○港区ひとり親家庭ホームヘルプサービス事業運営要綱
昭和57年6月17日
57港福祉第354号
(目的)
第1条 この要綱は、ひとり親家庭に対してホームヘルパー及びベビーシッター(以下「ホームヘルパー」という。)を派遣するひとり親家庭ホームヘルプサービス事業(以下「事業」という。)を実施し、必要な援助を行うことにより、ひとり親家庭の福祉の増進を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この要綱において「ひとり親家庭」とは、次に掲げる者が現に児童を扶養している家庭をいう。
(1) 配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあるものを含む。以下同じ。)と死別した女子又は男子であって、現に婚姻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあるものを含む。以下同じ。)していないもの
(2) 離婚した女子又は男子であって、現に婚姻をしていないもの
(3) 配偶者の生死が1年以上明らかでない女子又は男子
(4) 配偶者から引き続き1年以上遺棄されている女子又は男子
(5) 配偶者が精神又は身体の障害により、長期にわたって労働能力を失っている女子又は男子
(6) 配偶者が法令により長期にわたって拘禁されているため、その扶養を受けることが出来ない女子又は男子
(7) 婚姻によらないで母となった女子であって、現に婚姻していないもの
(8) 前各号に掲げる者に準ずる女子又は男子
(派遣対象)
第3条 ホームヘルパーの派遣対象となる家庭は、区内に住所を有する小学生以下の児童(以下「児童」という。)のいるひとり親家庭であって、当該ひとり親家庭の保護者が次の各号のいずれかに該当し、家事、育児等の日常生活に支障をきたすことにより、家事援助又は育児援助が必要な家庭その他区長が必要と認める家庭とする。
(1) 就労のため、一時的に児童の世話に支障があること。
(2) 求職活動をしていること。
(3) 技能習得のため教育訓練に通学していること。
(4) 親族等の冠婚葬祭にひとり親家庭の保護者が出席すること。
(5) ひとり親家庭の保護者が疾病のため自宅で安静療養していること。
(6) 日常の家事及び育児を行っている同居の児童の祖父母等が疾病のため自宅で安静療養していること。
(7) その他区長が必要と認める事由
(1) 港区産前産後家事・育児支援事業実施要綱(平成29年3月29日28港子セ第2077号)の規定に基づく訪問支援者の訪問支援を現に受けている期間にあるとき。
(2) 世帯員が伝染性の疾患を現に有し、又は有しているおそれのあるとき。
(3) 当該児の養育者が不在であるとき。ただし、第4条第1項第2号に該当する場合は除く。
(4) 第11条に規定する利用者負担金を滞納した場合
(5) ホームヘルパーに対して暴言、暴行、脅迫等の非行があったとき又はそのおそれがあるとき。
(6) この事業の趣旨を逸脱した利用があったとき。
(7) 介護保険法(平成9年法律第123号)に基づく訪問介護サービス等及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)に基づく居宅介護サービス等(以下「サービス等」という。)を受けているとき又は受けることができる状態にあるとき。ただし、事業の派遣対象でサービス等が提供されないサービスがある場合は、当該提供されないサービス等に対応する事業を利用できるものとする。
(8) 前各号に掲げるもののほか、ホームヘルパーが正常なサービスを行うに当たり、支障があると認められるとき。
(サービスの内容)
第4条 ホームヘルパーが行うサービスは、次に掲げる業務とする。
(1) 次に掲げる家事援助
ア 派遣当日分の食事の用意(調理、配膳及び片付け)
イ 大掃除に該当しない住居の掃除及び整理整頓
ウ 衣類の洗濯、アイロン掛け及び簡易な補修
エ 派遣当日に必要な分量の食材及び生活必需品の買い物
オ その他派遣対象のひとり親家庭の生活に必要な家事援助で直接的かつ日常的な業務
(2) 次に掲げる育児援助
ア 利用者の自宅における保育
イ 保育に使用した遊具等の片付け
