○港区財務書類作成基準

平成23年10月1日

23港会第526号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 貸借対照表

第1節 総則(第5条・第6条)

第2節 資産

第1款 総則(第7条)

第2款 固定資産

第1目 総則(第8条)

第2目 有形固定資産(第9条―第19条)

第3目 無形固定資産(第20条・第21条)

第4目 投資その他の資産(第22条―第27条)

第3款 流動資産(第28条―第37条)

第3節 負債

第1款 総則(第38条)

第2款 固定負債(第39条―第44条)

第3款 流動負債(第45条―第53条)

第4節 純資産(第54条―第56条)

第3章 行政コスト計算書

第1節 総則(第57条・第58条)

第2節 経常費用(第59条―第74条)

第3節 経常収益(第75条―第77条)

第4節 臨時損失(第78条―第83条)

第5節 臨時利益(第84条―第86条)

第4章 純資産変動計算書(第87条―第99条)

第5章 資金収支計算書

第1節 総則(第100条―第102条)

第2節 業務活動収支(第103条―第115条)

第3節 投資活動収支(第116条―第126条)

第4節 財務活動収支(第127条―第133条)

第6章 注記(第134条―第138条)

第7章 連結(第139条―第144条)

第8章 その他(第145条―第147条)

付則

別記

第1章 総則

(目的)

第1条 この基準は、財務書類の作成に関して必要な事項を定めることにより、資産・債務の適正な管理、区民に対する説明責任の適切な履行及び行政経営力の強化に資することを目的とする。

(体系)

第2条 財務書類の体系は、総務省「統一的な基準による地方公会計マニュアル」(以下「総務省マニュアル」という。)が定める統一的な基準による貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書並びにこれらに関する事項についての注記及び附属明細書とする。

(作成基準日)

第3条 財務書類の作成基準日(以下「基準日」という。)は、会計年度末(3月31日)とする。ただし、会計年度末から地方自治法(昭和22年法律第67号)第235条の5に定める出納の閉鎖までの期間における歳入及び歳出並びにそれに伴う資産及び負債の増減等を反映した後の数値をもって会計年度末の数値とする。

(対象範囲)

第4条 この基準の対象範囲は、一般会計等及び特別会計とする。

第2章 貸借対照表

第1節 総則

(作成目的)

第5条 貸借対照表は、基準日現在における区の資産、負債及び純資産の状況を明らかにすることを目的として作成する。

(貸借対照表の区分)

第6条 貸借対照表は、資産の部、負債の部及び純資産の部に区分する。

2 資産の部及び負債の部は、固定性配列法により表示するものとし、当該配列法における流動及び固定の区分は、一年基準に従い、基準日の翌日から1年以内に回収又は履行の期限が到来するものを流動資産又は流動負債とし、それ以外のものを固定資産(有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産)及び固定負債とする。

第2節 資産

第1款 総則

(資産の区分)

第7条 資産は、固定資産及び流動資産に区分する。

第2款 固定資産

第1目 総則

(固定資産の区分)

第8条 固定資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に区分する。

第2目 有形固定資産

(有形固定資産の区分)

第9条 有形固定資産は、事業用資産、インフラ資産及び物品に区分する。ただし、取得価額が100万円未満又は耐用年数が1年以下の減価償却資産は、有形固定資産として取り扱わない。

(事業用資産)

第10条 事業用資産は、インフラ資産及び物品以外の有形固定資産で次に掲げる種類ごとに計上する。

(1) 土地

(2) 立木竹

(3) 建物

(4) 工作物

(5) 船舶

(6) 浮標等

(7) 航空機

(8) 建設仮勘定

(9) その他

(インフラ資産)

第11条 インフラ資産は、システム若しくはネットワークの一部であること、性質が特殊なものであり、かつ、代替的利用ができないこと、移動させることができないこと又は処分に関し制約を受けることといった特徴を有するものとし、次に掲げる種類ごとに計上する。

(1) 土地

(2) 建物

(3) 工作物

(4) 建設仮勘定

(5) その他

(物品)

第12条 物品は、地方自治法第239条第1項に規定するもので、原則として、取得価額又は見積価格が100万円以上の場合に資産として計上する。

(事業用資産の評価及び計上額)

第13条 開始貸借対照表作成時の事業用資産は、原則として、次に掲げる方法により算定した再調達価額により評価し、当該評価額をもって計上する。ただし、この方法により算定した場合、当該土地の実態を適切に示すことができないと判断されるときは、他の合理的な方法により再調達価額を算定することができる。

(1) 東京都の固定資産税評価額の同一地目・一定の地域ごとの平均単価を算定し、当該土地の面積を乗じて得た額

(2) 固定資産税概要調書の地目別平均単価の額(前号による算定が困難な場合に限る。)

2 開始貸借対照表作成時の事業用資産のうち土地以外の計上額は、原則として、次に掲げる方法により算定した再調達価額から開始貸借対照表作成年度までの減価償却累計額を控除した額を計上する。

(1) 当該資産の取得価額が判明している場合は、物価・貨幣価値の変動を考慮するため、取得価額に総務省「新地方公会計制度実務研究会報告書」(以下「実務研究会報告書」という。)別表B5及びB8に記載されているデフレータ(物価指数)を乗じて得た額

再調達価額=取得価額(事業費)×デフレータ(物価指数)

開始時簿価=再調達価額-減価償却累計額

(2) 当該資産の取得価額が判明していない場合は、建物構造物別・用途別の単価表(社団法人全国市有物件災害共済会が定めたもの)等を用いて算定した額

再調達価額=再調達のために必要な事業量×単価

=不動産鑑定評価額

開始時簿価=再調達価額-減価償却累計額

3 事業用資産のうち、開始貸借対照表作成後の土地については、原則として、取得価額により評価し、当該評価額をもって計上する。この場合において、土地の取得価額は、次に掲げる額を含むものとする。

