○港区客引き行為等の防止に関する条例

平成二十八年十二月八日

条例第六十八号

(目的)

第一条 この条例は、港区(以下「区」という。)の公共の場所における客引き行為等を防止することにより、区民等の安全で安心な生活を確保し、及び事業活動の健全な発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 公共の場所 区内の道路、公園、広場、駅その他の不特定の者が通行し、又は利用する場所で公共の用に供されるものをいう。

 客引き行為等 次に掲げる行為をいう。

 客引き行為(通行人等不特定の者の中から相手方を特定して接近し、客となるように勧誘する行為をいう。)

 客待ち行為(に規定する客引き行為を行う目的で相手方となるべき者を待つ行為をいう。)

 勧誘行為(通行人等不特定の者の中から相手方を特定して行う次に掲げる行為をいう。)

(1) 人の性的好奇心に応じて人に接する役務又は専ら異性に対する接待をして酒類を伴う飲食をさせる役務に従事するように勧誘する行為

(2) わいせつな行為に係る姿態であって性欲を興奮させ、又は刺激するものをビデオカメラその他の機器を用いて撮影するための被写体となるように勧誘する行為

 勧誘待ち行為(に規定する勧誘行為を行う目的で相手方となるべき者を待つ行為をいう。)

 区民等 区内に居住し、勤務し、在学し、若しくは滞在し、又は区内を通過する者をいう。

 事業者 区内において事業(準備行為を含む。以下この号において同じ。)を行う法人その他の団体又は事業を行う個人をいう。

(適用上の注意)

第三条 この条例の適用に当たっては、区民等及び事業者の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。

(区の責務)

第四条 区は、この条例の目的を達成するため、公共の場所における客引き行為等を防止するために必要な施策を実施するものとする。

(区民等の責務)

第五条 区民等は、公共の場所における客引き行為等の防止に関し区が実施する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第六条 事業者は、公共の場所における客引き行為等の防止に関し区が実施する施策に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、公共の場所における客引き行為等を防止するため、従業員への指導、監督その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(客引き行為等の禁止)

第七条 何人も、公共の場所において客引き行為等をしてはならない。

(客引き行為又は勧誘行為を用いた営業の禁止)

第八条 事業者は、公共の場所において第二条第二号イに規定する客引き行為をした者又は当該行為に関係のある者から紹介を受け、当該行為を受けた者を客として自らが営む営業所等に立ち入らせてはならない。

2 事業者は、公共の場所において第二条第二号ハに規定する勧誘行為をした者又は当該行為に関係のある者から紹介を受け、当該行為を受けた者を自らが営む営業所等で当該行為に係る役務等の従事者として従事させてはならない。

(誓約書の提出)

第九条 区長は、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第五十五条第一項に基づく飲食店営業の許可を受けた者のうち、区内において営業を営むものに対し、前二条に規定する事項を遵守すること等を記載した誓約書の提出を求めるものとする。

2 区長は、前項の規定により誓約書を提出した者に対し、誓約書を提出したことを証する証票を交付するものとする。

3 前項の規定により証票の交付を受けた者は、誓約書に記載した事項に違反したときは、交付された証票を直ちに区長に返還しなければならない。

(指導)

第十条 区長は、第七条又は第八条の規定に違反する行為をしていると認める者に対し、当該行為を中止するよう指導することができる。

2 前項の規定による指導は、口頭又は書面により行うものとする。

3 区長は、第一項の規定による指導に係る事務をあらかじめ指定する者に委託して行わせることができる。

(勧告)

第十一条 区長は、前条第一項の規定による指導を受けた者が更に第七条又は第八条の規定に違反する行為をしていると認めるときは、当該行為を中止するよう勧告することができる。

2 前項の規定による勧告は、書面により行うものとする。

(命令)

第十二条 区長は、前条第一項の規定による勧告を受けた者が更に第七条又は第八条の規定に違反する行為をしていると認めるときは、当該行為を中止するよう命令することができる。

2 前項の規定による命令は、書面により行うものとする。

(調査等)

第十三条 区長は、第十条第一項第十一条第一項及び前条第一項の規定による措置を行うに当たって必要があると認めるときは、第七条又は第八条の規定に違反する行為をした者又は当該行為に関係のある者に対し、当該行為をした者の氏名、住所その他必要な事項についての質問、資料の提示の要求等をすることができる。

2 区長は、第十条第一項第十一条第一項及び前条第一項の規定による措置を行うに当たって必要があると認めるときは、区の職員に、第七条又は第八条の規定に違反する行為をした者の営業所等に立ち入り、必要な調査をさせることができる。

3 前二項の規定により調査等をする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

4 第一項及び第二項の規定による調査等は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(過料)

第十四条 第十二条第一項の規定による命令を受けた者が、正当な理由がなく当該命令に従わなかったときは、その者を五万円以下の過料に処する。

2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の過料を科する。

3 区長は、前二項の規定により過料の処分をしようとするときは、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十五条の三の規定により、第一項の命令を受けた者に対し、あらかじめ、その旨を告知するとともに、弁明の機会を与えた上で、第十七条の港区客引き行為防止対策審議会の意見を聴かなければならない。

(公表)

第十五条 区長は、第十二条第一項の規定による命令を受けた者が、正当な理由がなく当該命令に従わなかったときは、その旨を公表することができる。

2 区長は、前項の規定により公表しようとするときは、同項の命令を受けた者に対し、あらかじめ、その旨を告知するとともに、弁明の機会を与えた上で、第十七条の港区客引き行為防止対策審議会の意見を聴かなければならない。

(営業場所提供者への通知)

第十六条 区長は、前条第一項の規定により公表された者の営業その他の業務の用に供するための場所を提供している建物の所有者又は管理者に対し、当該公表に係る事実を通知するものとする。

(港区客引き行為防止対策審議会)

第十七条 この条例に基づく客引き行為等の防止に関する措置を適正に実施するため、区長の付属機関として、港区客引き行為防止対策審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、区長の諮問に応じ、次に掲げる事項について、区長に意見を述べるものとする。

 第十四条第三項及び第十五条第二項の規定により定められた事項

 前号に掲げるもののほか、区長が必要と認める事項

3 審議会は、区長が委嘱し、又は任命する委員五人以内をもって組織する。

4 委員の任期は、二年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(警察署長への協力要請)

第十八条 区長は、この条例の目的を達成するため必要があると認めるときは、区の区域を管轄する警察署の長に対し、情報の提供、助言その他の必要な協力を求めるものとする。

(委任)

第十九条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、区規則で定める。

この条例は、平成二十九年四月一日から施行する。

(令和三年三月一九日条例第八号)

この条例は、令和三年六月一日から施行する。

港区客引き行為等の防止に関する条例

平成28年12月8日 条例第68号

(令和3年6月1日施行)