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心臓突然死は、しばしば心室細動という重症の不整脈により引き起こされます。心室細動は、心臓の筋肉が無秩序に細かく収縮するため、心臓からの血液の拍出は完全に停止し、急速に死に至るきわめて危険な状態です。その唯一の治療法が除細動という電気ショックであり、その電気ショックを行うための機械が、自動体外式除細動器(AED=Automated External Defibrillatorの略)です。
AEDの使用は医師又は医師の指示を受けた看護師・救急救命士が専門的知識に基づいて実施していましたが、いち早く現場に居合わせた人が除細動を行うことが有効であることや、AEDの安全性や信頼性の向上が認められたことにより、平成16(2004)年7月から医療従事者でない一般の人でも、使用できるようになりました。
AEDは、電源が入れば、操作方法を音声がガイドしてくれるので、誰でも簡単に使用することができます。
AEDを使用する際は、2枚のパッドを素肌に直接貼り付けることができていれば、服をすべて脱がせる必要はありません。下着をずらして貼ることで対応できます。また、パッドを貼った後に、上から上着などを掛けて肌を隠すようにしてもAEDの機能に影響はありません。
区では、区民をはじめ、区を訪れる多くの人が地域の身近に設置されているAEDの情報を共有でき、AEDが必要な時に有効に使用できるようにするために、厚生労働省が推奨している一般財団法人日本救急医療財団の財団全国AEDマップへのリンクを設定しています。
AEDの設置場所については、以下をご覧ください。
一般財団法人日本救急医療財団では、財団全国AEDマップを利用したスマートフォンアプリケーション「QQ・MAP」を提供しています。
区では、区役所、総合支所、福祉施設、区立小中学校等の区施設に設置し、救命効果の向上を図っています。
区は、緊急時に誰もが迅速に人命救助を行うことができる環境を整備するため、24時間営業の店舗を有す企業等からAEDの設置場所を無償でご提供いただき、令和5年度から区有施設以外の場所にもAEDの設置拡大を進めています。
AED設置にご協力いただいた施設は、ステッカーが目印です。
区は、令和5年8月、24時間営業の店舗を有する企業等17団体と「AED設置に関する基本協定」を締結し、同年9月2日(土曜)に開催した区の防災啓発催事「防災を学ぶ日」の会場において、協定締結記念式を行いました。(協定記念式の詳細についてはこちら)
12月18日現在は、20団体の企業等と協定を締結しています。
24時間誰でも使用可能なAEDが少ない地域を中心に、63台のAEDを設置し、夜間や休日でも身近な場所でAEDによる迅速な救命活動が行えるようになりました。一部の施設については現在設置調整中のため、設置次第一覧に掲載する予定です。
・このAEDは、周辺で傷病者が発生した時の貸出用として設置しています。
・店舗の従業員などが操作説明、現場にAEDを持参して趣き、救命処置を行うものではありません。
・AEDを使用した後は、借りた場所に返却してください。
・店舗の改装等により営業していない時間帯については、一時的にAEDが使用できない場合があります。
区では、AEDの設置拡大の効果を最大限に発揮できるよう、いざという時、AEDを瞬時に使いこなして救命活動に携われる人材の育成を支援していきます。
心肺蘇生法の基本的な流れやAEDの使い方について、初めて救急措置を学ぶ方でも分かりやすく学べる区独自の研修用動画を作成し、区YouTubeで配信しています。
みなと保健所では、AEDの理解促進と活用支援の取組として、初めて救命措置を学ぶ方々を対象に、救命措置講座を実施しました。
実施日 令和6年1月11日(木)14時~
会 場 みなと保健所8F大会議室
講 師 東京慈恵会医科大学救急医学講座主任教授
港区災害医療コーディネーター
武田 聡 先生
参加者 50名(定員50名)
内容は、区のAED設置拡大事業の取組内容を紹介するとともに、救急現場に居合わせた人が最初にするべきこと、胸骨圧迫、AEDの使い方などについて、区が作成した研修用動画も効果的に活用し、より実践的に学べるカリキュラムとしました。
目の前で誰かが倒れた時、突然死を防ぐためには、病院に運ばれる前の適切な処置が欠かせません。周囲の人と協力しながら、まずは反応を確認した上で119番通報やAEDを持ってきてもらう等の迅速な対応が必要となります。
当日は、区民やAED設置協力企業の方々にご参加いただき、熱気あふれる講座となりました。受講後のアンケートでは、「大変良かった」と多くの方々から感想をいただきました。記録写真や受講者からいただいたご質問・ご感想等を紹介いたします。
講演
訓練用キットを使った実践
Q:その場に居合わせた人が自分しかいなかったらどうする?
