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更新日:2024年2月1日

~港区の障がい者を支援する取組~特定非営利活動法人みなと障がい者福祉事業団に取材をしました

取材日

2023年7月24日(月曜)

取材メンバー

岡村稚桃、春木美璃、内海舟水、髙橋治士(東京工業大学附属科学技術高等学校)

該当するSDGsゴール

SDGs8SDGs10SDGs16SDGs17

 

港区モデルとしての「超短時間雇用」

障害者雇用率制度

日本には、従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者の割合を法定雇用率以上にする義務「障害者雇用率制度」が設けられています。一定割合の障がい者の雇用を義務付けることで、一般の方と障がい者の雇用機会を均等にすることが雇用率制度の目的です。

民間企業の法定雇用率は2.3%、国や地方自治体は2.6%、都道府県等の教育委員会は2.5%です。障がい者雇用率は以下の式で表せます。なお、法定雇用率は2013年に2.0%、2018年4月に2.2%、2021年3月からは2.3%と引き上げられています。

障害者雇用率(%)=対象障害者である常用労働者の数+失業している対象障害者の数/常用労働者数+失業者数
出典:「障碍者雇用率制度について」(厚生労働省)

また、障がい者の就業が一般的に難しいと認められる業種については、除外率制度があります。雇用労働者数を計算する際に、除外率に相当する労働者は控除されます。除外率は廃止の方向で徐々に下げられています。

障がい者の実雇用率が法定雇用率に達していない、労働者が100名以上の民間企業には、納付金支払いの義務が生じます(1名あたり5万円/月)。

週所定労働時間 30時間以上 20時間以上30時間未満
身体障害者 1 0.5
   重度 2 1
知的障害者 1 0.5
   重度 2 1
精神障害者 1 1(特例)

障害者雇用率制度における障害者の算定方法 出典:「障害者雇用率制度について」(厚生労働省)
 

障がい者のメリット 企業のメリット
障がい特性に応じた柔軟な働き方が可能。
障がい者の就労機会が拡大。
区と関係団体のフォローを受けながら企業の業務に適した人材を採用できる。
社内での障がい者雇用への理解促進。

障がい者・企業それぞれのメリット
 

現状では、厚生労働省によると、2022年の民間企業に雇用されている障がい者の数は61万3,958人で前年より2.7%増加しており、過去最高です。障がい者の実雇用率は2.25%、法定雇用達成企業の割合は48.3%となっています。また、障がい者をひとりも雇用していない企業は3万2,342社であり、未達成企業の58.1%です。

超短時間雇用

「超短時間雇用」とは、東京大学先端科学技術研究センター社会包摂システム分野が提唱するインクルーシブな働き方です。週1時間からでも一般企業や施設などで役割を持って働けること、そうした働き方を実現する地域社会の支援システム、そして、超短時間での業務・雇用環境を職場内に作るための技術等を総称して、「超短時間雇用モデル」と呼ばれています。

超短時間雇用の採用は、一般的な企業とは異なる流れで行われます。まず業務の内容や必要な労働時間を決め、次にその業務を行うために必要なスキルを具体的に定義します。最後にその業務内容と労働時間で働ける人をマッチングします。この時に決めた以外のスキルや労働時間は求めません。自治体の支援機関や地域の人々と連携してマッチングすることで、働く意欲・能力があるにもかかわらず障がいや病気、生活困窮、ひきこもりなどといった個々の状況から長時間の就労が難しく、通常の雇用から排除されやすい方を就労機会の拡大と社会参加につなげているのです。
 

先端研

港区での超短時間雇用の実例

港区_超短時間雇用

港区では、みなと障がい者福祉事業団と港区が、長時間の就労が難しい方と障がい者雇用を進めたい企業とのマッチングを実施しています。

現在、港区では10人がマッチングしており、精神障がいのある方で長時間勤務することが難しい方が最も多くなっています。また、マッチングした企業で実習をしてから採用しているため、入社後にギャップを感じたり、苦労したりすることは無いそうです。企業からは、採用やその後の対応に関する質問が多く寄せられています。

今の私たちにできること

上記の通り、障がいのある方の採用は企業に義務付けられています。そのため、私たちも障がい者の方と関わる機会があります。でも、関わり方がよくわからないという人もいるでしょう。

しかし、いつも障がい者の方と関わっている職員のみなさんは、基本的にほかの人と同じように接してほしいと話します。障がいの状況は人それぞれなので、それぞれの障がいを理解したうえで付き合っていくことが理想的だそうです。

また、みなと障がい者福祉事業団では超短時間雇用だけでなく、ほかにも色々な支援活動をしています。コロナ禍も落ち着いた今、カフェでの協働などボランティアも随時募集しているそうです。

編集後記

集合写真

取材させていただいた特定非営利活動法人みなと障がい者福祉事業団のみなさん(後列)と

春木美璃(前列・左)

超短時間雇用について知ることができて良かったです。障がいのある方々への様々な支援の形を見ることができ、とても有意義な時間を過ごせました。私自身、将来起業したいと考えているため、このような制度を認識し、考えながら起業についてより深く考えてみたいとも思いました。今後の更なる超短時間雇用の発展、広まりを期待しております!

髙橋治士(前列・中央左)

今回、インタビューさせていただいて一番感じたのは、障がい者の方を第一に考えていらっしゃることです。また様々なことに配慮しながらマッチングを進めるみなと障がい者福祉事業団さんと港区の方々がすごいと思いました。

内海舟水(前列・中央右)

障がい者の方々の雇用を手助けしている団体について詳細はあまり詳しく知らなかったが、今回、みなと障がい者福祉事業団さんの取材を行って、障がい者の方々だけでなく、企業に対する働きかけなど、幅広く活動を行っていることに気付かされました。

岡村稚桃(前列・右)

私は将来、こういった誰かを支援する活動に関わりたいと思っているので、今回実際に携わっている方々からお話を聞くことができてとてもよかったです。大変よい経験になりました。今回、みなと障がい者福祉事業団さんからお話を伺い、活動に興味を持ったので、機会があればボランティア活動に参加してみたいと思いました。

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