ここから本文です。
都内の小児科定点からの第50週(12月11日から12月17日まで)における患者報告で、警報レベルにある保健所の管内人口の合計が都全体の人口の30%超となり、都全体としての警報基準に達しました。今後、さらに流行が拡大する可能性もあるため、十分な注意が必要です。なお、都内のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の患者報告が都全体としての警報基準に達するのは、感染症法が施行された1999年以来初めてのことです。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは、A群溶血性レンサ球菌を原因とする上気道の感染症で、概ね2~5日の潜伏期間の後に症状が出現します。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、例年「春から初夏」にかけてと「冬」に学童期の小児に流行します。
突然 38℃以上の発熱、咽頭発赤、苺状の舌等の症状を呈し、しばしばおう吐やおう気を伴います。
3歳以下では、鼻炎症状や発熱、不機嫌、食欲不振等の症状を呈します。多くの場合、熱は3~5日以内に下がり、1週間以内に症状は改善します。
まれに重症化し、喉や舌、全身に発赤が拡がる「猩紅熱(しょうこうねつ)」に移行することがあります。
合併症には肺炎、髄膜炎、敗血症、リウマチ熱、急性糸球体腎炎などがあります。
患者の咳(せき)やくしゃみに含まれる細菌を吸い込むことによる「飛沫感染」 と、細菌が付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」により感染します。
抗菌剤による治療を行います。
腎炎などの合併症を防ぐため、症状が改善しても、主治医に指示された期間、薬を飲むことが大切です。
喉の痛みがひどい場合は、柔らかく薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけましょう。