○港区未成年後見人支援事業実施要綱
令和3年4月1日
3港児児第424号
(目的)
第1条 この要綱は、児童相談所長等が家庭裁判所に対して選任請求をした未成年後見人の報酬等の全部又は一部を助成することにより、未成年後見人の確保を図るとともに、親権を行う者又は未成年後見人がいない児童等の日常生活の支援及び福祉の向上に資することを目的とする。
(事業内容)
第2条 児童相談所長は、前条の目的を達成するために、予算の範囲内で、次に掲げる事業を行う。
(1) 家庭裁判所より選任された報酬の付与が認められた者に対して、報酬額の全部又は一部を助成する事業(以下「報酬助成事業」という。)
(2) 家庭裁判所より選任された未成年後見人及び被後見人が加入する損害賠償等の保険料を助成する事業(以下「保険料助成事業」という。)。この場合において、保険料助成事業の運営主体は公益社団法人日本社会福祉士会(以下「日本社会福祉士会」という。)とする。
(対象者)
第3条 報酬助成事業及び保険料助成事業(以下「未成年後見人支援事業」という。)の対象となる者は、児童福祉法(昭和22年法律第164号。以下「法」という。)第33条の8の規定により児童相談所長が家庭裁判所に対して未成年後見人の選任の請求を行い、未成年後見人として選任された者又は児童相談所長以外の者が選任の請求を行い、未成年後見人として選任された者(選任請求を行う場合に準じる状況にあると児童相談所長が認める児童に係る者に限る。)であって、次に掲げる要件を全て満たしたものとする。
(1) 被後見人が、措置又は一時保護を行っている等、児童相談所が関与している児童であること。
(2) 被後見人の預貯金、有価証券等及び不動産の評価額の合計が、1千7百万円未満であること。
(3) 未成年後見人が、被後見人の民法(明治29年法律第89号)第725条に規定する親族以外の者であること。ただし、法第27条第1項第3号の規定により措置又は委託されている児童等に係る者であって、当該児童等が入所している施設の法人、法人職員又は委託されている里親は対象としない。
2 選任請求を行う場合に準じる状況にあると児童相談所長が認める児童は、次の要件に該当する児童をいう。
(1) 児童相談所が把握している児童であること。
(2) 保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童であること。
(3) 親族が監護・養育能力に欠けるため、親族以外の者を未成年後見人として選任せざるを得ない状況にある児童であること。
(助成対象期間等)
第4条 未成年後見人支援事業の対象期間は、被後見人が18歳に到達する日の前日までとする。
2 児童相談所長は、年に1回以上、未成年後見人及び被後見人の状況を確認するものとする。
(報酬助成事業の申請等)
第5条 報酬助成事業の申請者は、第3条に掲げる要件を満たしている未成年後見人であって、家庭裁判所に報酬の請求を行い、民法第862条に基づき当該家庭裁判所から報酬の付与が認められ、その額が決定されたものとする。
2 未成年後見人は、家庭裁判所に報酬付与の請求を行う際には、当該年度分に係る活動実績について、同年度内に当該請求を行うものとする。
3 法第33条の8の規定に基づき家庭裁判所に未成年後見人の選任の請求を行った児童相談所長は、当該未成年後見人に対し報酬補助の取扱いに関する資料を提供する等、報酬請求手続の勧奨等に係る取組みを行うものとする。
(1) 港区未成年後見人支援事業(報酬助成事業)申請書(第1号様式)
(2) 港区未成年後見人支援事業資産状況届出書(第2号様式)
(3) 港区未成年後見人支援事業資産状況等調査等同意書(第3号様式)
(4) 報酬付与審判書の写し
(5) 未成年後見人の就職が記載された被後見人の戸籍の写し
(6) その他児童相談所長が必要と認める書類
(報酬助成額)
第6条 報酬助成額は、家庭裁判所が未成年後見人の請求を受け決定した報酬額に対して、月額20,000円の範囲内とする。
(報酬助成金の支払い)
第8条 児童相談所長は、前条の規定により報酬助成額を決定したときは、当該決定を行った翌月中に、未成年後見人に対して報酬助成金を支払うものとする。
(保険料助成額)
第10条 保険料の助成額は、次に掲げるとおり、「児童虐待防止対策支援事業の実施について」(平成17年5月2日付雇児発第0502001号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)に定める保険料額の全部の助成を行うものとする。なお、損害保険への加入が年度途中の場合には、別途日本社会福祉士会が定める額とする。
(1) 未成年後見人の賠償責任保険 1人当たり年額5,210円
(2) 被後見人の傷害保険 1人当たり年額7,680円
(保険料助成金の支払い)
第11条 前条の規定により加入申請を行った損害賠償保険に係る保険料は、日本社会福祉士会から送付される請求書により行うものとする。
(事故等の発生報告)
第12条 保険料助成を受けている未成年後見人及び被後見人が生じた損害に対し、保険料の支払いを求める場合には、事故発生報告書を作成し、児童相談所長に提出しなければならない。
(保険料助成の継続)
第13条 保険料助成を行っている未成年後見人及び被後見人に対し、翌年度も保険料助成を継続する必要がある場合には、児童相談所長は毎年3月20日までに日本社会福祉士会に対し加入申請を行うものとする。
(1) 被後見人の資産等の合計が1,700万円以上となったとき。
(2) 被後見人の未成年後見人を辞任したとき。
(3) 被後見人の未成年後見人を解任されたとき。
(4) 被後見人が婚姻したとき。
(5) 被後見人が死亡したとき。
(6) 被後見人の住所又は氏名が変わったとき。
(7) 助成対象未成年後見人の住所又は氏名が変わったとき。
(譲渡等の禁止)
第17条 未成年後見人支援事業を受ける権利は、これを譲渡し又は担保に供してはならない。
2 前項に該当する場合において、児童相談所長は当該損害賠償保険加入について、これを解除することができる。
付則
1 この要綱は、令和3年4月1日から施行する。
2 この要綱の施行の際現に東京都未成年後見人支援事業実施要綱の規定により東京都が行った報酬助成の決定及び損害賠償保険等への加入申請等で、この要綱の施行の日以後においては、港区が行うこととなる事務に係るものは、この要綱の規定により港区が報酬助成の決定及び損害賠償保険等への加入申請等を行ったものとみなす。
付則
1 この要綱は、令和4年4月1日から施行する。
2 第11条において、改正後の保険料助成金の翌年度準備に係る支出は、施行の日前においても行うことができる。