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更新日:2024年3月19日

麻布地区の地域情報紙(最新号)

 アートな麻布に魅せられて32 SHARE LOUNGE(シェア ラウンジ)この場所で贅沢な時間をシェアする

2023(令和5)年9月9日午前8時、六本木6-11-1ゲートタワー2階の六本木 蔦屋書店内に話題のSHARE LOUNGE が誕生した。書店という誰にでも開かれた場所に有料の座席を設け、訪れる人々にオフィスとして、カフェとして、それぞれのシーンにあわせた空間を提供する。進化するまち六本木に、またひとつその魅力が加わった。

「コロナ禍の影響によりテレワークが普及し、すべての人がオフィスへ集う従来の働き方に完全に戻ってはいない状況が続いています。SHARE LOUNGE は2019(令和元)年に渋谷スクランブルスクエアを1号店とし六本木店は都内11店舗目のスタートとなりました。テレワークによって通勤の必要がなくなり、時間や場所に縛られない働き方となった今、SHARE LOUNGE は快適な空間で充実した仕事時間を提供する場所として注目を集めています」とマネージャーの磯部誠(いそべまこと)さんは話す。

シンボリックな外観が際立つ六本木ヒルズ森タワーに呼応する、曲線デザインが美しいゲートタワー店舗部分の外観はガラス面と石張りで構成されている。建物内の大きな窓からは柔らかな日差しが差し込み、広々とした開放感あふれる空間をあたたかく照らす。フロア中央に位置する本棚は、弧を描くような外観デザインと相まって、緩やかなカーブが美しい。アースカラーの色調がワーキングスペースとカフェエリアを柔軟にゾーニングしている。

「内装は快適でデザイン性の高い空間を演出するために、クライン ダイサム アーキテクツが空間デザインを手掛けました。170坪の広さにさまざまなタイプの座席を用意し、2箇所の会議室には顔認証が可能なビデオ会議デバイスのニート(Neat)を備えています。閉鎖的になりやすい会議室のデザイン性を高めるため、窓全体をガラス張りに(写真3)。ガラスパーテーションで区切られた会議スペースのガラスの内側には、視線を遮るブラインドが設置されプライバシーにも配慮しています」

利用可能な時間帯は、どの店舗よりも長く朝8時から夜の23時まで。フロアを流れるBGMはサウンドデザイナーとソニーが開発したオリジナリティ高い音響空間が演出されている。「六本木店で注目していただきたいのが、フリードリンク・フリースナック&ブレッドのラインナップです。六本木に因みまして、-6-のつく日には近隣の菓子店の和菓子を提供しています。ブレッドは日替わりで、六本木ヒルズ内のカフェや麻布十番のベーカリーショップ麻布十番モンタボーのブレッドを提供しています。二子玉川蔦屋家電とともに最先端の家電のレンタルも行なっています。例えば、仕事をしていて体が疲れた時、筋肉をほぐすマッサージツールのマッサージガンを用意しています」

絵画などの平面的な事物を展示するための壁面が見事に確保された空間には、アートウォール&イベントスペースが誕生した。アートウォールは現代アートを中心にプライマリーとして作品を鑑賞し購入も可能だ(写真8)。イベントスペースではテーマごとの展示や(写真9)、出版記念、トークショー関連のテレビ取材が行われさまざまなイベントが催されている。

「将来的に、この場所で仕事をされた方が起業しイベントを開催して新しいビジネスが広がっていったら、という夢を描いています」と磯部さんは微笑んだ。

再構築されたこの場所で、働く、味わう、寛(くつろ)ぐ、そして理解する。ひとつの空間でさまざまなことができる愉しさを知ってほしい。
(取材・文/おおばまりか)

取材/撮影協力/画像提供

六本木 蔦屋書店(外部サイトへリンク)

