、被災市街地の計画的な整備について必要な事項を定めることにより、港区(以下「区」という。)、区民及び事業者の協働による被災市街地の復興を円滑に推進し、もって災害に強い活力のある市街地の形成に資することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 区民 区内に住所を有する者及び居住する者をいう。

 事業者 区内で事業活動を行うものをいう。

 建築物等 建築物及び建築物以外の工作物で区規則で定めるものをいう。

 土地区画整理事業 土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)第二条第一項に規定する土地区画整理事業をいう。

 市街地再開発事業 都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)第二条第一号に規定する市街地再開発事業をいう。

 都市計画事業 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第十五項に規定する都市計画事業をいう。

 震災復興事業 被災市街地の復興を図るため、計画的に整備する事業をいう。

 建築物等の更新 災害に強いまちづくりを促進するため、耐震性及び耐火性の高い建築物等の新築、改築又は増築を行うことをいう。

2 前項に掲げるもののほか、この条例で使用する用語の意義は、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)の例による。

(基本理念)

第三条 区、区民及び事業者は、被災市街地の復興に当たっては、それぞれの責務と役割を果たし、災害に強いまちづくりを協働して行うよう努めなければならない。

(区の責務)

第四条 区は、国、東京都及び関係する地方公共団体と連携を図り、被災後速やかに、被災市街地の復興に関する基本的な方針(以下「港区都市復興基本方針」という。)を策定し、これを区民及び事業者に広く公表するとともに、港区都市復興基本方針に基づき区民及び事業者と協働して震災復興事業その他必要な施策の推進に努めなければならない。

(区民及び事業者の責務)

第五条 区民は、その日常生活において、災害に強いまちづくりについて理解を深め、被災後は、被災市街地の復興に努めるとともに、震災復興事業に協力するものとする。

2 事業者は、事業活動を行うに当たっては、その社会的責任に基づき、災害に強いまちづくりについて理解を深め、被災後の事業活動を通じて被災市街地の復興に努めるとともに、震災復興事業に協力するものとする。

(復興地区の指定)

第六条 区長は、次に掲げる地区を復興地区として指定することができる。

 重点復興地区 震災により、建築物等の集中的倒壊若しくは面的焼失又は都市基盤施設の損壊等の壊滅的な被害を受け、震災復興のための建築物等の更新及び都市基盤施設の整備(以下「都市基盤施設の整備等」という。)を緊急かつ重点的に行うことが必要な地区

 復興促進地区 震災により、相当数の建築物等が倒壊又は焼失し、かつ、その地区内の一部の区域が建築物等の集中的倒壊若しくは面的焼失又は都市基盤施設の損壊等の甚大な被害を受け、当該区域を含めた都市基盤施設の整備等を一体的に行うことが必要な地区

 復興誘導地区 震災により、建築物等が倒壊又は焼失し、当該建築物等の更新を誘導することが必要な地区

2 前項の規定による復興地区の指定の基準は、区規則で定める。

3 区長は、第一項の規定により復興地区を指定したときは、その旨を告示しなければならない。

(復興地区の指定の変更等)

第七条 区長は、震災復興事業の進捗状況を考慮して必要があると認めるときは、前条第一項の規定による復興地区の指定の変更又は解除をすることができる。

2 前条第三項の規定は、前項の場合に準用する。

(被災市街地復興推進地域の指定)

第八条 区長は、重点復興地区及び復興促進地区において、土地の形質の変更又は建築物等の新築、改築若しくは増築を制限する必要のある地域については、被災市街地復興特別措置法(平成七年法律第十四号)第五条第一項の規定に基づき、都市計画に被災市街地復興推進地域を定めることができる。

(港区都市復興基本計画の策定)

第九条 区長は、港区都市復興基本方針に基づき、震災復興事業を推進するための計画(以下「港区都市復興基本計画」という。)を速やかに策定し、これを区民及び事業者に広く公表するものとする。

2 港区都市復興基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 復興の理念及び目標

 土地利用の方針

 被災市街地の整備方針

 前三号に掲げるもののほか、震災復興事業に関する重要事項

3 区長は、港区都市復興基本計画の策定に当たっては、区民及び事業者の意見を聴くとともに、その意見が十分に反映されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(震災復興事業の推進)

第十条 区長は、重点復興地区及び復興促進地区において、港区都市復興基本計画に基づき、土地区画整理事業、市街地再開発事業等の面的な整備事業の施行、道路、公園等の公共の用に供する施設の整備、地区計画等の決定、建築物等の不燃化その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 区長は、復興誘導地区において、港区都市復興基本計画に基づき、地区計画等の決定、建築物等の不燃化その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

3 区長は、震災復興事業の推進に当たっては、区民及び事業者の意見を聴くとともに、その意見が十分に反映されるよう必要な措置を講ずるものとする。

4 区長は、必要に応じ、震災復興事業を行う者に対し、港区都市復興基本計画に基づく当該事業の速やかな推進を要請することができる。

(建築行為の届出)

第十一条 重点復興地区及び復興促進地区(第八条の規定により定めた被災市街地復興推進地域を除く。)並びに復興誘導地区において、建築物等の建築をしようとする建築主は、区規則で定めるところにより、当該建築物等の内容を区長に届け出なければならない。ただし、次に掲げる建築物等については、この限りでない。

 非常災害により必要な応急措置として建築するもの

 国、地方公共団体等が震災復興事業として建築するもの

 都市計画事業の施行として建築するもの及び都市計画に適合して建築するもの

 自己の居住の用に供する住宅又は自己の業務の用に供する建築物(住宅を除く。)であって、次に掲げる全ての要件を満たすもの

 階数が二以下であり、かつ、地階を有しないものであること。

 主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であること。

 容易に移転し、又は除却することができるものであること。

 前各号に掲げるもののほか、区長が特に震災復興事業の施行に支障がないと認める建築物等

2 前項の規定にかかわらず、建築主は、第六条第一項に規定する復興地区の指定の日から起算して二年を経過した日以後においては、前項の規定による届出をすることを要しない。

(情報の提供及び協議)

第十二条 区長は、前条第一項の規定による届出があった場合は、当該届出を行った建築主に対し、災害に強いまちづくりを促進するために、必要に応じて建築物等の耐震性及び耐火性を高めるための情報の提供に努めなければならない。

2 区長は、前条第一項の規定による届出に関して、当該届出を行った建築主と災害に強いまちづくりのための協議を行うことができる。

(地域協働復興に関する活動の促進)

第十三条 区長は、地域協働復興(被災後において、区民が相互に協力し、事業者、関係する団体等との協働により、自主的に自らの生活の再建及び居住する地域の復興を進めることをいう。以下同じ。)に関する活動を促進するとともに、地域復興組織(地域協働復興に関する活動を行う団体をいう。)に対する必要な支援を行うよう努めなければならない。

(委任)

第十四条 この条例の施行について必要な事項は、区規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

港区被災市街地復興整備条例

平成25年10月18日 条例第42号

(平成25年10月18日施行)