○港区開発事業に係る定住促進指導要綱

平成3年4月23日

3港住住第12号

(目的)

第1条 この要綱は、開発事業に対する適切な指導に関し必要な事項を定めることにより、住宅の確保と良好な市街地環境の整備を図り、多様な人々がいきいきと暮らせるまちの実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 開発事業 都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第12項に規定する開発行為及び建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第13号に規定する建築をいう。

(2) 開発事業者 区内で開発事業を行う者をいう。

(3) 延べ面積 開発事業を行う区域(以下「開発事業区域」という。)内の建築物の各階の床面積の合計をいう。

(5) 隣接関係住民 紛争予防条例第2条第7号に規定する隣接関係住民をいう。

(開発事業者の責務)

第3条 開発事業者は、開発事業を行う場合には、区と協働して、当該地域の課題、特性等の情報を共有し、地域の住宅等の確保と良好な市街地環境の向上に寄与する整備を図るよう努めるとともに、区の定住に関する施策の推進に協力しなければならない。

2 開発事業者は、開発事業に要する用地を取得しようとするとき又は開発事業を行おうとするときは、周辺の住民との紛争の防止に努めなければならない。

(適用範囲)

第4条 この要綱は、次に掲げる開発事業を除き、敷地面積が500m2以上又は延べ面積が3,000m2以上の建築物に係る開発事業に適用する。

(1) 国又は地方公共団体が行う開発事業

(2) 建築基準法第85条の規定の適用を受ける仮設建築物に係る開発事業

(標識の設置等)

第5条 開発事業者は、開発事業を行おうとする場合には、近隣関係住民に開発事業の計画の周知を図るため、当該開発事業区域内の見やすい場所に標識を設置しなければならない。

2 開発事業者は、前項の規定により標識を設置したときは、速やかにその旨を区長に届け出なければならない。

3 開発事業者は、開発事業の計画を変更したときは、速やかに第1項に規定する標識の記載事項を訂正するとともに、その旨を区長に届け出なければならない。

(説明会の開催等)

第6条 開発事業者は、前条第1項の規定により標識を設置したときは、説明会等の方法により、開発事業の計画について隣接関係住民に周知を図るよう努めなければならない。

2 開発事業者は、前項の規定によるほか近隣関係住民の申出があったときは、説明会等の方法により、開発事業の計画について説明しなければならない。

3 開発事業者は、第1項の規定により説明会等を行った後、都市計画法第30条又は建築基準法第6条(同法第6条の2を含む。)の規定による申請(以下「開発事業に係る申請」という。)前にその内容について区長に報告しなければならない。

4 区長は、必要があると認めるときは、開発事業者に対し、第2項の規定により行った説明会等の内容について報告を求めることができる。

(紛争予防条例との整合)

第7条 紛争予防条例第6条及び第7条の規定により標識の設置及び届出、住民への周知及び説明会等の内容の報告を行った場合には、前2条の規定による標識の設置及び届出、住民への周知及び説明会等の内容の報告があったものとする。

(事前協議)

第8条 開発事業者は、延べ面積が3,000m2以上の建築物に係る開発事業を行おうとする場合には、事前協議の申出を行い、この要綱に定める事項について区長と協議しなければならない。

2 区長及び開発事業者は、開発事業に係る申請前に協議が成立するよう努めなければならない。

3 区長及び開発事業者は、協議が成立したときは、協議書を作成し、各1通ずつ保有するものとする。

4 開発事業者又は前項に規定する協議事項を履行した建築物の所有者等(以下「所有者等」という。)が変更になる場合は、所有者等は、同項に規定する協議事項を変更先の開発事業者又は建築物の所有者等に承継しなければならない。

5 開発事業者は、第5条第3項の規定による届出を行った場合には、区長と再度協議を行うものとする。

(住宅の付置等)

第9条 開発事業者は、延べ面積が3,000m2以上の建築物に係る開発事業を行おうとする場合は、延べ面積に対して、10パーセントの割合に相当する面積を良質な住宅又は生活に便利な施設(以下これらを「生活利便施設等」という。)として付置するよう努めなければならない。

2 前項の規定により付置される良質な住宅(以下「付置住宅」という。)には、当該付置住宅の居住者又は利用者等が使用する付随施設を含むことができる。

(付置住宅の規模、設備、構造等)

第10条 開発事業者は、付置住宅の規模、設備、構造等が区長の別に定める住宅水準に適合するよう努めなければならない。

(付置住宅等の特例)

第11条 付置住宅を開発事業区域内に建設することが困難で、かつ、それら開発事業が適正に管理でき、区長がやむを得ないと認めた場合には、開発事業者は、当該開発事業と同一時期に区内の他の場所へ建設する住宅(以下「隔地住宅」という。)を付置住宅とすることができる。

2 第9条第1項の規定により付置される生活に便利な施設(以下「付置施設」という。)を開発事業区域内に建設することが困難で、かつ、それら開発事業が適正に管理でき、区長が必要と認めた場合には、開発事業者は、当該開発事業と同一時期に区内の他の場所へ建設する生活に便利な施設(以下「隔地施設」という。)を付置施設とすることができる。

3 前2項の規定により建設する隔地住宅及び隔地施設(以下「隔地住宅等」という。)に係る協議については、これらに関連する開発事業で最も先行するものの建築確認申請前までに協議が成立していなければならない。

4 第1項の場合における延べ面積に対する隔地住宅の面積の割合は、区長が別に定める区域に建設する場合を除き、第9条第1項に定める割合に1.2を乗じて得た割合とする。

5 第1項又は第2項の規定による隔地住宅等の建設を含む開発事業について、第9条第1項の規定を適用する場合には、第1項及び第2項の規定にかかわらず、当該開発事業区域外に付置住宅及び付置施設(以下「付置住宅等」という。)を建設することはできない。

