○港区立学校におけるハラスメントの防止に関する要領
平成12年10月1日
12港教指第613号
(目的)
第1条 この要領は、区立学校(港区立小学校・中学校及び港区立幼稚園をいう。以下同じ。)におけるセクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント及び妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント(以下「ハラスメント」という。)の防止のための措置並びにハラスメントに起因する問題が生じた場合に適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
(1) セクシュアル・ハラスメント 職員が、職場において他の職員(直接的な被害者に限らず、当該行為等により職場環境等を害されたすべての者を含む。以下同じ。)を不快にさせる性的な言動をいう。
(2) パワー・ハラスメント 職務上の力関係で優位にある職員が、職場において他の職員に対し、本来業務の適正な範囲を超えて人格や尊厳を侵害する言動をいう。
(3) 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント 職員が、職場において他の職員に対し、妊娠若しくは出産又は妊娠、出産、育児若しくは介護に関する制度若しくは措置の利用に関し、当該職員の勤務環境を害するような言動をいう。
(4) ハラスメントに起因する問題 ハラスメントのため、職員の職場環境が害されること及びハラスメントへの対応に起因して職員が勤務条件につき不利益を受けることをいう。
(5) 職場 職員が業務を行うすべての場所をいい、職員が通常勤務している場所以外の場所も含まれる。また、勤務時間外の会席等であっても、実質的に職場の延長と見なされる場合はその場所も含むものとする。
(6) 職員 教職員、非常勤職員、非常勤講師に限らず、人材派遣契約、業務委託契約等による業務従事者やボランティアなど区立学校で働くすべての者をいう。
(適用範囲)
第3条 この要領は職員同士の問題及び職員と児童生徒、保護者等との関係についての問題について適用する。
2 前項の規定にかかわらず、ハラスメントを受けた者が教育職員を除く区費職員である場合は、港区職員のハラスメントの防止等に関する要綱(平成22年3月1日21港総人第2120号)を適用する。
(禁止事項)
第4条 職員は、職場において、男女が対等平等な関係で快適に働くことができる職場環境を保持する義務を負うとともに、職場内において次の各号に掲げるセクシュアル・ハラスメントをしてはならない。
(1) 性的な冗談やからかい、意図的な性的なうわさ及び個人的な性的体験等の性的な発言並びに性別による差別発言
(2) 卑わいな写真等配布や掲示、身体を執ように眺め回す等の視覚による性的な行為
(3) 性的関係の強要、身体への不必要な接触、食事等の執ような誘い、執ような電話やメール、尾行等の性的な行動
(4) その他職員に不快感を与える行為
2 職員は、職場において、職位、役職若しくは雇用形態又は性別若しくは年齢等にかかわらず、職場の職員に対して敬意の念を持って接し、職場における良好な人間関係及び協力関係を保持する義務を負うとともに、次の各号に掲げるパワー・ハラスメントをしてはならない。
(1) 侮辱的な言動や嫌がらせ、乱暴な言動、噂の流布等により、職場環境を悪化させたり、職員を身体的・精神的に傷つける行為
(2) 不当な人事、解雇、配置転換等不利益を与える行為や雇用不安を与えるような言動
(3) 職員の就業意欲を極端に低下させ、能力の発揮を阻害するような叱責、指導又は教育
(4) 集団で特定の職員を侮辱したり、孤立させる行為
(5) その他職員に不快感を与える行為
3 前項第3号に掲げる行為については、本来の業務範囲における必要な指導等をも妨げるものではない。
4 職員は、職場において、他の職員を業務遂行上対等な関係として認め、職場における健全な秩序及び協力関係を保持する義務を負うとともに、次の各号に掲げる妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントをしてはならない。
(1) 妊娠又は出産したことにより、解雇その他不利益な取扱いを示唆する言動
(2) 妊娠又は出産したことに対する嫌がらせ
(3) 妊娠、出産、育児又は介護に関する制度や措置の利用等に関し、解雇その他不利益な取扱いを示唆する言動
