○港区東京都市計画高度地区の絶対高さ制限の特例に係る区長の認定及び許可に関する基準
平成27年6月1日
27港街計第808号
(目的)
第1条 この基準は、東京都市計画高度地区(港区決定)に規定する絶対高さ制限の特例に係る区長の認定及び許可に関する基準について、必要な事項を定めることを目的とする。
(1) 絶対高さ制限 東京都市計画高度地区(港区決定)計画書(以下「計画書」という。)第4項に規定する絶対高さ制限をいう。
(2) 分譲マンション 2以上の区分所有者がいる建築物で、人の居住の用に供する専有部分があるものをいう。
(3) マンション建替え 現在ある1又は2以上のマンションを除却するとともに、当該マンションの敷地(隣接する土地を含む。)にマンションを新たに建築することをいう。
(4) 空地面積 敷地面積から建築物の建築面積並びに機械式駐車場(地盤面下に収納される形式のものを除く。)及び自走式駐車場の水平投影面積を除いた面積をいう。
(5) 空地率 敷地面積に対する空地面積の割合をいう。
(6) 歩道状空地 道路に沿って設ける一般の人が通常自由に通行又は利用できる歩道状の空地で、原則として、植栽又は通行に支障となるような工作物等の設置がない部分をいう。
(7) 屋外貫通通路 道路等の公共施設の相互間を有効に連絡し、地域の歩行者ネットワークの拡充に資する空地で、一般の人が通常自由に通行又は利用できる屋外の歩行者用通路をいう。
(8) 広場状空地 道路、歩道状空地又は公園に沿って設ける一般の人が通常自由に通行又は利用できる一団の空地で、植栽及びベンチ等の施設を含む部分をいう。
(9) 壁面後退 建築物の部分(その部分が面する隣地境界線上の地表面以下の位置に設けるもの、ドライエリアの周壁及び隣地境界線に沿って設ける塀並びに当該塀に接続する管理上必要な門又は塀を除く。)の外面を道路境界線及び隣地境界線から一定の距離を後退することをいう。
(11) 公開空地 環境空地のうち、第9条第1項第5号ア及び第2項第5号アの接道部緑化を除いたものをいう。
(12) 隣接住民 第9条第2項第6号アの規定により空地の整備の有効性について意見を求める住民で、計画敷地(建築基準法(昭和25年法律第201号)第86条第1項又は第2項(同法第86条の2第8項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定により同一敷地内にあるものとみなされる建築物の敷地を含む。)に直接接する敷地に居住する住民をいう。
2 前項に規定するもののほか、この基準において使用する用語は、都市計画法(昭和43年法律第100号)及び建築基準法において使用する用語の例による。
指定値:高度地区で定められている絶対高さ制限の高さ S:建築物の敷地面積(m2)
(1) 建替え前の建築物の延べ面積の3分の2以上が共同住宅の用に供されていること。
(2) 建替え後の建築物の延べ面積の3分の2以上が共同住宅の用に供されること。
指定値:高度地区で定められている絶対高さ制限の高さ S:建築物の敷地面積(m2)
(総合設計制度を活用する建築物(分譲マンションの建替え)の特例)
第5条 計画書第7項に規定する主たる用途が共同住宅である建築物の建替えに際して建築基準法第59条の2に基づく許可を受けた建築物で、周辺環境に対し一定の配慮が図られ、市街地環境の向上に資する建築物は、次の各号のいずれにも該当するものとする。この場合において、絶対高さ制限の緩和の範囲は、東京都総合設計許可に係る建築物の高さ等誘導指針(平成18年3月31日17都市建企第529号)第2の2の(1)及び(2)の範囲とする。
(1) 建替え前の建築物の延べ面積の3分の2以上が共同住宅の用に供されていること。
(2) 建替え後の建築物の延べ面積の3分の2以上が共同住宅の用に供されること。
(3) 第9条第2項に定める緩和基準に適合すること。
(マンション建替え円滑化法に基づく容積率の緩和特例を活用する建築物の特例)
第6条 計画書第8項に規定するマンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14年法律第78号)第105条の規定による許可を受けた建築物で、周辺環境に対し一定の配慮が図られ、市街地環境の向上に資する建築物は、次の各号のいずれにも該当するものとする。この場合において、絶対高さ制限の緩和の範囲は、東京都マンション建替法容積率許可に係る建築物の高さ等誘導指針(平成27年3月27日26都市建企第1233号)第2の2の(1)及び(2)又は港区マンション建替法容積率許可に係る建築物の高さ等誘導指針(平成27年6月1日27港街計第891号)第4条第1項第2号の範囲とする。
