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厳しい残暑の日差しが和らぎ、秋の気配も次第に深まってきました。今回のみなとく散歩は、自転車シェアリングを利用して六本木1丁目から4丁目周辺を散策します。
アークヒルズサウスタワーのサイクルポートで自転車を借りて、六本木通りからスペイン大使館へと続く、緩やかな「スペイン坂」を上ります。電動アシスト付きの自転車は、坂道もそれほど力を使わずに上ることができます。春に150本のソメイヨシノの並木が色づく桜の名所は、夏から秋にかけては樹葉のトンネルになります。吹き抜ける涼しい風が心地よく背中を押してくれます。
坂を上りきった辺りに、斜面を利用して整備された六本木坂上児童遊園があります。木製の遊具やベンチが緑の景観に溶け込み、木陰でゆっくりとランチや読書を楽しむことができます。泉通りを南へ走ると、「偏奇館跡」があります。こちらは、小説家の永井荷風が大正9年に新築した“ペンキ塗り”の木造2階建て洋館跡地で、荷風は25年ほど過ごし、ここから数々の作品が生まれました。
サウジアラビア大使館前のT字路交差点付近は、昭和21年2月に行われた「日本国憲法草案審議」の地。なだれ坂を下って六本木2丁目へ向かうと、閑静な住宅街の一角に小説家・志賀直哉が青春時代を過ごした居住跡があります。処女作「或る朝」や「網走まで」等、初期の名作が生み出された場所です。街並みはすっかり変わり、いずれも記念碑を残すのみとなりましたが、明治から大正、昭和、そして現在に続く時代の流れを感じさせられます。
首都高速の高架下まで戻る道すがら、三河台公園にやってきました。大通りから1本入ったこの公園は意外に静かで、夕方になると学校から帰った小学生が集まります。
爽やかな都心の風を浴びながら、四季の移ろいを感じに自転車に乗って出掛けませんか。
アークヒルズサウスタワーのサイクルポート
偏奇館跡
三河台公園
次回は、お台場レインボーバスに乗って、台場へ出掛けます。
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