(4) 妊娠、出産、育児又は介護に関する制度や措置の利用等を阻害する言動
(5) 妊娠、出産、育児又は介護に関する制度や措置を利用したことによる嫌がらせ
(教育長の責務)
第5条 教育委員会教育長(以下「教育長」という。)は、職員がその能力を十分に発揮できるような就業環境を確保するため、ハラスメントの防止に努めるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。
2 教育長は、ハラスメントに関する相談及び苦情の申出(以下「相談・苦情」という。)、相談・苦情に係る調査への協力その他ハラスメントに対する職員の対応に起因して、当該職員が職場において不利益を受けることがないよう配慮しなければならない。
(研修等)
第6条 教育長は、ハラスメントの防止を図るため、職員に対し必要な研修等を実施しなければならない。
(ハラスメント防止委員会の設置)
第7条 ハラスメントの防止及び適切な対応に当たるため、ハラスメント防止委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会は、委員長及び委員をもって構成する。
3 委員長は、教育委員会事務局学校教育部教育人事企画課長をもって充て、委員会を総括する。
4 委員は、同事務局教育推進部教育長室長、同部教育長室教育総務係長及び同事務局学校教育部教育人事企画課教職員人事係長、同課教育人事担当係長の職にある者をもって充てる。
(相談窓口の設置)
第8条 職員等から相談・苦情を受け、事実関係を調査し、必要な措置を行うため、相談窓口を設置する。
2 相談窓口にハラスメント相談員(以下「相談員」という。)を置く。
3 相談員は、常勤の一般職員の内から教育長が選任する。この場合において、教育長は女性を1名以上選任するよう努めるものとする。
(相談員の職務)
第9条 相談員は、ハラスメントに関する事案(以下「事案」という。)について職員等から相談・苦情を受けた場合は、相互に連携、協力して相談処理に当たり、当該職員等に対し適切な指導及び助言を行う。
2 相談員は、前項に規定する指導及び助言を行うため、ハラスメントを受けたとされる職員等(以下「被害者」という。)、ハラスメントを行ったとされる職員(以下「加害者」という。)及びこれらの関係者から事情聴取を行うことができる。
3 相談窓口が委員会で処理することが適当と判断した場合又は相談・苦情の申出人が委員会での処理を申し出た場合は、相談窓口は、委員会の開催を要求しなければならない。
4 相談窓口は、必要に応じ区長部局の苦情処理担当窓口と連携、協力して相談処理を行う。
(校長の職務)
第10条 校長は、ハラスメント予防のための啓発を行わなければならない。また、職員等から相談・苦情を受けた場合は、直ちに相談窓口へ報告しなければならない。
(相談・苦情の申出)
第11条 相談・苦情の申出は、被害者に限らず、すべての職員等が校長又は相談窓口(相談員)のいずれかに対して行うことができる。
2 申出の方法は、面談、電話又は文書によることとする。
(プライバシーの保護等)
第12条 委員会の委員長及び委員並びに相談員は、相談・苦情に対応するに当たって、職員等のプライバシーに十分配慮し、知り得た秘密は厳守しなければならない。
(事実関係の調査)
第13条 相談窓口は、相談員若しくは校長から事案の報告を受けたとき又は職員等から直接相談・苦情を受けたときは、事実関係を明らかにするため、速やかに必要な調査を行わなければならない。
2 前項に規定する事案の関係者は、相談窓口の調査に協力しなければならない。
(措置の決定)
第14条 相談窓口は、公正な調査の結果ハラスメントの事実が確認された場合、必要に応じて次に掲げる措置を講じるものとする。
(1) 被害者と加害者の関係の改善に向けての支援
(2) 被害者の勤務条件上の不利益の回復
(3) 加害者に対する人事管理上の措置
(4) その他必要な措置
(庶務)
第15条 委員会の庶務は、教育委員会事務局学校教育部教育人事企画課が担当する。
(その他)
第16条 この要領に定めるもののほか必要な事項は、教育長が定める。
付則
この要領は、平成12年10月1日から施行する。
付則
この要領は、平成18年4月1日から施行する。
付則
この要領は、平成27年9月1日から施行する。
付則
この要領は、平成29年1月1日から施行する。
付則
この要領は、平成30年4月1日から施行する。
付則
この要領は、令和2年4月1日から施行する。