6 特段の事情により、区長がやむを得ないと認めた場合には、複数の開発事業者は、おおむねそれぞれの隔地住宅等の負担割合をもって、隔地住宅等を共同して建設することができる。

この場合の複数の開発事業者は、その中から統括する管理者(以下「統括管理者」という。)を選定し、統括管理者は、本要綱の規定に係る各開発事業の調整、工程管理、区の各関係所管課との協議・調整、協議内容の履行等を責任をもって管理しなければならない。

(一体開発)

第12条 開発事業者(開発事業に供する土地の所有者を含む。第4項において同じ。)は複数の敷地を一の開発事業区域として一体的かつ計画的な開発事業を行う場合には、これを一体開発として区長に申し出ることができる。

2 前項の規定による申出を区長が定住促進に資すると認めたときは、当該一体開発を行う区域を一の開発事業区域とみなして、第9条の規定を適用する。

3 一体開発にあっては、前条の規定は適用しない。また、他の開発事業による隔地住宅等を一体開発の区域内に建設することはできない。

4 一体開発にあっては、複数の開発事業者の全員による協議組織が設立された場合には、当該組織をもって開発事業者とみなす。

(定住協力金の拠出)

第13条 開発事業者は、生活利便施設等を開発事業区域内に建設することが困難であり、区長がやむを得ないと認めた場合には、区に対して生活利便施設等の建設に代えて、定住支援事業又は住環境整備事業に充てるための資金(以下「定住協力金」という。)を拠出することができる。ただし、国又は地方公共団体から当該開発事業に関し補助を受けて行うもので、区長が定住促進に資すると認める開発事業を除く。

(付置住宅の賃料等)

第14条 開発事業者は、付置住宅について、賃料及び価格の低減に努めなければならない。

(生活利便施設等の用途転用)

第15条 開発事業者は、第9条第1項の規定により建設した生活利便施設等について、建設後10年間はその用途が転用されないよう努めなければならない。

2 開発事業者は、前項の期間経過後に生活利便施設等の用途を他の生活利便施設等の用途に転用することができる。

3 開発事業者は、前項の規定により生活利便施設等の用途を転用しようとするときは、あらかじめ区長と協議するものとする。

(街づくり制度等の活用)

第16条 開発事業者は、開発事業を計画するに当たっては、各種まちづくり制度等を活用し、住宅等の確保を図るよう努めなければならない。

(公共施設等の整備)

第17条 開発事業者は、敷地面積が3,000m2以上の開発事業を行おうとする場合には、公共施設等の整備状況を勘案して開発事業に関する計画を適切なものとするよう努めなければならない。

2 開発事業者は、前項に規定する計画において、区長が必要と認める公共施設等について、自らその整備を行わなければならない。

(調査及び報告)

第18条 区長は、必要があると認めるときは、この要綱の目的を達成するために調査を行い、又は開発事業者及び付置住宅等の所有者等に報告を求めることができる。

(是正の勧告等)

第19条 区長は、この要綱の目的を達成するため、開発事業者に対して、必要な措置をとることを勧告することができる。

2 区長は、開発事業者が正当な理由がなく勧告に応じないときは、勧告の内容及び開発事業者の氏名を公表することができる。

(適用の特例)

第20条 区長は、やむを得ない理由があると認めるものについては、この要綱の規定を適用しないことができる。

(委任)

第21条 この要綱の施行について必要な事項は、区長が別に定める。

1 この要綱は、平成3年6月1日から施行する。ただし、第11条及び第17条の規定は、平成3年12月1日から施行する。

2 大規模建築物等の建設計画の事前協議に関する指導要綱(昭和60年5月25日60港都建第72号。以下「旧要綱」という。)は、廃止する。

3 この要綱の施行の日(以下「施行日」という。)前に旧要綱第6条の規定により協議が成立したものについては、この要綱の規定により協議が成立したものとみなす。

4 施行日において、旧要綱第6条の規定により協議が継続しているものについては、なお従前の例による。

5 第11条及び第17条の規定は、それらの規定の施行の日において、第8条の規定により協議が継続しているものについては、適用しない。

6 旧要綱第6条の規定による協議に基づいて設置された付置住宅及び緑地の維持、保全については、なお従前の例による。

この要綱は、平成11年9月1日から施行する。

この要綱は、平成15年6月1日から施行する。

1 この要綱は、平成23年10月1日から施行する。

2 この要綱の施行する日(以下「施行日」という。)前に、この要綱による改正前の港区開発事業に係る定住促進指導要綱第8条の規定により、協議が成立したものについては、この要綱による改正後の港区開発事業に係る定住促進指導要綱(以下「改正後の要綱」という。)の規定により協議が成立したものとみなす。

3 施行日前に工事着手したものについては、改正後の要綱の規定にかかわらず、なお従前の例による。

1 この要綱は、平成28年7月1日から施行する。

2 この要綱による改正後の港区開発事業に係る定住促進指導要綱(以下「新要綱」という。)第15条の規定は、この要綱による改正前の港区開発事業に係る定住促進指導要綱(以下「旧要綱」という。)第9条第1項の規定により既に建設された良質な住宅又は生活に便利な施設についても適用するものとする。

3 この要綱の施行する日(以下「施行日」という。)前に、旧要綱第8条の規定により、協議が成立したもので、施行日時点において港区開発事業に係る定住促進指導要綱実施要領第18条の届出をしていないものについては、新要綱第8条の規定による協議を行うことができるものとする。

港区開発事業に係る定住促進指導要綱

平成3年4月23日 港住住第12号

(平成28年7月1日施行)