○港区立母子生活支援施設条例

令和元年十月十七日

条例第二十七号

(目的)

第一条 この条例は、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者の相談その他の援助を行うため、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号。以下「法」という。)第三十五条第三項の規定に基づき港区立母子生活支援施設(以下「母子生活支援施設」という。)の設置及び管理運営に関し、必要な事項を定めることを目的とする。

(名称、位置及び室数)

第二条 母子生活支援施設の名称、位置及び室数は、次のとおりとする。

名称

位置

室数

港区立母子生活支援施設

メゾン・ド・あじさい

東京都港区南青山五丁目七番十二号

十室

(事業)

第三条 母子生活支援施設は、第一条に定める目的を達成するため、次の事業を行う。

 法第二十三条第一項本文の規定による保護に関すること。

 生活支援、養育支援、健康管理、就労支援その他自立の促進に関すること。

 母子生活支援施設を退所した者の相談その他の援助に関すること。

 前三号に掲げるもののほか、区長が必要と認める事業

(利用の拒否)

第四条 区長は、法第二十三条第二項に規定する母子保護の実施(以下「母子保護の実施」という。)のための委託(法第四十六条の二第一項に規定する委託をいう。)を受けた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、母子生活支援施設の利用を拒否することができる。

 母子保護の実施を受け入所している者(以下「入所者」という。)及び次条第一項ただし書の規定により退所を猶予された者(以下「猶予者」という。)が使用する室数の総数が、第二条に規定する室数に達しているとき。

 母子保護の実施の対象者が、感染症にかかっており、当該感染症が入所者及び猶予者(以下「入所者等」という。)に感染し、かつ、重篤な症状を引き起こすおそれがあると認められるとき。

 前二号に掲げるもののほか、区長が特に不適当と認めるとき。

(退所)

第五条 区長は、入所者が母子保護の実施を解除されたときは、母子生活支援施設を退所させるものとする。ただし、区長がやむを得ない理由があると認めるときは、相当の期間を定めて退所を猶予することができる。

2 区長は、猶予者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、母子生活支援施設を退所させることができる。

 この条例若しくはこれに基づく規則に違反し、又は区長の指示に従わないとき。

 前号に掲げるもののほか、区長が必要と認めるとき。

3 入所者等は、前二項の規定により母子生活支援施設を退所するときは、区長が指定する期日までに、当該施設を原状に回復し、明け渡さなければならない。

(猶予者に係る使用料)

第六条 猶予者に係る母子生活支援施設の使用料は、入所者が法第五十六条第二項の規定に基づき徴収される額に相当する額とする。

2 前項の使用料は、月の中途において、猶予者となった場合又は母子生活支援施設を退所した場合は、日割計算により算出する。

3 猶予者は、毎月末日までにその月分の使用料を納付しなければならない。

(使用料の減免及び徴収猶予)

第七条 区長は、特別の理由があると認めるときは、使用料を減額し、若しくは免除し、又は使用料の徴収を猶予することができる。

(使用料の不還付)

第八条 既に納めた使用料は、還付しない。ただし、区長が特別の理由があると認めるときは、その全部又は一部を還付することができる。

(入所者等の負担する費用)

第九条 入所者等は、次に掲げる費用を負担する。

 電気、ガス及び上下水道の使用料

 入所者等の責めに帰すべき事由による修繕に要する費用

 前二号に掲げるもののほか、区長が指定する費用

2 区長は、前項第二号に掲げる費用のうち、入所者等に負担させることが適当でないと認めるものについて、その全部又は一部を入所者等に負担させないことができる。

(禁止行為)

第十条 猶予者は、母子生活支援施設の利用の権利を譲渡し、又は転貸してはならない。

2 入所者等は、入所者等以外の者を同居させてはならない。

3 前二項に定めるもののほか、入所者等は、母子生活支援施設の管理上支障があると認められる行為をしてはならない。

(工作等の禁止)