ウ 利用者が用意した食事の世話、介助(あたため等簡易な準備、配膳及び片付けを含む。調理を除く。)
エ 区内の保育園、幼稚園、学童クラブと自宅の送迎とその前後の保育。ただし、当該施設職員等とホームヘルパーの間で児童の受渡しができる場合に限る。
オ 乳児の沐浴
カ その他派遣対象のひとり親家庭の生活に必要な育児援助で直接的かつ日常的な業務
2 ホームヘルパーは、次に掲げる行為は行わないものとする。
(1) 来客の対応、自家用車の洗車又は清掃等、利用者が自ら行うことが適当である行為
(2) 草むしり、花木の水やり、ペットの世話等ホームヘルパーが行わなくても日常生活に支障がない行為
(3) 家具、電気器具等の移動、修繕等、模様替え、大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけ、引っ越しに伴う梱包及び荷解き、室内外家屋の修理、ペンキ塗り、植木の剪定等の園芸、季節行事や冠婚葬祭等のために特別な手間をかけて行う調理等その他日常的に行われる家事の範囲を超える行為
(4) 病児の看病、看護等の専門知識、技術が必要な行為
(5) 商品の販売等の商業活動に関わる行為
(6) 前各号に掲げるもののほか、ホームヘルパーの支援内容として区長が適当でないと認める行為
3 第1項第1号に掲げる家事援助は、ホームヘルパーの派遣を受けようとするひとり親家庭の保護者(以下「申請者」という。)が在宅しているときに限り利用できるものとする。
4 第1項第2号に掲げる育児援助に係る児童の人数は、原則として室内の場合は2人、室外の場合は1人を上限とする。
(ホームヘルパー)
第5条 ホームヘルパーは、次に掲げる要件を具備しなければならない。
(1) 心身ともに健全であること。
(2) ひとり親家庭の福祉の向上に理解と熱意を有すること。
(3) 家事、介護及び育児の経験及び能力を有すること。
2 ホームヘルパーは、ひとり親家庭に派遣される際、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
(派遣回数及び派遣時間)
第7条 ホームヘルパーの派遣回数は、1世帯につき1日当たり1回とする。ただし、特段の理由により区長が派遣回数を増加する必要があると認めたときは、第10条第1項に規定する利用承認期間の範囲内で、その特段の理由が生じている期間に限り、1日当たり2回とすることができる。
2 ホームヘルパーの派遣時間は、午前7時から午後10時までの間で、原則として1回当たり2時間以上4時間まで(1時間単位)とし、1月当たりの上限は24時間とする。
4 前3項の規定にかかわらず、第3条第2項第7号ただし書の規定により事業を利用するときは、当該提供されないサービス等の内容等を勘案し、派遣時間を決定するものとする。
5 第2項に規定する1月当たりの派遣時間の上限には、キャンセル料が生じる期間にキャンセルした時間数を含むものとする。
(利用申請)
第8条 ホームヘルパーの派遣を受けようとするひとり親家庭の保護者(以下「申請者」という。)は、港区ひとり親家庭ホームヘルプサービス事業利用申請書(第1号様式)に次に掲げる書類を添えて区長に提出しなければならない。ただし、公簿等により確認ができる場合は、当該書類の添付を省略することができる。
(1) 児童扶養手当証書、ひとり親医療証、戸籍謄本(全部事項証明書)の写し等
(2) 世帯全員の住民票の写し
(3) 課税(非課税)証明書
(10) 前各号に掲げるもののほか、区長が必要と認める書類
(利用の承認の決定等)
第9条 区長は、前条の規定による申請があったときは、内容を審査し、利用の承認又は不承認を決定する。
(利用承認の期間)
第10条 利用承認の期間は、7月1日から翌年の6月30日までとする。ただし、7月2日以後に利用の承認を決定した場合は、利用の承認を決定した日から、最初に到来する6月30日までとする。
4 第1項の規定にかかわらず、児童が小学校を卒業する場合等ホームヘルパーの派遣対象でなくなることが明らかな事情がある場合は、利用承認の期間は、利用の承認を決定した日からホームヘルパーの派遣対象でなくなる日の前日の属する月の末までの期間内で定めるものとする。
2 利用者負担金の額の決定に当たっては、7月から12月までの利用期間については前年の、所得に1月から6月までの利用期間については前々年の所得に基づくものとする。
