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更新日:2022年12月19日

麻布地区の地域情報紙(最新号)

 アートな麻布に魅せられて(29) 家族の歴史、絆、笑顔をレンズを通して見守る 松尾寫眞館

麻布十番商店街で存在感のある、昭和レトロな佇まい、それが大正12年(1923)創業の「松尾寫眞館」です。お店の前には、いい表情をした笑顔の写真が所狭しと飾られていて、道行く人が立ち止まって眺めていきます。穏やかな家族の表情に、なんだかほっこりします。


戦後再建した建物で三代目が運営している

 

大家族の中で育つ

松尾寫眞館は三代目松尾輝明さん(49歳)が、代表を務めています。輝明さんの祖父善男さんが、ここ麻布十番で創業した時は、現在の十番商店街の大通りの方にありました。当時から外国人が多く、ハイカラな写真館は多忙でした。ところが戦災に遭い、店も機材も全て灰に。戦後すぐ、商店街の仲間と長屋風の共同ビルを建設、それが今の場所です。祖父善男さんは、輝明さんの父、次男の賢一さんをはじめ7人の子どもを抱え、大変な時期もありました。兄弟が力を合わせ、善男さんの写真館を手伝いました。昭和30年代は十番周辺に5~6軒の写真館があったそうです。家庭的で温かみのある接客が支持され、松尾寫眞館だけ現在も残っています。

「僕が小さい頃は、祖父母や叔父一家が店の上で暮らしていて、一日中賑やかでした」。一人っ子の輝明さんは、大家族の中で育ったも同然で、ビル4階の食堂で、おばあちゃんや叔母さんの料理をみんなで食べていました。輝明さん父子は、近所に住んでいましたが、寝に帰るだけ。下校後は写真館で過ごす日々でした。

商店街の子どもたちの王道コース!「南山小→城南中(現六本木中)」に進み、都立三田高校へ進学した輝明さん。一歩外へ出れば、必ず知り合いに会うのが日常でした。「今もそうです(笑)」


令和4年(2022)9月に他界された父、賢一さんと。
貴重なツーショットになった


左が創業者の祖父善男さん家族。
抱っこされているのが輝明さんの父、賢一さん


祖父、父が愛用したカメラの数々

父と子の二人三脚で写真館を支える

輝明さんは大学進学の際、写真館の跡取り、が頭をよぎるのですが、悩みながらも写真とは縁もゆかりもない学部を選び、食品会社に就職。その後、飲食店を経営したり、写真とは無縁でした。中古カメラを扱う店主と出会い、カメラ談義に花を咲かせた時、「歴史を目で見えるかたちで残す」ことに目覚めたといいます。それは祖父、父が大事にしてきた「家族の豊かな時間を残す」ことに他なりません。写真館として存在意義を改めて感じた、輝明さんにとっての転機でした。二代目は長男、四男、そして次男の父の3人で共同経営をしていました。その後2人の叔父はセミリタイア。そんな折、三代目として父と写真館経営に携わるようになりました。

新しいものを取り入れながら伝統を尊重する

スタジオには、祖父や父たちが築き上げた物が溢れています。撮影のバックに使用する緞帳(どんちょう)はよく見ると、濃淡があります。二代目の3兄弟が生地の上から塗料で一つ一つ塗って作ったもの。「アンソニー」は、祖父の代から使用していた大型カメラ。フィルムを入れれば、撮影可能です。そして棚には古いカメラの数々。大切な写真を収める台紙のデザインは創業当時から変わっていません。

輝明さん中心の運営を任されるようになり、伝統を受け継ぎながら、新しい試みも積極的に取り入れています。

まず外部から、スタッフを採用。「親子ほどの年齢差がある」高嶋柚羽(ゆずは)さんです。「若い感覚はとても大切。私が気づかないことをさらりと言ってくれる」と、輝明さん。

撮影のカテゴリーは家族写真が圧倒的に多いのですが、「お受験写真」「ペットといっしょ」「マタニティフォト」を新たに提案、好評です。3世帯同居が減り、1世帯ファミリー中心になった今も、写真で残したい家族の歴史、絆の想いは変わりません。親子3代にわたり、家族写真の撮影に通うお客様が目立ちます。外国人の多い街だからこそ口コミで広まり、こちらの寫眞館を訪れる外国人家族からの依頼も創業時代から。今の家族の姿を残したいという想いは、世界共通です。

輝明さんのお嬢さん2人は小学生。カメラに興味があるようで、「ちょっと嬉しいです」と、すっかりパパの顔に。そんな未来に夢を託しながら、「かけがえのない今を、かけがえのない未来の宝物へ」。松尾寫眞館の思いは永遠です。


スタッフの高嶋さんに大いに支えられている


写真館の中にも所狭しと写真の数々が並ぶ。
3代にわたり撮影している家族も多い

松尾寫眞館

港区麻布十番2-1-11 03-3451-9436
HP https://azabu-matsuo.com(外部サイトへリンク)

(取材・文/高柳由紀子)

 大使を訪ねて 麻布の"世界"から コスタリカ

自然が豊かで平和の文化が根付いているコスタリカ共和国。「ニュー・エコノミクス財団」が4年ごとに調査を行っている「地球幸福度指数」(※1)で3回連続(2009、2012、2016年)の1位となっており、「世界で一番幸せな国」としても注目されています(日本は2016年58位)。

