○港区保育施設等指導検査実施要綱
平成27年9月14日
27港子子第4265号
(趣旨)
第1条 この要綱は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)及び子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号)(以下「児童福祉法等」という。)その他法令等の規定に基づき、認可保育所及び地域型保育事業、乳幼児一時預かり事業及び病児保育事業の事業所又はこれらを運営する事業者等(以下「保育施設等」という。)に対して港区(以下「区」という。)が実施する指導検査について、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この要綱における用語の意義は、児童福祉法、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律及び子ども・子育て支援法の定めるところによる。
(指導検査の目的)
第3条 指導検査は、児童福祉法等、港区児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例(令和2年港区条例第51号)、港区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例(平成26年港区条例第27号)、港区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例(平成26年港区条例第28号)その他の法令(以下「関係法令」という。)に照らし、設備及び運営に関する基準等の適合状況及び区が別に定める指導検査に係る基準、方針等に対する実施状況等について個別的に明らかにし、必要な助言及び指導又は是正の措置を講ずることにより、保育施設等の適正な運営及びサービスの質の確保並びに利用者支援の向上を図り、もって区における児童福祉のより一層の増進に寄与することを目的とする。
(指導検査の基本方針)
第4条 区長は、指導検査を行うに当たっては、関係法令を基本とし、指導検査に関する国の通知、これまでの指導検査の実績等を勘案し、厳正に重点的かつ効果的に実施する。
2 区長は、指導検査が画一的又は形式的となることのないように、問題の発生原因及び是正策を明らかにし、保育施設等の問題の解決を図り、その自律的な運営を促すための具体的な助言及び指導を行う。
3 区長は、保育施設等が関係法令に違反し、又はその運営が著しく適正を欠いているために、当該保育施設等の運営等に重大な支障が認められ、かつ、是正の措置が速やかに講じられないと認めるときは、法令に定めるところにより行政処分を行うための手続を進める。
4 区長は、指導検査の実施及び指導検査の結果の処理に当たっては、関係部課及び東京都その他の関係機関との情報交換を密にするなど十分に連携を図るものとする。
(指導検査の対象)
第5条 指導検査の対象は、次に掲げる施設及び事業とする。
(1) 認可保育所(保育所型認定こども園含む)
(2) 地域型保育事業
(3) 乳幼児一時預かり事業
(4) 病児保育事業
(指導検査の類型)
第6条 指導検査は、一般指導検査及び特別指導検査に分けて実施する。
2 一般指導検査は、原則として指導検査に係る事項の全体について計画的に行う検査で、保育施設等の所在地において行う検査をいう。ただし、必要に応じて、あらかじめ指導検査に係る事項を限定して定め、短時間で検査することができるものとする。
3 区長は、一般指導検査において改善すべき事項が認められ、指導検査後に保育施設等から改善報告書等が提出された場合においては、書面によるほか、必要に応じ、現地で確認する検査を行うものとする。
4 特別指導検査は、保育施設等が次の各号のいずれかに該当する場合に、特定の指導検査に係る事項を定め、重点的に、又は改善が図られるまで継続的に行う検査をいい、当該保育施設等の所在地において行う。
(1) 法令若しくは定款に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くために、保育施設等の運営等に重大な支障を及ぼしているおそれがあると疑うに足りる理由があるとき。
(2) 一般指導検査後の改善が認められないとき。
(3) 正当な理由がなく、一般指導検査を拒否したとき。
(指導検査の実施方針)
第7条 区長は、指導検査を重点的かつ効果的に行うため、保育所等の動向を踏まえ、指導検査の重点項目を掲げる指導検査実施方針を、毎年度、指導検査を開始する前に別に定める。
(指導検査の計画等)
第8条 区長は、一般指導検査の実施に当たっては、毎年度指導検査を開始するときまでに、指導検査の実施時期、班編成等を含む指導検査計画を別に策定する。
2 区長は、保育施設等の運営等に問題が発生した場合又は通報、現況報告書の確認の結果等により、そのおそれがあると認められる場合は、前項の指導検査計画にかかわらず、適宜指導検査を実施する。
3 特別指導検査は、必要に応じて適宜実施する。
(調査書等の提出)
第9条 区長は、指導検査及び訪問指導に当たり、必要に応じて、保育施設等に対し、保育施設等の運営状況等について調査するために施設調査書(以下「調査書」という。)を送付し、指定期限までに調査書及び関係資料の提出を求めることができる。
(指導検査の基準)
第10条 区長は、指導検査に係る項目等を集約した指導検査の基準(以下「指導検査基準」という。)を別に定める。この場合において、指導検査基準における評価の区分は、別表に掲げる評価区分に沿って定める。
(一般指導検査の実施)
第11条 一般指導検査の実施通知は、原則として保育施設等の長に対して、あらかじめ検査対象に到達するよう、文書で行う。
2 前項の規定にかかわらず、保育施設等の運営等に問題が発生した場合又は通報、現況報告書の確認の結果等でそのおそれがあると認められる場合には、指導検査の開始時に実施通知の文書を提示するなどの方法により一般指導検査を行うことができる。