(1) 土地購入対価

(2) 購入手数料

(3) 測量・登記費用

(4) 造成費及び造成関連費

(5) その他当該土地が稼動し、又は供用を開始するまでの間に要する費用

4 事業用資産のうち、開始貸借対照表作成後の土地以外については、原則として、取得価額から減価償却累計額を控除した額により評価し、当該評価額をもって計上する。この場合において、取得価額は、次に掲げる額を含むものとする。

(1) 当該資産の購入対価(工事費)

(2) 消費税

(3) 購入手数料

(4) 測量・登記費用

(5) 運送費

(6) 据付費

(7) 試運転費

(8) その他当該資産が稼動し、又は供用を開始するまでの間に要する費用

(インフラ資産の評価及び計上額)

第14条 インフラ資産は、次項から第5項までに定める方法により評価し、当該評価額をもって計上する。

2 開始貸借対照表作成時のインフラ資産のうち、土地(道路の底地等)の評価は、道路の底地とその上部構造の工作物等が不可分一体(当該工作物等が移動不可能又は移動しないものと想定される事例等)と認められる場合は、原則として、当該底地の取得価額により評価する。ただし、取得価額が不明な場合(無償取得分を含む。)は、路線価を基礎として面積単価を算定し、道路面積を乗じて得た額により評価する。

3 開始貸借対照表作成時のインフラ資産のうち、道路の底地上に整備された上部構造工作物等は、次のとおり区分し、それぞれ別途定めた単価を用いて評価する。

道路構造物

種別

区分

車道舗装

中級舗装

高級舗装

インター・タイル舗装

歩道舗装

アスコン14型

インター・タイル舗装

L型側溝

街渠

道路附属設備

種別

区分

防護柵

ガードパイプ

Uパイプ

ボラード

カーブミラー

一面鏡

二面鏡

標識類

交通標識

坂名標識

街路灯

Ⅰ型

独立

共架

Ⅱ型

独立

共架

Ⅲ型

独立

共架

デザイン灯

独立

共架

4 開始貸借対照表作成後のインフラ資産については、原則として、取得価額により評価するものとし、当該取得価額は、前条第3項各号及び同条第4項各号に定める額を含むものとする。

(物品の評価及び計上額)

第15条 物品は、原則として、取得価額で評価し、当該評価額から減価償却費を控除した額をもって計上する。ただし、開始貸借対照表作成時における評価において取得価額が不明な物品については、再調達価額から、開始貸借対照表作成時までの減価償却累計額を控除した額を計上するものとする。

(リース資産の取扱い)

第16条 所有権移転ファイナンス・リース取引により調達した固定資産については、原則として、リース料総額から利息費用相当額を控除した額を資産及び負債に計上する。ただし、以下の各号に掲げる要件を満たす場合は、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて処理することができる。

(1) 重要性が乏しい償却資産について、購入時に費用処理することが採用されている場合で、リース料総額が当該基準以下のリース取引

(2) リース期間が1年以内のリース取引

(3) 区の活動において重要性の乏しいもので、リース契約1件あたりのリース料総額(維持管理費相当額又は通常の保守等の役務提供相当額のリース料総額に占める割合が重要な場合には、その合理的見積額を除くことができる。)が300万円以下のリース取引

(建設仮勘定の評価及び計上額)

第17条 建設仮勘定は、資産が公共の用に供するまでの間に生じた当該資産に係る支出累計額を計上する。

(売却可能資産の取扱い)

第18条 売却可能資産は、次の各号のいずれかに該当する資産とし、売却可能価額を注記する。

(1) 次年度予算において、財産収入として措置されている資産

(2) 港区公有財産管理運用委員会規則(昭和43年港区規則第2号)に基づき設置された港区公有財産管理運用委員会において売却が承認された資産

2 売却可能価額は、原則として、不動産鑑定士等、資産評価の専門家による鑑定評価によって算定された当該資産の実態が反映された金額とする。ただし、必要と認める場合は、次に掲げる方法により評価することを妨げない。

(1) 売却可能資産が土地の場合 東京都の固定資産税評価額を基準として平均単価を算定し、当該土地の面積を乗じる。この場合において、補正率等を考慮することで、より実態に則した評価ができる場合は、当該補正率等を考慮する。

(2) 売却可能資産が建物であってその取得価額が判明している場合 取得価額に実務研究会報告書の別表B5及びB8に記載されているデフレータを乗じる。

(3) 売却可能資産が建物であってその取得価額が判明していない場合 建物構造物別・用途別の単価表(社団法人全国市有物件災害共済会が定めたもの)等を用いて算定する。

(4) 売却可能資産が建物及びその敷地の場合 原則として、建物と敷地を一体として評価する。ただし、必要と認めるときは、前3号に規定する方法により、売却可能資産を建物とその敷地に分け、個々別々に評価することができる。

3 売却可能価額の再評価に当たっては、原則として、前項の方法により行うものとする。ただし、これにより難いときは、前年度末の評価額を適切に補正した額をもって評価することができる。

(減価償却)

第19条 有形固定資産(土地、立木竹、美術品・骨董品・歴史的建造物及び建設仮勘定を除く。)は、残存価額を零として定額法により減価償却を行う。

2 耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)の定めるところによる。

3 固定資産の備忘価額は、1円とする。

4 第1項の規定にかかわらず、インフラ資産の工作物(道路の底地と一体である工作物のうち橋りょう、トンネル、駐輪場、電線共同溝を除く構造物及び付属物)については、取替法を適用する。

第3目 無形固定資産

(無形固定資産)

第20条 無形固定資産は、次に掲げるものであって、現に公用若しくは公共用に供し、又は将来公用若しくは公共用に供することを目的として所有するものとする。ただし、取得価額が100万円未満又は耐用年数が1年以下の減価償却資産は、無形固定資産として取り扱わない。

(1) 地上権

(2) 特許権

(3) 地役権

(4) 著作権

(5) ソフトウェア

(6) その他これらに準ずるもの

2 無形固定資産の貸借対照表上の表示は、原則として、「ソフトウェア」と「その他」に区分して表示し、前項各号におけるソフトウェア以外の無形固定資産については、その他に区分して表示する。ただし、金額的に重要性が高いものについては、当該科目を区分して表示することができる。

(無形固定資産の評価及び計上額)

第21条 無形固定資産は、原則として、取得価額により評価し、当該評価額をもって計上する。ただし、開始貸借対照表作成時における評価において取得価額が不明な無形固定資産については、再調達価額により評価し、当該評価額をもって計上する。

2 無形固定資産のうちソフトウェアについては、前項の規定にかかわらず、第13条第2項及び同条第4項の規定に基づき評価し、当該評価額をもって計上する。

3 ソフトウェア仮勘定は、資産が公共の用に供するまでの間に生じた当該財産に係る支出累計額を計上する。

第4目 投資その他の資産

(投資その他の資産の区分)

第22条 投資その他の資産は、投資及び出資金、投資損失引当金、長期貸付金、基金、長期延滞債権、その他並びに徴収不能引当金に区分する。

2 前項の投資及び出資金は、有価証券、出資金及びその他に区分する。

3 第1項の基金は、減債基金及びその他に区分する。

(投資及び出資金の評価及び計上額)

第23条 投資及び出資金のうち、有価証券は港区が保有している債券等を計上し、出資金は公有財産として管理されている出資等を計上し、その他は有価証券及び出資金以外の投資及び出資金を計上する。

2 有価証券は、満期保有目的有価証券及び満期保有目的以外の有価証券に区分する。

3 満期保有目的有価証券は、満期まで保有する意図をもって保有している債券をいい、償却原価法により算定した価額をもって計上する。

4 満期保有目的以外の有価証券、出資金及びその他(以下、「満期保有目的以外の有価証券等」という。)のうち、市場価格のある満期保有目的以外の有価証券等については、基準日の時価により評価し、当該評価額をもって計上する。この場合において、時価と取得価額との間に差額が生じるときは、洗替方式により当該差額を純資産変動計算書の資産評価差額に計上する。

5 市場価格のある投資及び出資金の基準日時価が、取得価額に比して30%以上下落した場合は、回復する見込みがあると認められる場合を除き、基準日時価と取得価額又は償却原価との差額を臨時損失(その他)として行政コスト計算書に計上し、翌年度以降は当該時価を取得価額とみなす。

6 満期保有目的以外の有価証券等のうち、市場価格のないものは、取得価額又は償却原価をもって計上する。

7 市場価格のない投資及び出資金については、毎年度実質価額の算定を行う。この場合において、実質価額とは、投資・出資先法人等の純資産のうち、区の出資割合相当額のことをいう。

8 市場価格のない投資及び出資金のうち連結対象団体以外に対する投資及び出資金について、実質価額が取得価額に比して30%以上下落した場合は、実質価額と取得価額との差額を臨時損失(その他)として行政コスト計算書に計上し、翌年度以降は当該実質価額を取得価額とみなす。

9 市場価格のない投資及び出資金のうち連結対象団体に対する投資及び出資金について、実質価額が取得価額に比して30%以上下落した場合は、実質価額と取得価額との差額を投資損失引当金繰入額として行政コスト計算書に計上するとともに、同額を投資損失引当金に計上する。

(投資損失引当金の評価及び計上額)

第24条 前条第9項の規定により行政コスト計算書の投資損失引当金繰入額に計上した額は、投資損失引当金に負数で計上するものとする。

2 前年度の貸借対照表に投資損失引当金が計上されている場合は、前年度計上額を加算した額を計上する。

(長期貸付金の評価及び計上額)

第25条 長期貸付金は、年度末貸付金総残高のうち、返済歳入調定年度未到来残高から短期貸付金を除いたものを計上する。

2 年度末貸付金総残高のうち、当年度において返済歳入の調定をしたもので、当年度末までに返済がされなかったものについては、未収金又は長期延滞債権に計上する。

3 他会計に対する負担金や補助金として処理されているもののうち、他会計において借入金として計上しているものについては、貸付金と同様に処理し、長期貸付金又は短期貸付金に計上する。

4 他会計からの繰入金として決算統計上整理されている貸付金の元金償還額については残高から控除する。

(基金の評価及び計上額)

第26条 基金は、基金のうち流動資産に区分されるもの以外のものをいい、減債基金及びその他について、個別に当年度末の積立累計額を計上する。なお、本条に規定する減債基金は、流動資産に計上されるものを除いた額とする。

2 基金に含まれる土地及び建物のうち、第18条に該当するものについては、同条に規定する方法による評価額を注記する。

3 基金に含まれる有価証券及び出資金については、第23条と同様の方法により評価する。

(長期延滞債権の評価及び計上額)

第27条 長期延滞債権は、全ての収入未済額のうち当初調定年度が過年度のものの合計額を計上する。

2 前項に該当する収入未済額の債務者に対する債権は、全て長期延滞債権に振り替えるものとする。

第3款 流動資産

(流動資産の区分)

第28条 流動資産は、現金預金、未収金、短期貸付金、基金、棚卸資産、その他及び徴収不能引当金に区分する。

(現金預金の計上額)

第29条 現金預金は、現金(手許現金及び要求払預金)及び現金同等物をいい、歳計現金及び歳計外現金を計上する。

2 歳計現金は、当該年度の歳入歳出差引を計上する。ただし、歳入歳出差引がマイナスとなる場合、計上額は零とする。

3 歳計外現金は、それに対応する負債も貸借対照表に計上する。

(未収金の計上額)

第30条 未収金の計上額は、年度末の収入未済額のうち、当初調定年度が現年分の収入未済額とする。

(短期貸付金の計上額)

