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更新日:2024年2月1日

~IT業界で女性が輝く未来のために~特定非営利活動法人Waffle(ワッフル)に取材をしました

取材日

2023年8月21日(月曜)

取材メンバー

久慈琴葉、須永凪、藤野陽南子、有馬健太、中西華菜、岡村稚桃(東京工業大学附属科学技術高等学校)

該当するSDGsゴール

SDGs4SDGs5SDGs8SDGs9

 

可能性を信じて

理系への女性の関心

IT化が進みテクノロジーの分野が急成長している昨今、理工系人材の重要度がこれまで以上に増しています。しかし日本は国際的に見て、理工系学生が少なく、同分野における女性の割合は著しく低水準です。それはなぜなのか気になり、私たちは特定非営利活動法人Waffleを訪問しました。

世間では、「男の子の方が数学や理科などの理系分野が得意」という話が根付いています。それとともに「女の子に理系分野はできない」と決めつける人もいます。このような話は何を根拠に伝えられているのでしょう。

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出典: [PISA 2018 Education GPS Japan](https://gpseducation.oecd.org/CountryProfile?primaryCountry=JPN&treshold=10&topic=PI) および [TIMSS 2019](https://timss2019.org/reports/achievement/)

上のグラフは、今回の取材の際にWaffle が紹介してくれた、国際的な学力調査の結果です。グラフから分かる通り「男の子の方が数学などの理系分野が得意」とは言い切れません。一般的に想像されるほど、男女差はないと思います。

私自身、このグラフを見たときは目から鱗が落ちました。根拠もなしに「男の子の方が、理系分野が得意」という人は、グラフが提示する事実を知らないからだと私は考えます。Waffleのようにこの根拠を世の中に広めていく行動は理系女子を増やすために必要不可欠だと感じました。

Waffleの理事長である田中沙弥果(たなか・さやか)さんは、前職のNPO団体で、小学生にプログラミング教育を普及する活動を行っていました。ある小学校のプログラミングの授業では男女ともに楽しむ様子が見られましたが、中高生向けのプログラミングコンテストを見てみると参加者の男子と女子が20:1の比率でとても衝撃を受けたそうです。そこで理系分野での女子の割合について調べてみたところ、理系を選択している女子高校生は全体の約33割、大学理学部の女子比率は27.8%、工学部は15.7%でOECD加盟国最低の水準、女子学生のICTに関わる職業への関心度は3.4%だったそうです。

このように理系に関心のある女性が少ない要因のひとつは多くの女性が応援されにくい環境にいるからです。日本にはびこる「理系=男性」という固定概念が多くの人を縛り、先生や保護者が理系へ進む道を応援してくれない家庭も多くあるそうです。

技術に触れる機会を

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取材当日お話いただいた、Waffleの毎床愛美さん

まず女性が理系分野に関心を持ちやすくするために、Waffleは「Waffle Camp」「Technovation Girls」「Waffle College」などといったプログラムを通して、ITに興味を持つきっかけとなるような機会を中高生や大学生・大学院生に提供しています。また、先生や保護者を対象とした講演会などを開き、ステレオタイプ(固定概念)を払拭し、全ての人がやりたいことを実現できるように、背中を押す活動を行っています。他にも様々なイベントや講演会も開催しています。

Waffle Campで約360人にWebサイト制作とキャリアトークの機会を提供したところ、参加後ITに携わることを希望する女子学生が74%増加し、進路未定の人は48%減少しました。Technovation Girlsでは約440人にアントレBCアプリ開発の機会と事業計画を作る機会を提供し、55%のプログラミングの自信向上、71%のビジネスを生み出し経営することに対する自信向上に成功しました。このように、Waffleは多くの成果を出しています。

私たちにできること

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このような問題と向き合うために私たちにできることは何があるでしょうか。Waffleの担当者の方に聞いてみました。

「まずはこういう背景があるということを、多くの人に知ってもらわなければなりません。そのために、SNSやメディア取材、講演などを通じて積極的に広めることが、解決への第一歩だと思います。ただ、『女子だけ有利になるのは間違っている』『男女分けることはよくない』と批判してくる人も珍しくはありません。こう批判する人は今問題になっている背景についてよくわかっていない人がほとんどであるため、具体的な数字や根拠を示して詳しく説明する必要があります」

Waffleが気をつけているのは、正しく情報を扱い提供すること、またその情報がエンパワーメントにつながるかどうかを考えることだそうです。

編集後記

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取材させていただいた特定非営利活動法人Waffleの方(後列の左端、前列の左端、後列の右端)と

岡村稚桃(前列・左から2番目)

私は、必要だとは分かっていても、女性のポジティブアクションにはあまり前向きではなかったのですが、今回の取材で、私がどう扱われるかは私が決められる、とWaffleさんのマネージャーである毎床さんに助言していただいたことで女性のための活動を受け入れることができ、とても良い経験になりました。機会があればWaffleさんのプロジェクトに参加してみたいなと思いました。

中西華菜(前列・右から2番目)

Waffleさんはこれから社会を担う生徒や学生のみならず、その保護者にも今回私たちに話してくださったようなことを話されていると聞き、Waffleさんによって、日本の理系社会は変わっていくのだろうなと思いました。私はこれから理系に進みたいと思っており、理系社会についてはある程度知っているつもりでしたが、今回の取材で何度も「え、そうだったの?!」と思いました。私のような人はまだまだたくさんいると思います。そのような人をひとりでも減らすため、今回学んだことを伝えていきます。

須永凪(前列・右端)

今までの日本では女性は理系の仕事には就かないという偏見がありました。けれど、Waffleさんの取材を通してそういった偏見を自分たちが行動することによって覆すことができるのだと思いました。Waffleさんの取組には女性が理系に進みやすくするために行われていることがたくさんあったのでこれからの日本に必要なことだと思い、もっと推進していくべきだと思いました。

久慈琴葉(後列・左から2番目)

Waffleさんの取材を通して、「男性は理系、女性は文系」という日本にはびこる偏見が、女性が理系に進むことへの抵抗感につながっていることに気づくことができました。そんな中でWaffleさんは少しでも女性が理系に興味を持てるように、技術と触れあう機会を提供し性別に囚われず、能力で認められるような社会にしようとしていることもわかり、驚きました。

有馬健太(後列・中央)

今回のWaffleさんへの取材で、教育においての男女格差をあらためて知り、女性視点からはこのように見えているのかと気づき、取材に行ってから大学の女子枠導入などついてのニュースを見るときの視野が広がった。このような自分の知らなかった新たな分野への見聞を広める機会は非常に大事だと感じたので、教育においての男女格差は男女問わずいろいろな人に知ってもらいたい。

藤野陽南子(後列・右から2番目)

Waffleさんの取材を通して、現代の日本でも「現状を知らない」というのが大きな課題だというのが分かりました。今の日本がどのような立場にあってどのような状況なのかを伝えつつ、女性にITなどの職種に興味を持ってもらうための取組、IT関係に足を踏み入れやすくするための取組の工夫がとてもすごいなと思いました。

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