3 一般指導検査は、原則として係長級以上の職にある者を長とする職員2人以上の検査員が実施する。
4 検査員は、指導検査基準に基づき、調査書等を基に、分担して検査を実施する。この場合において、検査員は、相互に緊密な連携を保つものとし、係長級の職にある者が相互の関係を調整する。
5 一般指導検査終了後、検査員相互で調整を行った上で、保育施設等の設置者及び施設長等に対して、実地検査指導事項票を用いて、検査結果を講評し、改善の必要な事項と解決方法を口頭で指示する。この場合において、係長級の職にある者が全般にわたる事項及び担当検査事項について、他の検査員は自己の担当した個別事項について講評を行う。
6 前項の規定にかかわらず、一般指導検査の結果について、法令解釈等で疑義が生じた場合などは、現地での講評を行わず、関係者を招致して講評を行うことができる。
7 区長は、一般指導検査の効果を高めるために、必要に応じて、保育施設等を所管する課の区職員、関係行政機関職員又は保育施設等に関係する者に対し、検査への立会いを求め、又は必要事項を調査し、若しくは照会することができる。
(一般指導検査後の取扱い)
第12条 区長は、一般指導検査終了後、直ちにその結果について綿密に検討し、問題点のある場合はこれを明確にした上で、指導検査の結果を当該保育施設等の設置者に対し、文書で通知するものとする。この場合において、指導検査基準に定める評価区分に照らして文書指摘事項が認められるときは、問題点及び改善方法等を具体的に通知する。
2 一般指導検査をより効果的なものとするため、前項の規定による結果通知は、指導検査終了後速やかに行う。
3 区長は、一般指導検査の結果に係る文書指摘事項について、当該保育施設等の設置者に対し、原則として30日以内に改善状況報告書又は改善計画書の提出を求め、その改善内容を確認し、その改善内容に不備があった場合は、再提出を求める。
4 区長は、関係行政機関に対し、必要に応じ、一般指導検査の結果を通知し、又はこれと協議を行うなど、連携を密にする。
5 度重なる一般指導検査によっても、改善が認められないときは、当該保育施設等を特別指導検査の実施対象とする。
(特別指導検査の実施)
第13条 特別指導検査の実施通知は、一般指導検査の場合に準じて、事前に文書で行う。ただし、指導検査の目的と効果を勘案し、指導検査の開始時に文書を提示するなどの方法により行うことができる。
2 特別指導検査は、原則として副参事以上の職にある者を長とする職員2人以上の検査員が実施する。
3 特別指導検査は、検査の目的及び効果をその都度勘案し、問題の重要性、緊急性等の状況に応じ、重点的に、又は改善が図られるまで継続的に実施する。
4 検査員は、特別指導検査終了後、検査員相互で調整を行った上で、保育施設等の設置者及び施設長等に対して検査結果を講評し、改善の必要な事項と解決方法を口頭で指示する。ただし、状況によって、現地での講評を行わず関係者を招致して講評を行うことができる。
5 区長は、特別指導検査の効果を高めるために、必要に応じて、保育施設等を所管する課の区職員、関係行政機関職員又は保育施設等に関係する者に対し、検査への立会いを求め、又は必要事項の調査及び照会を行うことができる。
(特別指導検査後の措置)
第14条 区長は、特別指導検査の結果について、当該保育施設等の設置者に対し、理由を付して文書で通知する。
2 区長は、特別指導検査の結果に係る文書指摘事項について、当該保育施設等の設置者に対し、原則として30日以内に改善状況報告書又は改善計画書の提出を求め、その改善内容を精査するとともに、必要に応じ指導を継続する。
3 区長は、改善報告書若しくは改善計画書が期限内に提出されないとき、又は改善内容を精査した結果、改善の意思がなく、若しくは改善を怠っていると認められるときは、法令の定めるところにより必要な改善を勧告する。
4 区長は、前項の規定による勧告によってもなお改善が図られないとき、又は改善の見込みがなく、かつ、児童福祉の観点から有害であると認められるときは、法令の定めるところにより行政処分を行うための手続を進める。
(指導検査結果の提供)
第15条 指導検査の結果は、適宜集約し、関係課及び東京都等関係機関に提供する。
(指導検査に関する情報の公開)
第16条 指導検査に関する情報は、個人情報など法令等により非開示とされる場合を除き、公開することができる。
(身分証明書の携帯)
第17条 指導検査の検査員は、その身分を示すため、児童福祉法施行規則(昭和23年厚生省令第11号)及びこども・子育て支援法施行規則(平成26年内閣府令第44号)に定める証明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
(要綱の適用除外)
第18条 他の要綱に定めのある指導検査については、この要綱の適用を除外する。
付則
この要綱は、平成27年9月15日から適用する。
付則
この要綱は、平成28年4月1日から施行する。
付則
この要綱は、令和3年4月1日から施行する。
付則
この要綱は、令和6年4月1日から施行する。
別表(第10条関係)
評価区分 | 指導形態 | |
C | 文書指摘 | 子ども・子育て支援関係法令及び子ども・子育て支援関係通達等に違反する場合(軽微な違反の場合を除く。)は、原則として、「文書指摘」とする。 ただし、改善中の場合、特別な事情により改善が遅延している場合等は、「口頭指導」とすることができる。 |
B | 口頭指導 | 子ども・子育て支援関係法令以外の関係法令又はその他の通達等に違反する場合は、原則として、「口頭指導」とする。 ただし、管理運営上支障が大きいと認められる場合又は正当な理由なく改善を怠っている場合は、「文書指摘」とする。 なお、子ども・子育て支援関係法令及び子ども・子育て支援関係通達等に違反する場合であっても、軽微な違反の場合に限り、「口頭指導」とすることができる。 |
A | 助言指導 | 法令及び通達等のいずれにも適合する場合は、水準向上のための「助言指導」を行う。 |
様式(省略)