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本日(令和5年3月9日)朝8時30分頃、引取り先である京都花園教会水族館への搬出作業を始めようとナマズが入っているプールを見たところ、仰向けの状態で浮かんでおり、専門家によりその場で死亡が確認されました。
亡骸は今後、研究機関に引き取っていただき、 研究に役立てていただくことになりました。
死因の可能性としては、水槽内で暴れたと思われる傷が確認されておりそれが原因になったか、水温の上昇等が考えられるとのことですが、明確なことは分かりませんでした。
残念な結果になってしまいましたが、京都から何度も足を運んでくださった京都花園教会水族館様、保護プールの設置や移動にご協力いただいたボランティアの皆様、点検にご協力いただいた関係者の皆様、応援のお声をくださった皆様、本当にありがとうございました。
元気だったころのナマズ、笑顔?が可愛かったです。
死亡後に正確な全長を計測したところ、144cmありました。
日々のお世話で情が沸いた担当者一同はショックを受けましたが、今回の調査では、このヨーロッパオオナマズだけではなく、ペットの遺棄と考えられる外来生物の個体が散見されました。その地域にもともといない外来生物の放流は、その個体にとってかわいそうなだけでなく、生態系を破壊する要因となります。ペットは、最後まで責任を持って飼育しましょう。
2月4日の有栖川記念公園での生物調査にて採取しましたヨーロッパオオナマズは、2月15日に保護用プールに移動したあと、元気な姿を見せてくれていました。
採取後の週明けに確認した際は、著しく衰弱しており、生存率はかなり低いとみられてましたが、プール移動後はしっかり泳ぐ姿が確認でき、奇跡的な回復がみられていました。経過を見守ってきた職員一同もほっとしていたのですが、残念な結果となってしまいました。
保護用プール設置状況(飛び出し防止のためシートで覆っていました)
水に水質安定剤添加と殺菌処理を行い、ろ過装置と酸素供給装置を稼働させ、1日1回の点検を行い、酸素供給装置の稼働確認、水漏れ点検、プール外へ飛び出ししていないかの確認を行っていました。
移動の状況やナマズの様子は、引き取り先の「花園教会水族館」様ツイッターにて動画が公開されています。
京都花園教会水族館Twitter
https://twitter.com/mokusokai/status/1625810033291452417
多くの専門家の方にご協力いただき、種類が特定できました。
・複数の動物学者により写真判定をして頂きました。
・滋賀県立琵琶湖博物館 学芸員 田畑諒一先生により、DNA鑑定をして頂きました。
その結果、「ヨーロッパオオナマズ」であることがわかりました。
DNA鑑定結果
ヨーロッパオオナマズは外来生物法に定められた「特定外来生物」です。
特定外来生物は飼養等(飼養・栽培・保管・運搬)をすることは原則として禁止されていますが、学術研究、展示、教育、生業の維持等の目的で行う場合については、主務大臣の許可を得ることで飼養等をすることが可能です。
区としては、生物多様性、環境を考えることを目的とした事業で発見されたため、展示・教育施設で飼育していただくのが良いのではないかと考え、引き取りをお申し出頂いた施設の中から、「花園教会水族館」様を選定させていただきました。
京都市にある花園教会水族館は、外来種問題啓発・教育展示する淡水専門水族館です。展示しているうち6割の生きものが、引き取り・遺棄されたもので、「なぜ遺棄されたか?」「なぜ侵略的外来種として指定されたか?」という歴史等を紐解き説明・理解を深めてもらう施設となっています。その活動が認められ、「国連生物多様性アクション大賞」に2回の入賞実績があります。
入場は無料で、運営資金はすべて寄付で成り立っており、訪れた人が楽しく笑顔で学べる取組をされているとのことです。
飼育されているナイルモニター(鴨川で保護された個体)
引き取り先の花園教会水族館様より2メートル以上のプール、大型ろ過装置、酸素供給装置を送っていただき、現地に仮設プールを設置して水質調整を行い、ナマズを移動しました。
2月15日の保護用プールへの移動時には元気に泳ぐ姿が確認できました。
移動に耐えられる程度の回復を待って、また特定外来生物の運搬と飼育について環境省との調整が済み次第、京都市の花園教会水族館様へ引っ越し、個体の状況を確認後、教育展示する予定で水槽の準備もしていただいていました。花園教会水族館様、本当にありがとうございました。
令和5年度に実施した有栖川記念公園池の生物調査について、下記PDFのとおり結果をとりまとめました。公園内のチラシボックスでも配布をしていますので、どうぞお手にとってご覧ください。
最もたくさん採取されたのは、外来種であるブルーギルでした。平成20年度の「港区生物現況調査」では発見されなかったブルーギルが、本調査では2608個体採取されました。
しかし、在来種のモツゴやクロダハゼも多く確認でき、さらに、これまで確認されていなかった、ウグイ、ウナギ、テナガエビが生息していることが分かりました。また、スッポンとオオヤマトンボの繁殖を予見させる幼体の確認ができたことは、大きな成果です。
残念ながら、ペットの遺棄と考えられる個体も散見されました。その地域にもともといない外来生物の放流は、その個体にとってかわいそうなだけでなく、生態系を破壊する要因となります。ペットは、最後まで責任を持って飼育しましょう。
ブルーギル/北アメリカ原産。1回に2~3万粒の卵を産みます。1960年代に日本に持ち込まれました。様々な水生生物を捕食するため、河川や湖沼の生態系に大きな影響を及ぼしています。(「身近にいる外来種」港区平成29年3月発行より)
モツゴ/関東地方ではクチボソとも呼ばれています。春から夏に石や木片等に産卵します。(「港区みどりと生きもの2010」港区平成22年3月発行より)