六本木6-11-1 六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り

 まちのお役立ち14 麻布台ヒルズを訪ねて

2023(令和5)年11月24日、麻布台の一角に新たな“まち”が誕生しました。

総称「麻布台ヒルズ」と呼ばれるこのまちは、1989(平成元)年から30年超の年月をかけたとても大きなまちづくりプロジェクトです。とりわけ「森JPタワー」は、高さ約330mを誇る日本一の超高層建築物です。既に多くのメディアにも取り上げられ、足を運んだ方もいらっしゃると思います。今回はその中でも安全性や災害対策の取り組みがどの様なものなのかを伺ってきました。

「逃げ出す街」から「逃げ込める街へ」

azabu64-02.pngこれは森ビル株式会社が掲げる「安全の取り組み」への提言です。そのためにハード・ソフトという大きく2つの面から対策を講じているそうです。一体どの様なものでしょうか?

ハード面での対策

麻布台ヒルズは3つの街区(がいく)で構成され、3棟の高層タワーがあり適切な制振装置を導入しています。東日本大震災や阪神淡路大震災レベルの地震が起きた場合でも安心して生活・事業継続が可能な耐震性能を備えています。これは東日本大震災時に六本木ヒルズにおいてその性能が証明されています。地震の揺れはあったものの、大きな被害は出ませんでした(51階のレストランではワイングラスひとつ倒れることはありませんでした)。

実は高層建築物(特に建物頂部近く)では地震の揺れよりも平時の風揺れの方が影響を受けやすいそうで、そのためにアクティブマスダンパー(AMD:錘(おもり)を能動的に振動させることで、対象の振動を抑える装置)を設置し低減に努めているそうです。震災のみならず多角的な視点で安全・安心を支える対策強化を図っています。

さらに、長周期地震動を感知して、エレベーターの安定的制御に努めている点や、各街区に非常用発電機を設置し、災害時の大規模停電に対してもまち全体で必要となる電力を100%安定的に供給可能としている点も安全・安心の支えとなっていると感じました。

ソフト面での対策

有事の際、森ビル全社員約1,600名が速やかに震災対策組織体制に移行し、迅速な復旧活動を行うために様々な施策を行っています。初動対応強化のために事業エリア(六本木ヒルズ・アークヒルズ・虎ノ門ヒルズ・麻布台ヒルズ)を中心に約3.5km圏内に複数の防災要員(約240名)が居住し、管理職含む社員2名体制1泊ずつ交代で宿泊する震災宿直(365日常時配置)も実施し、初動対応に備えています。防災訓練も数多く実施し(管理部門社員は月1回、防災社宅居住者は年6回をはじめ多岐にわたる訓練)、継続的な人材育成にも努めています。また、全社員に救命技能認定の取得が義務付けられている点も特徴です。非常食の備蓄も森ビル全体で36万食あります。これは民間最大規模の震災備蓄です。

備えあれば

azabu64-03.pngここで本記事の取材を含めた時間的経過を差し挟むことをお許しください。

今回の取材は2023(令和5)年12月19日に伺ったものです。その後2024(令和6)年1月1日に石川県能登半島地震が発生しました。

その甚大な被害に言葉を失い、東日本大震災を想起した人も多かったのではないでしょうか。元日の震災ということもあり、不意に起きる天災に戦慄しました。

改めまして地震・自然災害により被害を受けられた皆さまの安全と、被災地の一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。

本記事に掲載した森ビルの災害対策への取り組みは、そのごく一部を紹介したに過ぎません。災害のみならず、あらゆるリスクを多角的に捉え対策していることを取材を通して垣間見ることができました。

「不可避の不意」とも言うべき天災にいかに備えるかは、日々の研鑽を積んでなお万全を期し難いものだと思います。森ビルさんのたゆまぬ努力を続けるその先に、まちの安全・安心の光明が見えることを願ってやみません。

(取材/高柳由紀子、田中康寛 文/田中康寛)

取材協力・画像提供

森ビル株式会社 災害対策室事務局長 細田 隆 氏

参考文献

「逃げ出す街」から「逃げ込める街」へ 森ビルの総合震災対策(2017年6月発行)

ホームページ:「麻布台ヒルズ:安全・環境・文化の取り組み」(外部サイトへリンク)

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