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作成年度:平成26年度
写真左上:平成27年(2015年):桜田通りの歩道橋より。麻布古川町へと入る斜めの小道を望む。奥には六本木ヒルズ。
写真中央上:平成27年(2015年):小道近景。手前の三角地帯には象印マホービン東京ビル、その辺りが麻布古川町。左手には港区立東町小学校がある。
写真左下:平成27年(2015年):道路右側手前が麻布古川町と考えられるエリア。
「小言幸兵衛」の舞台となった麻布古川町は、現在の南麻布一丁目のごく小さな地帯、現在の象印マホービン東京ビルのある裏通り側の一角である。表通りの交通量は多いが、一旦小道に入れば静かな町並みである。
写真左中:平成27年(2015年):麻布古川町沿いの道路反対側、山内遠江守屋敷跡。現在は港区立東町小学校となっている。
写真右中:平成27年(2015年):現在南麻布一丁目にて営業している温泉銭湯「竹の湯」。幸兵衛さんの時代には、武士の小さな家々が建っていた一角であったと考えられる。
写真左下:平成27年(2015年):ゆうあい南麻布
参考資料:『古典落語』(興津要編・講談社2002年)、『志ん朝の落語4粗忽奇天烈』(古今亭志ん朝著・筑摩書房2003年)古地図資料:『増補港区近代沿革図集(麻布・六本木)』(港区立港郷土資料館)
<あらすじ>
人間、癖の無い者はおらず、なくて七癖、あって四十八癖と言います。
麻布の古川に家主をしている幸兵衛さんという方がいましたが、この人は朝起きてから長屋を一回りして小言を言わないと飯がまずいという程小言を言うのが癖なので、小言幸兵衛と呼ばれるくらい。
ある日、家を借りたいと店賃を聞く人が幸兵衛さんの家にやってきた。幸兵衛さんに店賃を聞くも、口の利き方を知らないと逆に小言を言われる。幸兵衛さんは次いで商売を聞くと、豆腐屋。近所に豆腐屋が無いので一旦気乗りするものの、家族構成を聞いて豆腐屋が「かかあがひとり」と言えば、「これまでに三人も四人もいるのか。でなければ、ことさらひとりとことわる必要は無い。無駄口をきくやつに利口なやつはいない。」とまた小言。さらに一緒になって8年になって子供が居ないとなると、「離縁して独り身で来い。子のできるかみさんを世話するから。」と幸兵衛さん。
これには、豆腐屋はいかにかみさんと「好いて好かれて、好かれて好いて」の仲かを力説して出て行ってしまう。
次いで現れた客人。豆腐屋と打って変わって丁寧な口の利き方で、家を借りられるかどうか幸兵衛さんに尋ねる。
幸兵衛さんは客人の物の問い方や返事の仕方の無駄の無さから、学のありそうな様子に感心し、座布団やお茶、羊羹などを出すように婆さまに言う。幸兵衛さんは再び訪問者に商売を尋ねると「仕立て職を営んでおります。」との返答。「仕立屋さんだからいとなむ、ときたな」と、シャレを効かせてうまいと絶賛する幸兵衛さん。次いで、徐々に家族構成など尋ねる幸兵衛さんだが、仕立屋に20歳の跡継ぎ息子が独り身で居るとわかると「この長屋に心中が起こるから貸すわけにはいかない。どんな遺恨があって、この長屋へこんな騒動を持ち込むのか。」と言い始める。
理由のわからない仕立屋に幸兵衛さんは続ける。「このすじむかいに古着屋のお花という19の娘がいる。始めのうちは遠慮があるが、毎日顔を合わせている間に心の中で思い思われる仲になってくるだろう。そのうちにお花のお腹がポンポコランとせり出してくる。おまえさんの倅の胤を宿したんだ。そして、とうとう両親に知れてしまう。ところが、両親は怒らない。『仕立屋の息子なら申し分無い』ということだ。お前さんも思い切って倅をやるんだな。」「いえ、まだ引っ越しておりませんので。」「人の娘をきずものにしてどうするんだい?婿にやれ、すぐに。」「それは困ります。一人息子でございますから。」「向こうだって一人娘だよ。あぁ、双方の親が強情を張ってたんじゃ、この世じゃ添えないから、ここで心中にならあ。心中となれば、幕が開く。」
と、幸兵衛さんの話の中では、幕が開き、芝居が始まる。そこで、仕立屋の倅の名を尋ねるが名前が間抜けだと小言を言い、宗旨が法華とわかれば心中するには陽気だと小言を言い、お花の家の宗旨が真言だとわかれば心中の雰囲気をぶち壊しだと小言を言い、最後には「貸すわけにはいかねえから帰ってくれ!」と幸兵衛さん。仕立屋は驚いて出て行ってしまった。
詳細は作成したパネルのPDFをご確認ください。
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