3 所得基準額に係る所得の額は、その所得が生じた年の翌年の4月1日が属する年度の市町村民税に係る総所得金額、退職所得金額、山林所得金額、土地等に係る事業所得等の金額、長期譲渡所得及び短期譲渡所得の金額並びに先物取引に係る雑所得等の金額の合計から、別表2に定める諸控除を行った後の額とする。
4 第2項の規定にかかわらず、次に掲げる事由による著しい支出増又は収入減があり、申請者の直近の経済状況が悪化したと認められる場合は、当該支出額又は減収相当額をもって所得額を算出することができる。
(1) 災害等による損失
(2) 退職、失業等
(3) 世帯員の増加
2 前項の利用券は、7月から翌年の6月までを四半期ごとに交付するものとする。ただし、特段の事情がある場合はこの限りではない。
3 利用券は、紛失等いかなる理由であっても再発行はしないものとする。
(利用承認の取消し)
第13条 区長は、次の各号のいずれかに該当するときは、利用承認を取り消すことができる。
(1) 利用者が偽りその他不正の手段により利用承認を受けたとき。
(2) 利用者が第3条第1項の要件に該当しなくなったとき。
(4) 利用者が第4条第2項各号に掲げる行為を強要したとき。
(5) 利用者がホームヘルパーの派遣を頻繁にキャンセルし、又は派遣時間の突然の変更を繰り返し行ったとき。
(7) 前各号に掲げるもののほか、区長が特に必要があると認めるとき。
(サービスの利用手続)
第15条 利用者がホームヘルパーの派遣により第4条第1項各号に規定するサービス(以下「サービス」という。)を受けようとする場合は、指定事業者ごとに定めるサービスを受けるために必要な登録手続を行い、受付期日までに指定事業者にサービスの提供を依頼するものとする。
2 利用者は、サービスの提供を受けたときは、必要事項を記載した利用券をホームヘルパーへ提出するとともに、港区ひとり親家庭ホームヘルプサービス事業利用承認決定通知書又は港区ひとり親家庭ホームヘルプサービス事業利用申請内容変更承認決定通知書に記載されている利用者負担金を、サービスを提供した指定事業者が定める方法により支払わなければならない。
3 キャンセル料が生じる期間に、利用者の都合によりサービスの利用をキャンセルした場合は、利用者は、当該指定事業者へその当該派遣時間数分の利用券を、キャンセルを申し出た日を含む7日以内に提出し、指定事業者が定める方法により利用者負担金を支払わなければならない。
(関係機関との連携)
第16条 区長は、事業の円滑な運営を図るため、関係機関と密接な連携を保つものとする。
(実施上の留意事項)
第17条 ホームヘルパーは、その業務を行うに当たって、対象者の人格を尊重し、当該家庭に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(台帳等の整備)
第18条 区長は、事業の実施に必要な利用者台帳等を作成した上、これを常時整備し、事業の適正な実施を図るものとする。
(委任)
第19条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、区長が別に定める。
付則
この要綱は、昭和62年4月1日から適用する。
付則
この要綱は、昭和63年7月1日から適用する。
付則
この要綱は、平成元年7月1日から適用する。
付則
この要綱は、平成2年4月1日から施行する。
付則
この要綱は、平成2年7月1日から適用する。
付則
この要綱は、平成3年4月1日から施行する。
付則
この要綱は、平成3年7月1日から施行する。
付則
この要綱は、平成4年7月1日から適用する。
付則
この要綱は、平成5年7月1日から適用する。
付則
この要綱は、平成6年7月1日から適用する。
付則
この要綱は、平成7年7月1日から施行する。
付則
この要綱は、平成8年7月1日から施行する。
付則
1 この要綱は、平成10年4月1日から施行する。
2 改正前の要綱第4条第1項第2号にもとづいて派遣を受けているひとり親家庭に対しては、区長が、必要と認めた場合、改正後の要綱の規定にかかわらず、平成10年9月30日までの間、なお派遣を継続するものとする。
付則
この要綱は、平成10年7月1日から施行する。
