○港区奨学資金事務取扱要領

平成18年3月30日

17港教庶第767号

(総則)

第1条 この要領は、港区奨学資金に関する条例(昭和34年港区条例第5号。以下「条例」という。)及び港区奨学資金に関する条例施行規則(昭和53年港区規則第34号。以下「規則」という。)に基づき実施する港区奨学資金貸付、給付及び返還業務の円滑かつ適正な運用を図るため定めるものである。

(定義)

第2条 この要領における用語の意義は、条例及び規則による。

(奨学生の資格)

第3条 条例第2条に定める奨学生の資格に関する事項は、次に定めるところによるものとする。

(1) 条例第2条第2号に定める経済的理由とは、原則として、貸付奨学生の場合は、奨学生の生計を維持する者のうち、所得金額が一番多い者(主たる生計維持者)の前年の所得から、財団法人日本学生支援機構の大学、専修学校専門課程第一種奨学生採用候補者推薦基準に基づき算出した認定所得金額が、同基準に定める収入基準額を超えないことをいい、給付奨学生の場合は、奨学生の生計を維持する者の当年度分の区市町村民税のうち所得割課税額を合算した額が、条例第3条の2に定める別表第1及び第2の給付額区分の範囲内であるものとする。

(2) 条例第2条第4号に定める同種の奨学金とは、財団法人日本学生支援機構又は他の地方公共団体等から貸付を受けている奨学金とし、給付による奨学金を除いたものをいう。

(3) 条例第2条第5号に定める学業成績が特に優れていることとは、独立行政法人日本学生支援機構に関する省令(平成16年文部科学省令第23号)第23条の2第2項及び3項に基づくものとする。

(奨学生の募集)

第4条 奨学生の募集は、おおむね次に掲げる期間に行うものとする。

(1) 予約募集(進学予定者対象)

採用前年度の11月下旬から1月初旬

(2) 第1回募集(在学生対象)

採用年度の5月中旬から6月中旬

(3) 第2回募集(在学生対象)

採用年度の7月中旬から9月中旬

(奨学金の申請)

第5条 奨学金の貸付又は給付を受けようとする者(以下「申請者」という。)規則第2条に定める奨学金貸付申請書(規則第1号様式)及び奨学金給付申請書(規則第2号様式)のほか、次に掲げる書類を添えて申請をしなければならない。

(1) 申請者の世帯における所得のある者全員に係る住民税課税証明書類。

(2) 申請者が港区外に居住している場合は、その者の世帯の全員に係る住民票の写し(本籍地記載、発行後3ヶ月以内のもの)

(3) 申請者が港区外に居住している外国人の場合は、その者の世帯全員に係る住民票の写し(発行後3ヶ月以内のもの)

(4) 在学校の校長又は学長が発行した推薦調書

(5) 学業成績を証明する書類又は学修意欲を確認できる書類

(6) 必要に応じて区長が求める書類

なお、(1)については、港区の課税台帳により所得が確認できる場合は省略することができる。

(奨学金申請の審査)

第6条 条例第2条に定める資格及び申請書の記載内容等の審査に関して、区長が必要と認めるときは、関係する官公署及び事業所等に事実確認の調査をする。

(奨学金の請求書等の提出)

第7条 奨学生決定通知を受けた奨学生は、奨学金の請求書を提出しなければならない。また、貸付奨学生は、請求書のほか規則第6条第3項に定める奨学金借用証書(規則第10号様式)に連帯保証人の印鑑登録証明書を添えて提出しなければならない。

(返還方法の決定)

第8条 規則第13条に定める奨学金の返還方法は奨学生が提出する奨学金返還計画書(規則第24号様式。以下「返還計画書」という。)に基づき決定する。

2 奨学生から奨学金返還計画書が提出されないときは、区長は相当の期限を定め、奨学生に返還計画書の提出を求める。

3 定めた期限までに返還計画書が提出されないときは、区長は条例第8条第1項に基づき返還方法を定め、奨学生に通知する。

4 返還の期限は、月賦の場合においては毎月末、半年賦及び年賦の場合においては、該当月の末日とする。ただし、その日が金融機関の休業日等にあたる場合は、翌営業日とする。

(歳入調定等)

第9条 区長は、前条に基づき返還方法を決定した後、当該年度中に納付期限の到来するものは、年度当初に一括して調定する。ただし、半年賦及び年賦の場合においては、返還開始月に当該年度分を一括して調定する。

2 区長は歳入調定後、直ちに奨学資金管理システムに調定金額、納付期限及び返還方法を記録する。

(返還金の納入)

第10条 返還金の納入は、原則として奨学生であった者が指定した口座から口座振替の方法により行うものとする。ただし、区長がやむを得ない事情があると認めた場合は、他の方法によることができる。

2 区長は、口座振替の方法によらずに返還をする者に対し、歳入調定に基づき納入通知書を作成し、送付する。

3 口座振替の方法により返還をする者に対しては、納入通知の送付を省略することができる。

(変更届等)

第11条 奨学生又は奨学生であった者等が規則第11条に定める届け出をするときは、理由に応じてその事実を証明する書類を添付するものとする。

(返還方法の変更及び猶予)

第12条 規則第14条第1項及び第3項に定める奨学金返還方法変更申請書(規則第25号様式)及び奨学金返還猶予申請書(規則第27号様式)には、理由に応じてその事実を証明する書類を添付するものとする。

2 前項の申請は、返還を開始していない者にあっては、条例第8条第1項に定める返還開始の期限までに、返還中の者にあっては、返還期限の到来する前に行わなければならない。ただし、区長がやむを得ない事情があると認めた場合は、期限の到来後も申請することができる。