第31条 短期貸付金の計上額は、年度末貸付金総残高のうち、返済歳入調定年度未到来残高の中から、翌年度に償還期限が到来するものを計上する。

(基金の区分)

第32条 基金は、財政調整基金及び減債基金に区分する。

(財政調整基金の計上額)

第33条 財政調整基金は、財政調整基金の年度末残高を計上する。

(減債基金の計上額)

第34条 減債基金は、減債基金の年度末残高のうち歳計剰余金処分により積み立てたもの等特定の地方債との紐付けがないものを計上する。なお、地方債の満期一括償還の財源に充てるため積み立てている減債基金は固定資産として計上する。

(棚卸資産の計上額)

第35条 棚卸資産は、売却を目的として保有している資産をいい、原則として取得価額を計上する。ただし、年度末の帳簿価額よりも正味実現可能価額が低い場合には正味実現可能価額を計上する。

(その他の計上額)

第36条 その他は、現金預金、未収金、短期貸付金、基金、棚卸資産及び徴収不能引当金以外の流動資産を計上する。

(徴収不能引当金の評価及び計上額)

第37条 貸付金に係る徴収不能引当金は、原則として、貸付金ごとに次に掲げる方法により個別評価する。

(1) 第三セクター等に対する貸付金について、相手先の貸借対照表上の純資産の金額がマイナスになっている場合は、貸付金額の全額を徴収不能引当金とすること。

(2) 貸付金の減免について、本基準以外の他の規則、要綱等で定めがある場合は、当該金額を徴収不能引当金とすること。

(3) 債務者の居所が不明な場合、個人債務者で自己破産をした場合及び法人債務者で民事再生法の適用等実質的に破綻したものとみなされる場合は、貸付金額の全額を徴収不能引当金とすること。

(4) 前3号の規定にかかわらず、多数の相手先に同種の貸付けを行っているもののうち、貸付金が1債務者当たり100万円未満の貸付金については、同種の貸付金ごとに過去5年間の不納欠損実績率の平均値を当該貸付金合計残高に乗じて得た額を徴収不能引当金とすること。

(5) 前号における過去5年間の不納欠損実績率は、過去5年間の不納欠損実績額÷貸付金残高の平均値とすること。

(6) 貸付金に係る徴収不能引当金の評価は、原則として、前各号に規定するところによるものとするが、当分の間、第3項に規定する方法によることができるものとすること。

2 長期延滞債権に関する徴収不能引当金は、原則として、次に掲げる方法により長期延滞債権ごとに個別評価する。

(1) 前項第2号に規定する長期延滞債権については、当該金額を徴収不能引当金とすること。

(2) 前項第3号に規定する状況のほか、消滅時効が成立しているものについては、債権額の全額を徴収不能引当金とすること。

(3) 前項第4号から第6号までの規定は、長期延滞債権の評価に準用すること。

3 未収金に関する徴収不能引当金は、原則として、過去5年間の不納欠損実績率の平均値で評価する。

第3節 負債

第1款 総則

(負債の区分)

第38条 負債は、固定負債及び流動負債に区分する。

第2款 固定負債

(固定負債の区分)

第39条 固定負債は、地方債、長期未払金、退職手当引当金、損失補償等引当金及びその他に区分する。

(地方債の計上額)

第40条 地方債は、地方債年度末残高から1年内償還予定地方債を控除した額を計上する。

(長期未払金の計上額)

第41条 長期未払金は、債務負担行為のうち既に確定した債務及びその他の確定債務のうち、流動負債に区分されるもの以外の金額を計上する。

(退職手当引当金の計上額)

第42条 退職手当引当金は、年度末に特別職を含む全職員(年度末退職者を除く。)が自己都合退職した場合の退職手当支給見込額を計上する。

2 退職手当引当金の計算は、一人ごとの職員の退職手当を積み上げて算出する。

(損失補償等引当金の計上額)

第43条 損失補償等引当金は、履行すべき額が確定していない損失補償債務のうち、地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成19年法律第94号)における将来負担比率の算定に含めた将来負担額を計上する。

(その他の計上額)

第44条 その他は、地方債、長期未払金、退職手当引当金及び損失補償等引当金以外の固定負債を計上する。

第3款 流動負債

(流動負債の区分)

第45条 流動負債は、1年内償還予定地方債、未払金、未払費用、前受金、前受収益、賞与等引当金、預り金及びその他に区分する。

(1年内償還予定地方債の計上額)

第46条 1年内償還予定地方債は、地方債の償還予定額のうち、契約上償還日が翌年度に到来するものを計上する。

(未払金の計上額)

第47条 未払金は、債務負担行為のうち既に確定したものについて、翌年度に支出予定のものを計上する。

(未払費用の計上額)

第48条 未払費用は、一定の契約に従い、継続して役務提供を受けている場合、基準日時点において、既に提供された役務に対して未だその対価の支払いを終えていないものを計上する。

(前受金の計上額)

第49条 前受金は、基準日時点において、代金の納入は受けているが、これに対する義務の履行を行っていないものを計上する。

(前受収益の計上額)

第50条 前受収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、基準日時点において、提供していない役務に対し支払いを受けたものを計上する。

(賞与等引当金の計上額)

第51条 賞与等引当金は、翌年度に支払予定の期末手当、勤勉手当及びそれらに係る法定福利費のうち、支給対象期間が当年度に属する分を計上する。

(預り金の計上額)

第52条 預り金は、基準日時点において、第三者から寄託された資産に係る見返負債を計上する。

(その他の計上額)

第53条 その他は、1年内償還予定地方債、未払金、未払費用、前受金、前受収益、賞与等引当金及び預り金以外の流動負債を計上する。

第4節 純資産

(純資産の区分)

第54条 純資産は、固定資産等形成分及び余剰分(不足分)に区分する。

(固定資産等形成分の計上額)

