ここから本文です。

更新日:2024年2月21日

公立中学校のシンガポール修学旅行についての意見及び質問書

内容

9月1日、港区長が公立中学校のシンガポール修学旅行を発表すると、マスコミやネットで全国的な話題になりました。同時に区民・保護者・生徒が何の前触れもなくその情報を聞くことになった次第です。しかも区議会でまだ審議中にもかかわらず、決定したかのような報道は、該当する生徒、保護者に大きな混乱をもたらしました。そして、新日本婦人の会港支部に保護者や生徒、区民の方からの声が寄せられました。結果、上記の経過から様々な不安・疑問を持っていることが明らかになりました。区議会で予算が通ったとのことですが、以下の通り意見・疑問点を述べさせていただきます。

1.なぜシンガポールなのか。国内ではだめですか。

2.公立中学生だけに区民の税金を投入するのは不公平です。
公立離れを防ぐためとも言われていますが、保護者は、海外修学旅行だけで大切な学校選びはしません!

3.我が子に海外に行く機会ができたことは有意義な半面、離れた場所へ行かせる不安があります。危機管理(事故・事件・ケガ・病気等の対応)はどうなのだろうかと心配です。

4.公立離れを食い止めたい思いはあります。中学受験の過熱を止めるには公立中学校に十分な環境・魅力が必要です。ただし、今回の海外修学旅行実施が来年6月ということに不安があります。十分な準備が子どもたちや教師側にできるのでしょうか。もう少し時間をかけても良いのではないでしようか。

5.一度だけということはないですか。下の子たちがすでに諦めています。

6.先生たちの負担が今まで以上に大きくなり通常の業務ができるのか心配です。

7.パスポート取得にかかる費用と時間、スーツケースの用意など、通常の旅行とは異なる準備が必要になります。

8.シンガポールを選んだことで、日本がアジアの中の一員であることを知ってほしい。そしてカリキュラムの中に広島・長崎の修学旅行と同じく「平和」という課題を入れてください。過去において日本が加害者であった事実を知ってほしいです。

9.今、学校と向き合う困難さを抱えた子どもたちへ、スクールカウンセラー配置など具体的な手立てが不可欠となっています。それらの予算も同時になされていてこその充実した公教育と考えます。港区教育長のお考えを伺います。

10.早急に、区民・保護者・子どもたちへの説明を行ってください。

区の対応・考え方

1 教育委員会は来年度から、生徒たちがこれまで培ってきた英語でのコミュニケーション能力を発揮する集大成の場として、国内の修学旅行にかわり、海外での修学旅行を実施します。方面については、英語を活用した体験ができること、時差が小さく航空機での移動時間が少ないこと、治安が安定していること、事故発生時の緊急対応の体制が整備されていることなどから、シンガポールとしました。

2 現在、公立私立によらず、港区の子どもたちが世界で活躍できる後押しとして、例えば、海外留学への支援などの観点で、中学生、高校生、大学生までも含めた後押し、きっかけづくりとなる支援事業について検討しています。

3 教育委員会は、来年2月に、各中学校の教員と事務局職員による現地下見を行います。下見をとおして、引率中に想定される事故・トラブル等に対する対策を講じることで、安全・安心な海外修学旅行となるよう努めていきます。また、万が一に備え、生徒の疾病や怪我が発生した際への対応など、生徒個人に発生した医療費や賠償責任等をカバーする保険の加入は区で対応します。その他、区では、航空機の欠航時の保障などにも団体旅行保険として加入します。

4 教育委員会は、これまでコロナ禍の影響を受けてきた生徒たちの海外での体験機会の早期実現を目指してきました。本年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、現在の中学2年生も対象となる来年度の実施の目途がたったことから海外修学旅行の実施を打ち出しました。また、来年6月の実施に向け、教員との海外修学旅行検討委員会や各中学校での保護者説明会などを実施し、生徒・保護者・教員の不安を一つひとつ解消しながら、生徒たちにとって実りある事業となるよう努めていきます。

5 海外修学旅行は継続して実施していく予定です。方面を含めたプログラム内容については、毎年実施後に検討し、一層の充実を図っていきます。

6 プログラムの内容について、今後決定する事業者からの提案を受け、各中学校が選ぶことができるようにするなど、各中学校の教員の負担を軽減していけるよう配慮します。

7 保護者の費用負担は、交通費、食費、宿泊費の一部として一律50,000円の負担を予定しています。その他、パスポート代、現地活動費などで17,000円程度を想定しており、これまで各中学校で実施していた国内修学旅行の費用負担と同額程度となることを見込んでいます。こうした費用負担や実施前の準備・手続きなどについては、別途、各校で開催する保護者説明会にて説明します。

8 現在、各中学校においては、社会科の学習単元との関連を図りながら、戦争の悲惨さや平和の尊さを学ぶ活動を実施しています。今後、シンガポール大使館との連携を図る中で、戦時中におけるシンガポールと日本のつながりについても生徒に伝える機会を創出していきます。

9 現在、教育委員会は都が配置しているスクールカウンセラーに加え、区独自にもスクールカウンセラーを配置し、学校や子育てと向き合う困難さを抱えた子ども・保護者への支援をしています。さらに、今年度からはスクールソーシャルワーカーを各学校に週1日配置し、不登校児童・生徒への支援を拡充しています。

10 保護者への説明会は、1月以降に2回各学校で行うことを予定しています。内容としては、1回目に、実施趣旨や概要の説明、パスポート取得の依頼、保護者負担金の説明を行う予定です。2回目には、事業者説明、事前準備物の説明、提出物の確認などを行います。また、令和5年11月15日には、区ホームページに海外修学旅行についての内容を公開しました。今後、随時更新し、区民の方々に広く情報を公開・発信していきます。

担当課

教育委員会事務局学校教育部教育人事企画課指導主事

ご意見をいただいた時期

令和5年11月

関連分野

子ども・家庭・教育-学校・幼稚園・教育-小・中学校

よくある質問

「よくある質問コンテンツ」をご活用ください。

よくある質問入り口

お問い合わせ

所属課室:企画経営部区長室広聴担当

電話番号:03-3578-2050