3 前項の申請は、条例第8条第1項に定める期間を超えないように留意する。

4 区長が真にやむを得ない事情があると認める場合は、第1項及び前項の規定によらず、返還方法を変更することができる。

(奨学金の返還免除)

第13条 規則第15条第1項及び第3項に定める奨学金返還免除申請書(第29号様式)には、当該事実を証明する書類を添付するものとする。

2 条例第9条第1項に定める死亡の場合及び別表第1(障害程度区分)の第1級に該当する場合は、未返還額の全額を免除することができる。また、別表第1(障害程度区分)の第2級に該当する場合は、未返還額の4分の3を免除することができる。

3 条例第9条第1項に該当する場合の免除額は、奨学生であった者の返還能力に応じて決定するものとする。

4 規則第15条第3項に定める区長が認める国家資格とは、社会福祉士、介護福祉士、保育士、保健師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士とする。

(収納事務)

第14条 区長は、返還金の納入があったときは、口座振替の日又は納入済通知書の領収年月日をもって奨学資金管理システムに返還額及び返還日を記録する。

2 同一の返還月について重複して納入があったときは、滞納がある場合は返還期限の最も古いもの、滞納のない場合は直近に返還期限が到来するものに充当するものとする。

(督促)

第15条 区長は、奨学生であった者が返還期限までに返還金を納入しないときは、15日以内の納入期限を定めて、奨学生であった者に督促を行う。

2 督促は複数月分をまとめて行うことができる。

3 区長は督促をしても納入がないときは、次に定める方法により返還を促進する。

(1) 奨学生であった者に対して、再度15日以内の納入期限を定めて催告するとともに、連帯保証人に対して返還の協力を要請する旨を通告する。

(2) 前号の催告をしても納入、連絡がないときは、連帯保証人に対して返還の協力を要請する。

(3) 前号の要請にもかかわらず、相当の期限までに納入のないときは、連帯保証人に対しても第1項及び第2項に準じて督促を行う。

4 第1項及び前項により債務履行の請求を行っても奨学生であった者及び連帯保証人が返還を怠っているときは、区長は次に定める措置をとることができる。

(1) 奨学生であった者及び連帯保証人に対し、内容証明郵便により返還未済額の全額一括返還を請求する。

(2) 前号の請求を行っても期限までに返還に応じない場合、区長が必要と認めるときは、訴訟手続きにより債務履行の請求を行う。

(債権管理等)

第16条 区長は、奨学生及び奨学生であった者又は連帯保証人が規則第11条に定める届出を怠り、住所等が不明の場合は、規則第17条の規定に基づき、住所調査、近隣調査、勤務先の調査等を行い、居所の把握に努める。

2 前項の調査等にもかかわらず居所が判明せず、債務が履行されないときは、その債権を債務者行方不明の債権として分類し、管理する。

(職権による返還免除)

第17条 返還金の債権について、時効相当(民法に定める消滅時効の完成に必要な期間が満了している状態をいう。)期間が経過し、かつ奨学生、奨学生であった者及び連帯保証人並びに相続人等の債務者が次に定める状況にあるときは、区長は、職権で奨学金の返還を免除することができる。

(1) 奨学生、奨学生であった者及び連帯保証人並びに相続人等の債務者のいずれも死亡又は重度の心身障害の状態にあり、明らかに規則第14条に定める返還免除の申請ができないとき。

(2) 時効期間経過後、前条に定める調査を行ったにもかかわらず、2年以上所在不明又はそれと同等の状態にあり、かつ今後も長期にわたってその状態が続くと認められるとき。

(委任)

第18条 この要領に定めるものの他、港区奨学資金の事務取扱いに関して必要な事務は区長が別に定める。

この要領は、平成18年4月1日から施行する。

この要領は、平成20年4月1日から施行する。

この要領は、平成24年7月9日から施行する。

この要領は、令和3年4月1日から施行する。

別表第1(障害程度区分)

第1級

1 心神喪失の状況にあるもの。

2 両眼の視力が0.02以下に減じたもの。

3 片目の視力を失い、他方の目の視力が0.06以下に減じたもの。

4 そしゃくの機能を失ったもの。

5 言語の機能を失ったもの。

6 手の指を全部失ったもの。

7 常に床について複雑な看護を必要とするもの。

8 前各号に掲げるものの外精神又は身体の機能に高度な障害を残し、労働能力を喪失したもの。

第2級

1 両眼の視力が0.1以下に減じたもの。

2 鼓膜の大部分を欠損その他により、両方の聴力が耳かくに接しなければ大声を解し得ない程度以上のもの。

3 そしゃく及び言語、又はそしゃく若しくは言語の機能に著しい障害を残すもの。

4 せき柱の機能に著しい障害を残すもの。

5 片手を腕関節以上で失ったもの。

6 片足を足関節以上で失ったもの。

7 片手の三大関節中二関節又は三関節の機能を失ったもの。

8 片足の三大関節中二関節又は三関節の機能を失ったもの。

9 片手の五つの指又は親指及び人差指をあわせて四つ失ったもの。

10 足の指全部を失ったもの。

11 せき柱、胸かく、骨盤軟部組織の高度の障害、変形などにより、労働能力が著しく阻害されたもの。

12 半身不随により、労働能力が著しく阻害されたもの。

13 前各号に掲げるものの外精神又は身体の機能に著しい障害を残し、労働能力に高度の制限を有するもの。

様式(省略)

港区奨学資金事務取扱要領

平成18年3月30日 港教庶第767号

(令和3年4月1日施行)