第55条 固定資産等形成分は、資産形成のために充当した資源の蓄積をいい、貸借対照表の固定資産全額、流動資産のうち短期貸付金及び基金の合計額を計上する。

(余剰分(不足分)の計上額)

第56条 余剰分(不足分)は、金銭の形で保有される費消可能な資源の蓄積をいい、固定資産等形成分以外の純資産額とし、資産合計から負債合計及び固定資産等形成分の金額を控除した額を計上する。

第3章 行政コスト計算書

第1節 総則

(作成目的)

第57条 行政コスト計算書は、一会計期間(4月1日から翌年3月31日まで)における区の行政サービスに要したコスト(費用)及び受益者負担等の対応状況を明らかにすることを目的として作成する。

(行政コスト計算書の区分)

第58条 行政コスト計算書は、経常費用、経常収益、臨時損失及び臨時利益に区分する。

第2節 経常費用

(経常費用の定義及び区分)

第59条 経常費用は、費用の定義に該当するもののうち、毎会計年度、経常的に発生するものであり、業務費用及び移転費用に区分する。

2 業務費用は、人件費、物件費等及びその他の業務費用に区分する。

3 移転費用は、補助金等、社会保障給付、他会計への繰出金及びその他に区分する。

4 人件費は、職員給与費、賞与等引当金繰入額、退職手当引当金繰入額及びその他に区分する。

5 物件費等は、物件費、維持補修費、減価償却費及びその他に区分する。

6 その他の業務費用は、支払利息、徴収不能引当金繰入額及びその他に区分する。

(職員給与費の計上額)

第60条 職員給与費は、職員等に対して勤労の対価や報酬として支払われる費用を計上する。ただし、退職手当引当金及び賞与等引当金から充当された分は除くこととする。

(賞与等引当金繰入額の計上額)

第61条 賞与等引当金繰入額は、賞与等引当金の当該会計年度発生額を計上する。

(退職手当引当金繰入額の計上額)

第62条 退職手当引当金繰入額は、退職手当引当金の当該年度発生額を計上する。

(人件費のその他の計上額)

第63条 人件費のその他は、職員給与費、賞与等引当金繰入額及び退職手当引当金繰入額以外の人件費を計上する。

(物件費の計上額)

第64条 物件費は、職員旅費、委託料、消耗品・備品購入費等消費的性質の経費であって、資産計上されないものの当該年度発生額を計上する。

(維持補修費の計上額)

第65条 維持補修費は、資産の機能維持のために必要な修繕費等の当該年度発生額を計上する。

(減価償却費の計上額)

第66条 減価償却費は、有形固定資産及び無形固定資産(ともに償却資産に限る。)の当該会計期間中の負担となる資産価値減少額を計上する。なお、当該計上額は、当該資産の評価額に耐用年数の償却率を乗じて算定する。

(物件費等のその他の計上額)

第67条 物件費等のその他は、物件費、維持補修費及び減価償却費以外の物件費等を計上する。

(支払利息の計上額)

第68条 支払利息は、当該年度地方債利子負担額と当該年度一時借入金利子の発生合計額を計上する。

(徴収不能引当金繰入額の計上額)

第69条 徴収不能引当金繰入額は、徴収不能引当金の当該年度発生額を計上する。

(その他の業務費用のその他の計上額)

第70条 その他の業務費用のその他は、支払利息及び徴収不能引当金繰入額以外のその他の業務費用を計上する。

(補助金等の計上額)

第71条 補助金等は、政策目的による補助金等の当該年度発生額を計上する。ただし、他会計への支出額は含めない。

(社会保障給付の計上額)

第72条 社会保障給付は、社会保障給付としての扶助費等の当該年度発生額を計上する。

(他会計への繰出金の計上額)

第73条 他会計への繰出金は、地方公営事業会計に対する繰出金の当該年度発生額を計上する。ただし、次に掲げる項目は、他会計等への支出額から除くものとする。

(1) 定額運用基金への繰出金

(2) 他会計に対する負担金又は補助金として処理されているもののうち、他会計に対する投資及び出資金又は貸付金として貸借対照表の資産に計上した金額

(3) 他会計に対する負担金又は補助金として処理されているもののうち、他会計借入金として貸借対照表の負債に計上されているものの返済に相当する額(他会計において貸付金元金償還金として整理されている金額)

(移転費用のその他の計上額)

第74条 移転費用のその他は、補助金等、社会保障給付及び他会計への繰出金以外の移転費用を計上する。

第3節 経常収益

(経常収益の定義及び区分)

第75条 経常収益は、収益の定義に該当するもののうち、毎会計年度経常的に発生するものであり、使用料及び手数料並びにその他に区分する。

(使用料及び手数料の計上額)

第76条 使用料及び手数料は、区がその活動として一定の財・サービスを提供する場合に、当該財・サービスの対価として使用料及び手数料の形態で徴収するもので、当該年度調定額を計上する。ただし、過年度調定したものを当該年度に繰越調定した場合は、当該繰越調定額を除くものとする。

(その他の計上額)

第77条 その他は、使用料及び手数料以外の経常収益を計上する。

第4節 臨時損失

(臨時損失の定義及び区分)

第78条 臨時損失は、費用の定義に該当するもののうち、臨時に発生するものであり、災害復旧事業費、資産除売却損、投資損失引当金繰入額、損失補償等引当金繰入額及びその他に区分する。

(災害復旧事業費の計上額)

第79条 災害復旧事業費は、災害復旧に関する費用を計上する。

(資産除売却損の計上額)

第80条 資産除売却損は、資産の売却による収入が帳簿価額を下回る場合の差額及び除却した資産の除却時の帳簿価額を計上する。

(投資損失引当金繰入額の計上額)

第81条 投資損失引当金繰入額は、投資損失引当金の当該年度発生額を計上する。

(損失補償等引当金繰入額の計上額)

第82条 損失補償等引当金繰入額は、損失補償等引当金の当該年度発生額を計上する。

(その他の計上額)