2019年に大使就任されたアレクサンダー・サラス大使(Mr.Alexander SALAS)は日本への造詣が深く、2回目の就任です。

取材ではエベリン・ケサダ大使夫人(Mrs. Evelyn Quesada)も同席してくださり、コスタリカの自然・料理についてお話を伺えました。

※1 地球幸福度指数:国民の満足度や環境への負荷などから「国の幸福度」を計る指標である。

コスタリカ共和国

  • 面積:51,100平方キロメートル(九州と四国を合わせた面積)
  • 人口:約509万人(2020年 世界銀行)
  • 首都:サンホセ(標高1,200メートル)
  • 言語:スペイン語
  • 元首:ロドリゴ・チャベス・ロブレス大統領
  • (2022年5月から2026年5月、任期4年、8年以上の間隔を置けば再選可能)
  • 議会:一院制(57名)(任期4年、連続再選禁止)

参考:外務省ホームページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/costarica/index.html(外部サイトへリンク)

取材/コスタリカ共和国大使館

日本語は実践で学んだ

大使は1987年に国際協力機構(JICA)の研修生として来日されました。

当時はヨーロッパ・アメリカへの関心が強く、日本について知っていることは「サムライ」「芸者」「忍者」「鉄腕アトム」くらいでした。日本へ行くことになり渡されたのがウォークマンと日本語のテキスト。その頃知っていた日本語は「さよなら」だけでした。日本行きの飛行機の中でウォークマンとテキストで日本語の勉強をしました。

日本で暮らし始め、新宿に驚きました。ビルは高い、人はたくさんいる、服はみんな黒。自動ドア、キャッシュカード、テレホンカードにも驚きました。

カラオケ・盆踊りなど日々の生活のなかでベーシックな日本語を修得されました。

JICAの研修で中小企業の見学のため、広島・愛知・京都・奈良をめぐり世界が広がり、さらに日本の文化を勉強していくうちに、日本の大使になりたいという夢を持ちました。

そして夢はかないます。平成17(2005)~平成18(2006)年、駐日大使となられました。令和元(2019)年から再び駐日大使を務められております。令和元(2019)年10月22日皇居正殿(こうきょせいでん)松の間で今上(きんじょう)天皇の即位礼正殿(そくいれいせいでん)(※2)の儀が執り行われ、クラウディア・ドブレス・カマルゴ大統領夫人と共に参列されました。サラス大使は平成と令和の二度にわたって信任状を捧呈(ほうてい)(※3)した初の駐日大使です。

※2 天皇の即位を日本国内外に知らせる儀式

※3 特命全権大使として認めて頂きたい旨を派遣元の元首が記した親書を天皇陛下に手渡す儀式

自然と共生、動物園はない

コスタリカの気候は5~11月は雨季、12~4月は乾季と分けられます。両岸を海に挟まれ地形が変化に富んでいることから、地域によっては降雨量がまったく違います。地球の約6%の生物が生息していると言われ、国土の25%が国立公園として保護されています。

火山が約100あり、今も噴火しています。アレナル火山国立公園のあるアレナル火山は、コスタリカで最も活動の激しい火山です。周辺のタバコン川に温泉があり、温泉に入りながら火山を見ることができます。火山は「花火」のように綺麗だということです。

ウミガメの一斉大産卵を見ることのできる、カリブ海(大西洋)側では、北東部のトルトゥゲロ国立公園と南東部のガンドカ・マンサニージョ野生動物保護区で主にオサガメ、タイマイ、オリーブグリーンのカメが生息しています。太平洋側では、主にラスバウラス国立海洋公園、オスティオナル野生動物保護区でオサガメが生息しています。わずか数キロの海岸全体が産卵にやってくるウミガメで埋め尽くされる光景は圧巻です。世界で生じる未だに解明されていない不思議な自然現象の一つです。ウミガメにGPSを付けで調査したところ、ウミガメはオーストラリアに行ってコスタリカに戻ってくることが分かっています。

自然と共生しているので動物園はありません。ピクニックなどを楽しんでいる時、突然ピューマが出てきたり、蛇が出てきたりします。遭遇した時は驚きますが自然なことと受け止めています。自然と人間とが調和した暮らしから、次の時代をよりサステナブルなものにしようとする国民の意識が「幸福度の高い国」をつくり上げてきたといえそうです。


タバコン川の温泉地 写真提供:コスタリカ大使館


アレナル火山 写真提供:コスタリカ大使館

クリスマスに頂く伝統食「タマル(Tamal)」

コスタリカの主食はインディカ米のごはんと豆。米と豆を入れて炊くごはんを朝食にすることが多く、日本の赤飯のようなごはんです。スペイン料理とインディオ料理が融合したレシピがたくさんあります。

クリスマスには、家族全員で集まって「タマル」を作ります。「タマル」は各家庭によってレシピが違います。基本的な調理方法はとうもろこしの粉と具材を合わせバナナの葉で包み煮ます。調理には7時間ぐらいかかるとのことです。

大使夫人のレシピで作られた「タマル」を頂きました。大使夫人の「タマル」は、しっとりとした食感で、フォークで簡単に切れ、具材もひとつずつ味がしっかりしてとっても美味しかったです。「タマル」によく合うコーヒーと一緒に頂きます。

リサノは調味料、しょうゆにチキンのエキスを入れたような味で日本では売っていません。リサノを「タマル」にかけると味が変わり、辛くはないけどピリッとしさらに美味しくなります。日本人好みの味に感じました。


伝統食「タマル(Tamal)」


鍋でタマルを煮ているところ

FIFAワールドカップカタール2022

大使はFIFAワールドカップカタール2022に南米代表として3大会連続6度目の進出を果たしたことを大変喜んでおられました。サッカーはコスタリカでもっとも盛んなスポーツです。FIFAワールドカップではコスタリカと日本は同じグループEで他にスペイン、ドイツの4か国で戦います。大使は日本と戦うことには複雑な心境だそうです。コスタリカ×日本戦は11月27日アフメド・ビン=アリー・スタジアム(Ahmad Bin Ali Stadium)でキックオフ‼

(取材/高柳由紀子、堀切道子 文/堀切道子)

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