※写真は今回調査で撮影したものです
令和5年2月4日(土曜日)、多くのボランティアの方と一緒に、しゅんせつのために水を抜いた有栖川宮記念公園の池に入り、生きものの調査を行いました。
採取作業風景
当日は小学生とその保護者を対象に見学会も同時に実施しました。参加した皆さんは、作業を見学したり、生きものや生物多様性について学び、採取された在来種のモツゴやスジエビを放流する作業をお手伝いしてくれました。
見学会での放流の様子
また、園内に「ミニ水族館」を設置し採取された生きものを展示しました。当日採取された大きなナマズを見た来園者からは、驚きの声が上がっていました。
ミニ水族館のブルーギルを観察する武井区長
採取成果については、只今作成中です。
当日は、たくさんの方に参加いただきありがとうございました。この機会に、外来生物の影響を知っていただき、身の回りの環境を大切にすることに意識を向けていただければ非常に嬉しいです。
採取された大きなナマズについてニュースになるなど、皆様から関心を寄せていただきありがとうございます。
引き取りについての受付は終了しました。たくさんのお問い合わせを頂き、ありがとうございました。
環境課では、有栖川宮記念公園の池の自然生態系の回復を目指し、池のしゅんせつの機会に合わせて生きものの調査を行っています。しゅんせつとは、池の底にたまった泥をくみ上げて、水深の確保や環境改善を行うことで、有栖川宮記念公園の池ではおおむね10年に1回実施しています。
しゅんせつ工事前に、池にいる生きものを採取・保護する際、種類や数を記録します。それにより、現状の池の生物の実態を調査・把握し、基礎データとして取りまとめます。また、特定外来生物を含めた池の生態系に悪影響を及ぼしている外来種を防除し、在来種の保全を図ります。
採取された生きものを身近に感じていただくため、「ミニ水族館」として展示します。一般来園者も見学できますので、お気軽にお立ち寄りください。
日時:2月4日(土曜日)午前10時から午後3時
場所:有栖川宮記念公園広尾口トイレ横
対象:どなたでも
モツゴ、クロダハゼ、スジエビ、テナガエビ、ヌマエビ、スッポン、シオカラトンボ、カワニナ等
ブルーギル、カダヤシ、ウシガエル、ミシシッピアカミミガメ、アメリカザリガニ、タイワンシジミ等
(特定外来生物及び我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種として、環境省・農林水産省が指定しているもの)
外来種の中には、在来種の生息場所や餌を奪ったり、在来種を食べてしまうものや、在来種と交雑し遺伝子のかく乱につながる等、在来種の生息や存在を脅かす外来種がいます。人間によって他の地域から連れてこられた生きものたちに罪はありません。しかし、生態系に与える影響が大きすぎるものについては、対策をとっていくこともまた、私たちの責任です。
在来種の保護により、池の自然生態系の復元が期待できます。多様な生物が活動をすることに繋がり、都心でも身近に自然を感じる恩恵を受けることができます。
区立有栖川宮記念公園の池のしゅんせつに合わせて生きものの調査を行います。
生態系や外来生物について理解を深めてみませんか。
※しゅんせつとは、池の底にたまった泥をくみ上げて、水深の確保や環境改善を行うことです。
池に住む生きものを見て、触って、学ぼう。
対象:区内在住の小学生とその保護者
日時:令和5年2月4日(土曜日)1.午前10時から11時 2.午後1時から2時
募集人数:1.2.の各回10組(保護者1人につき小学生二人まで)抽選。抽選結果は郵送します。
池の生きものを採取し、分類して数を記録する作業をしていただきます。専門家の指導の下、経験のあるスタッフとのグループ作業です。
対象:区内・在住・在勤の中学生以上どなたでも
日時:令和5年2月4日(土曜日)午前9時から午後3時
募集人数:20人(抽選)
報酬:無償
持ち物:汚れても良い服装・長靴・レインコート。胴長をお持ちの方歓迎
注意:採取した生きものは、持ち帰れません。しゅんせつ後、池に戻します。
特定外来生物や我が国の生態系に被害を及ぼすおそれのある外来種は、環境省及び農林水産省の定めに従い対処します。
港区は、生きものと共存できるまちづくりに向けて、区立有栖川宮記念公園内の池において、本来の自然生態系の回復を図ることを目指し、池の整備・管理、および池に生息する在来種の保全のための生物調査を9月13,14日に実施しました。
カゴ罠、タモ網で、メダカやクロダハゼなどの小型の魚や、池の底にすむトンボのヤゴ、ザリガニなどの生物を採取して調べました。また、コイやカメ類は直接目で見て確認しました。よく泳ぎまわるゲンゴロウブナ、タナゴ類などの魚は、今回の調査では、採取することはできませんでしたが、釣り人などからの話では生息しているということでした。
たも網による採取状況
カゴ罠による採取状況
日本にもともといた在来種であるモツゴ、クロダハゼ、メダカをはじめ、スッポンの稚ガメなどが採取されました。また特定外来生物であるブルーギル、カダヤシ、ウシガエルをはじめとして、外来生物も数多く採取されました。
調査により採取した生きものは、基本的にもとの場所へ放流しました。外来生物法で移動、飼育などが禁じられている特定外来生物や生態系への影響が大きいアメリカザリガニなどの「生態系被害防止外来種リスト」(環境省)掲載種に関しては、池に戻さず処分しました。
確認された生きもののリストなど、詳しい情報は下記のPDFをご覧ください
採取されたブルーギル
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所属課室:環境リサイクル支援部環境課緑化推進担当
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