第83条 その他は、災害復旧事業費、資産除売却損、投資損失引当金繰入額及び損失補償等引当金繰入額以外の臨時損失を計上する。

第5節 臨時利益

(臨時利益の定義及び区分)

第84条 臨時利益は、収益の定義に該当するもののうち、臨時に発生するものであり、資産売却益及びその他に区分する。

(資産売却益の計上額)

第85条 資産売却益は、資産の売却による収入が帳簿価額を上回る場合の差額を計上する。

(その他の計上額)

第86条 その他は、資産売却益以外の臨時利益を計上する。

第4章 純資産変動計算書

(作成目的)

第87条 純資産変動計算書は、一会計期間(4月1日から翌年3月31日まで)における貸借対照表の純資産の部の変動状況を明らかにすることを目的として作成する。

(純資産変動計算書の区分)

第88条 純資産変動計算書は、期首純資産残高、純行政コスト、財源、固定資産等の変動(内部変動)、資産評価差額、無償所管替等、その他及び期末純資産残高に区分する。

2 財源は、税収等及び国都等補助金に区分する。

3 固定資産等の変動(内部変動)は、有形固定資産等の増加、有形固定資産等の減少、貸付金・基金等の増加及び貸付金・基金等の減少に区分する。

(期首純資産残高の計上額)

第89条 期首純資産残高は、前年度の貸借対照表における純資産残高を計上する。

(純行政コストの計上額)

第90条 純行政コストは、行政コスト計算書における純行政コストの金額を、余剰分(不足分)の列に計上する。

(税収等の計上額)

第91条 税収等は、地方税、地方交付税及び地方譲与税等をいい、これらの当該年度決算額に、当該年度末長期延滞債権及び未収金計上額を加えた金額から、前年度末長期延滞債権及び未収金計上額を差し引いた金額を、余剰分(不足分)の列に計上する。

(国都等補助金の計上額)

第92条 国都等補助金は、当年度国庫支出金及び都支出金決算額に当該年度末長期延滞債権及び未収金計上額を加えた金額から、前年度末長期延滞債権及び未収金計上額を差し引いた金額を、余剰分(不足分)の列に計上する。

(有形固定資産等の増加の計上額)

第93条 有形固定資産等の増加は、有形固定資産及び無形固定資産の当該年度増加額を、固定資産等形成分に計上し、同額を余剰分(不足分)から控除する。

(有形固定資産等の減少の計上額)

第94条 有形固定資産等の減少は、有形固定資産及び無形固定資産の当該年度減少額を、固定資産等形成分から控除し、同額を余剰分(不足分)に計上する。

(貸付金・基金等の増加の計上額)

第95条 貸付金・基金等の増加は、貸付金、基金、投資及び出資金等の当該年度増加額を、固定資産等形成分に計上し、同額を余剰分(不足分)から控除する。

(貸付金・基金等の減少の計上額)

第96条 貸付金・基金等の減少は、貸付金、基金、投資及び出資金等の当該年度減少額を、固定資産等形成分から控除し、同額を余剰分(不足分)に計上する。

(資産評価差額の計上額)

第97条 資産評価差額は、有価証券等の評価差額を固定資産等形成分の列に計上する。

(無償所管替等の計上額)

第98条 無償所管替等は、当該年度に寄附等により無償で資産を譲渡又は取得した固定資産の評価額等を、固定資産等形成分の列に計上する。

(その他)

第99条 その他は、当年度に第90条から前条までの規定に該当しない純資産の変動があった場合に計上する。

第5章 資金収支計算書

第1節 総則

(作成目的)

第100条 資金収支計算書は、一会計期間(4月1日から翌年3月31日まで)における区の資金の収支状況を明らかにすることを目的として作成する。

(資金収支計算書の区分)

第101条 資金収支計算書は、業務活動収支、投資活動収支及び財務活動収支に区分する。

(資金の範囲)

第102条 資金収支計算書における資金には、歳計外現金は含めない。ただし、歳計外現金の前年度末残高、当年度増減額及び当年度残高を本表欄外に注記する。

第2節 業務活動収支

(業務活動収支の区分)

第103条 業務活動収支は、業務支出、業務収入、臨時支出及び臨時収入に区分する。

2 業務支出は、業務費用支出及び移転費用支出に区分する。

3 業務費用支出は、人件費支出、物件費等支出、支払利息支出及びその他の支出に区分する。

4 移転費用支出は、補助金等支出、社会保障給付支出、他会計への繰出支出及びその他の支出に区分する。

5 業務収入は、税収等収入、国都等補助金収入、使用料及び手数料収入並びにその他の収入に区分する。

6 臨時支出は、災害復旧事業費支出及びその他の支出に区分する。

(人件費支出の計上額)

第104条 人件費支出は、当該年度支出額を計上する。

(物件費等支出の計上額)

第105条 物件費等支出は、当該年度支出額を計上する。

(支払利息支出の計上額)

第106条 支払利息支出は、当該年度地方債利子負担額及び当年度一時借入金利子の支出合計額を計上する。

(業務費用支出のその他の支出の計上額)

第107条 業務費用支出のその他の支出は、人件費支出、物件費等支出及び支払利息支出以外の業務費用支出額を計上する。

(補助金等支出の計上額)

第108条 補助金等支出は、補助金等の当該年度支出額を計上する。ただし、他会計への繰出金支出は除く。

(社会保障給付支出の計上額)

第109条 社会保障給付は、社会保障給付の当該年度支出額を計上する。

(他会計への繰出支出の計上額)

第110条 他会計への繰出支出は、他会計に対する繰出に係る支出額を計上する。

(移転費用支出のその他支出の計上額)

第111条 移転費用支出のその他支出は、補助金等支出、社会保障給付支出及び他会計への繰出支出以外の移転費用支出額を計上する。

(税収等収入の計上額)