A:まずは119番通報をしてください。司令員が全て指示を出してくれます。次はケースバイケースですが、近くにAEDがあり、持ってこられるなら直ぐに持ってきて使用する。それが不可なら救急隊が到着するまで胸骨圧迫をやり続けてください。可能な限り良い状態で救急隊に引き継がなければなりません。
Q:胸骨圧迫で骨が折れたらどうする?
A:肋骨は、たとえ折れても後から治療できます、ただし、心臓は、戻らないとその場で死んでしまいます。胸骨圧迫は「強く・速く・絶え間なく」が最優先ですので躊躇なく実施していただき、その後は医療従事者にお任せください。ただし、みぞおちを押してしまうと内臓損傷を起こす可能性があるので、胸の真ん中をしっかりと押すようにしてください。
Q:心臓が動いているかどうかの見極めはどうする?
A:医療従事者は頸動脈を触ったりして確認しますが、一般の方々には難しいので、胸が上下に動いていれば心臓が動いている、動いていなければ心臓が動いていないと判断していただければ良いと思います。
Q:心臓が止まっている時、AEDは役に立たないの?
A:心臓の不整脈をリセットするのがAEDの役目です。パットを装着するとAEDが自動的に心電図を解析し、電気ショックが必要かどうか判断してくれます。心臓が動いていない場合は「電気ショックの必要はありません。」となる場合もありますので、その時は、胸骨圧迫を続けてください。
Q:1歳の娘がいます。子どもへの胸骨圧迫も同じ方法で良いの?
A:1歳未満の赤ちゃんの場合は、指2本で胸骨を押します。また、1歳から思春期頃までは、両手で押すと強すぎる場合があるため、片手で押す場合があります。なお、AEDに関しては、幼稚園児までは「未就学児用」とし、小学生以上は「小学生~大人用」で大丈夫です。
心肺蘇生法の訓練を自主的に実施する町会・自治会、AED設置場所の提供にご協力いただいた企業等に、研修用DVDや訓練キットを配布し、活用してもらいます。
区では、町会・自治会・商工団体・スポーツ団体・消防団などの団体が、区内で使用する場合に限り、地域行事等を実施または参加する場合に、貸出しをしています。
麻布地区総合支所協働推進課協働推進係 03-5114-8802
赤坂地区総合支所協働推進課協働推進係 03-5413-7272
高輪地区総合支所協働推進課協働推進係 03-5421-7621
芝浦港南地区総合支所協働推進課協働推進係 03-6400-0031
AEDの設置場所や機器の情報について共有し、いざという時の救命の効果を高めるため、AEDの設置場所等の情報の登録をお願いします。また、情報の更新も随時行ってください。
厚生労働省では、一般財団法人日本救急医療財団を通じて全国のAED設置情報をわかりやすく公開しています。
AEDは適切な管理を行わなければ、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある医療機器です。救急救命においてAEDを使用する際に、管理不備により性能を発揮できないなどの重大な事象を防止するため、日頃の適切な管理を徹底されるようお願いします。
なお、点検・管理についての詳細は、下記のページをご覧ください。
平成25年9月27日付で厚生労働省からAEDの適切な管理の徹底について再周知するよう通知がありました。
救急救命の場で「いざという時、使えない」事態を防ぐため、AEDの日常点検や消耗品の交換状況等について、再度確認をお願いいたします。
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お問い合わせ
所属課室:みなと保健所生活衛生課庶務係
電話番号:03-6400-0041