(1) 第9条第1項(第3号の空地率を除く。)に定める緩和基準に適合すること。ただし、公開空地の幅員及び幅については、東京都マンション建替法容積率許可要綱(平成27年3月27日26都市建企第1204号)又は港区マンション建替法容積率許可要綱(平成27年6月1日27港街計第791号)の規定によることができるものとする(適用する要綱は、当該建築物の建築基準法上の事務について権限を有する特定行政庁の要綱とする。)。
(2) 第9条第2項第6号に定める緩和基準に適合すること(絶対高さ制限の緩和の範囲が、指定値の1.5倍を超える場合に限る。)。
(1) 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校
(2) 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に規定する病院
(絶対高さ制限に係る経過措置)
第8条 計画書第11項に規定する建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号)第62条第1項に規定する建替え決議に基づく建築物は、次の各号のいずれにも該当するものとする。
(1) 建替え決議をした集会の会議録及び建築計画並びに決議の日付が確認できること。
(2) 絶対高さ制限を超える範囲において、建替え決議時の計画高さを超えず、かつ、水平投影部分の形状及び面積が同程度のものであること。
(1) 接道条件 次のとおりとする。
ア 指定容積率400パーセント以上の地域 建築物の敷地が幅員6メートル以上の道路に敷地境界線の長さ(以下「敷地周長」という。)の合計の8分の1以上接すること。ただし、敷地内において道路に準ずる空地を設ける場合及び道路に面して広い空地を設ける場合は、この限りでない。
イ 指定容積率300パーセント以下の地域 建築物の敷地が幅員4メートル以上の道路(細街路整備事業により整備された4メートル未満の道路を含み、その場合は拡幅整備した敷地に限り緩和を適用する。)に敷地周長の合計の8分の1以上を接すること。ただし、敷地内において道路に準ずる空地を設ける場合及び道路に面して広い空地を設ける場合は、この限りでない。
(2) 壁面後退 道路境界線及び隣地境界線までの水平距離は、次表に掲げる数値以上とする。ただし、道路境界線及び隣地境界線から壁面後退により定められた制限の範囲においては、機械式駐車場又は自走式駐車場その他空地の開放性を損なう工作物(建築基準法第88条による準用工作物(擁壁を除く。)、駐輪のための器具、ごみ置場等)を設置してはならない。
(単位 m)
敷地面積 | 隣地境界線までの水平距離 | 道路境界線までの水平距離 |
500m2未満 | 1 | 2 |
500m2以上1,000m2未満 | 1.5 | |
1,000m2以上 | 2 |
(3) 空地率 指定建ぺい率が80パーセントの地域においては35パーセント以上、指定建ぺい率が60パーセントの地域においては45パーセント以上とする。
(4) 緑化面積 港区みどりを守る条例施行規則(昭和49年港区規則第33号)別表に定める基準緑化面積の算定式のうち、緑化率aに1%を加えて算定した面積以上とすること。
ア 接道部の緑化 道路境界線に接する部分に幅員2メートル以上の緑地を設け、及び接道部緑化延長の4割以上を高木または中木で緑化すること。この場合において、高木及び中木の定義並びに接道部緑化延長の算定方法については港区みどりを守る条例(昭和49年港区条例第29号)及び港区みどりを守る条例施行規則に定めるところによる。
イ 歩道状空地 道路境界線に接する部分に設け、通行可能な部分の幅員(以下「有効幅員」という。)が2メートル以上であること。
ウ 屋外貫通通路 有効幅員が2メートル以上であるとともに、敷地周辺の状況を勘案し、利用者が安全かつ機能的に利用できる位置・形状とすること。
エ 広場状空地 面積が100平方メートル以上、最も狭い部分の幅が4メートル以上であり、かつ、全周長の8分の1以上が道路又は公園(一体的に利用されるものに限る。)に接するとともに、敷地周辺の状況を勘案し、利用者が安全かつ機能的に利用できる位置・形状とすること。
(1) 接道条件 建築物の敷地が幅員6メートル以上の道路に敷地周長の合計の8分の1以上接すること。ただし、敷地内において道路に準ずる空地を設ける場合及び道路に面して広い空地を設ける場合は、この限りでない。
(2) 壁面後退 道路境界線及び隣地境界線までの水平距離は、次表に掲げる数値以上とする。ただし、道路境界線及び隣地境界線から壁面後退により定められた制限の範囲においては、機械式駐車場又は自走式駐車場その他空地の開放性を損なう工作物(建築基準法第88条による準用工作物(擁壁を除く。)、駐輪のための器具、ごみ置場等)を設置してはならない。
(単位 m)
隣地境界線までの水平距離 | 道路境界線までの水平距離 |
3 | 3 |
