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更新日:2022年3月18日

~港区にも子ども食堂子どもの笑顔を守る~みんな食堂に取材をしました

取材日

2021年9月25日(土曜)

取材メンバー

杉浦沙妃、和田沙来、尾関空翔(東京工業大学附属科学技術高等学校)

該当するSDGsゴール

 

SDGs1SDGs2SDGs3

 

心と体を満腹にし、子どもたちをケア

港区に子ども食堂がある理由

厚生労働省が2019年に発表した国民生活基礎調査で、日本では相対的貧困率(※)が15.4%、子どもの貧困率が13.5%であるとされています。つまり、1日3食を満足に食べられない子どもが多く存在しているのです。

そこで注目されているのが、子どもがひとりでも利用でき、無料または低価格で食事を食べられる「子ども食堂」です。

港区でも「みんな食堂」という子ども食堂が、子どもたちの健康と笑顔を守るために開かれています。

この食堂は一般社団法人ハートリボン協会が主催し、港区、飲食店、その他協賛企業の協力によって成り立っています。複数の企業・団体の協力によって継続できる仕組みがつくられ、毎週土曜日に開催することで、子育て家庭への支援を続けているのです。

食事を提供している場所は港区内3ヶ所の飲食店ですが、取材時は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、店内での食事の提供が難しい状況でした。そのため、食事をお弁当に切り替え、子育て家庭の困窮世帯に配布していました。

食事(お弁当)は、プロの料理人が調理し、味も見た目にもおいしいできあがりです。

みんな食堂1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お弁当を店頭に受け取りに来た親子

(※)相対的貧困とは、特定の国や地域社会の平均的な生活水準と比較したときに、所得が特に低い状態であること。

明るい店舗でおいしい料理を

みんな食堂を利用することで貧困家庭であるとみなされるのではといった懸念から、少し隠れた場所に開かれる子ども食堂も多いようです。

ところが、みんな食堂は明るく開けています。こうしているのは、店へ入ることへの抵抗をなくすため。

取材に伺った飲食店も大通りに面しており、明るく、入りやすい雰囲気でした。

お弁当を申し込んだ方は、店舗で2種類のお弁当をひとつずつと、その日によって変わる協賛品を受け取ります。

配布は、提携店舗のスタッフとボランティアの人たちが行います。取材時には、栄養豊富な手作り弁当とその日の協賛品であるパンの詰め合わせ、お粥の缶詰、お菓子をまとめた袋が店頭のテーブルを埋め尽くしていました。

みんな食堂2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

申込者に配られたお弁当で青い方は魚、赤い方は肉のお弁当になっています

子どもたちの貧困に届くための活動

港区は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大で生活に著しく大きな影響を受けているひとり親世帯を支援するために、2020年7月に「エンジョイ・ディナー事業」を立ち上げ、平日の夕食にお弁当を配布していました。

この事業は2021年3月末に終了し、現在は低所得の子育て世帯を対象とした「エンジョイ・セレクト事業」を実施しています。

エンジョイ・セレクト事業では、食料品や日用品などを掲載したカタログを、冊子またはオンラインカタログの形で月に一回提示し、対象者が選択・発注したものを自宅に配送しています。

この事業と並行して食事を支援する必要を切に感じたハートリボン協会が、みんな食堂を始めました。

子育て家庭の状況を把握している港区から、みんな食堂の開催を対象者に告知してもらうことで、支援の必要な家庭に必要な情報を確実に伝えることができます。希望者には協会のWEBシステムから申し込んでもらい、お弁当を配布する仕組みです。

利用者のなかには手紙を届けてくれる人もいるそうです。子どもたちの笑顔や手紙は、支援スタッフのやりがいのひとつとなっています。

みんな食堂3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子どもから食堂に届いた感謝の手紙

これからも子どもたちに寄り添う

ハートリボン協会では、いじめをなくし、子どもたちの笑顔を守る「ハートリボン運動」の推進を行っており、みんな食堂の活動には、子どもたちの心をケアするという意味もあります。

また、子どもたちの栄養を補い、家庭内外での明るいコミュニティをつくるといった役割も担っています。食事を提供することで、家庭では調理に使う時間を親子のコミュニケーションの時間に充てることができ、利用者が食堂に集まって食事できるようになれば、孤食を防ぐこともできます。

さらにこうした活動は、いじめ防止の啓発にもつながっています。学校でのいじめや子どもの自殺、虐待は減るどころか年々増えています。こうした危険にさらされている子どもを救うためにも、子どもとのコミュニケーションを増やしているのです。

「開催回数が減ってしまったり途中でやめたりしてしまうと、子どもたちはとてもがっかりします。ボランティアでも継続しなくてはならないんです。スタートダッシュだけドーン!とやって、尻切れになってしまわないようにしっかりと活動したいと思っています」

ハートリボン協会副理事長の平野準さんは、このようにお話しくださいました。どのような支援事業であっても、短期間の支援だけでは貧困家庭はその後も苦しみ続けてしまいます。支援の規模を調整し、長期的かつ永続的に行うことが大切です。

協賛者や活動に関わる飲食店がもっと増えれば、子ども食堂をより身近で安定した活動とすることができるでしょう。

こうした少しずつの仕組みの変化が、子どもたちを救うことにつながるのです。子どもたちの心と体のケアをしっかりと行える環境を広げるため、みんな食堂はこれからも活動を続けていきます。

みんな食堂4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハートリボン運動のイラスト

編集後記

みんな食堂5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杉浦沙妃(左から2番目)

代表の方々がお話ししていた、自分たちができることで人々を助けることができるなら助けたい、という想いに感動しました。そして永続的に支援を行うことの大変さとその重要性に気付かされました。より多くの人々が協力し、食材や場所を提供できれば、子どもたちをさらに助けることができるのではないかと考えました。

和田沙来(写真中央)

子ども食堂の取材を通して、食事を支援することの大切さやコミュニティのなかで食事をすることの大切さに気づきました。また、話を聞くなかでその事業をなるべく続けることや会社同士が連携することの大変さを感じました。取材で学んだことや“こうだったらいいのに”ということを将来につなげたいと思います。

尾関空翔(右から2番目)

子ども食堂について、私は名前を知っていて興味を持っていましたが、これまで実際に活動を目にしたことはありませんでした。今回アクションブックを作るということで取材させていただくことができ、とても嬉しかったです。取材を通して自分も何かできることがあるのではないかと考えさせられました。

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