付則
この要綱は、平成12年4月1日から施行する。
付則
この要綱は、平成12年7月1日から適用する。
付則
この要綱は、平成16年4月1日から施行する。
付則
この要綱は、平成18年4月1日から適用する。
付則
この要綱は、平成20年4月1日から適用する。
付則
この要綱は、平成23年4月1日から適用する。
付則
この要綱は、平成24年4月1日から適用する。
付則
この要綱は、平成27年4月1日から適用する。
付則
1 この要綱は、令和3年4月1日から適用する。
2 この要綱の施行の際現にこの要綱による改正前の港区ひとり親家庭ホームヘルプサービス事業運営要綱第5条第2項の規定によるホームヘルパーの派遣登録の決定を受けている者は、区長が必要と認めた場合に限り、令和3年6月30日までの間、この要綱による改正後の港区ひとり親家庭ホームヘルプサービス事業運営要綱第9条第1項の規定による事業の利用の承認を受けている者とみなすものとする。
付則
この要綱は、令和4年7月1日から施行する。
別表1(第11条関係)
ひとり親家庭ホームヘルプサービス事業費用負担基準
階層区分 | 所得基準額 | 利用者負担額 | |||
2人世帯 | 扶養親族1人増えるごとに | 利用 1時間当たり | 前日キャンセル 1時間当たり | 当日キャンセル 1時間当たり | |
Ⅰ | 2,399,999円以下 | 左欄の額に、扶養親族等1人につき 380,000円を加算した額 | 0円 | 0円 | 0円 |
Ⅱ | 2,400,000円~3,604,000円 | 100円 | 50円 | 100円 | |
Ⅲ | 3,604,001円~4,339,000円 | 250円 | 125円 | 250円 | |
Ⅳ | 4,339,001円~5,694,000円 | 510円 | 255円 | 510円 | |
Ⅴ | 5,694,001円~6,664,000円 | 770円 | 385円 | 770円 | |
Ⅵ | 6,664,001円~7,718,000円 | 1,030円 | 515円 | 1,030円 | |
Ⅶ | 7,718,001円以上 | 1,290円 | 645円 | 1,290円 |
備考
1 この表において「扶養親族等」とは、所得税法(昭和40年法律第33号)に規定する扶養親族及び控除対象配偶者をいう。
2 この表において「2人世帯」とは、ひとり親家庭の親に扶養親族等が1人ある場合をいう。
3 扶養親族等が所得税法に規定する老人扶養親族、老人控除対象配偶者又は特定扶養親族(以下「老人扶養親族等」という。)である場合は、この表に基づく所得基準額に、当該老人扶養親族等1人につき100,000円を加算するものとし、扶養親族等が所得税法に規定する特定扶養親族である場合は、この表に基づく所得基準額に、当該特定扶養親族1人につき250,000円を加算するものとする。
別表2(第11条関係)
諸控除表
所得控除等の種類 | 控除額 | |
1 | 地方税法第314条の2第1項第1号の規定による雑損控除 | 控除相当額 |
2 | 地方税法第314条の2第1項第2号の規定による雑損医療費控除 | 控除相当額 |
3 | 地方税法第314条の2第1項第4号の規定による小規模企業共済等掛金控除 | 控除相当額 |
4 | 地方税法第314条の2第1項第6号の規定による障害者控除 | 1人につき270,000円 |
5 | 地方税法第314条の2第1項第6号の規定による特別障害者控除 | 1人につき400,000円 |
6 | 地方税法第314条の2第1項第8号の規定による寡婦控除 | 270,000円 |
7 | 地方税法第314条の2第1項第8号の2の規定によるひとり親控除 | 350,000円 |
8 | 地方税法第314条の2第1項第9号の規定による勤労学生控除 | 270,000円 |
9 | 地方税法第314条の2第1項第10号の2の規定による配偶者特別控除 | 380,000円以内 |
10 | 地方税法附則第6条第4項に規定する肉用牛の売却の農業所得等の免税 | 免税相当額 |
11 | 社会保険料相当額 | 一律80,000円 |
(注)所得税法に基づく生命保険料控除、地震保険料控除及び寄附金控除は、控除の計算に含まない。