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更新日:2021年11月11日

人権週間 寄稿文

人権尊重に対する理解を深める一助とするため、人権に関する寄稿文をお寄せいただきました。

※本寄稿文は、広報みなと11月11日号にも掲載されています。

寄稿

「コロナ禍での子供の人権危機」

菊地 幸夫 さん (番町法律事務所 弁護士)

 

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  コロナ禍が子どもに及ぼした影響と言えば、やはり学校などでの学びの制限が大きいでしょう。昨年の第一波の時は、突然の休校措置により大きな混乱が起こりました。オンライン授業へ素早く対応できた私立学校もあれば、教員にノウハウも無く全ての子ども達に端末がある訳でもない公立学校などで、適切な教育を授けられない状況へ追い込まれた多くの子ども達がいたと思います。こうした子ども達の窮状、不平等は法の目からも憂慮すべき事態です。

 我が国の憲法には「すべて国民は・・・教育を受ける権利を有する」とあり、日本が批准(国がその条約に拘束されることを承認すること)している国際人権規約にも「教育についてのすべての者の権利を認める」とあります。さらに、同じく日本が批准している子どもの権利条約には、「教育についての児童の権利を認める」「すべての児童に対し、教育及び職業に関する情報及び指導が利用可能であり、かつ、これらを利用する機会が与えられる」とあります。全ての子ども達に教育を届けることは大人の義務です。これらの宣言はコロナ禍で一層その意味を見出されねばならないものと思います。しかし、世の関心はどちらかと言えば、飲食店への影響などに集まっていたやに思えます。飲食店などの問題は、金銭的な補償でかなりの部分が解決するでしょう。しかし、子ども達の教育の問題は、金銭で簡単に解決できないものがあると思います。誤解を恐れずに言えば、大人の飲酒より子どもの教育問題を優先すべきとさえ言いうるのではないでしょうか。子どもへの教育という作業が極めて人間的要素の重視されるものであることから、子ども達全員に端末が配られ、それが学校の教員と繋がればそれで問題は解決する単純なものではないことは言うまでもありません。また、今回に限りませんが(校則問題もそう)、休校措置を執るに際して子ども達は単なる大人の措置の対象としか扱われていないように思えます。子どもの権利条約は「自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する」と定めています。休校措置決定に当たり子ども達や保護者の考えはどの程度考慮されたのでしょうか。子どものことは、大人がパターナリスティック(国親的)に決めて良いとの考えもあるでしょうが、子ども達を権利の主体として扱う姿勢を大人が持つことは大切だと思います。

 学校の休校措置などに対して、学力停滞を心配する保護者も多いのか、塾などはコロナ禍で打撃を受けるものの健闘しているなどの記事も目にします。塾も三密対策など工夫を凝らしているとは思いますが、毎夜10時頃まで塾の周囲に子ども達の多くの自転車が駐輪されている光景には少し違和感があります。仮に学校で50分授業を6コマ、塾で90分授業を3コマとすれば一日で9時間半です。大人が一日それだけ働いても結構疲れるでしょう。

もちろん塾は毎日ではなくとも、授業がない日も塾の自習室に通う子も多いと聞きます。子どもの権利条約は、子どもの休息の権利も認めています。あの子達は疲れてはいないだろうか。

 コロナ禍で大人も在宅勤務が増えるなど、家族が家にいる時間が長くなる傾向がある中、虐待事案の増加も懸念されます。子どもへ周囲の目の届かない時間が長くなるのは、時には危険なことでもあり、周りの大人の目配りや気遣いが命を救うことにも繋がることを忘れてはなりません。

 大人も苦しいが、子ども達もそれ以上に苦しんでいることと思います。新政府による子どもの人権のさらなる実現に期待します。                    

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