特別支援教育を巡る状況ー障害と特別な教育的支援ー

7月2日（土曜）3時限：高倉誠一

この講義では、1.特別支援教育の歴史を概観し、2.特に、戦後の知的障害教育の歩みを紹介し、3.「子ども主体」という本来あるべき視座から、今日的な課題を取りあげた。障害のある子どもの教育は、篤志家と呼ばれる人々による民間努力から始まったが、その一人としてヘボン博士のエピソードを紹介。知的障害教育は、あえて伝統的な教育から離脱して、子どもに合わせて教育を作る試行錯誤の経緯があった。その当時の知的障害特別支援学級の実験校が、目黒にある自然教育園の敷地内にあったことなどにも触れつつ、障害児教育の歴史と関わる人々に思いを馳せる機会とした。最後に、発達障害を含めると障害のある子どもは10%以上に及ぶことを紹介、特別支援教育の今日的な課題について述べた。