○港区情報公開条例
平成元年三月三十一日
条例第二号
(目的)
第一条 この条例は、区政情報の公開を請求する区民の権利及び区政について区民に説明する区の責務を明らかにするとともに、区政情報の公開に関し必要な事項を定めることにより、区民の知る権利を保障し、公正で開かれた区政の推進、区民と区政との信頼関係の確保及び区民の区政への参加の促進を図り、もって地方自治の本旨に即した区政を推進することを目的とする。
一 区政情報 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。第五条第一項第一号において同じ。)であって、当該実施機関が管理しているものをいう。
二 区政情報の公開 実施機関がこの条例の規定に基づき、区政情報を閲覧等に供し、又はその写しを交付することをいう。
三 実施機関 区長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員及び議会をいう。
(実施機関の責務)
第三条 実施機関は、区政について区民に説明する責任を果たし、かつ、区政情報の公開を請求する区民の権利を十分に尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公開されることのないよう最大限の配慮をしなければならない。
(公開請求をすることができるもの)
第四条 何人も、実施機関に対し区政情報の公開を請求することができる。
(公開しないことができる区政情報)
第五条 実施機関は、公開の請求に係る区政情報に次の各号のいずれかに該当する情報が記録されているときは、当該区政情報の公開をしないことができる。
一 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公開することにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
イ 法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定により、又は慣行として知ることができ、又は知ることが予定されている情報
ロ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報
ハ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条第一項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第四項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等(独立行政法人通則法第二条第一項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)の役員及び職員、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分
二 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公開することにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報を除く。
三 区が行う事務又は事業に関する情報であって、公開することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
イ 監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
ロ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、国、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ハ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
ニ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
ホ 国の機関、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公開することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に区民等の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれ
四 実施機関の要請を受けて公開しないことを条件として任意に提供された情報で、公開することにより、情報提供者との信頼関係を損なうと認められるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められるものを除く。
五 公開することにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある情報
六 法令等の規定により公開することができないとされている情報
2 実施機関は、公開の請求に係る区政情報に、前項各号のいずれかに該当することにより公開しないことができる情報とそれ以外の情報とが併せて記録されている場合において、公開しないことができる情報に係る部分とそれ以外の部分とを容易に分離することができ、かつ、当該分離により公開の請求の趣旨が損なわれることがないと認めるときは、公開しないことができる情報に係る部分を除いて、当該区政情報の公開をしなければならない。
3 実施機関は、第一項の規定により公開しないことができるとされた区政情報であっても、期間の経過により、当該区政情報の公開をしないことができる理由がなくなったときは、当該区政情報の公開をしなければならない。
(存否を答えないことができる区政情報)
第五条の二 実施機関は、公開請求に係る区政情報の存在の有無を答えるだけで、保護されるべき内容が判明してしまうときは、当該区政情報の存否を答えないこと(以下「存否応答拒否」という。)ができる。
(請求方法)
第六条 区政情報の公開を請求しようとするもの(以下「請求者」という。)は、区規則で定める事項を記載した請求書を当該請求に係る区政情報を管理する実施機関に提出しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、公開請求は、電子情報処理組織(実施機関の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)と請求者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用して行うことができる。
5 実施機関は、第一項に規定する請求書に形式上の不備があると認めるときは、請求者に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めるものとする。
(決定及び通知)
第七条 実施機関は、公開請求があったときは、公開請求があった日の翌日から起算して十四日以内に、公開の可否又は存否応答拒否を決定し、速やかに書面により請求者に通知しなければならない。ただし、前条第五項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 前項の場合において、区政情報の公開をしないこと(区政情報の一部の公開をしない場合及び当該区政情報を保有していない場合を含む。)又は存否応答拒否を決定したときは、その理由(その理由がなくなる期日を明示できるときはその理由及び期日)を併せて通知しなければならない。
