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歌川芳年「東錦浮世稿談 曲木平九郎」
講談を戯作者の仮名垣魯文が筆記し、芳年が描いたシリーズの一つ。
曲垣平九郎の逸話は講談「寛永三馬術 誉れの梅花愛宕山」として伝えられている。(港郷土資料館蔵)
愛宕山は、木々に囲まれ、都会の喧噪を忘れさせてくれるような場所です。現在は高いビルに囲まれているため、山であることがわかりにくいのですが、標高26メートルあり、独立した山としては23区内で一番高い山です。
愛宕神社へは86段の男坂と108段の女坂の2つの石段の参道があり、講談「寛永の三馬術」の一人、四国丸亀藩の
家臣であった曲垣平九郎の逸話が残る男坂は「出世の石段」と呼ばれました。
寛永11(1634)年、菩提寺の増上寺を参拝した帰路、愛宕山を仰ぎ見て紅白の梅の花を見つけた将軍徳川家光は家来に命じました。「誰か急勾配の男坂を騎馬で上って梅を手折ってみせろ」。それに応じたのが平九郎。見事な手綱さばきで馬を操り、「日本一の馬術名人」としてたたえられたと伝えられています。
(注)この出来事は寛永元(1624)年という説もあります。
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