ベーシックインカムと資産運用で貧困は予防できるか

7月9日（土曜）4時限：金子充

本講義では、前回の講義を前提に、新しい海外の社会保障制度改革（イギリス、イタリア、フィンランド等）と新型コロナ対策として実施された給付金制度の動向を紹介した。またそれらの制度が「ベーシックインカム」もしくは「ベーシックアセット」と呼ばれる所得保障の構想と接続する可能性について理解を深め、さらにはそれらの具現化策であるとされる「給付付き税額控除」や「資産ベース福祉」と呼ばれる税制および資産運用制度（貯蓄・投資奨励策）の概要と課題を確認した。前回の講義では「ワークフェア」「アクティベーション」という新しい社会保障の考え方を考察したが、それを受けて、ベーシックインカムや資産運用のような新しい制度を具体的にどのように考えたらよいのか、論点を整理した。受講者からは質問もあり、ディスカッションをすることができた。