3 実施機関は、やむを得ない理由により、第一項の期間内に決定をすることができないときは、公開請求があった日の翌日から起算して三十日を限度としてその期間を延長することができる。この場合において、実施機関は、当該延長の理由及び決定できる時期を請求者に通知しなければならない。
4 実施機関は、公開請求に係る区政情報が著しく大量のため、前項に規定する延長期間内に決定をすることができないときは、相当の部分の区政情報について、当該延長期間内に決定し、残りの区政情報については、相当の期間内に決定することができる。この場合において、実施機関は、その理由及び決定できる時期を請求者に通知しなければならない。
(第三者に対する意見照会等)
第七条の二 実施機関は、公開請求に係る区政情報に国又は地方公共団体に属する者以外の個人(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合において、第五条第一項第一号ロの規定により公開しようとするときは、公開決定に先立ち、当該第三者に請求内容等を通知し、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
2 実施機関は、前項の規定により第三者が、当該区政情報の公開に反対の意見書を提出した場合において、公開の決定をするときは、公開決定の日と公開する日との間に少なくとも二週間を置かなければならない。この場合において、実施機関は、公開決定後直ちに当該意見書を提出した第三者に対し、公開の決定をした旨及びその理由並びに公開する日を通知しなければならない。
2 実施機関は、区政情報の公開をすることにより、当該区政情報を汚損し、又は破損するおそれがあると認められるとき、その他相当の理由のあるときは、前項の規定にかかわらず、当該区政情報の公開に代えて当該区政情報を複写したものを閲覧等に供し、又はその写しを交付することができる。
(適正使用)
第九条 この条例の規定により、区政情報の公開を受けたものは、それによって得た情報を、この条例の目的に即して適正に使用しなければならない。
(審査請求)
第十条 この条例の規定による処分又は公開の請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第九条第一項本文の規定は、適用しない。
2 実施機関のうち、区長、教育委員会、選挙管理委員会及び監査委員は、この条例の規定による処分又は公開の請求に係る不作為に関し、審査請求があった場合には、当該審査請求が明らかに不適法であることを理由として却下するとき及び裁決で、当該審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る区政情報の全部の公開をするときを除き、速やかに、港区情報公開・個人情報保護審査会条例(平成四年港区条例第三号)第一条に規定する港区情報公開・個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)に諮問し、その意見を尊重して、当該審査請求について裁決をしなければならない。
3 実施機関のうち、議会は、この条例の規定による処分又は公開の請求に係る不作為に関し、審査請求があった場合には、議会が別に定める手続により、当該審査請求について裁決をしなければならない。この場合において、議会は、必要に応じて、審査会に意見を求めることができる。
第十一条 削除
(港区情報公開・個人情報保護運営審議会への諮問等)
第十二条 実施機関は、この条例による区政情報の公開制度(以下「制度」という。)の運営に関する重要事項について、港区情報公開・個人情報保護運営審議会条例(令和四年港区条例第五十二号)第一条に規定する港区情報公開・個人情報保護運営審議会に諮問することができる。
2 実施機関は、毎年一回、制度の実施状況を前項に規定する審議会に報告するものとする。
(費用負担)
第十三条 この条例の規定に基づく区政情報の閲覧等に要する費用は、無料とし、この条例の規定に基づく区政情報の写しの交付及び送付に要する費用は、請求者の負担とする。
2 前項に規定する写しの交付に要する費用は、区規則に定めるところにより徴収する。
3 第一項に規定する写しの交付に要する費用は、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)により保護を受ける者から請求があるときその他区長が特別の理由があると認めるときは、これを減額し、又は免除することができる。
(区政情報の管理)
第十三条の二 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用を図るため、区政情報を適正に管理するものとする。
(検索資料)
第十四条 実施機関は、区政情報の目録等区政情報の検索に必要な資料を作成し、一般の閲覧に供するものとする。
(実施状況の公表)
第十五条 区長は、毎年一回、制度の実施状況について、公表するものとする。
(情報の提供)
第十六条 実施機関は、この条例による区政情報の公開を行うほか、区民が必要とする情報を的確に把握するとともに、区政に関する情報を積極的に提供するように努めなければならない。
(他の制度との調整)
第十七条 この条例は、他の法令等の規定により、区政情報の閲覧若しくは縦覧又は区政情報の謄本若しくは抄本の交付の手続が定められている場合については、適用しない。
2 この条例は、前項に規定するもののほか、実施機関が区民の利用に供することを目的として図書館等で管理する図書、図画等については、適用しない。
(出資法人等の情報公開)
第十七条の二 区が出資し、又は財政援助をする法人等であって、区長が定めるもの(以下「出資法人等」という。)は、この条例の趣旨に沿って、その保有する情報の積極的な公開及び提供の推進に努めるものとする。
2 区長は、前項に定める出資法人等の情報の公開及び提供に関し、具体的措置が推進されるよう指導するものとする。
(委任)
第十八条 この条例の施行について必要な事項は、区規則で定める。
付則
1 この条例は、平成元年七月一日から施行する。
2 この条例は、平成元年四月一日以降に実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した区政情報について適用し、同日前に作成し、又は取得した区政情報については、整理が完了したものから適用する。
付則(平成四年三月二七日条例第三号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成五年一月一日から施行する。
付則(平成一二年一〇月一六日条例第四四号)
この条例は、平成十三年四月一日から施行する。
付則(平成一六年一二月八日条例第三三号)
この条例は、区規則で定める日から施行する。
(平成一七年一月規則第一号で、同一七年一月二五日から施行)
付則(平成二八年三月二五日条例第一号)
1 この条例は、平成二十八年四月一日から施行する。
2 この条例による改正後の港区情報公開条例第十条の規定は、この条例の施行の日以後になされた実施機関の処分又はこの条例の施行の日以後になされた公開の請求に係る実施機関の不作為に係る審査請求について適用し、同日前になされた実施機関の処分に係る不服申立てについては、なお従前の例による。
付則(令和四年一二月五日条例第五一号)
1 この条例は、令和五年四月一日から施行する。
2 この条例による改正後の港区情報公開条例第五条第一項の規定は、この条例の施行の日以後になされた公開の請求について適用し、同日前になされた公開の請求については、なお従前の例による。