第十一条 入所者等は、母子生活支援施設に模様替えその他の工作を加え、又は母子生活支援施設の敷地内に工作物を設置してはならない。ただし、あらかじめ区長の承認を受けたときは、この限りでない。

(損害賠償の義務)

第十二条 母子生活支援施設の施設等に損害を与えた者は、区長が相当と認める損害額を賠償しなければならない。ただし、区長がやむを得ない理由があると認めるときは、その額を減額し、又は免除することができる。

(指定管理者による管理)

第十三条 区長は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十四条の二第三項の規定により、社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人(以下「社会福祉法人」という。)であって区長が指定するもの(以下「指定管理者」という。)に、母子生活支援施設の管理運営に関する業務のうち、次に掲げるものを行わせることができる。

 第三条各号に掲げる事業に関する業務

 施設、付属設備及び物品の保全(軽易な修繕及び整備を含む。以下同じ。)に関する業務

 施設内の清潔の保持、整頓その他の環境整備に関する業務

(指定管理者の指定)

第十四条 指定管理者としての指定を受けようとする者は、区規則で定めるところにより、区長に申請しなければならない。

2 区長は、前項の規定による申請があったときは、次に掲げる基準により最も適切に母子生活支援施設の管理運営を行うことができると認める者を指定管理者に指定するものとする。

 前条各号に掲げる業務について相当の知識及び経験を有する者を当該業務に従事させることができること。

 安定的な経営基盤を有していること。

 母子生活支援施設の効用を最大限に発揮するとともに、効率的な管理運営ができること。

 関係法令及び条例の規定を遵守し、適正な管理運営ができること。

 前各号に掲げるもののほか、区規則で定める基準

3 区長は、前項の規定による指定をするときは、効率的かつ効果的な管理運営を考慮し、指定の期間を定めるものとする。

(指定することができない社会福祉法人)

第十五条 区長は、区議会議員、区長、副区長、教育長並びに地方自治法第百八十条の五第一項に規定する委員会の委員及び委員が、理事若しくは監事又はこれらに準ずべき者となっている社会福祉法人を指定管理者に指定することができない。

(指定管理者の指定の取消し等)

第十六条 区長は、指定管理者が次の各号のいずれかに該当するときは、第十四条第二項の規定による指定を取り消し、又は期間を定めて管理運営の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 管理運営の業務又は経理の状況に関する区長の指示に従わないとき。

 第十四条第二項各号に掲げる基準を満たさなくなったと認めるとき。

 第十八条第一項各号に掲げる管理運営の基準を遵守しないとき。

 前三号に掲げるもののほか、当該指定管理者による管理運営を継続することが適当でないと認めるとき。

(指定管理者の公表)

第十七条 区長は、指定管理者の指定をし、若しくは指定を取り消したとき、又は期間を定めて管理運営の業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、遅滞なくその旨を告示するものとする。

(管理運営の基準等)

第十八条 指定管理者は、次に掲げる基準により、母子生活支援施設の管理運営に関する業務を行わなければならない。

 関係法令及び条例の規定を遵守し、適正な管理運営を行うこと。

 入所者等に対して適切なサービスの提供を行うこと。

 施設、付属設備及び物品の保全を適切に行うこと。

 業務に関連して取得した個人に関する情報を適切に取り扱うこと。

2 区長は、次に掲げる事項について、指定管理者と協定を締結するものとする。

 前項各号に掲げる基準に関し必要な事項

 業務の実施に関する事項

 業務の実績報告に関する事項

 前三号に掲げるもののほか、母子生活支援施設の管理運営に関し必要な事項

(委任)

第十九条 この条例の施行について必要な事項は、区規則で定める。

この条例は、区規則で定める日から施行する。ただし、第十四条から第十七条まで及び第十九条の規定は、公布の日から施行する。

(令和二年一月規則第一号で、同三年四月一日から施行)

港区立母子生活支援施設条例

令和元年10月17日 条例第27号

(令和3年4月1日施行)