更新日:2026年4月1日
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離婚に伴う子どもの養育支援
親の離婚による子どもの心理的負担を最小限にとどめ、安定した生活を確保するため、離婚を考えている親及び離婚後の親を対象に、以下の支援を行っています。
支援の内容
(1)公正証書作成費用等助成
子どもの健やかな成長に必要な離婚後の養育費等を確保するため、民事執行法(昭和54年法律第4号)第22条に規定する債務名義となる公正証書、調停調書、審判書、確定判決その他の公の文書の作成にかかる料金の一部を助成します。
詳細は、離婚前後の親支援推進助成金(公正証書作成費用等助成・ADR利用助成・養育費保証利用助成)のページをご覧ください。
(2)ADR(裁判外紛争解決手続)利用助成
離婚後の養育費、親子交流等に関する取決めを支援するため、弁護士会及び法務大臣の認証を受けた認証ADR事業者が実施する裁判外紛争解決手続(ADR)を利用する場合、1回目の調停期日までに必要な経費の一部を助成します。
詳細は、離婚前後の親支援推進助成金(公正証書作成費用等助成・ADR利用助成・養育費保証利用助成)のページをご覧ください。
(3)養育費保証サービス利用助成
民間事業者が実施する「養育費の支払いを保証するサービス」の利用にかかる料金の一部を助成します。
詳細は、離婚前後の親支援推進助成金(公正証書作成費用等助成・ADR利用助成・養育費保証利用助成)のページをご覧ください。
(4)親子交流コーディネート
親が離婚し、又は別居した後も引き続き子どもが両親のどちらとも関わることができる環境を作り、両親から愛されていることを実感することができるよう、親子交流の取決めに基づき、事前面談、日程調整、面会当日の同行など専門家(委託事業者)による安全安心な親子交流をコーディネートします。
詳細は、港区親子交流コーディネート事業のページをご覧ください。
(5)共同養育計画書作成費用等助成
子どもの健やかな成長に必要な離婚後の養育費や親子交流の機会等を確保するために、共同養育の選択に係る弁護士等相談費用及び共同養育計画書作成費用の一部を助成します。
詳細は、子ども家庭支援センター家庭相談係にお問い合わせください。
民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)は、令和8年4月1日に施行されます。
令和6年5月17日、民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)が成立し、同月24日に公布されました。この法律は、父母の離婚等に直面する子の利益を確保するため、子の養育に関する父母の責務を明確化するとともに、親権・監護、養育費、親子交流、養子縁組、財産分与等に関する民法等の規定を見直すものであり、令和8年4月1日に施行されます。
民法等の一部を改正する法律のポイント
親の責務に関するルールの明確化
父母が、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子どもを養育する責務を負うことなどが明確化されます。
子どもの人格の尊重
父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子どもの心身の健全な発達を図るため、子どもを養育する責務を負います。その際には、子どもの意見に耳を傾け、その意見を適切な形で尊重することを含め、子どもの人格を尊重しなければなりません。
子どもの扶養
父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子どもを扶養する責務を負います。この扶養の程度は、子どもが親と同程度の水準の生活を維持することができるようなもの(生活保持義務)でなければなりません。
父母間の人格尊重・協力義務
父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子どもの利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければなりません。
次のような行為等は、この義務に違反する場合があります。ただし、DVや虐待から避難するために必要な場合などはこの義務に違反しません。
・父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷、濫訴(らんそ:みだりに訴訟を起こすこと)等
・父母の一方が、他方による日常的な監護に、不当に干渉すること
・父母の一方が、特段の理由なく他方に無断でこどもを転居させること
・父母間で親子交流の取決めがされたにもかかわらず、その一方が、特段の理由なく、その実施を拒むこと
子どもの利益のための親権行使
親権者は子どもの世話やお金や物の管理などについて、子どもの利益のために行使しなければなりません。
親権に関するルールの見直し
父母の離婚後の親権者
1人だけが親権を持つ「単独親権」のほかに、離婚後に父母2人ともが親権を持つ「共同親権」の選択ができるようになります。
親権者の定め方
協議離婚の場合、父母が、その協議により、親権者を父母双方とするか、その一方とするか定めます。
父母の協議が調わない場合や裁判離婚の場合、家庭裁判所が、父母と子どもとの関係や、父と母との関係などの様々な事情を考慮した上で、子どもの利益の観点から、親権者を父母双方とするか、その一方とするかを定めます。
なお、次のような場合には、家庭裁判所は必ず単独親権の定めをすることとされています。
・虐待(身体的な暴力に限られない)のおそれがあると認められるとき
・DV(身体的な暴力に限られない)のおそれ、その他の事情により父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき
・その他、共同親権と定めることで子どもの利益を害すると認められるとき
親権者の変更
離婚後の親権者について、子どもの利益のため必要があると認めるときは、子ども自身やその親族が、家庭裁判所に親権者の変更(父母の一方から他の一方、一方から双方、又は双方から一方)を請求できます。
父母双方が親権者である「共同親権」の場合
父母双方が親権者である場合の親権の行使方法のルールが明確化されます。
(1)親権は、父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他方が行います。
(2)次のような場合は、親権の単独行使ができます。
監護教育に関する日常の行為(食事や服装の決定、短期間の観光目的での旅行、通常のワクチン接種、習い事など)をするとき
子どもの利益のため急迫の事情(DVや虐待からの避難(子どもの転居を含む)をする場合、子どもに緊急の医療行為を受けさせる場合、入学試験の結果発表後に入学手続きの期限が迫っている場合など)があるとき
(3)父母が共同して親権を行うべき特定の事項について、父母の意見が対立するときは、家庭裁判所が、父又は母の請求により、父母の一方を当該事項に係る親権行使者に指定することができます。
※改正前は、(1)のみが規定されており、(2)と(3)については規定がありませんでした。
養育費の支払い確保に向けた見直し
養育費の取決めの実効性の向上
これまでの民法では、父母間で養育費の支払いを取り決めていたとしても、養育費の支払いがなかったときに養育費の支払い義務を負う親の財産を差し押さえるためには、公正証書や調停調書、審判書などの「債務名義」が必要でした。
今回の改正により、養育費債権に「先取特権(さきどりとっけん)」と呼ばれる優先権が付与されるため、債務名義がなくても、養育費の取決めの際に父母間で作成した文書に基づいて、差押えの手続きを申し立てることができるようになります。養育費のうち先取特権が付与される上限額は、子一人当たり月額8万円です。なお、民法等の一部を改正する法律の施行前(令和8年3月31日以前)に養育費の取決めがされていた場合には、施行後(令和8年4月1日以降)に生じる養育費に限って先取特権が付与されます。
暫定的に請求できる養育費(法定養育費)の新設
これまでの民法では、父母の協議や家庭裁判所の手続きにより養育費の額を取り決めなければ、養育費を請求することができませんでした。
今回の改正により、離婚のときに養育費の取決めをしていなくても、離婚のときから引き続き子どもの監護を主として行う父母は、他方に対して、暫定的に子一人当たり月額2万円の養育費を請求することができるようになります。また、この暫定的な養育費の支払いがされないときは、差押えの手続きを申し立てることができます。なお、改正法の施行後に離婚した場合に、この暫定的な養育費を請求することができます。
裁判手続きの利便性の向上
養育費に関する裁判手続きでは、各自の収入を基礎として、養育費の額を算定します。今回の改正により、家庭裁判所は、手続きをスムーズに進めるため、当事者に対して収入情報の開示を命じることができるようになります。
養育費を請求するたの民事執行の手続きにおいては、地方裁判所に対する1回の申立てで、(1)財産開示手続き、(2)情報提供命令、(3)債権差押命令という一連の手続きを申請することができるようになります。
安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し
親子交流の試行的実施
家庭裁判所は、調停・審判において、子どもの利益を最優先に考慮して親子交流の定めをします。適切な親子交流を実現するため、資料を収集した調査や、父母との間で様々な調整をします。今回の改正により、手続き中に親子交流を試行的に実施することができるようになります。
婚姻中の別居の場合の親子交流
父母が婚姻中に、様々な理由により、子どもと別居することがあります。これまでは婚姻中の別居の場合の親子交流に関する規定がありませんでしたが、今回の改正により、婚姻中別居の場合の親子交流について、「婚姻中別居の場合の親子交流については父母の協議により定めること」、「協議が成立しない場合には、家庭裁判所の審判等により定めること」、「子どもの利益を最優先に考慮すること」というルールができます。
父母以外の親族と子どもの親子交流
これまで民法には父母以外の親族(祖父母等)と子どもとの交流に関する規定はありませんでした。しかし、祖父母等と子どもとの間に親子関係のような親密な関係があった場合など、父母の離婚後も、交流を継続することが子どもにとって望ましい場合があります。今回の改正により、子どもの利益のため特に必要があるときは、家庭裁判所が父母以外の親族と子どもとの交流を実施するよう定めることができるようになります。
また、父母の一方が死亡したり行方不明になったりした場合など、ほかに適当な方法がないときは、祖父母、兄弟姉妹などの親族が、自ら、家庭裁判所に申立てることができるようになります。
その他(財産分与・養子縁組に関するルール等)の見直し
財産分与の請求期間が2年から5年に伸長されます。
財産分与において考慮すべき要素が明確化されます。
財産分与に関する裁判手続きの利便性が向上します。
養子縁組がされた後に、誰が親権者になるかが明確化されます。
養子縁組についての父母の意見対立を調整する裁判手続が新設されます。
民法等の一部を改正する法律の概要、解説については、法務省作成のパンフレット(父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました)(外部サイトへリンク)をご覧ください。
民法等の一部を改正する法律の詳細については、法務省ホームページ(外部サイトへリンク)をご覧ください。
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