第112条 税収等収入は、地方税等の当該年度収入額を計上する。

(国都等補助金収入の計上額)

第113条 国都等補助金収入は、国庫支出金及び都支出金の当該年度収入額から、投資活動収支に計上された額を除いた額を計上する。

(使用料及び手数料収入の計上額)

第114条 使用料及び手数料収入は、使用料及び手数料の当該年度収入額を計上する。

(業務収入のその他の収入の計上額)

第115条 業務収入のその他の収入は、税収等収入、国都等補助金収入並びに使用料及び手数料収入以外の業務収入額を計上する。

第3節 投資活動収支

(投資活動収支の区分)

第116条 投資活動収支は、投資活動支出及び投資活動収入に区分する。

2 投資活動支出は、公共施設等整備費支出、基金積立金支出、投資及び出資金支出、貸付金支出並びにその他の支出に区分する。

3 投資活動収入は、国都等補助金収入、基金取崩収入、貸付金元金回収収入、資産売却収入及びその他の収入に区分する。

(公共施設等整備費支出の計上額)

第117条 公共施設等整備費支出は、当該年度における区が整備する有形固定資産等に関する支出額を計上する。

(基金積立金支出の計上額)

第118条 基金積立金支出は、積立金の当該年度積立額を計上する。ただし、歳計剰余金処分による基金積立額がある場合は、その金額を加算する。

(投資及び出資金支出の計上額)

第119条 投資及び出資金支出は、投資及び出資金の当該年度出資額を計上する。

(貸付金支出の計上額)

第120条 貸付金支出は、貸付金の当該年度貸付額を計上する。

(その他の支出の計上額)

第121条 その他の支出は、公共施設等整備費支出、基金積立金支出、投資及び出資金支出並びに貸付金支出以外の投資活動支出額を計上する。

(国都等補助金収入の計上額)

第122条 国都等補助金収入は、国庫支出金及び都支出金の当該年度支出額から、投資活動支出の財源に充当した収入額を計上する。

(基金取崩収入の計上額)

第123条 基金取崩収入は、当該年度の基金取崩額を計上する。

(貸付金元金回収収入の計上額)

第124条 貸付金元金回収収入は、当該年度貸付金回収元金の額を計上する。

(資産売却収入の計上額)

第125条 資産売却収入は、財産売払収入の当該年度収入額を計上する。

(その他の収入の計上額)

第126条 その他の収入は、国都等補助金収入、基金取崩収入、貸付金元金回収収入及び資産売却収入以外の投資活動収入額を計上する。

第4節 財務活動収支

(財務活動収支の区分)

第127条 財務活動収支は、財務活動支出及び財務活動収入に区分する。

2 財務活動支出は、地方債償還支出及びその他の支出に区分する。

3 財務活動収入は、地方債発行収入及びその他の収入に区分する。

(地方債償還支出の計上額)

第128条 地方債償還支出は、当該年度地方債元金償還額を計上する。

(その他の支出の計上額)

第129条 その他の支出は、地方債償還支出以外の財務活動支出を計上する。

(地方債発行収入の計上額)

第130条 地方債発行収入は、地方債の当該年度発行額を計上する。

(その他の収入の計上額)

第131条 その他の収入は、地方債発行収入以外の財務活動収入を計上する。

(前年度末資金残高の計上額)

第132条 前年度末資金残高は、前年度貸借対照表における現金預金のうち、歳計現金計上額を計上する。

(前年度末歳計外現金残高の計上額)

第133条 前年度末歳計外現金残高は、前年度貸借対照表における現金預金のうち、歳計外現金計上額を計上する。

第6章 注記

(重要な会計方針)

第134条 財務書類作成のために採用している会計処理の原則及び手続並びに表示方法その他財務書類作成のための基本となる次に掲げる事項を記載する。

(1) 有形固定資産等の評価基準及び評価方法

(2) 有価証券等の評価基準及び評価方法

(3) 有形固定資産等の減価償却の方法

(4) 引当金の計上基準及び算定方法

(5) リース取引の処理方法

(6) 資金収支計算書における資金の範囲

(7) その他財務書類作成のための基本となる重要な事項

(重要な会計方針の変更等)

第135条 重要な会計方針を変更した場合には、次に掲げる事項を重要な会計方針の次に記載する。

(1) 会計処理の原則又は手続を変更した場合には、その旨、変更の理由及び当該変更が財務書類に与えている影響の内容

(2) 表示方法を変更した場合には、その旨

(3) 資金収支計算書における資金の範囲を変更した場合には、その旨、変更の理由及び当該変更が資金収支計算書に与えている影響の内容

(重要な後発事象)

第136条 会計年度終了後、財務書類を作成する日までに発生した事象で、翌年度以降の地方公共団体の財務状況等に影響を及ぼす後発事象のうち、次に掲げるものを記載する。

(1) 主要な業務の改廃

(2) 組織・機構の大幅な変更

(3) 地方財政制度の大幅な改正

(4) 重大な災害等の発生

(5) その他重要な後発事象

(偶発債務)

第137条 会計年度末においては現実の債務ではないが、将来一定の条件を満たすような事態が生じた場合に債務となるもののうち、次に掲げるものを記載する。

(1) 保証債務及び損失補償債務負担の状況(総額、確定債務額及び履行すべき額が確定していないものの内訳(貸借対照表計上額及び未計上額))

(2) 係争中の訴訟等で損害賠償等の請求を受けているもの

(3) その他主要な偶発債務

(追加情報)

第138条 財務書類の内容を理解するために必要と認められる次に掲げる事項を記載する。

(1) 対象範囲(対象とする会計名)

(2) 一般会計等と普通会計の対象範囲等の差異

(3) 出納整理期間について、出納整理期間が設けられている旨(根拠条文を含む。)及び出納整理期間における現金の受払い等を終了した後の計数をもって会計年度末の計数としている旨

