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更新日:2024年8月1日

ページID:150765

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2024年7月3日(水) 1時限

担当講師  関水徹平

テーマ   福祉社会学の視点から考える、ひきこもり問題と生きづらさ

 

 はじめに、内閣府のひきこもりについての全国調査におけるひきこもりの定義が「社会的自立」からの距離がある人たちを捉えるものであること、家から出ない・部屋から出ないという人は全体の1割程度であることを確認した。さらに家族会の報告書から、家族の悩みは子の外出の問題以上に、老後や親亡き後への不安であることを示し、親には、この子なりに幸せに生きていてくれればいいという親心と自立して一人前になってもらいたいという親心の二つの葛藤があることを指摘した。また後者は戦後の「日本型福祉社会」という社会福祉政策理念のもとで親に社会的に要請される期待であることも確認した。その後、ひきこもり本人ではなく環境に働きかける事例として15分単位から働けるカフェの事例を動画で視聴した。また、本人にとってのひきこもり経験には、自分を否定されたくないという思いと周囲の期待に応えたいという願いの葛藤があることをお話しした。

 

 

2024年7月3日(水) 2時限

担当講師 金子充

テーマ ベーシックインカムと資産運用で貧困は予防できるのか

 

 本講義では、前回の講義を前提に、新型コロナ対策として実施された海外の給付金制度の紹介も含めて、新しい社会保障制度改革(イギリス、イタリア、フィンランド等)の動向を確認した。またそれらの制度が「ベーシックインカム」もしくは「ベーシックアセット」と呼ばれる所得保障の構想と接続する可能性について理解を深め、さらにはそれらの具現化策であるとされる「給付つき税額控除」や「資産ベース福祉」と呼ばれる税制および資産運用制度(貯蓄・投資奨励策)の概要と課題を確認した。前回の講義ではワークフェア/アクティベーションという新しい社会保障の考え方を考察したが、それを受けて、ベーシックインカムや資産運用のような新しい制度を具体的にどのように考えたらよいのか、論点を整理した。最後に受講者から若干の質問を受け、短時間であるが応答することができた。

 

 

2024年7月20日(土) 3時限 

担当講師 河合 克義

テーマ 地域づくりと医療・健康(その1)-佐久総合病院のあゆみー

 

 地域づくりの基本的視点を学ぶために、長野県佐久地方の地域づくりの実践を紹介した。戦時中から「農民の中へ」をスローガンに、地域の保健・医療そして生活の課題に取り組んできた医師・若月俊一の生涯と佐久総合病院のあゆみを解説するなかで、地域づくりの基本的視点を述べた。

 若月俊一は、「病気をみて病人をみない」医師ではいけないということをいつも語っていた。このことは、地域づくりの出発点として住民の生活の現実をみること、生活問題を全体として把握することが大切だという主張でもある。

 佐久総合病院小海分院の院長である由井和也先生の佐久総合病院での実践報告の講義を理解する前提として、佐久総合病院の地域づくりの基礎を歴史的に振り返り、その理念と方法をみんなで考えたい。

 

 

2024年7月20日(土) 4時限

担当講師 由井 和也

テーマ 地域づくりと医療・健康(その2)―佐久地域の取組み―

 

 講義のタイトルは「地域住民とともにすすめる健康な地域づくり ~佐久総合病院の実践から~」とさせていただきました。内容は、1. 佐久病院における農村医療の歴史 ~「農民とともに」のヘルスプロモーションと若月俊一の思想~、2. 住民主体の健康な地域づくり活動 ~佐久地域保健福祉大学・衛生指導員・保健補導員の活躍 ソーシャルキャピタルで考える長野県の長寿・低医療費~、3. これからの健康な地域づくりの課題 ~分断の時代、孤立・孤独が高まる中で“つながり”を築く 今こそ“協同の心”を胸に~、4. 都市と農村の連帯は可能か ~過密する都市、過疎化する農村 持続可能でよりよい地域のあり方は~、の4つから構成されています。

 私の講義は、港区の状況とはまったく異なる農村部の話でしたので、どのように参加者の皆様に役立つかは不明な点もありますが、現代資本主義の限界や課題が見えてきたなかで、過疎化し疲弊する農村と後期高齢者の数が急速に増大する大都市との連帯が今後は不可欠ではないかと私は考えています。微力ながら、このような場で、そういったことの必要性が広まっていけばと思いました。

 講義をさせていただいての感想としましては、様々なキャリアをもつ非常に能力の高いシニアの方々が数多く参加され、その能力と学びを活かして地元の地域に貢献していこうとされている姿に大変感銘を受けました。健康寿命が延伸し、「定年」を迎えられた後にも社会貢献できる期間が長くなる現代、人財豊富な都市部ならではの大きな活動のひろがりを想像しました。キャリアや能力の問題ではなく、逆にそういったことに自信が持てない方で、このような場に出てこられない方々が多くおられると思いますが、そういう方にこそ「人と人のつながり」が必要であり、そのような方にも多様な形で門戸が開かれる「チャレンジコミュニティ大学」であるとさらに素晴らしいと思いました。

 貴重な機会をいただきありがとうございました。

 

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