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住居跡「麻布台3丁目4番17号」
明治学院大学「白金台1丁目2番37号」
「木曽路はすべて山の中である。あるところはそばづたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた」。書き手自身の土地勘を感じさせるこの文章は、島崎藤村の代表作「夜明け前」の冒頭です。島崎は中山道、別名木曽路沿いの宿場町に生まれ、上京して区内の明治学院(大学)で学びました。
明治学院卒業後、教師となった島崎は明治30(1897)年、詩集「若菜集」を発表して文壇にデビューします。「まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛の 花ある君と思ひけり」で始まる「初恋」や、曲を付けられて今日でも愛唱されている「名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実一つ 故郷の岸を離れて 汝はそも波に幾月」の「椰子の実」等、ロマンチシズムあふれる流麗な七五調で名声を博しました。
しかし、次第に詩や浪漫主義から離れた島崎は、散文と自然主義に心を寄せ、「破戒」等の小説を書くようになります。フランス留学から帰国した後は区内に居住し、中でも飯倉片町(現麻布台)では18年を過ごしました。大作「夜明け前」は、島崎が生涯で最も長く住んだ飯倉の家で書かれたものです。
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