(4) 表示単位未満の金額は四捨五入することとしているが、四捨五入により合計金額に齟齬が生じる場合は、その旨

(5) 地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成19年法律第94号。以下「地方公共団体財政健全化法」という。)における健全化判断比率の状況

(6) 利子補給等に係る債務負担行為の翌年度以降の支出予定額

(7) 繰越事業に係る将来の支出予定額

(8) その他財務書類の内容を理解するために必要と認められる事項

(9) 基準変更による影響額等(開始貸借対照表を作成しない場合。ただし、既に財務書類を作成しているが開始貸借対照表を作成する場合であっても注記すること。)

(10) 売却可能資産に係る資産科目別の金額及びその範囲

(11) 減価償却について直接法を採用した場合、当該各有形固定資産の科目別又は一括による減価償却累計額

(12) 減債基金に係る積立不足の有無及び不足額

(13) 基金借入金(繰替運用)の内容

(14) 地方交付税措置のある地方債のうち、将来の普通交付税の算定基礎である基準財政需要額に含まれることが見込まれる金額

(15) 将来負担に関する情報(地方公共団体財政健全化法における将来負担比率の算定要素)

(16) 地方自治法第234条の3に基づく長期継続契約で貸借対照表に計上されたリース債務金額

(17) 管理者と所有者が異なる指定区間外の国道や指定区間の一級河川等及び表示登記が行われていない法定外公共物の財務情報

(18) 道路、河川及び水路の敷地について、基準モデル等に基づいた評価を当該評価額とした場合は、「資産評価及び固定資産台帳整備の手引き」63段落による評価額

(19) 基準変更による影響額の内訳(開始貸借対照表を作成しない場合)

(20) 純資産における固定資産等形成分及び余剰分(不足分)の内容

(21) 基礎的財政収支

(22) 既存の決算情報との関連性(第2号に係るものを除く。)

(23) 資金収支計算書の業務活動収支と純資産変動計算書の本年度差額との差額の内訳

(24) 一時借入金の増減額が含まれていない旨並びに一時借入金の限度額及び利子の金額

(25) 重要な非資金取引

第7章 連結

(連結対象範囲)

第139条 連結財務書類の対象範囲は、一般会計等、地方公営事業会計、地方三公社、区が加入している一部事務組合・広域連合及び区が出資・出捐している第三セクターとする。

(連結基準)

第140条 前条に規定する連結対象範囲において、区の連結財務書類に反映されることとなる会計・団体の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 一般会計等及び全ての地方公営事業会計

(2) 区が加入する全ての一部事務組合・広域連合

(3) 区が設立した全ての地方三公社

(4) 区の出資比率が50%以上の第三セクター等(出資比率が50%未満であっても、当該第三セクター等が区と密接な関係にあるものと認められる場合を含む。)

(連結財務書類作成手順)

第141条 連結財務書類は、連結財務書類に反映される会計・団体の貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書及び資金収支計算書(以下「財務4表」という。)を単純合算し、内部取引を相殺消去することにより作成する。

(一般会計等及び地方公営事業会計以外の財務4表)

第142条 一部事務組合・広域連合、地方三公社及び第三セクター等の財務4表については、原則として、一部事務組合等が独自で作成している財務諸表を読み替えるものとする。ただし、第1章から前章までの定めに基づき、必要な修正を加える。

(相殺消去)

第143条 連結対象となる会計及び団体間で行われている、資金の出資(受入)、貸付(借入)、返済(回収)、利息の支払(受取)、繰出(繰入)等、全ての内部取引を相殺消去する。ただし、年間取引総額が100万円未満の取引については、その重要度等を勘案し、相殺消去の対象から除外することができる。

(出納整理期間中における現金の受払等の調整)

第144条 連結の対象となる会計及び団体間で、出納整理期間中に現金の受払等が行われた場合は、当該連結対象となる会計及び団体においては、会計年度末である3月31日までに現金の受払等が終了したものとみなす。

第8章 その他

(適用法令等)

第145条 この基準に定めのない事項については、地方財政法(昭和23年法律第109号)、総務省マニュアル及び実務研究会報告書を始めとする総務省から公表される各種報告書、Q&A、手引並びに一般に公正妥当と認められる企業会計の基準の定めるところによる。

(様式)

第146条 この基準の施行について必要な様式は、原則として、地方公会計標準ソフトウェアに記録して作成するものとする。ただし、別記の各様式については、それぞれ別記に掲げる様式によることができる。

2 前項の規定によるほか、次の各号に掲げる資産については、当該各号に定める様式によることができる。

(2) 第20条第1項第5号に規定する資産 港区電子計算組織管理運営要綱(平成6年1月13日5港企情第106号)第16条に規定する様式

(委任)

第147条 この基準に定めるもののほか必要な事項は、会計管理者が別に定める。

この基準は、平成23年10月1日から施行する。

1 この基準は、平成25年4月1日から施行する。

2 この基準による改正後の第3号様式の規定は、平成25年度以後の物品管理事務について適用し、平成24年度以前の物品管理事務については、なお従前の例による。

1 この基準は、平成29年4月1日から施行する。

2 この基準の規定は、平成28年度決算に係る財務書類の開始貸借対照表作成について適用する。

別記

第1号様式 貸借対照表 第5条第6条第141条

第2号様式 削除

第3号様式 重要物品管理台帳 第12条

第4号様式 リース物件台帳 第16条

第5号様式 財産台帳(建設仮勘定台帳) 第10条第11条

第6号様式 行政コスト計算書 第57条第58条第141条

第7号様式 純資産変動計算書 第87条第141条

第8号様式 資金収支計算書 第100条第101条第141条

様式(省略)

港区財務書類作成基準

平成23年10月1日 港会第526号

(平成29年4月1日施行)

体系情報
要綱集/第3類 務/第4章 基金、公金管理
沿革情報
平成23年10月1日 港会第526号
平成25年4月1日 種別なし
平成29年4月1日 種別なし