(3) 空地率 50パーセント以上とする。
(4) 緑化面積 港区みどりを守る条例施行規則別表に定める基準緑化面積の算定式のうち、緑化率aに3パーセントを加えて算定した面積以上とする。
ア 接道部の緑化 道路境界線に接する部分に幅員3メートル以上の緑地を設け、港区みどりを守る条例施行規則に定める基準接道部緑化延長の算定方法うち、接道部緑化率に5パーセントを加えて算定した数値以上とし、かつ、接道部緑化延長の5割以上を高木または中木で緑化すること。この場合において、高木及び中木の定義並びに接道部緑化延長の算定方法については港区みどりを守る条例及び港区みどりを守る条例施行規則に定めるところによる。
イ 歩道状空地 道路境界線に接する部分に設け、幅員3メートル以上で、かつ、有効幅員が2メートル以上であること。
ウ 屋外貫通通路 幅員3メートル以上で、かつ、有効幅員が2メートル以上であるとともに、敷地周辺の状況を勘案し、利用者が安全かつ機能的に利用できる位置・形状とすること。
エ 広場状空地 面積が150平方メートル以上、最も狭い部分の幅が4メートル以上であり、かつ、全周長の8分の1以上が道路又は公園(一体的に利用されるものに限る。)に接するとともに、敷地周辺の状況を勘案し、利用者が安全かつ機能的に利用できる位置・形状とすること。
(6) 環境空地の質、建築物の形態・意匠による周辺配慮 周辺環境への配慮及び市街地環境の向上の観点から、次に掲げる評価項目について総合的に判断し、優良な建築計画とすること。
ア 空地の整備の有効性 歩行者の利便性及び安全性の向上、周辺の防災性の向上、視界に入る緑量の増加等、周辺市街地における空地の整備状況等を踏まえ、空地整備の有効性を考慮し評価を行う。この場合において、整備する空地の選択に際しては、計画の初期段階の適切な時期に隣接住民の意見を聴取すること。
イ 日影・圧迫感 隣地に生じる日影の減少、隣地から見える建物の見付け面積の減少等、周辺市街地に対する日影や圧迫感の低減を考慮し評価を行う。
ウ 相隣環境 隣接する建物との開口部の見合いを避けること、目隠しの設置及び隣地までの距離の確保等、良好な相隣環境の確保を考慮し、評価を行う。
エ 街並み 周辺市街地との街並みの連続性、調和等を考慮し評価を行う。
ア 幅員6メートルを満たさない場合 道路の幅員(細街路整備事業により整備された4メートル未満の道路を含み、その場合は拡幅整備した敷地に限り緩和を適用する。)と合わせて6メートルとなるように道路状に整備すること。この場合において、壁面後退の道路境界線からの水平距離は、道路状に整備した部分からの距離とする。
イ 敷地周長の合計の8分の1を満たさない場合 次式で算定する面積以上の緑地又は広場状空地を最も狭い部分の幅は4メートル以上で、全周長の8分の1以上が道路又は公園(一体的に利用されるものに限る。)に面して整備すること。この場合において、環境空地とは別の空地として整備し、敷地周辺の状況を勘案し、利用者が安全かつ機能的に利用できる位置・形状とすること。
面積=(敷地周長の合計の8分の1の長さ-接道長さ)×接道長
※接道長さ=必要幅員を満たす道路に接する部分の長さ
(絶対高さ制限の異なる地区等に渡る場合の基準)
第10条 建築物の敷地が絶対高さ制限の異なる地区にまたがる場合は、それぞれの地区による絶対高さ制限の範囲までとする。
(1) 接道条件 適合すべき基準のうち最も厳しい基準を敷地全体で満たすものとする。
(2) 壁面後退 適合すべき基準のうち最も厳しい基準を敷地全体で満たすものとする。
(3) 空地率 地区ごとにそれぞれの基準を満たすものとする。
(4) 緑化面積 適合すべき基準のうち最も厳しい基準を敷地全体で満たすものとする。
(5) 空地の整備 適合すべき基準のうち最も厳しい基準を敷地全体で満たすものとする。
(参考)
適用対象 | ア 接道条件 | イ 壁面後退 | ウ 空地率 | エ 緑化面積 | オ 空地の整備 |
敷地全体 | ○ | ○ | ― | ○ | ○ |
地区ごと | ― | ― | ○ | ― | ― |
(参考)
適用対象 | ア 接道条件 | イ 壁面後退 | ウ 空地率 | エ 緑化面積 | オ 空地の整備 |
一団の敷地 | ○ | ○ | ― | ○ | ○ |
計画敷地 | ― | ― | ○ | ― | ― |
(敷地内に都市計画道路がある場合の取扱い)
第12条 敷地内に都市計画道路が位置する場合の空地率の算定に際しては、都市計画道路に係る部分を敷地面積から除いた面積で算定する。
2 敷地内に都市計画道路が位置する場合の壁面後退及び空地の整備については、第9条中「道路境界線」とあるのは「都市計画道路計画線」と読み替えて適用する。
(委任)
第13条 この基準に定めるもののほか、必要な事項は、区長が別に定める。
付則
この基準は、平成27年10月1日から施行する。